明治生命館【東京考察#205】

The Meiji Life Insurance Co. building


背後に「丸の内マイプラザ」が建った
明治生命館


 明治生命館は,1934(昭和9)年に完成した洋風建築物である.昭和に建てられた建物としては初めて1997(平成9)年に国の重要文化財に指定されている.主なデザインは古典主義様式でまとめられており,圧巻なのは5階までを貫いているコリント式の柱が建ち並んでいる外観である.戦時中は館内の金属の多くが供出され,戦後はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による接収が行われ,1956(昭和31)年にアメリカ軍から返還されるまで,対日理事会が現存する会議室で行われていた.(参考までに,マッカーサーがGHQ本部を置いたのはここではなく,近くの第一生命館である) その後,2001(平成13)年からのリニューアル工事によって,隣接する30階建ての明治安田生命ビルの完成(2004年)とあわせて「丸の内マイプラザ」として一体的な開発が行われ,古き良き建物を可能な限り忠実に残して「明治生命館」は残り続けている.
ちなみに,明治生命は明治以降の丸の内地区の開発を行ってきた旧三菱財閥グループであるが,2004年1月に旧安田財閥グループの安田生命と合併し,明治安田生命保険相互会社となっている.しかし,この建物の名称は「明治安田生命館」とせず,「明治生命館」としているところに,三菱グループの譲れない心の魂みたいなものを感じる.
この明治生命館は,土曜日と日曜日の11時から17時まで,入場無料で一般公開されている.

コリント式列柱の建ち並ぶ外観
目の前に国道1号・日比谷通りが走る
写真の裏手には皇居のお堀がある
 
重厚のある外観である.
ランタン型の照明器具も渋い

入口の文字が「館命生治明」となっている

土日のみ,見学コースが設けられて会議室などに入ることができる.
入場無料.
 
「エレベータで2階へ」との警備員さんの指示により受付のある2階へと向かった.
エレベータは東洋オーチス(現日本オーチス)社製のクラシックなもの
1階ホールにあるシグナルコントロール盤は貴重な操作盤だとか.
つまり1階の操作盤で呼ボタンに応じて3台の籠を運転管理していた.

受付でバッチをもらって見学者ルートへ
電球の明かりが,ほんのりと暖かい感じである
 
2階から1階までは吹き抜けとなっており,
1階は明治安田生命の「丸の内お客様ご相談センター」となっている.
平日は,ここがお客様との相談窓口となる
大理石がふんだんに使用されている

GHQ接収時代に,米・英・中・ソの4カ国代表による
対日理事会が開催された会議室
最高司令官のマッカーサーもこの部屋で会議に参加した

応接室
 
食堂.右の写真は食事を運ぶ配膳用のリフトらしい.

1階は,お客様ご相談センターとなっている.

 
東京駅丸の内口近く(三菱ビル)から無料巡回バスでくることもできる
丸の内マイプラザで下車.バスは15分間隔.
日の丸自動車興業㈱で運行