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郡山から八ヶ岳へ[爽やか高原!八ヶ岳・清里#1]

福島県郡山市から山梨県八ヶ岳(清里)へ.かつては東京経由で向かっていたのであろうが,横断する高速道路の開通により地方から地方への旅行がとても行きやすくなった.郡山からは東北自動車道→北関東自動車道→関越自動車道→上信越自動車道→中部横断自動車道を走って八ヶ岳へ向かう.標高1000mを超える清里は,空がとても近く爽やかな風が吹く高原であった.八ヶ岳・清里への旅行記です.

(旅行年月:2018年7月)



郡山から清里までGooleマップで経路を調べてみると,距離は約350km,時間は約4時間とでる.途中休憩時間なども含めると移動は5~6時間といったところか.東北自動車道で栃木県の岩舟ジャンクションまで走り,北関東自動車道に入って群馬県となり,足利・太田・伊勢崎を通って一旦関越自動車道になる.藤岡ジャンクションで今度は上信越自動車道に分岐して長野方面へと向かって碓氷峠を登る.軽井沢を過ぎ,佐久小諸ジャンクションで中央横断自動車道の無料区間を走って,現在開通している八千穂高原インターまで南下.国道141号で長野県から山梨県へ入って清里となる.

横川サービスエリア

おぎのやの峠の釜めし

途中,いくつかのサービスエリア等で休憩をとったが,昼食は横川サービスエリアでとることにした.横川といえば益子焼の器に入った弁当,おぎのやの「峠の釜めし」.
信越本線には,北陸新幹線が開通する前,長野方面への特急「あさま」が運行されていた.横川駅に特急が到着すると,これから急勾配の続く碓氷峠を登るため,後ろに機関車を連結する作業が行われた.この停車時間を利用して,ホームで売られていたのが横川の釜めしである.新幹線の開業により,横川~軽井沢間の鉄道が廃止されたが,釜めしはドライブインや駅売店などで引き続き購入できる人気の駅弁となっている.
約20年ぶりに食べた.味は昔と変わらない.値段は1000円.

野辺山駅(JR小海線)

標高1345.67m.日本の普通鉄道の中で最も標高の高いところにある駅である.中央横断自動車道の八千穂高原インターを降り,国道141号を小淵沢方面に向かった途中にある.

JR鉄道最高地点は,野辺山駅から清里駅方面に向かった途中にある.標高1375m.すぐ隣には駐車場とトイレがあるので車でも行きやすい.

清泉寮(清里)

清里開拓の父と言われるポール・ラッシュ博士(米国人)のKEEP(清里教育実験計画)を実践するため,日米協会青年活動によるキリスト教の研修施設として開設されたのが清泉寮であり,現在は,レストランやコテージ,キャンプ場などを持つ宿泊研修施設となっている.とはいっても,ソフトクリームを販売していたり,お土産を買うことができたり,広い芝生と高原の風景を堪能できたりと,日帰り訪問でも十分に楽しめる施設である.

ポール・ラッシュ博士像
山々を見渡せる高原の風景

2018(平成30)年7月に新清泉寮ジャージハットがオープンした.

建物の中ではソフトクリームや焼きたてパンなどを販売している.

大展望テラスから高原の景色が満喫できる.足湯もある.

清里美し森駐車場(星空観察)

標高が高い清里,もっとも空に近いとも言える.美し森駐車場からは星空がとても美しく見えると聞いてやってきた.周りに明るい施設がない(自動販売機のライトがあるが・・・)ため,ほんとうにとってもきれいな満天の星空が広がっていた.

星空を見るため,駐車場には夕刻になると,ぽつらぽつらと車が集まってくる.

日が暮れてきて明るい星が見えてきた.

北斗七星のひしゃく形,見えますか?

星座に詳しくないため,どれが何座かよくわからない!満点の星空はとても美しかった.


 

清里から小淵沢へ[爽やか高原!八ヶ岳・清里#2]

「八ヶ岳」という地名はどこを指すのか.そもそも八ヶ岳とは山の名前なのかと思いきや,一つの山を指した名前ではなく,山梨県と長野県にまたがって連なる山々の総称であるとのこと.主峰は赤岳(2,899m)となっている.ということで,八ヶ岳のエリアがどこかと言われれば,山梨県と長野県にまたがる山々周辺の一体が八ヶ岳というのが正しく,清里,小淵沢はもちろんのこと,蓼科や野辺山も八ヶ岳エリアである.


