王40甲 池袋駅東口⇔西新井駅[都バスで東京発見]

都内北部の交通不便な地域を走る乗客数の多い通勤通学路線

王40甲 池袋駅東口⇔西新井駅(経由)王子駅・荒川土手 北営業所

路線keyword:車内混雑,飛鳥山,明治通り,狭道,都電と併走


ビックカメラ正面の池袋駅東口バス乗り場には、いつも長蛇の列ができている。先発のバスが満員になっていなくても、次のバスに乗る乗客が多い。この路線は北区・足立区の鉄道の便の良くない地域を走るため、その地域に行く人はバスに頼らざるを得ない。そこで池袋からの長い道中、座っていこうと考える乗客が多いのである。座るためには最低1本、混雑時には2本以上のバスを待つ覚悟が必要である。
池袋を出発すると、バスは三越の裏手を走り、明治通りに入る。豊島区役所を右手に見て、池袋六ツ又陸橋交差点を過ぎ、JR山手線を跨ぐ。王子までは緩い坂を上り下りしながら明治通りを直進する。上池袋、西巣鴨、滝野川、そして正面に緑の茂みが見えると飛鳥山に突き当たる。西巣鴨から飛鳥山までは首都高速建設の高架工事を行っており、将来は道路の真ん中に高速道路が覆い被さることだろう。バスは左折し、運が良ければ都内唯一残った都電との併走が見られる。都電は車に押され気味に、そろりそろりと気を使いながら走っている。左手に昭和5年に架けられたクラシックな音無橋、右手に飛鳥山を眺めながら、大きなカーブと急なくだり坂を走り、JR京浜東北線のガードをくぐり抜けて王子駅前となる。
さらに乗客を乗せ、バスは2車線の狭い道を走る。この区間はバスの本数が多く、追い越し車線がないため、朝夕のラッシュ時はバス渋滞が発生し、そのために朝はバス専用道路となっている。豊島二丁目、三丁目、四丁目、六丁目と豊島のオンパレードを過ぎると公団の豊島五丁目団地が突然現れる。ここはかつての日産化学工業の王子工場であり、跡地を団地開発したところである。左手には団地群が、右手には日本出版の流通センターや日本油脂の工場がある。この路線は両方向とも混雑していることが多い。朝の場合、ここに居住する人が駅に向かって乗車し、逆に工場や職場に向かう通勤者が駅から職場に向かって利用する。夕方はその逆パターンとなる。両方向とも混雑するのはその為である。
豊島五丁目団地を出ると、新豊島橋で隅田川を渡り、江北橋で荒川放水路を渡る。左手には首都高速中央環状線の2層構造の江北橋が見える。橋の中央部分は一般道の江北橋と同じアーチが取り付けられており、さながら親子といった感じである。
荒川土手の停留所を過ぎると、バスは右折し、再び狭い2車線の道路に入る。密集した地域の中に、東43系統折り返しのための荒川土手操車所があり、発車待ちのバスが数台停車している。さっき通った豊島二丁目から五丁目間の2車線道路とは違って、この道路には歩行者専用の歩道がなく、電柱の存在が更に道路を狭くしているので、お互いの大型バスがすれ違うときは運転手同士の連携と相互の譲り合いが欠かせない。出会った場所が悪いときは最徐行しながらすれ違う。乗客のおばあさんが、「この辺りは戦争で焼けなかったから道が狭いのよ」と教えてくれた。地図を眺めると、バス通り以外の道路は区画整理がされていない曲がった道が多く存在していた。江北四丁目にて尾久橋通りと交差する。尾久橋通りには新交通システム(日暮里-舎人間)が開通することになっている。それが開通すれば、本路線の混雑が多少は緩和されるに違いない。阿弥陀橋停留所を過ぎ、環七通りに出ると古くから川崎大師とともに厄除開運の霊場として有名だった西新井大師前停留所となる。本道は左手に少し入ったところに存在する。そして、東武線を跨ぐ陸橋の手前でバスは左の車線に入り、線路を越えずに一方通行の道を走ると終点西新井駅となる。

平成12年12月より、池袋駅から豊島五丁目団地間に急行バスが登場した。