「メキシコ」タグアーカイブ

オラ!メキシコシティ!#1[トップ]

メキシコシティーは人口約2,000万人,標高2,240mの高地に広がる世界最大の都市(人口規模)と言われている.ラテンアメリカ最大の都市で,中南米の物・人が集まっており,大変賑やかな大都市である.メキシコシティーへの旅が実現した.そんな,旅の風景をお届けします.

(旅行年月 2003年2月)


私的コラム「とでも、とでも。」(当時)に掲載したメキシコシティー旅行に関するコラム

メキシコシティーへ   Date: 2003-02-08 (Sat)

いよいよ魅惑の中米・メキシコシティーへ行くことになりました.一昨年からの夢でありいつかいきたいと常々プランを練ってはいたのですが,仕事が忙しくなってしまいなかなか行くことが出来ませんでした.ついに決断していけることとなりました.最初は南米のアルゼンチンに行きたいと思ったのですが,予算的なことと日程的なことでちょっと近めのメキシコに決定!! いよいよ今夜のフライトで離陸します.

今回は,インターネットを本格的にやり始めてから初の海外旅行で,デジカメをもっていきます.現地のインターネットカフェなどで画像をアップロードし画像掲示板に動画を載せようと試みようと考えておりますので,ご期待ください.ただし,デジカメの画像をどのようにパソコンに取り込むかが課題で,USB接続のカードリーダーを持っていくのですが,それが認識してくれるかどうか・・不明です.(結局失敗しましたが)

メキシコでは,ピラミッドがあるテオティワカンの遺跡や闘牛・サッカー観戦などができればと思っています.ソカロ広場観光やメキシコ料理も欠かせません.航空券の予約がやっと1週間前に取ることができて,さらにホテルの予約はインターネットでダイレクトに予約し,一昨日にとることができました.海外のホテルもインターネットで予約をするとちょっとは安いらしく,旅行代理店のアップルワールドのホテルクーポンの料金よりもちょっと安くなっている感じです.

では,メキシコにいってまいります.帰国後には,もちろんHP制作をいたしますので,お楽しみに.タイトルは・・・・どうしよう・・ 未定です.旅行中に決めます.


時差ぼけとの戦い   Date: 2003-02-15 (Sat)

メキシコから帰ってきました.東回りの旅行では時差ぼけがつらいと聞いてはいましたが,まさにその通り,立ち直りに時間がかかっています.今まではヨーロッパ方面ばかりいっていたので,あまり時差ぼけは気になっていませんでした.西回り(ヨーロッパ方面)の旅の場合は1日の周期が長くなる方に時間を合わせればいいので,比較的時差に順応しやすいが,東回り(アメリカ方面)の場合,周期が短くなる方に時間を合わせるため,西回りに比べると時差に順応しづらく,時差ぼけがひどくなるという.

今回,初めてアメリカ方面の旅となったのですが,さすがに旅行中も疲労がたまりやすく,さらに頭痛が起こったりと今までの旅とはちょっと違った症状がでていました.ただ,メキシコシティーは標高が高い(2300m)ため,酸素の量が平地の2/3であることを考えると,高山病もあったのかもしれません.

日本に帰ってからは,午後になると頭がぼーっとしてきて,まぶたが重くなります.現在,日本時間で午後8時ですが,メキシコ時間では午前5時であり,体内時計ではまさに徹夜しているのと同じ状況なのです.さっきもちょっと寝てしまいました.実は,「眠くても寝てはいけない」,というのが時差ぼけを治す決まりなのですが,眠いものは眠い! 思わず寝てしまいました.気持ちいいんですね,これが.

というわけで,今も,まぶたを我慢してあけながら,この記事を書いているのでした.


【メキシコ顛末記・1】 テロの危険度がアップ! 厳しいボディーチェック   Date: 2003-03-03 (Mon)

メキシコへはダラスで乗換えるアメリカン航空で行った.イラク攻撃が囁かれる中,戦争が始まる前にメキシコに行っておこうと思ったのも,旅を2月に決行した理由の1つなのであるが,特にアメリカが標的となっているので,アメリカ系航空会社で旅行をするのは,正直ちょっと抵抗があった.

