郡山見聞録【41-60】[一括掲載]

(このページは2005年に掲載したものです)

No.60 寒波襲来!郡山もツルツル! 状況はライブカメラで

12月の中頃だというのにこの大雪.このまま寒気が弱まらなく,例年通りの1月2月がやってくるとなると,いったいどれだけの雪の量が降り積もるのか,特に会津地方ではぞっとするような気候が続いている.郡山でも突風と共に雪が降り続き,市内の通りはツルツルに凍り付いて,大渋滞となっていた.東北・磐越自動車道が通行止めになっていることもあって,特に渋滞がひどいのが国道4号・49号線であり,通常は車で15分程度のところが1時間もかかったりしていた.
ところでこんな時,とても重宝する情報はインターネットのライブカメラ画像である.国土交通省や福島県の道路管理者によって管理用に設置された道路カメラの映像をインターネットで24時間静止画像で公開しているもので,雪の状況や道路の渋滞状況がパソコンから見ることができ,「あらら,猪苗代は大雪で大渋滞だよ.こりゃ~,3時間はかかるな」などといったことが瞬時にわかる.ライブカメラは,
国土交通省 http://www.thr.mlit.go.jp/koriyama/
福島県 http://www.pref.fukushima.jp/kenchu/kensetsu/ で見ることができる.
また,NTT東日本で提供している
http://www.ntt-east.co.jp/fukushima/mado/live/index.html もお奨め.

No.59 郡山八景散策マップ

郡山の歴史というと「安積疎水」ははずせない.明治に入って安積疎水の通水による大槻原の開墾を行ったことは全国的な社会科の教科書にも掲載されるほどの大きな出来事である.しかし,そのことに異を唱えて郡山八景ワーキンググループで発行された散策マップがある.それが「郡山八景散策マップ」である.マップの巻頭には,「郡山は,安積疎水で発展したまちと言いますが,実際は有史以来重厚な歴史を持っているまちです.」という言葉から始まっているとおり,安積疎水ができる前から歴史があったんだということを強く訴え,江戸時代の郡山は,奥州街道の大宿場町として歴史遺産が数多くあることをPRしている.郡山八景とは,「弁天の松の雪」「如法寺の晩鐘」「八天狗の糸桜」「愛宕山の秋の月」「八幡森の明け烏」「皿沼の釣舟」「稲荷舘の夜雨」「八丁八橋の駒の跡」となっており,いずれも写真と解説がついており,「へぇ~,こんな歴史遺産があったんだ~」と,小さな街の発見をすることができて面白い.今年(2005年)の10月に駅やホテルなどで無料で配布され,B4判の大きさ,折り畳んで持ち運びができるものとなっている.製作は郡山青年会議所,編集は福島県県中建設事務所のワーキンググループで行った.麓山の福島県合同庁舎案内所前でも配布している.

No.58 宇宙劇場(ビッグアイ最上階のプラネタリウム)

駅前のビッグアイ最上階23階(外から見て「i」の字の点「・」の部分)には,郡山市の財団法人が運営する「郡山市ふれあい科学館「スペースパーク」」がある.そこには科学に関する展示を行う「展示ゾーン」などの施設とともに,「宇宙劇場」と呼ばれるプラネタリウムが存在している.宇宙劇場の上映時間は45分が基本で,プログラム内容は季節毎に変更するようになっている.入場料が大人400円というのは手軽な値段で大変うれしい.一般番組として宇宙の話を行うもの(12月までのテーマ:「宇宙の果ては?」)や,親と子の天文教室(12月までのテーマ:秋の星とペルセウス座物語),星と音楽の夕べとして各アーチストの曲とともに宇宙に関する映像やプラネタリウムが上映されるもの(過去に,平井堅やクイーン・カーペンターズなどが行われた)も夕方最終回のプログラムに組み込まれている.金曜日に限っては19時からの上映もあるので,仕事帰りにちょっと音楽と星座を見てリラックスをしよう!などといったことも可能である.
今月の「星と音楽の夕べ」のアーチストは中島みゆきであった.金曜日,仕事帰りにちょっと見てみることにした.宇宙劇場内は,映像を映し出すスクリーンである直径23mの傾斜型ドームがあって,座席数は234席となっている.プラネタリウム投影機や全天周映像装置・デジタルプロジェクターなど,最新の設備が設置されている.中島みゆきの「地上の星(プロジェクトXの主題歌)」から始まって,秋の星座が映し出された.今晩見ることのできる星座の解説があって,真っ暗な場内で煌めくような星の映像とともに「空と君のあいだに(ドラマ「家なき子」の主題歌)」「別れうた」「旅人のうた」が流れた.「誕生」の歌のときは,月の誕生について映像が流れ,最後の「ヘッドライト・テールライト(プロジェクトXの挿入歌)」の時は,アポロ13号の月面着陸時の映像が流れ,感動のあっというまの45分間であった.緻密にストーリーを組み立てており,飽きがこなくて見ていて楽しい,聴いていて心安らぐ「星と音楽の夕べ」であった.しかし,入場者が十数名しかおらず,この素晴らしいエンターテイメントにもっと足を運んでもらいたいと思うのは僕だけであろうか.「星と音楽の夕べ」は平日は15:30~,土日祝日(冬季)は17:00~,金曜のみ19:00~も開催される予定となっている.
ところで,クイーンのときは,ディスコ(今はクラブというのか)のようにみんな踊りまくっていたのであろうか? もう一度,平井堅とともに見てみたいと思うのであった.過去の特集も期間限定でアンコールしてもらいたい.