清里テラス

写真中腹にあるのが清里テラス

ガイドブックを見ると,サンメドウズ清里スキー場のリフトに乗り,標高1,900mのテラスで富士山や南アルプスの山々の絶景を見ながらカフェができると記載してある.行ってみたい.ところが...

リフトに乗るために大行列.1時間以上待ちとのこと!絶景はまたの機会に来ることに...

八ヶ岳リゾートアウトレット(小淵沢)

清里から坂を下って約30分,小淵沢にある八ヶ岳リゾートアウトレットにやってきた.標高は1,010m.八ヶ岳エリアではこの共通の標高表示が様々な施設に貼ってある.

森の中にあるアウトレット.駐車場からお店に行く道はこんな感じ.ちょっとしたハイキング気分である.いつも平らなアウトレットしか行ったことがなかったため,森の中のアウトレットも新鮮である.虫がたくさんいて子供は大喜び.

こぶちざわ昆虫美術館(花パークフィオーレ小淵沢)

「花パークフィオーレ小淵沢」という子供広場やレストラン,展望台,直売所などを備えた施設の中に「昆虫美術館」がある.フィオーレ小淵沢自体は入場無料で入れる.

昆虫美術館には大人400円の入場料が必要(中学生以下無料).

子供の広場にある巨大なカブトムシ 中央自動車道から見えると思う

萌木の村(清里)

まっぷるのガイドブックで「萌木の村」の紹介を見ると,煌めくメリーゴーラウンドの写真が載っており,名前から想像するに秋葉原などで見かける「萌え・萌え~」のレジャー施設なのかと思ってしまったが,そうではなく,ヨーロッパの森の雰囲気が広がるショップが並ぶ商業施設である.

地元の産品やワインなども手に入る.清里でお土産を買うのなら萌木の村がおすすめ.

さよなら八ヶ岳・・・・

高原野菜畑と八ヶ岳(国道141号より)

缶ワイン(カップ付き)上の部分がカップ

ご当地牛乳「信州八ヶ岳野辺山高原3.6牛乳」生産地は長野県,「信州」とつくのはそのため?

帰路も横川サービスエリアで「峠の釜めし」に.上り線SAでは定食で販売していたので,ちょっと豪華な豚汁付きに.

五島育英会八ヶ岳山荘(東京都市大グループ)

五島育英会 八ヶ岳山荘

(一般の方の利用はできません)

五島育英会「八ヶ岳山荘」は,山梨県北杜市清里の八ヶ岳学校寮地区にある保養施設である.
五島育英会は,1955(昭和30)年に東急グループの創始者である五島慶太氏を初代の理事長として設立した学校法人である.2009(平成21)年に,武蔵工業大学に東横学園女子短期大学を統合して,従来の工学部、知識工学部、環境情報学部に文系学部(都市生活学部、人間科学部)を加えた総合大学「東京都市大学」へ名称を変更した.
八ヶ岳山荘は,東京都市大グループの在校生,教職員及びその家族,卒業生及びその家族が利用できるが,学校関係の施設であるため利用には制約がある.すべてセルフサービスになっており,山荘内での喫煙、飲酒は原則としてダイニング以外禁止となっている.また,寝具の出し入れや部屋の掃除などは各自で行い,シーツ・枕カバーはリネン室前から各自持って行く.タオル,寝巻き(浴衣等),歯ブラシの用意はない.温泉旅館やホテルではないので,過剰なサービスはないが,割り切って利用すれば使いやすい施設である.(一般の方の利用はできません)

2021(令和3)年12月31日をもって閉館することが決定した.

(旅行年月:2018年7月)

 


正面玄関・駐車場・ロビー

駐車場は正面脇に5~6台停められるスペースがある.区画線に木が使われている.自然豊かな清里高原なので虫は多い.子供が大喜び.

正面入り口.扉を開けて中に入ると,ちょっと独特のにおいがする.