しかし,日本航空の直行便は週2便しか飛んでおらず,ロサンゼルスまで日航で,そこからメヒカーナ航空で行くという手もあるのだが,値段が高い.リーズナブルな旅行となると,アメリカ系の航空会社を使用するのが一番なのであった.

飛行機に乗って新聞を眺めていると,テロの危険度を1段階アップしたという記事が載っていた.「やれ,やれ」と思ったが,もう既に行きの飛行機の中で,太平洋の上! 今更どうしようもないと腹をくくり,12時間の空の旅を楽しんだ.これだけ,世界中が注目している中では,テロは行わないだろう.もし,ここでテロが起きれば,それこそ宣戦布告で有無を言わさずアメリカは攻撃を開始するに違いない.そう思っていた.

アメリカ系の航空会社は,9,11のNYテロ以来,業績不振にあえいでいる.ユナイテッド航空は既に破産してしまい,会社更生を図って営業を続けている.アメリカン航空もまもなく破産すると言われており,事実,アメリカに向かっているときに,そのような噂で株価が下落していたのであった.

機内におけるサービスも,徹底的に合理化が図られている.なんと,アルコールのドリンクについては,600円か5ドルの料金が取られるようになり,乗客はほとんどがジュースを飲んでいた.酔っぱらいがいなくなるのは大いに賛成だが,ちょっとアルコールを引っかけてぐっすり眠るのが楽しみだったのに,ついに国際線までジュースのみになってしまったのか,といった感じである.

ダラス空港におけるセキュリティーチェックも厳しかった.金属チェックの時には,上着を脱げ,靴を脱げ,ベルトを外せと言われ,金属探知機の中を裸足で通る.荷物も丹念に時間をかけてチェックし,中身をあけたときは次々と袋を開けろと言われて,なんと歯ブラシのケースの中までチェックさせられる始末.まぁ,ここまでチェックしてもらえると逆に安心するのであるが,他の外国人は靴下まで脱いでチェックさせられていた.

ここで荷物チェックが終わりかと思いきや,搭乗口の前でチケットをチェックするところで,机が置いてあって,またランダムに荷物をチェックさせられる.運良く,僕はチェックさせられずに済んだが2重3重のチェック体制である.

今日付のニュースで知ったのだが,アルカイダは航空機のテロによる真珠湾攻撃の計画を立てていたとか.真珠湾といえば太平洋のど真ん中であり,となると狙われる飛行機はアジアとアメリカを結ぶ太平洋路線となるわけで,そう考えると「ぞっと」するニュースであった.

都市の風景[オラ!メキシコシティ!#2]

ソカロ広場周辺

正式には憲法広場と呼ばれる大きなオープンスペースである.スペインの征服によってスペイン風の建物に建て替えられた.中央の大きな国旗は毎日軍隊によって掲揚が行われている.この周辺は,昔からの建物が密集し,歴史的建造物が多く建ち並ぶ観光名所としても価値のある地区である.

ソカロ広場周辺には屋台がたくさんでて,民芸品からスナックから雑貨から,いろいろなものが売られており,見ているだけでも楽しい.


メトロポリタン・カテドラル,つまり教会である.この教会はメキシコにある全教会を統括するもので,ラテンアメリカでは最大級である.日曜日の午後,教会内では厳かにミサが行われていた.パイプオルガンと共に皆で合唱する声を聞いていると,天井高い教会内に声が澄みわたり,体がぞくぞくと震えてくる.

ちなみに,最後の写真の奥に「足場」が写っているのがわかりますか? 実はメキシコシティーでは地盤沈下が激しく,ひどいところでは10m以上も沈下をしているという.その補強工事が行われている足場なのである.メキシコシティーはかつて湖だったところをスペイン人の征服によって埋め立ててできた街なので,地盤が非常に軟弱なのだという.

スペイン風の西欧の街並みが続く.メキシコではトロリーバスも走っている.

歴史的地区でも,平日になると屋台が建ち並び,賑やかになる.