No.57 ゴミ屋敷騒動

全国のワイドショーで,ゴミを家に持ち込んでいるという男性の話題が連日放送された.それがなんと郡山市の赤木町.それも4軒にもわたってゴミをため込んでいるという.時々こういう報道を見かけるが,どうしてゴミを家の中に積み上げようという心理になるのかちょっと理解に苦しむが,周辺住民からも悪臭がするので撤去して欲しいと郡山市に苦情を言っているようだ.市役所では道路上のものは片づけられるが,家の中のものは撤去できないとのこと.早速,車で赤木町の住宅街の中を走ってみた.4軒もあるので,ぐるぐる走っていれば見つけることができるだろうと思い,うねめ通りの咲田から県合同庁舎に向かう2車線道路に曲がり,ブイチェーン(だったと思うが)の店舗脇の国道4号に抜けれる非常に狭い一方通行の道をしばらく走っていくと,早速ありましたよ,ゴミの入ったスーパーのビニール袋を築堤のように整然と積み上げて塀を造っている木造家屋が(右手側).途中で左に曲がり,またぐるぐると走っていると,今度はがらくたの積んである別の家も発見! そこでは道路脇で整理をしているおじさんがいて,タバコを吸ってこちらを睨んで立っていた. 【ビンゴ!】 恐らくこの人が張本人だと思われる.その脇には郡山市が設置した「不法投棄はやめましょう」の看板が.恐らく,ゴミ屋敷を見に来た人がいっぱいいたと思われる週末であった.

No.56 うねめ通りの街路樹も色づき・・・

日に日に朝晩の冷え込みが厳しくなり,木々は色づき始めている.国道4号の若葉町交差点から,咲田・西の内・並木・朝日・桑野・亀田と走って希望ヶ丘団地まで,4車線の「うねめ通り」が貫いている.地元の人は,通称「軍用道路」と呼ぶ人もいるが,かつて大槻には陸軍の基地(現在の自衛隊のところか)があって,そこまでの軍用道路としての役割を果たしていたことからこの名がついており,住宅地図を見てみると今でも軍用道路の記載が見受けられる.
そんな「うねめ通り」の西の内・並木(イトーヨーカドー)・朝日町付近の街路樹は色づきはじめている.おそらく「プラタナス」ではないかと思っていたが,よく見ると木の幹の樹皮が白くない.プラタナスは白い大きなカサブタのような樹皮が貼り付いているような感じになるのである.内環状線に植えられている街路樹は,間違いなくプラタナスであるが,うねめ通りの街路樹は似ている別種ではないかと思われる.
プラタナスは,和名では「すずかけのき」と呼ばれ,秋になると真っ黄色に色づき,秋を感じさせる街路樹である.パリのシャンゼリゼ通りにも植えられており,姉妹都市を提携している東京都の街路樹でも多く見ることができる木である.まさに今,並木・朝日町付近では,真っ黄色に色づいたプラタナスが,カサカサと音を立てながら寒風にゆられていた.まもなく,寒い寒い冬がやってくる.そんな,ちょっと寂寥感のある街の風景であった.余談であるが,かなり大きな葉っぱが道路上に舞い落ちており,毎年秋になると落ち葉の片づけが大変そうであるが,先日クレーンにのった作業員が剪定作業を行っていて,内環状線のプラタナスは葉が落ちる前に葉を削ぎ落とされ,丸裸にされていた.落ち葉の苦情が多いのかもしれないが,何か奇妙な光景でもある.

