昼の新宿ゴールデン街【東京考察#202】

Shinjuku Golden town at noon


新宿ゴールデン街


 戦後マーケットの露天街の雰囲気がそのまま残る飲屋街が新宿ゴールデン街である.新宿区役所と花園神社に挟まれた区域に存在している.昭和24年に,屋台による飲み屋街の移転命令を受けて現在の歌舞伎町1丁目に移ってきたのが始まりで,昭和33年の売春禁止法が制定されるまでは「青線」地帯として賑わっていた.その後,青線の廃止によって飲み屋やバーの連なる地域として再出発していき,昭和40年頃にゴールデン街という名称が生まれたという.全盛期には200軒程度あった店だが,今は150軒程度になっている.
一般的に新宿ゴールデン街と呼ばれている地域は,南側の新宿ゴールデン街商業組合による「新宿ゴールデン街」と,北側の新宿三光商店街振興組合による「花園街」から成り立っている.串刺しに6本の細い道路が走っており,4店程度が1つの建物となる長屋がびっしりと建ち並んでいる.かつては,やくざや暴力団が支配する怖い街・常連さんだけの飲屋街などといったイメージがあったが,最近は若い人が店を経営しているところもあり,世代交代も進んでいることもあって,少しずつ活気を取り戻している.作家や文化人と称する人々が常連として,議論を深めた場所でもある.
夜になると賑わうであろうこの地区の,まだ喧噪前の昼の様子をお届けする.

マップ.小さな店が軒を連ねている.
北側(青色色)が花園街.南側(赤色系)が新宿ゴールデン街.

こちらは花園街.見た目にはどちらも同じ雰囲気.
ただ,花園街の方が,長屋建物の長さが長く,
8店程度が1つの棟となっている.

東京でこのような狭い路地を見られる地域は
少なくなってきた.防災上は問題なんだろうが・・・.
 
これは,集中管理?している「火災受信所」
各店からの火災報知を一括して知らせるシステムらしい.

花園街の北端より撮影
隣りには,バブル期の地上げによって駐車場と化した空き地が広がる
 
靖国通りの交差点からは「四季の路」の遊歩道が整備されている.
ここはかつて都電の線路が走っていたところ.
昔は店の裏側で都電の走りゆく音が聞こえたのだろう.
ゴールデン街へはここから入っていくと行きやすい.

長屋と長屋の間にある路地
すれ違うのがやっとの幅である.