ソナ・ロッサ周辺

独立記念塔.インディペンデンス・モニュメントである.1810年にスペインから独立して,その100周年を記念して造った物がこれである.高さは36m,ソカロ周辺とは違って,近代的なビルディングの建ち並ぶオフィス街のロータリーにそびえている.

ロータリーの中心には,このように噴水があったりする.近代的なビルがたつソナ・ロッサ地区であり,日本大使館や日本航空の事務所などもある.

交差点で車が信号待ちになると,中央分離帯や歩道で待機していた商売人が,短い時間の勝負として,ドライバーなどに売り込みを行う.写真は新聞であったが,他に,キャンディー,文房具,窓ふきなど,色々な商売があった.


路地裏のソナ・ロッサ地区は,バブや飲食店・ディスコ・民芸品店などが建ち並ぶ商業繁華街となっている.写真は午前中なので,まだ街中には賑わいが見られない.

ポランコ周辺

ポランコ周辺地区は,高級ホテルや高級住宅街・高級ブティックが建ち並ぶ地域である.道路にも緑が多く,ホコリっぽいメキシコシティーにしては良好な居住環境が形成されている.

国立人類学博物館の入口にある遺跡のモニュメント.広大なチャプルテペック公園内にある.

「国立人類学博物館」は大変興味深い博物館で,メキシコの遺跡はもちろん,人類の起源から文明を紹介し,わかりやすい模型と遺跡の再現によって,人類文明を体系的に展示している博物館である.考古学に興味のある人にはとてもよい.さらに,日曜日には入場無料となるところなど,良心的である.入場料N$35.月曜休館.
アステカ時代に行われていた生け贄儀式の再現模型や,埋め立てる前のかつては湖だったメキシコシティーの様子などの展示などもある.かつての民家を復元したところには,メキシコの主食であるトウモロコシがぶらさがっている.

メトロ[オラ!メキシコシティ!#3]

メキシコシティーのメトロ 【地下鉄】

メキシコシティーの地下鉄は非常に面白い! いかにもメキシコらしいのである.メキシコシティーに来たならば,是非何回か乗ってみることをお勧めする.駅に時刻表などは貼っていないが,次から次へと電車はやってくる.両数も多く,9両くらいつないでいたであろうか.スリが多く,場合によっては取り囲まれて荷物を取られる事があるというが,地図を広げたり「ぼけーっ」としたりしないで隙を見せない行動をとってれば,それほど神経質になる必要はないと思う(夜間は別).結構混雑するので,むしろドアに挟まれて引きずられないようにすることのほうが大変である.

1.ゴムタイヤとレールの軌道で「いいとこどり」の凄まじい性能を発揮

メキシコシティーの地下鉄は,外側にゴムタイヤがあって,その内側に車輪がついている.日本では,レールの地下鉄かゴムタイヤの地下鉄か,どちらか一方の方式のみであるが,この両方の長所をとりいれているのが,このフランス製の地下鉄である.

レールは車両の方向を導く役割を果たし,ゴムタイヤは摩擦抵抗を増して加速減速を高める役割を果たす.このゴムタイヤがついていることが,メキシコシティーの地下鉄を「くせもの」にしているのであり,凄まじさを演出しているのである.

加速は自動車並みの高加速であっというまにスピードが出る.そして,ブレーキも急で握り棒につかまっていないと,足を広げているだけでは耐えられないほどである.

ラッシュ時には,赤信号でしょっちゅう途中で停車するのであるが,どういうわけか日本のように徐々にブレーキをかけて止まっていくのではなく,いきなり「プシュっ!」という空気の音とともに,一気に非常ブレーキではないかと思われるほどの急ブレーキをかけて停止するのである.この時は,両手で握り棒をつかんでいないと吹っ飛ばされそうになる.ゴムの焼けるような臭いがして,再びすぐに動き出す.このワイルドさは乗って経験してみないとわからない! とにかく運転が粗い地下鉄である(「自動車」では運転が粗いと聞くが,「電車」で運転が粗いとはあまり聞かないような気がする).

2.駅でドアの開いている時間は超短い! 乗務員次第!?

