「その他」カテゴリーアーカイブ

フルキャストスタジアム宮城[東北楽天イーグルス本拠地]~仙台~

11連敗中.今日の西武戦に負けると12連敗に.どうしても本拠地・仙台での試合は負けられなかった.そんな状況の中,仙台のフルキャストスタジアム宮城に出掛けた.

フルキャストスタジアム宮城の改修工事は,2004年11月2日に楽天球団の新規参入が正式に決定され,それからたったの5ヶ月で球場を仕上げなければならない急ピッチの対応がせまられるものであった.施工を請け負ったのは,コンペで争われた結果,野球場としては日本初である「砂かぶり席」や外野席と公園とを接続させた「楽天山」などを提案した鹿島建設が行っている.
工事は第1期工事と第2期工事に分けられており,現在は第1期工事までが完了した段階(収容人数:約2万人)であり,今シーズン(2005年)が終了した後,第2期工事である内野3階席の増設等が行われて収容人数約2万8千人の球場が完成となる.

(撮影年月:2005年4月)


最寄り駅はJR仙石線の宮城野原駅
駅の出入口や通路は,東北楽天ゴールデンイーグルスのカラーであるワインレッドに統一され,出入口屋根にはヘルメットが.

フルキャストスタジアム宮城正面(略して「フルスタ」と呼ぶ)
大勢の人で賑わっていた.思ったよりもきれいに仕上がっている球場である.

当日券売り場

楽天イーグルスファンクラブ入会受付.クレジット機能付きだとか

場外にあるお弁当売り場
球場内には専用シールの貼ってある弁当しか原則持ち込めない.が,入場チェックは非常に緩やか.

R6ゲートの入り口
階段を上がってすぐに内野席となる.敷居が低くてのどかな感じがいい.

入口では,「缶やペットボトル,楽天シールの貼っていない飲食物の持ち込みは禁止」
となっていたが厳しいチェックもなく,今のところ持ち込みは可能である.周辺のコンビニでは,わざわざ中の見えない紙袋で商品を渡してくれる.

スタジアム内.距離感がなく,野球が身近に観戦できる

外野のバックネット付近は芝生となっている.応援団の一番盛り上がる席.

RAKUTEN EAGLES のカップ.生ビール(650円)を頼むとこのカップに注がれる

牛たん弁当
まぁ,専門店で食べた方がよさそう・・・

牛たんまんじゅう.これはいける.塩味(緑色)としょうゆ味(白)がある.1個300円也.

JR東日本のSUICA(スイカ)
仙台限定発売のスイカである.球場では売っていない.駅窓口へ.

楽天の野球帽

満席の楽天側外野応援席(レフト側)

7回の風船上げ.
鳴り物の応援がないので,静かに鑑賞できるが,賑やかに応援をしたい人には物足りないかも.なお,試合終了後,物を投げ入れるファンが皆無であった.入口のチェックが甘いのも,良識ある観戦の結果なのであった.

試合終了後,西武ナインを乗せたバス

公園内に設けられた臨時JR切符売り場

国分町にある「おでん屋三吉」.楽天イーグルスの応援団をやっている

店先には,ポスターが貼ってある.「熱烈応援!がんばれイーグルス」

楽天イーグルスが勝った日にはサービスで振る舞われる「イーグル串」
5角形のベース・ボール・バットの順で串にネタがささっている.

東北楽天ゴールデンイーグルスの応援歌「黄金のつばさ」

楽天イーグルスを応援する横断幕が仙台の街のいたるところに掲げてある

※現在は,スポンサーの交代により「フルキャスト」の名は冠されなくなっている.

札幌の除雪風景

冬の札幌.道路に降り積もった雪は,除雪作業によって冬期間の交通が保たれている.今朝の北海道新聞に,除雪によって寄せられた雪によって車道の幅員が狭くなり,道路中央に走っている路面電車の通行の妨げになっているとの記事が載っていた.そしてその晩,ホテルへ戻るため道路を歩いていると,その路面電車の走る道路の除雪(排雪)作業が行われているではないか.その排雪作業,さすがは北海道と思わせるような,効率的な作業を繰り広げていた.その様子をお伝えします.

