雲にかすむ高層ビル群
シンガポールは淡路島と同じくらいの大きさの島に約270万人の人々が住む国である。近代的な建物が建ち並び、アジア独特の混沌とした昔ながらの風情は感じられなくなった。
気候は1年中「夏」であり、亜熱帯地方特有のスコールが時々地面を叩きつける。人種は、7割強が中国系であり、土着のマレー系が1割強、インド系が約0.5割である。
整備された道路
シンガポーは交通施設の発達した国でもある。道路はごらんの通りバスポケットもきちっと完備された広い道路が整備されており、渋滞は滅多に発生しないと言われる程である。
MRTと呼ばれる地下鉄の駅前広場も、バスターミナルが完備されており、初めて訪れる人にもわかりやすくなっている。
道路端の縁石のペイントが「黒・白」の縞模様となっているところや2階建てバスが走っているところなど、イギリスの面影をところどころ見ることができる。
RESTRICTED ZONE~車乗り入れ規制区域
渋滞知らずの素晴らしき交通施策、ゴミを捨てたら罰金を課せられるシンガポール、そこには厳しい規制が存在している。道路をまたぐように設置してある青い標識には「RESTRICTED ZONE(規制区域)」と書かれており、中央商業地区(CBD・Central Business District)に乗り入れる車に対して、朝夕のラッシュ時のみ料金を徴収する。この標識はその規制区域を示すものである。
シンガポールの団地風景
シンガポールでは人口の約8割強の人々が、国の住宅開発局が建設したこの団地に住んでいる。1960年代までは、カンポンと呼ばれる木造の住宅に住んでいたが、高度経済成長に伴って、この団地に人種・民族関係なく居住することになった。
天気のいい日には色とりどりの洗濯物が、街の景観として美しいか醜いかの議論はさておいて、無味乾燥なコンクリートの団地に彩りを添えている。
共働きが多いこともあって、食事は屋台でとることが多く、団地の広場では様々な屋台が並んでおり、味も美味い。断食が終了するラマダン開けのときには、イスラム教徒の家庭ではベランダに電飾をチカチカ光らせ、お祝いが続く。
地下鉄 MRT
シンガポールにはMRTと呼ばれる地下鉄が走っており,郊外部では地上を走って,郊外の団地と都心部とを結んでいる.施設はきれいであるがスピードは出さない.車内のイスがプラスチック製の硬いイスなので,日本の電車に乗り慣れていると座りごこちが悪く感じてしまう.
地下鉄のホームもきれいで静か.線路とホームの間にはドアで仕切られていて,電車が到着しても電車の音がほとんど聞こえない.いつの間にか到着してドアが開く感じである.日本でもホームドアの付いている東京メトロ南北線があるが,こんなに静かに到着はしない.この差はホームドアの構造に違いがあり,日本では建築基準法だか消防法だかの規定により,ホーム側を密閉空間にすることが認められていなくて,ホームドアの上側にすき間が開いているために電車の騒音がホームまで聞こえてくるからである.シンガポールでは,ホームドアの壁でホームと線路の空間が完全に分断されているのである.
開店前の屋台
共働きの多いシンガポールでは,家で夕飯などのご飯を食べるよりは,外の屋台で食事をとることが多いらしい.ビジネスエリアでは昼食のため,住宅街では夕食のため,オープンに向けて準備が進められていた.
スコールのあと
赤道に近いシンガポール.1年中いつでも最高気温は32~3度,最低気温は25度,湿度は80%を超える熱帯性モンスーン気候である.夕方ちかくには必ずバケツをひっくり返したようなスコールが降るけれど,すぐにやんでしまう.スコールが止んだあとには,道路に水が溜まってタクシーが水しぶきを上げていた.(シティーホール駅出口のそごうデパート前)
路線バスの車内にて
公共交通の発達しているシンガポール.路線バスも全てに番号が付けられていて,土地に不慣れな外国人でも,バスの時刻表とバス停の案内を頼りに,楽に路線バスを利用することができる.シンガポール人も地下鉄の走っていないところはバスに乗って移動する.イギリスの植民地であったこともあり,香港と同じく2階建てのバスも走っていた.
(旅行年月:1994年3月)