まっすぐ姫路[四国旅行記#2]

 大垣に6時49分、定刻に到着した。本当に寝むれなかったので体が変だ。次の列車の席取りのためみんな走っているので、私も負けずに跨線橋を走った。8分後、定期夜行が到着したが、もう座れないだろう。そんなことを思っているうちに、網干行普通列車が入線してきた。なんとか席は確保できたが、友人がトイレに行ったため席が1つ開いていたのだが、「ここは、開いてないのか?」「開いてないのか?」としつこいおじさんがいた。のちのち、このおじさんによって大変不快な思いをすることになる。

 7時8分、湘南色の電車は岐阜県大垣駅をあとにした。車内は大垣夜行からの乗り継ぎ客でかなり混雑しており、なんだか全然普通電車らしくない。そして、あの例のおじさん(糞ジジイと表現した方が適切)が周りの乗客たちに、「おい、どこまでいくんだ!おい!おれの話しがきけねえのかア~!」というような調子で当り散らしていった。いきなり酔っぱらいの出現である。車内は異様な沈黙に包まれた。

 しかし、鈍な奴とはいるもので、そのような尋常でない状態にもかかわらず、大声でベチャベチャと喋っている人がいて、さっそく酔っぱらいのエジキとなってしまった。
「おい!たのしそうだなあ~!ええ一つ!」
幸い、我々は絡まれずに済んだが、ああいう乗客に会うだけで旅行の気分が台無しになってしまう。困ったものである。

 米原に着いた。新快速に乗り変えるため下車して、案内のあったのりばで並んで入線を待った。ついでに『牛肉弁当、820円』とやらを買った。すると、
「大変失礼しました。今度の新快速ののりばは、隣の2番ホームです。」
との案内放送。だたでさえ混雑しているのに、この放送のあと一瞬、騒然とした雰囲気になった。「やられた!」と思いながら、我々もカバンを移動した。まったく、こういう時に限ってこういう事が起こるのだから油断できない。

 新快速姫路行が入線し、ドアが開いた。あのような混乱があった後もあって、もみあい、へしあいの大変な乗車合戦となった。中年のおばさん(巷ではオバタリアンともいう)が余りの勢いで転んでしまい、
 「ちょっと、ひどいじゃない!おさないでよ~」
と叫んでいるが、誰も聞いていない。我々は、今回も運良く座席が確保できた。しばらくして、車内を見回してみると、立っている人がほとんどいない。さっきのオイルショック時のトイレットペーパーを買うような騒ぎは何だったのだろうか。

 8時07分、米原を発車。野洲までは各駅に停車する。弁当も食べ終わり、あとは姫路まで落ち着いていられる。睡魔が襲ってきて京都あたりまで寝た。

 目が覚めるとラッシュで満員。新型の車両で気持ちよく座っていたので、なんだか恐縮してしまった。

 10時30分、あと15分で姫路に到着する。しかし、飛ばすこと、飛ばすこと。私は、進行方向反対側に3時間も座っていたせいか。少々酔ってしまったようだ。そして、46分、姫路に着いた。

姫路駅