ドアの開いている時間には乗務員による個人差があるようだが,概してドアの開いている時間は短い.混雑していて乗り降りが済んでいないのに,容赦なくドアを閉めてしまうのである.開いたと思ったら,すぐに発車ブザーがなってドアが閉まってしまうのである.ひどいときは,降りている人(乗っている人ではなく降りている人である!)が済んでいないのに閉まるときもある.

また,ドアが故障しているのか,乗務員が間違ってすぐ閉めてしまったからなのか,開いたと思ったら1秒で閉まってしまい,みんな挟まれているときもあった(さすがにこれは再びドアが開いたが・・・).

メキシコシティーの人は,このことを十分に周知していて,地下鉄の乗降の時だけはドアに挟まれないように素早く行動している.そして,途中でドアが閉まりかけたときには,躊躇することなく直ぐに車内にいる男の人がドアを引っ張っていてくれたりする(あまり期待はしないように!女性にはやってくれるが,男性にはやってくれない).そのため,中央のゴムの部分(写真オレンジ色の○印)がボロボロになっている車両が多い.僕も何度かドアに挟まれたため,当たったところの腕が痛かった.

どう考えても,何人かはドアに挟まれて引きずられる事故があると思われる光景である.

混雑するホーム

3.「物売り」と「音楽流し」が乗ってくる賑やかな車内

なんといっても,最もメキシコシティーらしいのは,これである.

ひょこっと乗ってきて,ドアが閉まり発車すると,いきなり大声で物売りを始める.物売りといっても,僕が見た限りでは押し売りされることはなく,物が欲しい人は合図を送ってN$5かN$10を払っている感じである.いい表現をすれば「車内販売」である.商品は,キャンディー,ファイル,ボールペン,雑誌,占い本,電池など,ありとあらゆる物があったが,これらをまとめてワゴンなどで売りにくるのではなく,必ず1人で1商品のみを売りに来るのである.商品を高くかざして,スペイン語で大声で叫びながら車両を歩いていく.二人以上でバッティングすることはなかった.

そして,物売り以外にも「音楽演奏の流し」が乗ってくるのである.いきなりギターを弾き出して,マリアッチのような歌を歌いながら車内を歩いていく.パーカッションをもって3人トリオのリズムを刻んでいく.笛を吹いて自作のカセットを売り歩く・・・.車内の乗客はクールなもので,誰一人として拍手をするものもいなければ,見て見ぬふりをしている感じである.混雑していてもギターを縦にして渡り歩いていくのであるから,たいしたものである.観光客の僕としては,大いに盛り上がって「グラーシアス!」などと叫びたいところであるが,「じゃぁ,お金をちょうだい」などと言われるのも困るので,僕も見て見ぬふり! しかし,心の中では大いに拍手喝采,「さすがはメキシコだ!」と叫んでいた.

1~2駅で次の車両へ移っていく.外国の地下鉄は車両と車両との間は人が行き来できるようになっていないので,駅に着くと,隣の車両へと渡り歩いていく.

4.チケット(切符)

すべて窓口で購入する.全区間均一料金でN$2(≒20円).日本の公共交通機関に比べると破格の安さである.切符を買うときは,1枚の時は「ウノ(UNO・スペイン語で1の意)」といって買っている.切符は乗るときに自動改札機に通し,そこで回収される.出るときは,出口(SALIDA)の改札口を通って外に出る.飛び乗って無賃乗車をするのを防ぐため,改札機の脇には必ず警備員が立っている.

改札口(Universidad駅) 大きな壁画がある

闘牛[オラ!メキシコシティ!#4]

闘牛観戦

闘牛はスペインの国技であるが,スペインの征服後からヨーロッパより輸入され,以来人気のあるスポーツとなっている.シーズンは10月から2月までで,毎週日曜日の午後4時から開催されている.ただ,最近は競技場が満席になることはなく,メキシコで最も人気のあるスポーツは「サッカー」であるようだ.サッカーも日曜日に開催されるため,闘牛かサッカーか,観光客は選択を迫られることになる.

闘牛の広告ポスター.出演する闘牛士は毎回違うため,人気のある闘牛士,うまい闘牛士,一流の闘牛士,いろいろな闘牛士が出場する.