No.55 「辰美」のカレー南蛮そば

酒飲んだあとのラーメンならぬ「カレー南蛮そば」.陣屋の細いレンガ通りにある「辰美」のカレー南蛮は,「つう」には名の知れている店である.ちょっと綺麗とは言い難い店構えと店内であるが,のれんをくぐるとカレーの香ばしいにおいが鼻に入ってくる.カウンターに椅子がずらりと並べてあり,入ってきたお客のほとんどが「カレー南蛮」を注文する.店先の看板には,「お茶づけ・やきとり・生そば」と書かれていて,ビールや焼き鳥も注文することができるが,やっぱり人気はカレー南蛮なのである.なんといってもつゆがいい.カレー南蛮というと,普通のそばつゆにそばを入れて,申し訳なさそうに上にカレーのソースをかけるだけのカレー南蛮もあるが,ここのそばは「つゆそのもの」が「カレーつゆ」となっていて,味付けが程よくなされている.飲んだあとにはカレー南蛮,これもなかなかいける.

No.53 平成17年度の上半期が終わって・・・

10月に入って,今年度も下半期に突入した.9月30日は上半期の区切りの日とあって,いくつか大きな話題が入ってきた.
まず,交通の話題から.福島と福岡を結ぶ航空路線が来年の3月で休止されることとなった.開港当初から運行している老舗路線であるが,現在の搭乗率は約4割まで下がってしまい,やむなく休止とのことである.運行時間帯が夕方1便のみという不便さもあるが,思うように観光客誘致ができなかったらしい.やっぱりここは,福島空港を野口英世空港にして観光客誘致しか手はない.
郡山・福島と仙台とを結ぶ高速バス競争の火付け役となった富士交通が10月12日をもって運行を取りやめると決定した.富士交通はバス参入の規制緩和を受けて,低価格とサービスを売り物として既設バス会社に対抗して路線を開設したバス会社であり,熾烈な戦いぶりは本コラムのNo.6,No.27,No.49でも取り上げてきたところである.運賃が破格の安さになり,便数も当初の1日6便から大幅に増加していることから,乗客にとってはありがたい競争であったが,軍配は既存バス会社に上がったこととなる.なお,共同運行していた桜交通は,しばらく休止のあと再び仙台線での運行を再開するとしている.
福島県内の民放FM局「ふくしまFM」の本社が10月1日より福島市から郡山市に移転した.ちょうど開局10周年にあたる年に福島県の中心地・郡山に移転したことになる.やはり情報発信は県内どこに行くにも便利で,経済の中心地である郡山市の方がいいということなのだろうか.福島市は仙台までの高速バスの利便性もあって,ますます衰退していっているように感じる.
いわき市に本店を置く,カニピラフで有名なシーフードレストラン「メヒコ」が民事再生法を申請してしまった.営業は続けるそうだが,沖縄県から宮城県まで約20店舗を展開しており,最盛期には売上高約42億円を計上していた.負債は約28億円.なお,メヒコのカニピラフは楽天の通信販売で購入できるのでお試しを.いわきでは鹿島ショッピングセンターのダイエー撤退に続く暗いニュースである.
そんなこんなの上半期であった.

No.52 アサヒビール福島工場

国道4号線を北上し,郡山市から本宮町に入ってすぐ右側にアサヒビールの福島工場がある.1972年(昭和47年)からの操業で,敷地面積約25万m2,年間生産量約7億本(大ビン換算)を誇る国内でも最大級の生産能力を誇る工場である.福島工場からは,東北六県と新潟県・群馬県・栃木県に出荷されている.
ここには,工場に併設されてアサヒビール園があるので,できたてのアサヒビールを飲みながら人気のラム肉のジンギスカンとしゃぶしゃぶを頬張ることができるのであるが,ビール園もさることながら,ビール工場の見学を無料で行うことができるのも魅力のひとつである.原則予約制であるが,混雑していないときは飛び込みで見学を行うこともでき,仕込室・発酵工程・ビン詰工程・缶詰工程・再資源コーナーなどをガイドさんのわかりやすい説明を聞きながら見ることができる.でもなんといってもお楽しみは,最後に出される工場直送の生ビールの試飲(スーパードライと黒ビールから選べる)である.缶ビールのおいしい入れ方が印刷された特注非売品の「カッパえびせん」と「鴨の薫製」のつまみまで出されて,さらにお代わりOK(それなりの大きさのグラス一杯に注がれる)といった太っ腹なサービスで,これで見学無料というのだから,さすがは「アサヒビール」といった感じである.隣のおばちゃんなどは,「うわぁ~,おいし~ぃ! やっぱ,違うわ,これ!」と叫び我を忘れて大はしゃぎ.休みの日になると,大型バスで関東や東北各地から福島県を観光したついでに工場見学とビール園昼食セットでやってくる団体が多いらしく,大勢の人で賑わっており,郡山地方のちょっとした隠れた名所である.
2ヶ月後,案内したガイドさんから1枚の絵はがきが届いた.またお近くにお越しの際はお寄りくださいとのこと.さすがのアサヒビールであった.