右側が管理人室.天井の高い開放的なロビー.

天井にはオブジェ.大きな朝顔?

色々な観光パンフレットが置かれている

暖炉がある.冬になると火が入るかな?

館内設備

シーツ類は1階食堂脇から各自持って行く.

無料のWifiが完備されている.

部屋は2階に.エレベータはない.

部屋の中は結構広い.テレビはついているが,トイレはない.トイレは外で共同利用となる.

布団はもちろん自分で敷く.

冷房はついていない.標高が高い清里なので窓を開けておけば涼しい.ちなみに暖房はある.

冷風機が置いてあったが...スイッチを入れてみたら,一応,動いた.

廊下には,掃除用品と殺虫剤が置いてある.部屋の中にも虫は多いらしい.(今回は特に気にならなかったが)

退出するときは各自の部屋の掃除機をかけるのがルール.

洗面所.

トイレ.清潔.

食堂・食事

食堂.夕食も朝食もこちらで食べる.

大型の冷蔵庫は共同で利用できる.外で買ってきた飲み物などはここで冷やせる.ビールやお酒の持ち込み可.みんな缶ビールなどを買って食事の時に飲んでいた.

想定外だったのは食事.管理人さんがイタリアンのシェフだったのか,とってもおいしい洋食が提供される.ホームページに載っていた「家庭的な料理」とは大違い!!.外で食べれば数千円はするのでは.

2日目の夕食:バジルの入ったハンバーグ.(1日目の夕食は撮影し忘れたが,豚肉の大きなソテーだった)

食事会場.雰囲気は学校の食堂のような感じでレストランといった感じではないが,白いシーツも掛けられており,清潔である.

こちらは朝食.これもおいしい! 高原野菜と絞りたてフレッシュジュース.パンがこれまたおいしい.

ちなみに二日目の朝食.味噌汁のお椀でコーンスープを飲むが,味は確か!

食事が終わったら自分でお皿を片付ける.ベビーベッドは管理人さんの子供さん用.

展望室・周辺域

展望室がある.

展望室からは山々が眺められるのであるが,周囲の樹木が大きく生い茂っており,眺望がよいわけではない.星空を見るのにはよさそう.

周囲には遊歩道がある.(草が刈られている)

標高は1387m,爽やか高原!である.

八ヶ岳学校寮地区の中にある.

2021(令和3)年12月31日をもって閉館することが決定した.

奥多摩,そして多摩源流(東京の水源地)【東京考察#57】

The origin at the Tama river (source of a Water service in Tokyo)


JR青梅線奥多摩駅
ここまでくると終着駅という感じがする
★東京都西多摩郡奥多摩町★

 


 奥多摩を訪れると「ここも東京都なのかぁ」と思わせるほどの大自然が広がっている.多摩川の源流域であり,ハイキングやキャンプ場として,老若男女を問わず人気のあるところとなっている.さらに,東京都民の水瓶である小河内ダム(奥多摩湖)を抱え,東京都民の水源地として重要な役割を担っている地域でもある.

超高層ビルの林立する新宿から中央線の赤い通勤電車に乗り込み,立川へと向かう.びっしりと建ち並んだ家々を高架橋上から眺め,西へ西へと走っていく.立川,青梅でそれぞれ乗り換えて,最後は4両編成の奥多摩行きに乗り込んだ.奥多摩に近づくに従って,リュックを背負った家族連れ,老夫婦,キャンプセットを担ぐ若者などの割合が多くなり,車窓も段々と山々が現れるようになってくる,
御岳駅からはいよいよ奥多摩らしくなってくる.屹立した山の中をキーキー車輪をきしませながら走るようになり,さながら渓谷鉄道の様相を呈する.通勤電車のロングシートでは,大人も車内に背を向けて車窓の景色に釘付けとなる.そして,トンネルを抜けると終着駅奥多摩となる.