プラザ・デ・メヒコ(闘牛場)の前では出店が開かれ,ちょっとしたお祭り気分となる.


チケット売り場.前列から順に種類が細かくわけられており,その種類のチケットを扱っている窓口で購入する.さらに,日陰(SOMBRA)と日なた(SOL)に分けられている.前列から順に,[BARRERA][1er.TENDIDO][2o.TENDIDO][BALCONES][PALCOS][LUMBRERA][GENERAL]となっている.窓口は,入口に向かって左側が「日なた」,右側が「日陰」用の窓口となっている.日陰の方が料金は高い.日差しの強いメキシコでは,涼しい方がいいのであろうか.

実に細かく設定されている料金表.席列の順番毎に細かく料金が決められている.席が1つ後ろになる毎にN$5ずつ安くなっている.この設定は,[2o.TENDIDOまで]で,2階席より上は自由席であった.僕が入ったのは一番安い最上段の[GENERAL]の日なた(SOL)で,料金はN$35(≒350円).

プラザ・デ・メヒコの場内.大きなすり鉢のようになっていて,64,000人収容できる.濃い青の席が最前列の[BARRERA].試合前には自動式の散水器で水をまいていた.

入口ではバックの中をチェックさせられ,ペットボトルなどはゴミ箱に捨てるように言われる.東京ドームでの野球観戦と一緒で,お酒を飲んで興奮する観客の暴走を防止するためだろうと思う.場外には非常に多い警察官が待機していた.

牛を興奮させて,背中に矢を刺していく.だんだんと牛は弱ってくる.

最後の剣のような刃で,とどめの一撃を刺す.闘牛には色々な「型」があるようで,赤いマントに向かって牛が突進するときに,「オーレー」という歓声が場内に響き渡る.
動画でお送りします(クリックしてください)

No.1 オーレー

No.2 牛を避ける

とどめの1突きが決まると,牛はぱたりと倒れる.このあと馬に引きずられて退場する.場内はブラボーの大歓声となる.1日に4~5頭が出場する.

ビールにコーラ,おつまみにピザなど,日本の野球場のように色々な物を売っている.

【プラザ・デ・メヒコ(闘牛場)】
場所は,地下鉄7号線の[San Antonio]駅から徒歩10分程度.
駅を降りてから案内看板などは無いので,地図をお忘れなく.

テオティワカン[オラ!メキシコシティ!#5]

アメリカ大陸最大の都市遺跡  【Teotihuacan】

テオティワカンはメキシコシティーの北に50km程行ったところにある古代都市遺跡である.紀元前2世紀頃に出現し,7世紀半ばに突然と姿を消した.何故都市が滅んだのか,いまだに謎は解けておらず,大災害が起こったのか,他民族との争いがあったのか,経済交易ルートが絶たれたからなのか,真相は不明である.ピラミッドに登って遺跡を眺めると,遥か15世紀も前に,人口20万人程度の大都市があったのか,と感慨にふけることができる.

“路線バス”でテオティワカンへ

北方面バスターミナル(治安があまり良くない)

テオティワカンは世界的な観光遺跡なので,さまざまな現地発のツアーが用意されていて,英語・スペイン語はもちろんのこと,旅行代理店によっては日本語ツアーも用意されている.僕もせっかくの機会なので詳しいガイドが聞ける「日本語ツアー」に参加しようと思っていたら,日曜日で旅行代理店が休みであり連絡をとることができなかった.そこで,路線バスでテオティワカンに行くことに決めた.
日本語ツアーに参加するとなると,N$1000(≒10,000円)程度の費用が必要であるが,路線バスでは片道N$21(=210円)と入場料N$37(=370円)だけで済んでしまう.移動は面倒くさいのであるが,後から考えると,街の風景をゆっくり眺めることができ,経済的にも安く済んだ,路線バスの方で正解だったと思った.