No.51 母畑温泉「八幡屋」

郡山から車で1時間ほど南東に走ったところの石川町に母畑温泉がある.母畑温泉は複雑で珍しい岩質のある地質構造を持つ地域であることもあって,アルカリ性単純泉・ラジウム含有泉である放射能泉となっており,神経痛、リューマチ、打身、火傷、切傷に効能があるとされている.その母畑温泉のなかに,ひときわ大きな高級温泉旅館が存在する.その名は「八幡屋」である.
八幡屋は,泊まってみたい温泉宿10選にも選ばれたことがある(何の雑誌かは忘れてしまった!)ほどの名旅館で,一歩建物の中に入ると,ロの字型に宿泊棟が配置された大きな吹き抜けの空洞となっており,ガラス張りのエレベーターが優雅に上下に移動している.(そのエレベーターはドアが閉まると外の景色を見やすくするためにカゴ内のライトが暗くなる芸の細かな演出をしている) なんといっても八幡屋の素晴らしいところは,従業員たちのきめ細やかなおもてなしのサービスで,駐車場のドアまでやってきて荷物を持ってフロントまで案内してくれたり,荷物を持ってもらって部屋まで案内されると自己紹介と館内の説明,そしてお茶を入れてくれたり,宴会時や朝食時も同じ担当のまかないさんが世話をしてくれたりと,きめ細やかなサービスが提供される.
温泉も大きく広々とした浴槽となっており,面白いサウナとして横に寝ころぶラドンサウナ「せせらぎ」を体験することもできる.吹き抜けのホールでは,夜は屋台を並べた夜市が行われ,朝になると舞台の上で琴を優雅に弾いており,なんとも贅沢でくつろぎのある時間を過ごすことができたのであった.

No.50 ホットペッパー発行の地・郡山

郡山ではリクルート社発行の「ホットペッパー」が発行されている.ホットペッパーは駅やコンビニで入手できる居酒屋やレストランなどの割引クーポン券が印刷されている情報誌であり,毎月月末の金曜日に発行され,値段は「0円」無料となっている.色々な店の紹介の情報誌が無料で手にはいることもあり,結構ちまたでは人気の高い情報誌である.無料となっているカラクリは,掲載している店から広告料ということで収入を得ているためであり,情報誌を見てお店に足を運んでもらえれば,お店側としてはOKということになる.東北地方でホットペッパーが発行されているのは,仙台と郡山の2都市のみであり,そう考えると「郡山って東北第2の都市なんだ!」と感慨深いものがこみ上げてくる.
ホットペッパーが発行されている48都市で見てみると,発行部数が最も多い都市は「銀座・新橋(東京)」の35万部,ついで「大通り・すすきの(札幌)」,「新宿・池袋(東京)」などの30万部となっている.一方,最も少ないのは「長岡(新潟)」の4万部であり,「郡山」は5万1千部となっている.
広告掲載料で比較してみる.最も掲載料の高いのは「大通り・すすきの(札幌)」の6万円(最も枠の小さい1/18ページサイズにおける掲載料の場合.以下同じ)であり,「銀座」や「新宿」の5万円を上回っている.観光客の多く訪れる札幌すすきのを抱える札幌ならではの値段設定なのであろう.そして,最も安いのは,「郡山」と「長岡」の2都市のみで3万2千円となっている.
飲み会の時はホットペッパーを持参して,割引やフリードリンクサービスを受けるとお得感倍増である.ホットペッパーに載っているお店は新規開業のところも多く,新規開業の店は最初のうちは混んでいるが,半年も経つと飽きられて閉店に追い込まれ,また新しいお店が誕生してホットペッパーに掲載され・・・,といった繰り返しの店も多く見られる.読者の約8割が女性であるとのことであり,流行の情報感覚は女性の方が鋭いようである.男性陣は,赤提灯のぶら下がった心安らぐ「ママ」のいる小汚い居酒屋の常連さんの方が心地よいのかもしれない.
なお,ホットペッパーには飲食店の他に,美容室やエステ,スクールなども掲載されている.