JR奥多摩駅前


駅前からは各方面へバスが出ている.日原鍾乳洞,奥多摩湖,丹波,小菅へと,さらに奥地へ歩を進めることができる.どこへ行くか決めていなかったが,多摩源流の小菅村に「小菅の湯」という日帰り入浴施設があるとのことで,帰りのバス便を確認してから,小菅行きのバスに乗り込んだ.小菅までは西東京バスによって1日に5往復運転されており,さらに小菅の湯に行くには途中の金風呂か田元橋で接続する村営バスに乗り換えて行けばよいとのことであった.
小菅村は多摩川の源流域であり,かつての裏甲州街道(青梅街道)であった大菩薩峠への登山口でもある.大菩薩峠が多摩川水系と富士川水系との分水嶺となっている.分水嶺や尾根の入り方,バスの路線などから考えると,小菅村と丹波山村は東京都に属していそうなのであるが,そうではなく実は山梨県となっている.氷川(現奥多摩駅)との交通がよくなったのは大正時代における改修,昭和になってからの小河内ダム建設に伴う補償としての道路改修により車が通行できやすくなってからであり,それ以前の交易は塩山から大菩薩道を通って行われていた.現在,山梨県側の上野原や塩山方面への路線バスは走っておらず,全て東京都側の奥多摩駅からの便となっているが,行政上は山梨県なので,車のないお年寄りや学生にとっては,なにかと不便ではないかと思ったりもする.高校生は上野原へスクールバスで通っているという.
夏休み中ということもあって,立客がでるほどの客を乗せ,バスは発車した.現在は国道411号となっているが,昭和57年に主要地方道(県道)甲府青梅線から昇格した道路であり,これが新宿まで通じている青梅街道である.素堀の岩にモルタルを吹き付けただけのゴツゴツした壁面のトンネルが残る道路を通り過ぎ,ダムの堰堤が下から眺めるように現れると,奥多摩湖(小河内ダム)となる.半数の乗客がここで下車した.ここには東京都水道局の展示館が設置されている.


  
前方にトンネル出口の明かりが大きくなっていく--車内では観光パンフを眺め--車窓には奥多摩湖の湖面


バスはダム湖畔を縫うようにカーブしながら走っていく.湖の湖面が美しいが,この湖の下には移転によって水没した集落がある.石川達三の「日陰の村」には以下のような記述がある.
「東京という大都市が発展していく.すると大木の日陰にある草が枯れていくように小河内は発展する東京の犠牲になって枯れていくのです.山の日陰にある間はまだよかった.都会の日陰になってしまうと村はもう駄目なんです」
小河内ダムは昭和10年に着工し,戦時中の中断を経て昭和32年に完成,当時としては世界最大規模の水道用ダムである.ダムの上流端である峰谷橋までくると,車内の乗客も5人だけとなった.


 
小河内神社前 湖面を渡る浮き橋


丹波・塩山方面への国道411号・青梅街道とは別れて,国道139号へ入り,小菅へと向かう.小菅川にもせせらぎが戻り,屹立とした山に囲まれた静かな清流のなかをバスは唸りをあげながら走っていく.そして山梨県となって金風呂となる.小菅の湯まで行くには,ボンネットバスの村営バスに乗り換えなければならないが,ダイヤによって金風呂で乗り換える場合と,さらに先の田元橋で乗り換える場合とがあるので,奥多摩駅に掲示してある時刻表で確認しておく必要がある.ここで間違えてしまうと足がなくなってしまう.今回は田元橋での乗り換えとなるので,もうしばらく乗車となる.
先ほども記したように,丹波山村,小菅村は山梨県であるが,東京都による水源涵養林の指定がされている区域をもっている.このため丹波山村には東京都の水源涵養林の管理事務所が設けられている.山梨県といえど,東京都の水源地として重要な役割を担っているのである.
田元橋で全ての乗客が下車し,全ての乗客がかわいらしいボンネットバスに乗り込んだ.村内は全て100円均一という良心的なバスで,村民も気軽にこのバスを利用しているようである.村内の各集落を順に巡回して役場や小菅の湯,西東京バスとの乗り継ぎを行えるようにしている.そして,新宿から約3時間,多摩源流・小菅の湯に到着した.温泉は肌がすべすべするアルカリ性の無色透明の湯であった.駐車場には「八王子」「多摩」ナンバーの車がびっしり止まっていた.


 
田元橋の小菅川 多摩源流である

 
小菅の湯  村営のボンネットバス


チャーちゃんまんじゅう