アムステルダム,ブリュッセル,そしてパリへ.あこがれのヨーロッパ大陸へ旅立った.自由な気風の漂うオランダのアムステルダム,EU本部のあるヨーロッパの首都として新しい風の吹くベルギーのブリュッセル,そして超特急タリスに乗って,世界各国から観光客が訪れる花の都フランス・パリ.それぞれの地でヨーロッパの感性を受けてきた.そんな旅の世界へ,皆さまをご案内いたします.
(旅行年月2006年6月)
飛行機の機内食
アムステルダムの前に,ちょっと機内食.ちょうどワールドカップドイツ大会が開催されているときであり,サポーティングカンパニーとなっている日本航空では,成田空港の係員がブルーのシャツを着て応対し,ロビーや機内では日本の試合結果の放送が流され,カップにはサムライブルーの文字が刻み込まれていた.結果的に残念な結果であったが,ヨーロッパでもワールドカップは盛り上がっていた.
今回の旅行は,アムステルダムでゲートインし,鉄道を使ってパリに移動してシャルルドゴール空港からゲートアウトするオープンジョーの行程を組みたかったので,日本航空のJAL悟空(PEX運賃)を使った.多少は値段が高いが,往復とも直行便が使えるし,時間が有効になって現地の滞在時間も増やせるし,日本の航空会社の安心感もあるしで,PEX運賃でもメリットがあった.
カメラがとらえた画像
エコノミークラスでも前シートの背もたれに各個人ごとに液晶モニターがついていて,外のカメラ映像を見ることができた.これはちょうどシベリア上空の北極圏を航行しているときの真下の映像で,白い模様が面白いので撮ってみた.山の谷(渓谷)の部分に残っている雪のようで,このような幾何学的な模様となって見えているのであった.上の方の白い雲みたいな部分は,水が凍っている映像らしい.
スキポール空港
12時間のフライトで到着したスキポール空港.日本航空のヨーロッパ直行便は,イギリス・ロンドン,フランス・パリ,ドイツ・フランクフルト,そしてオランダ・アムステルダムの4路線が設定されている.スキポール空港は近代的で大きな空港で,ここからヨーロッパ各地へのトランジットとしても利用される.
入国審査は驚くほど簡単で,パスポートをちょっと見ただけで終わり.帰りの航空券の提示も求められず,スタンプさえも押してくれなかったので,なんだか物足りない感じである.多くの移民を受け入れてきたオランダの気風を感じる.
アムステルダム中央駅
アムステルダム中央駅.ホテルが駅前にあったので,さっそく中央駅に行ってみた.東京駅丸ノ内口赤煉瓦駅舎のモデルとなったと言われ,1889年に完成している.ヨーロッパの駅には改札口はなく,切符の検札は車内で行うことになっているため,ホームまで自由に入っていくことが出来る.線路を大きなアーチで覆うホームを見ると,ヨーロッパに来たなと思わせる光景である.このときの時刻は夜の8時であるが,日本の感覚ではまだ午後4時頃の明るさである.緯度が高く,サマータイムを実施しているアムステルダムでは,夜10時過ぎまで空が明るい.
「夜」のダムラック通り
中央駅からダム広場にかけて続く「ダムラック」と呼ばれる大通り.アムステルダムという名前は,アムステル川を堰き止めてダムを造って人々が住み始めたことから付けられた.ダムラックには商店や土産物店,ビールを飲む店などが建ち並び,最も賑わいのある通りのひとつであり,色々なところから集まってきた若者らによって賑わっている.夜8時過ぎでも,気温がまだ30度近くあり,アムステルダムの若者達は暑くなると,すぐ服を脱いで街を闊歩していく.僕も近くのオープンカフェに入って,オランダビール・ハイネケンを注文して夜を過ごした.
自転車王国
アムステルダムは運河が多く張り巡らされている街であり,坂がないこともあってか,非常に自転車を利用する人が多い.オランダの政策として,1990年に策定された交通総合計画により,車道内への自転車レーンの設置や,5km以内の移動は自転車の移動を推奨するようにしている.これは,この計画の中で2005年までに中心部の自動車交通を30%削減するように定めていたためで,国をあげてアムステルダム中心部の自動車削減と歩行者空間の創出を行っているのである.(参考文献:西村幸格・服部重敬著,「都市と路面公共交通」,学芸出版社,2000)
左の写真はダムラック通りの片側車道を潰して,歩道と自転車道を拡幅した区間である.このように自転車専用道を積極的に造っていき,歩道を整備していった結果,街中には人々が戻ってきて賑わいが蘇ってきたとのことである.
右の写真はマウンドアップ(段差をつけること)によって,車道と自転車道と歩道の3段の道路構成になっているもので,一番左に車が止まっているところが車道であり,1段の段差がついて自転車道となり,さらに1段の段差があって歩道となっている.
自転車道に立ち入って「ぼけっ」と歩いていると,容赦なく「チャリン・チャリン!」とベルを鳴らされて,にらみつけられるので注意が必要である.僕も慣れるまで2~3回ベルを鳴らされた.自転車道と歩道との区別がペンキなどで明確に記されているのではなく,段差やちょっとした色違いのブロックを使うことによって区分けされているので,なおさら観光客にとっては判りづらいのであるが,これは景観に配慮してのことであり,このように目立たなく区分けして,それに違和感なく自然に順応しているアムステルダムの人々を見て,逆に感動した.
ミュージアム広場のオープンスペース
ミュージアム広場では,子供達が芝生の上でサッカーをしている.背景に写っている建物は国立ミュージアムで,レンブラントの『夜警』やフェルメールの絵画などが展示してある.残念ながら,夜警は展示してなくて見ることが出来なかった.
アムステルダムでは,I amsterdamとのキャッチフレーズが観光パンフレットなどに書かれていた.私はアムステルダムです,という帰属意識向上なのか.