No.49 郡山仙台線高速バスのその後

郡山仙台間の高速バスの熾烈な戦いについてはNo.27とNo.6でも述べた.その後どうなっているのか,状況をレポートする.
新規参入の富士交通(本社仙台市)が会社更生法を適用してからも高速バスの運行は続けているが,既存バス会社(福島交通・宮城交通・JRバス東北)による本数の増便や回数券の割引の追随攻撃を受けたことにより,乗車客数が伸び悩んでいるようで,新規参入組は当初に比べて本数を激減させており,車内でのお茶のサービス等もなくなっている.料金も往復回数券2,300円で落ち着いてきており,こうなると本数が多い既存3社にお客が流れていくのは当然で,現在では圧倒的に既存3社に軍配が上がっている.仙台駅広瀬通りの宮城交通バス乗り場では,相変わらずハンドマイクを使った案内放送合戦を繰り広げているが,既存3社は3人もの案内係を配置して(もちろんハンドマイク持参),東北各地に発車する高速バスの乗客達をさばいている.新規参入のパートナーである桜交通(本社白河市)も本数を減らしていて,路線がなくなるのも時間の問題であるように思われる.
利用する我々にとっては値下げ競争の結果,仙台に気軽に買い物に行けるようになり,日帰りで充分遊んでくることが可能なので喜ばしい限りであるが,バスが途中でパンクしたり故障して炎上したり,乗務員の過労による居眠り運転などがないよう,安全対策にしわ寄せがこないよう充分にお金を回して欲しいと思うのでありました.

No.48 東京まで一般道で行く

このご時世,少しでもお金を浮かせたい! 東京まで一般道で行くとどうなのか.2人以上の場合,徒歩を除いて最も安く東京に行く方法がこれなのである.郡山市から東京都心までは約250kmあり,食事タイムや休憩時間を入れておおよそ6時間の道中となる.ただひたすら国道4号を南下していくのである.
郡山から須賀川までは4車線(両側)であるが,そこから宇都宮の手前までは白河を除いて2車線の道路となる.ここまでの道のりはバイパスも整備されておらず,スピードも出せずにだらだらと走る感じでとても長く感じられ,那須塩原付近や氏家・矢板付近では大型商店の建ち並ぶ中を走るので,ちょっとした渋滞に巻き込まれる.
宇都宮の手前から4車線の道路となり,新4号バイパスも整備されて小山の南まで信号のほとんどないバイパスが続く.ここでは時速80km(制限速度は60kmですのでお間違いなく.捕まらないギリギリの速度が80kmか?)で快調に飛ばせるので,小山の南まではあっというまに移動することができる.昔は,2車線だったので4車線化の道路整備は着実に進捗していることが伺える.
利根川を渡る手前では再び2車線となるが,用地買収は終わっているようなので,あとは事業が進むのを待つだけであろう.利根川を渡って茨城県にちょっと入るのだが,かつてこの橋を渡るには有料であった.そして,今年オープンしたばかりの道の駅「ごか」(「こが」ではなく「ごか」.古河市ではなく猿島郡五霞町にあるので「ごか」)が左手に現れるので休憩をとるが,郡山東京間の国道4号沿道にある道の駅では唯一のものである.
春日部付近までは2車線であり,バイパスの2車線ではあるがノロノロとなる場合がある.春日部からは4車線となるが建物が建ち並ぶようになり,都会特有の車線の幅が狭い車線となる.僕の場合は途中から右に曲がって,東北自動車道の浦和ICを目差し,国道121号に左折して,鳩ヶ谷・赤羽・王子を走って都心を目差している.
費用は,ガソリン代のみ.燃費はリッター10kmとして,250kmで25リットルのガソリン,1リットル120円とすると片道3,000円となる.ちなみに,今年の夏は2日にわたり,行きと帰りで一般道走行をやったが,次の日はさすがに右肩から背中にかけて筋が張って痛みが残った.さらに,この日から腰痛に悩まされるようになり,長時間運転もほどほどにしないといけない.もう若くない体には,安さの代償にしては大きいものがある.
なお,都心の道路を走る際には,車線が狭いのに加えて,突然右折専用車線になったり,交差点を越えると車線数が変更になっていたりと,道の特性を知らないと予期せぬ事態に遭遇する.慌てずに落ち着いて,左右のサイドミラーを睨みながら安全運転に心がけましょう.