(撮影年月:2004年1月)


片側2車線の道路
新雪が降って,新雪除雪が行われると,車道の雪を脇に寄せるため,このように1車線分が雪の堆積場所として占有されてしまい,車道が狭くなってしまう.

歩道と車道のあいだには・・・
歩道と車道の間は,通常は街路樹などのスペースとなっているが,冬になると背丈よりも高く積み上げられた雪の山となってしまう.

ロータリー除雪車
道路に溜まった雪は,交通量の少なくなった夜間に「排雪作業」を実施して,雪を郊外の排雪場所まで運んでいく.ロータリー除雪車で,前方の雪をロータリーにかませて,雪を上からトラックに投げ込む.

トラックに積込
ダンプトラックに積み込み(投げ込み)を行うときは,ロータリー除雪車の作業走行スピードに合わせて,ダンプの運転手が状況を絶妙に把握して走りながら積み込みを行っていく.この息のあった作業風景は「おみごと!」と拍手を送りたくなる.ダンプは次から次へとやってきて,排雪場所まで運んでいく.


<積込状況の動画>

積み込み中

積み込み終了


グレーダーで圧雪はがし
降り積もった雪は車に踏み固められて,道路の上でコチコチの雪の固まりとなってしまう.その雪を剥がすのがグレーダーの役目.ガリガリと氷の固まりとなった雪を削っていく.

除雪ドーザーで取りこぼしを集める
グレーダーで剥がした雪も取りこぼしがある.そのような雪をかき集めるのが除雪ドーザー.このドーザーはV字型に自由自在に形を変えることができるので,交差点内などにおいてはY型にして雪が外にこぼれないようにし,外側に雪を寄せたいときはT字型にして雪を外に出すことができる優れもの!

大型除雪機械では限界があります
それでも小さな雪は残ってしまう.大型の除雪機械では限界がある.そこで,このようなきめ細やかな部分を除雪する機械が下に・・・.

細かい部分は小さい機械で・・・
ホイールタイプ(つまりタイヤをはいている)のショベルカー(バックホウ)で,歩道の細かい部分は除雪する.除雪作業は,さまざまな機械が道路に出て,一大イベントのように除雪を行うので,見ていて圧巻であり飽きない.なるほど!と唸らせるものがある.それに,作業がスピーディであり,お見事!という芸当を見せてくれる.

再び除雪ドーザーで仕上げ
最後にもう一度,除雪ドーザーで雪の後片づけをして仕上げる.一般の自動車を通行させながら行うので,除雪作業は大変である.

除雪(排雪)完了

白川街道・飛騨街道をゆく[ローカルバスの旅]

 山々に囲まれた街・高山から牧戸(まきど)を経て、富山との県境に位置する秘境・白川郷までの道を「白川街道」と呼ぶ。そして、牧戸からひるがの高原を経て、美濃白鳥(みのしろとり)までの道は「飛騨街道」の一部である。

 高山一牧戸間は約50km。その間に3つの峠を越える。白川街道は峠道なのである。そして、牧戸一美濃白鳥間にも1つの峠があり、高山から美濃白鳥まで抜けると、合計4つの峠を通過することになる。

 ここに1日数本の路線バスが走っている。典型的なローカル線である。高山から白鳥へ、路線バスに乗り込んだ。

今回の旅行経路図.
高山バスセンター

 高山駅13時20分発、濃飛バス牧戸行きである。白鳥までの直通便は無く、牧戸で乗り換えとなる。今日の高山地方は天気は良いのだが、冷え込みが今年最高の厳しさであった。最低気温がマイナス7.9°C。ふきのとうが芽を出しているというのに真冬並みの寒さである。バスの車内は暖かく、白川街道を西へ西へと走っていった。

 高山の街を抜けると田畑が広がり、前方の山々が徐々にこちらに近づいてきた。車内は適当に混んでいる。清見村の役場がある三日町にてかなりの乗客が下車し、バスは登り坂へと入っていった。

 小鳥(おとり)峠越えである。別名びっくり峠とも呼ばれるそうで、この辺りは野鳥の声がよく聞かれるところだという。左には白い雪を残した連峰が雄大に広がっている。この風景は峠越えの醍醐味のひとつである。ここは分水嶺でもあるが、下流では高山を流れている宮川と合流するので水系は神通川水系であり、以前と変わらない。