テオティワカン行きのバスは,北方面バスターミナル(Terminal Central Autobuses del Norte)から発車する.メトロを降りてバスターミナルの建物の中を左に進むと,一番端っこに「Teotihuacan ‘Los Piramides’」と書かれたカウンターがあり,バスの席が指定された予約チケットを手渡される.行きは席指定のようである.物乞いのおじさんに声をかけられたり,おつりを受け取るときに子供に腕を触られてお金を取られそうになったりしたが,バスターミナルはどこも大抵治安が悪い.バス乗り場に急いで足を運び,バスの発車を待った.テオティワカン行きは15分おきに出ているという.

バスのチケット(帰りは運転手に運賃を支払って席自由)

発車間際になると,お菓子を入れた小さな袋を次々と膝の上に落としていく人がいた.よくみるとN$5と書かれている.しばらくするとその袋を回収しに回るのだが,返さないでボケッとしているとお金をちょうだい,と言われる.その物売りが降りたところで,バスは発車した.
車内は冷房は入っていない2等バスのようである.窓ガラスはすべてスモークが入っていて,日差しを遮るようになっている.そのため,外からバスの車内の人を見ることができない.
さすがはメキシコ,途中の停留所からギターを抱えた二人組の男性が乗ってきた.薄々感じていたが,バスが発車すると車内のど真ん中に立って,やっぱりギターを弾き歌を歌い始めた.聞きたくない人にとっては大迷惑なライブ演奏であるが,冷房の効かない車内でメキシコのローカルなラテンミュージックを生で聴けるとは,何とも最高の贅沢ではないか!! 歌が終わると演奏者は自分でギターを叩いて,さも拍手が起こっているように音を出すのであるが,パラパラと拍手があっただけで,チップを上げる人はいなかった.非常にうまい人の場合だと,チップを上げる人がいるという.
サボテンのちらほら過ぎ去る高速道路を,約1時間程走ると”テオティワカン”のピラミッド入口に到着する.

太陽のピラミッド

太陽のピラミッド.高さ65m.222m×225m.世界でも第3位の大きさであるという.このピラミッドは頂上に神殿を建てて宗教儀礼のために建てられたものであると言われている.

空気の薄いメキシコシティー,平地に比べて酸素の量が2/3程度となるため,ちょっと運動すると息が切れる.248段の急な階段を上ってピラミッドの頂上に登ると,広大な都市遺跡群を一望することができる.

頂上では,世界各国から来た観光客が,景色に見入っている.背後に見えるのが月のピラミッド.

月のピラミッド

死者の道の突きあたりに,高さ46m,140m×150mの「月のピラミッド」が存在する.この上から眺めたテオティワカンは,死者の道を中心にして遺跡を一望できるので,非常にバランスの良い景色を眺めることができる.

ちょっと点景

メキシコにはサボテンがよく似合う.

民俗芸能をやっていた.

サボテンとピラミッド

バスの車窓から[オラ!メキシコシティ!#6]

路線バスの車窓から

帰りのバスチケット N$21のところでちぎって渡される

帰りももちろん乗合バスでメキシコシティーまで戻るのであるが,帰りは旧道の街中を走って途中から高速道路に乗るルートを走っていった.そこで,車中より車窓の風景を「ぱちぱち」撮りまくった.そんな普段着のメキシコの街並みをお送りする.

このバスには冷房なんてついていない.ラジオをガンガンにかけて,メキシコシティーへ向けて走っていく.車内から運転席を撮影した.

これ何だか解りますか? 街の集落内の直線道路で至る所に設置されている.「バンブ」と呼ばれるものでスピードを強制的に落とすために,わざと凹凸を道路につけて走りづらくしているものである.かなり多く設けられており,こんなに設置して苦情がこないのだろうか,と思えるぐらいである.ここを通過するたびに大型車はスピードを落として通過していく.

集落内の路地

トルティージャ(トウモロコシの粉を混ぜた生地を焼いたものでメキシコの主食・タコスの外皮はこれ)を造るための穀物でも売っているのであろうか?


集落の道端.写真(画像)が青っぽいのは,スモークの入った窓越しに撮影しているため.窓がちょっとしか開かなかったので,ご了承を.

下校する子供たち.バスが走っているので,ちょっと手ぶれをおこしている!