No.47 県内でもっとも高いビッグアイ

「ビッグアイ」とは郡山駅前にそびえ立つ高層ビルで,地上24階建ての高さ約133mの福島県内で最も高いビルディングである.ビル全体の外観が英子文字の「i」になっている.iの頭の点の部分(20~24階)には展望室とスペースパークと呼ばれる宇宙劇場(プラネタリウム)やふれあい科学館があって,展望室は無料で入ることができる.
この複合ビルには,1~5階にはMOLTI(モルティ)と呼ばれる専門店街,6~7階は土日でも住民票や印鑑証明などが発行できる市役所の市民プラザ(これは便利),8~14階は定時制単位制・通信制単位制の福島県立郡山萌世高校,15~19階はオフィスフロアとなっている.郡山駅西口の再開発事業で行われたのであるが,近年の経済不振によってテナントが思うように集まらずに苦心しているようである.
展望台に登ってみると安積平野が一望できて,緑に囲まれた平野であることが実感できる.かつての郡山駅を再現した鉄道模型のジオラマも展示してある.展望台に行くエレベータは3台あるが,そのうちの1台は直行エレベータでちょっとした細工が施されており,扉が閉まると真っ暗になって足下から赤や黄色のランプがピカピカと光り,宇宙空間を思わせるように「ゴー,ゴー」という効果音が流れてくる.ところが,子供に受けようとしてこの演出を行ったのであろうが,小さい子供は怖がってしまい,「帰りは明るいエレベータで下りるから大丈夫よ」などという光景も.また,女子高生などは冷めたもので,「このピカピカって分けわかんなぁ~い」などと言っている.しかし,このエレベータは全国的にも珍しい演出エレベータなので,みなさん,展望台に行くときは,是非とも一番右側の展望台直行エレベータに乗ってみましょう.

No.45 酪王牛乳のカフェオレ

巷で絶大な支持を得ているのが酪王牛乳のカフェオレである.酪王牛乳は福島県酪農協同組合が生産する牛乳のブランドであり,牛乳をはじめ各種乳飲料,ヨーグルト,バターなどを生産している組合である.本部は福島市であるが,工場は郡山市大槻町と会津若松市に存在し,福島県内ではスーパーやコンビニで見かけることのできるポピュラーな牛乳である.郡山市の小学生は大槻工場に社会科見学に行くらしい.なかでも,人気の高い商品が1976(昭和51)年より販売されている「カフェオレ」なのである.
酪王牛乳のカフェオレには2種類ある.生乳50%未満のカフェオレは「ハイ・カフェオレ(1000ml・300ml)」という商品であり,「カフェオレ」よりもよりコーヒー味が強く,こちらは「カフェオレ」とは別商品である.生乳約70%を使用したカフェオレが巷で人気の高い「カフェオレ(500ml・300ml・200ml)」であり,県外に住んでいる人が福島県に戻ってきたときは500mlのカフェオレを買いだめしてしまったり,一度飲んだら他のカフェオレは飲めないという人がいたりと,カフェオレに対する熱い思い入れを語る人は多い.というわけで,早速飲んでみた.この程よいビターな味わいが最高なのであろう.甘すぎず,かといって苦すぎず,一見すると甘ったるいカフェオレを想像してしまうが,このほろ苦さと牛乳のクリーミーさがリピーターを逃さない秘訣の味なのである.

