岩淵水門【東京考察#116】

Iwabuchi lock(Arakawa spilway)


真っ赤な色が鮮明な,旧岩淵水門


 岩淵水門は,都内の治水を考える上で無くてはならない施設である.
岩淵水門から下流の,現在の隅田川は,昔の荒川の本流であり,大雨が降るたびに都内で洪水を引き起こしていた.そこで,洪水調節を行うために明治44年から新しく人工的に作った放水路が,現在の荒川(放水路)なのである.つまり,岩淵水門から河口まで約22kmの荒川は,全て人工的に作った川なのである.荒川土手を眺めていると,ラインの整ったスッキリしすぎるほどの川筋が自然の結果できたものでないことを実感するに違いない.この工事のために,1068haの土地を買収し,約1300戸の家が移転した.
その放水路完成時に,新しい荒川放水路と本流であった荒川(現隅田川)との分岐点に設けられた水門が「岩淵水門」である.赤い水門は9m幅のゲートが5門ついており,一番右岸側の5号水門だけが背の高い大きなタイプとなっている.この水門によって,大雨が降ったときに隅田川への流入を防いで,流下能力のある荒川放水路へ水を導くことができるようになり,都内の洪水がなくなるようになったのである.
ところがその後,施設の老朽化や洪水調整能力のアップにより,新しい岩淵水門が昭和50年から建設され,昭和57年に新しい青い色の水門が完成し,機能の役割が引き継がれた.古い岩淵水門は役目を終えたのであるが,土木遺産としての価値が高いこともあって,周辺の整備とともに保存されることになり,現在でも間近まで近寄って往年の水門を眺めることができる.


現在の新岩淵水門


周辺はデッキ等を配し公園として整備している
釣りを楽しむ人が多い


荒川土手は貴重なオープンスペース
野球の練習場となる.
大雨時はここに水が流れることにより,洪水を防ぐ.


ゴルフ場にもなっている荒川土手


旧岩淵水門 背後は埼玉県川口市

 
水門の管理をはじめ,荒川下流の全ての管理建設業務を行っている
「国土交通省荒川下流河川事務所」は,岩淵水門の脇にある
荒川知水資料館」(入場無料)もある.


荒川を航行する船
黄色い橋は国道122号の新荒川大橋


堤防上の道は,サイクリングやジョギング,散歩の人で賑わいがある


新岩淵水門から見た隅田川
(つまり隅田川の始まり)