ちょっとした商店.コンビニといったところか.

広告がペイントされた塀.何の広告かは解りません!!

集落内の道はあまり広くない.右側通行で大型バスとすれ違っていく.メキシコの運転は概して粗く,スピードを出す.

駄菓子屋さんか? ちょっとした嗜好品を買うことができる感じ.

何だかよく解らないけれど,とりあえず撮ってみた.


とにかく落書きが多いのもメキシコの特徴か.大抵の壁にはスプレーで落書きが書かれていた.

中古品を売っている店.

タクシー乗り場.恐らく流しの「リブレ」タクシーだろう.タクシー強盗が多発しているので,旅行者は流しのリブレタクシーは乗らない方が賢明である.乗るなら「シティオ」か一流ホテルで待機している「トゥリスモ」を利用するべし.

なかなか遊び心のある街路樹である.こちらも塀の落書きはすごい.

終点のバスターミナルに到着.どういうわけか,行きに利用したバスターミナルに到着するのではなく,地下鉄で2駅ほど北にある「Politecnico」駅に到着した.「ペセロ」と呼ばれる小型バスが多く止まっているバスターミナルだった.

その他の話題[オラ!メキシコシティ!#7]

マリアッチ楽団のナイトライブ

マリアッチ楽団とは,メキシコの代表的な民族音楽のこと.陽気だが哀感漂う曲調が特徴となっている.語源は,結婚を意味するフランス語「マリアージュ」からきていると言われ,祝宴には欠かせないものである.楽団はトランペット,バイオリン,ギター,低音のギター「ギタロン」,5弦の小型ギター「ビウェラ」で編成されているが,これにアコーディオンが入ることもある.このアコーディオンの音色が,なんとも哀愁漂う音色で,個人的には好きである.
夜にナイトクラブへ行き,このマリアッチ楽団のライブを聞いてきた.なんと,最初は貸し切り状態で,英語とスペイン語を取り混ぜた1対1の対話をして盛り上がった.「Salud!・サルー(スペイン語で乾杯の意)」と叫んで,お互いに乾杯を交わし,「ジャポネ,サケ,サケ(酒)」と陽気に振る舞って,「上を向いて歩こう」を歌ってくれたりと,ラテンメキシコの陽気さを思う存分楽しむことができた.思わずサイン入りCDを買ってしまった.
テキーラを飲んだのであるが,ライムをかじりながらストレートのテキーラを飲むのが一般的とか.トマトジュースにタバスコが入ったグラスと,テキーラのストレートが入ったグラスと,二つのグラスが出てきたのであるが,どのようにして飲むのかわからなかった.両方交互に飲むのであろうか,そう思って僕は口の中でブレンドして飲んでいた.
ちなみに,マリアッチ楽団はガリバルディ広場でも聞くことができるが,この広場周辺はあまり治安のいいところではないので,ご注意を.

ガリバルディ広場

【マリアッチ楽団の聞けるナイトクラブ】
Jorongo(ホロンゴ)
シェラトン・マリア・イザベル・ホテル(高級ホテル)の1Fにあるので,帰りのタクシーを呼ぶ手間や心配もいらない.玄関に止まっているトゥリスモタクシーを使えばよい.
住所:Maria Isabel-Sheraton,Paceo de la Reforma 325  tel.5242-5555

交差点の喧噪

とにかくメキシコシティーの運転は粗い.タクシーに乗ると,スピードは出すわ,車線変更は強引だわ,隙間があればどこにでも入っていくのである.しかもブレーキも急で,車も地下鉄も運転に関してはどれも粗い.日本のように歩行者がいると止まってくれると思ったら大間違いで(日本の方が珍しい.他の国で車が止まってくれた優しい国はスイスのみだった気がする),危うくひき殺されそうになる.でも,現地の人は慣れたもので,そんな中でもスイスイとすり抜けて歩いていく.
また,エンジンが悪いのか,燃料が悪いのか,とにかく排気ガスが臭くて,空気が汚れている.