No.44 鈍行で東京へ行くのも悪くはない

郡山から東京へ行くには,時間の早い新幹線,値段の安い高速バスと利用者のニーズに応じて交通機関を選択することができる.お金がないときは高速バスかな,といった考えがとっさに思いつくが,実はJRの鈍行で乗り換えながら東京に行くのもそんなに時間のかかることではない.新幹線が開業する前の東北本線は,仙台や盛岡・青森などへ向かう特急や急行列車が沢山走っていて,鈍行列車は通過待ち合わせのため時間がかかるものであったが,今では特急はほとんど走っておらず,夕方の寝台特急だって数本なので,普通列車のスピードも速くて思ったよりも時間がかからずに東京まで行くことができる.
郡山駅から東京までは直通列車は走っていないので,黒磯駅と宇都宮駅の2回の乗り換えが必要となるが,平成16年10月の時刻改正によって接続時間がよくなって,数分の待ち合わせで乗り換えができるようになり,さらに宇都宮から東京までの宇都宮線では「快速ラビット」との接続になっているので,よりスピーディに東京まで行けるダイヤになっている.さらに日中は湘南新宿ラインの快速との接続になっているので,新宿や渋谷方面にも行きやすくなっている.平成17年12月のダイヤ改正では,若干接続時間に余裕ができた反面,快速列車との接続が悪くなり,東北本線は各駅停車の接続となることが多くなり,時間も若干かかるようになった.それでも,郡山から東京までの所要時間は,概ね4時間といったところであり,高速バスでは約4時間(郡山・新宿間)なので,時間もほぼ互角といったところである.運賃は,郡山-東京都区内で大人片道3,890円(2日間有効の都区内乗り放題がついた東京自由乗車券だと往復7,200円)なので,高速バスの片道4,000円(往復割引だと7,000円)と互角といったところか.運賃も所要時間も高速バスとあまり変わらないのである.また,宇都宮から東京まではグリーン車が併設されている場合もあり,グリーン料金は事前購入のホリデー(土日)料金で750円(車内購入だと1,000円)なので,東京近郊で混雑しているときはグリーン車を使用してしまう手もある.
鈍行列車は,長距離を乗り通す人が少なくていずれ座れるので,壁際に座ってしまえば足を伸ばしてぐっすり眠っていくことも可能であり,ちょうど1時間程度の乗車ごとに乗り換えがあるので,気分転換を図るのにもちょうどよい.ただ,冬期間の黒磯から東京側の電車は非常に寒い(黒磯から以北の東北本線は逆に暖房が効き過ぎていて熱い!)ので,冬はやめといたほうがよい.また,乗り換え時間が少ないので,もたもたしていると乗り遅れるので,乗換駅では注意が必要である.列車にはトイレもついている(恐らく綺麗とは言えないと思うが・・・)ので心配はない.最近の普通列車は首都圏の通勤電車で見られるロングシートタイプが多くなっているが,黒磯以南では東京側の2両分のみはクロスシート(4人のボックスタイプ)が復活してきているので,のんびり景色を眺めながら行くのも悪くはない.

No.43 フルーツバー「AOKI」のフレッシュジュース

食べ物の話題を続けてもうひとつ.果物好きな僕としては是非紹介しておきたい.JR郡山駅の駅ビル・エスパル改札口(ビックアイ側の3階にある出口)を出た左手コンコース途中に,果物のフレッシュジュースを販売するフルーツバーAOKIがオープンした.この店は,郡山駅前のアーケード内で青果店を開いている「フルーツショップ青木(フルーツショップ青木のHPではないが,その店をインタビューしたときの様子を紹介している)」が経営している店で,同じくフルーツショップ青木が経営しているフルーツタルト「ル・ヴェルジェ」も併設して店をオープンさせた.青木のフルーツといえば,郡山では高級フルーツの代名詞となっており,「福島版千疋屋」といったところか.最近はフルーツタルトの方が有名にもなっている.
ここのフレッシュジュースは濃縮還元液や食品添加物などをいっさい使わず,甘さもフルーツシュガー(果糖)のみというこだわりの味で,果肉がごろごろとジュースの中に残っているので,キウイジュースなどは口径の大きいストローで飲むようになっている.ソフトクリームやフルーツタルトも売っていて店内には机とイスが置かれているので,その場で食べることも可能である.フレッシュジュースというと,果肉が細かくミキサーで砕かれているものをイメージしてしまうが,ここのは果肉が大きいまま残っているのと,砂糖の不自然な甘さではなくて自然の甘さなので,果物をそのまま食べている感覚で飲むことのできるフレッシュジュースである(僕が飲んだのはキウイジュース).こちらも,モーニングのヨーグルトと併せてお試しあれ.ちなみに,青木のフルーツバーは,県内ではうすい百貨店や郡山モール・郡山ジャスコに,仙台では長町モールに,そして東京のLIVINOZ大泉店・光が丘店などにも出店しているようである.福島県内の本物志向のお店がどんどん全国区になっていくことは嬉しい限りである.