 道は国道であり、完全に舗装されている。道幅も広くドライブには最適な道路だと思う。

 続いて松之木峠に大った。別名思案峠である。比較的平坦な道だったので、これは峠越えなのかと思ったが、地図によると「松之木峠」と記されているので峠なのである。「峠」とは何か。普段、峠について真剣に考える機会はあまりないが、辞書によると、山の道を登りつめた所、と書いてある。峠とはある一点の場所を指す言葉であった。

 車の交通量はゼロに等しい。残雪が多くなり、周りの畑は30cm程の雪で覆われている。その残雪の断面は断層のようになって道路に面していた。白樺やカラマツ林が続くようになった。少々耳鳴りがした。この峠を越えると水系が庄川水系に変わる。

 六厩(むまい)を出ると、
「この先、急カーブが多くなります。ご注意下さい。」
とテープが流れる。軽岡峠越えである。別名辞職峠と呼ばれている。

 なぜかこの白川街道の峠には別名が付けられている。ガイドブックにそう書いてある。順に「びっくり峠」「思案峠」「辞職峠」。人生の失敗への歩みを物語ったものなのだろうか。事が起こってびっくりし、いろいろと迷ったあげく辞表を提出……。悲しい物語である。

 それとも、正式名称の読み方をもじったものなのかも知れない。おどり→おどろいた→びっくり。まつのき→待つ→待つとは考えること→思案する。かるおか→帰ろうか→辞職。最後のものは自分でもよく意味がわからない。

 この軽岡峠も景観が美しい峠である。標高は約1000m、軽岡トンネルを抜けると下り坂となり、道が多少狭くなる。カーブも多くなった。道は屹立した山の底を走っており、三谷川の渓流が美しく流れている。

 黒谷よりややひらけた。しばらくして集落が現れ、荘川村の役場前を通り過ぎた。温度計が2°Cとなっている。外は寒そうである。そして高山より1時間15分、白川街道と飛騨街道の分岐点である牧戸に到着した。下車客は4人だった。

 牧戸は御母衣湖の南の集落である。せっかくなのでダムの見物に行きたいところだが、都合の良いバスもなければ、歩いて回る時間もない。白鳥駅行きのJRバスは15時7分発である。あと20分程であった。待合室でバスを待った。

牧戸駅

 待合室は広くはなく、売店も兼ねており、店の中に椅子が置いてある、といった感じであった。JRだからなのか、切符の窓口や料金表、運賃表など、鉄道の駅を思わせるような雰囲気の待合室である。移動スーパーから流れる演歌が聞こえていた。切符売り場の中では、テレビを見ながらミシンをかけているおばあさんがいた。美濃白鳥までの切符を買った。

 3人の乗客を乗せ、バスは牧戸を後にした。ひと息つく暇もなく、ヘアピンカーブにさしかかり、ひるがの高原へと向かった。

 ひるがの高原に大った。近代的なペンションが立ち並ぶ、今流行の典型的なリソート地である。この辺りの開発は近年目覚ましいものかおるらしく、途中には「リゾート地売ります 8500坪」という看板があった。

 ひるがのは漢字で書くと「蛭ヶ野」である。が、どこを見渡してみても「蛭ヶ野高原」と漢字で書いてある看板は見当たらない。リゾート地はイメージというものも重要な開発計画の要素のひとつである。「蛭ヶ野」では、人の生血を吸い取る「蛭」が野原に広く住みついている、というイメージが頭に浮かんでくる。これでは心をリフレッシュさせる爽やかさがまるで無くなってしまうように思う。「蛭ヶ野高原」ではなく、「ひるがの高原」なのである。

 ひるがの高原を抜けると道は下り坂カーブの連続となる。となりの尾根下に道路の延長が見える。この辺りは長良川の源流域である。

 「折立道」バス停を通過した。左を見下ろすと灰色の道がピンどめのように折り重なっていた。「○○洞(ぼら)」という名のバス停が多くあった。

 田が現れ、長良川鉄道の終着駅、北濃に着いた。終着駅といっても無人駅であり、開けた街ではなかった。バスは線路沿いに南下すると、16時、長良川の上流域である、美濃白鳥に到着。

 高山から76.9km、峠を走るローカルバスの旅でした。

(1993(平成5)年3月旅行,5月執筆)