穴の開いたマンホール

これはマンホールである.コンクリート製なのであるが,すでにコンクリートがはがれ落ち,鉄筋だけがむき出しになっている.このようなマンホールが歩道上にあちこち見受けられた.日本では管理上の責任が生じるので,もし事故があった場合,管理者にも責任が被さるが,メキシコではどうなのであろうか.こんなマンホールにつまずいて怪我をしても,怪我する方が悪いという自己責任が通用するのだろうか.あまり細かいことにこだわらないのもラテンアメリカ・メキシコらしさなのだろう.

タクシー・TAXI

リブレタクシー

写真のタクシーは,「リブレ(Libre)」と呼ばれる流しのタクシーである.流しのタクシーは全てビートルを使用している.今どきビートルを見られるなんて,と思ってしまうが,フォルクスワーゲン社のメキシコ工場のみで,今でも生産しているのだという(2003年夏に生産中止が決定された).メキシコ人にとっては最も一般的なタクシーなのであるが,観光客にとってはあまり利用しないほうがよい.というのも,メキシコではタクシー強盗やバスジャックが頻発しており,流しのタクシーの場合,運転手もグルになって金品を巻き上げたり,不当な料金を要求されるとのことである.

タクシーを利用する場合は,所属がはっきりしている「シティオ(Sitio)」か,一流ホテル前に停車している「トゥリスモ(Turismo)」を利用するようにした.値段は高いが安心して乗れる.
空港からのタクシーはシティオのタクシーチケットを購入して乗車するとよい.距離(ゾーン)に応じて料金が決まっている.ちなみに,メキシコではタクシーにチップはいらないという.

シティオのタクシーチケットの半券

地下鉄の出口では・・・

地下鉄の出口には,いろいろな屋台が並んでいる.タコスを売ったり,CDを売ったり,キャンディーを売ったり,靴磨きがあったり.そして,メキシコ人は立ち食いでタコスを食べ,腹ごしらえをしている.タコスはちょっとしたスナック感覚の軽食のようで,独特の香辛料の臭いと共に,鉄板で具を焼いてトルティージャに巻いて食べている.

夜景

ホテルの窓から撮った夜景である.メキシコシティーの宝石のような光が,窓一面にちりばめられていた.

パトカー・警察

メキシコシティーでは至る所で警察官の姿を目にする.結構厳しく取り締まっているのかと思いきや,ショッピングをしていたり,時には車の中で「グースカ」寝ていたりする.なんともメキシコらしいポリスマンである.

メキシコシティー上空を飛ぶ飛行機

メキシコシティーの空港は,ベニート・フアレス国際空港で発着している.中心部から車で30分程度の距離にあり,近年は騒音問題もあって移転の話も持ち上がっているというが,どういうわけか,メキシコシティーの空港に着陸するときは,上空で左に大きく旋回して降下しランディングするのである.闘牛場の上では,その旋回中の飛行機がひっきりなしに飛んでいた.僕は夜に着陸する便でやってきたのであるが,そのときは車窓にダイヤモンドのように輝くメキシコシティーの街の灯りを旋回しながら眺めることができ,いままでの旅の疲れがいっぺんに吹っ飛んでしまうほどの,素晴らしい夜景であった.移転してしまうと,この素晴らしい夜景が飛行機から見れなくなるのであろう.右写真の上空の線は,飛行機のヘッドライトである.

入国スタンプ

メキシコの入国スタンプであるが,ハンコがつぶれていて日付は読むことができない.入国審査もずいぶんとラフなもので,笑顔が飛び出ることも・・・.税関のチェックが,ボタンを押して「赤」のランプがついた人だけ,中身をチェックさせられるという宝くじのような仕組みであると聞いていたが,僕の場合は係員の人がいて対応していた.

メキシコシティーの気候

メキシコシティーでは今は乾季となっていて,ほとんど雨が降りません.気温は,最高気温が24度程度,最低気温が7度程度で,1日の高低差が激しく,典型的な内陸型の気候となっている.昼間は半袖で十分だが,夜はジャケットなどの上着が必要であった.

最後に・・・

メキシコでは全然英語が通じません! スペイン語オンリーです.
メモ帳と筆記用具を忘れずに・・・