No.42 「モーニング」のヨーグルト

「モーニング」という名前の郡山市安積町に本社(工場)のあるヨーグルト専門店がある.メロンやイチゴなど季節の生のフルーツを混ぜ込んでいるヨーグルトなどを量り売りで販売しており,若い女性をはじめヘルシー志向のブームもあって人気が高く,オシャレな店である.郡山市内在住の女性でモーニングのヨーグルトを知らない人はいないだろう.20年ほど前に一人のお母さんがヨーグルトのデザートを作ったのが始まりで,最初は小さなお店を開いていた.ヨーグルトはすべて手作りで,あだたら高原で育ったホルスタインの牛乳を用いて作られている.現在は郡山市内に8店舗(駅前モルティー,モール,安積町の工場直売など),いわき市に1店舗を展開しているが,関東・首都圏の人から「関東方面では開店しないのですか」といった問い合わせが多いらしく,3月より茨城県つくば市に初の県外店をオープンさせたところである.楽天市場においてWEB通販も開始された.
ヨーグルトはいろいろな種類が売られており,僕のお気に入りは大きな果実とナタデココの入ったイチゴヨーグルトとメロンヨーグルトである.甘すぎず,酸っぱすぎず,フルーツの大きな果肉とヨーグルトそしてナタデココのコリコリ感が程よく混ざっていて非常においしい.プレーンヨーグルトも砂糖入りと砂糖なしがあり,お好みのヨーグルトをショーケースを見ながら選ぶことができ,グラム単位の量り売りで容器に入れて売ってくれる.郡山駅に立ち寄った際は,駅前を出た右手のビックアイ(福島県で一番高い建物)の1階に店舗を開いているので,立ち寄って食べてみることをお勧めする.

No.41 格安高速バス登場で郡山-東京片道2000円!

ついに桜交通が東京までの格安高速バスを催行することになった.なんと郡山-東京間で片道2000円(福島-東京間は2500円.大人子供同額)である.この高速バスは,運行上は募集型企画旅行取引による主催旅行で,(株)さくら観光が主催するツアー(路線バスではなく貸切バス)ということになる.正確には「高速道路を走行するツアーバス」を略して「高速バス」といったところだろうか.全国的に見ても東京・大阪間や東京・仙台間などでも同じような観光バス専用会社による運行が行われ始めてきている.
申し込みはインターネットか電話申し込みとなってiおり,6月からは1日2往復の体制となった(時刻表などが随時変更しているので,その時の情報を確認したほうがよい).乗車券類などの発券は行っていない.また,バス乗り場もバス停などがあるわけではなく,何の案内板もないので不安になってしまうが,路線バスの扱いではなくツアーバスなので,道路占用許可などを役所に申請しなければならないバス停設置などは行わないと言ったところだろう.取消料は,既存の福島交通やJRバスなどと違って,旅行ツアーの取消料が適用される.前日では40%,当日では50%の手数料が取られるが,もともとの運賃が安いのでたいした額にはならない.既存の高速バスに乗り慣れていると,丁寧な車内案内がなくて不親切だな,のりばが分からなくて不安だな,トイレが付いていないな,などと思ってしまうが,ここは格安であるということを念頭において,乗客自身がしっかりと意識し納得(というか妥協)することが必要であろう.東京駅から郡山駅までは,時刻表では約4時間となっている(途中休憩2回ある)が,東京駅を出てすぐの箱崎ランプから首都高にのってしまうので,すいていれば約3時間30分程度でついてしまう.郡山駅まで直行するが須賀川インターを利用している.
現在のところ,東京では東京駅八重洲口の横断歩道を渡ったところにバス集合場所があるのだが(6月中旬から鍛冶橋駐車場に変更済み),そこには既存バスの千葉方面行きの高速バスのりばがあって,そこの案内係のひとが桜交通などの他社のバスが止まらないように,目を光らせていた.なかなか駐車スペースがなくて路上駐車や交通量の多い現在の場所で乗降させるのは大変だと思われるので,土日には交通量も少なくなる丸の内口のオフィス街のどこかの道路脇に乗降場所を変更したほうがよいのではないかと思った.多少,駅から歩いてもこの格安値段なので乗客も納得するはずである.なにしろ既存の高速バスの約半額,新幹線の約1/4の値段なわけなので.あまり,既存のバス会社や周辺関係者と敵対的関係にならずにこの格安高速バスを続けて欲しいと願うのでありました.なお,既存バス他会社の人に「桜交通の郡山行きのりばはここですか?」などといった質問は避けましょう.トヨタの営業マンに向かって「ホンダのフィットを買いたいのですが」と聞いているのと同じことになるので.のりばはインターネットの地図画面を印刷して,自分のことは自分で理解するようにするほうがよい.格安高速バスはある程度の自覚をして利用すべし!!

(このページは2005年に掲載したものです)