雄国沼のニッコウキスゲ【会津考察#17】

Nikko-kisuge (The yellow lily) in Oguni-numa


雄国沼湿原

 


 雄国沼湿原は,周囲4kmの雄国沼を中心に標高1100mの高原に広がる高層湿原であり,ニッコウキスゲやヒオウギアヤメ,ミズバショウなどの高山植物が群生しており,雄国沼湿原植物群落として国の天然記念物に指定されている.雄国沼湿原は,ミズゴケやヨシなどの植物が枯れて腐食して積み重なって泥炭層をつくり,長い年月をかけて(何千年,何万年の世界で)造り上げたものである.雄国沼の高層湿原の泥炭層は深さ約1.3mあるという.高層湿原とは,ミズゴケ等の泥炭により地下水位より高いレベルに発達した湿原のことをいう.
雄国沼へは,裏磐梯の檜原湖(国道459号)から登ってくる「雄国せせらぎ探勝路」や,ラビスパ裏磐梯から登ってくる「雄国パノラマ探勝路」の登山道が一般的だが,会津盆地側の喜多方から狭い道路を利用して車で金沢峠まで登ってくることも可能である.しかし,シーズン期になると多くの訪問客がやってくることから,6月上旬から7月下旬までの期間は,ふもとの雄国萩平駐車場(駐車無料)から金沢峠までを一般車通行止めにし,シャトルバス(有料)による輸送を行っている.金沢峠から雄国沼湿原までは,整備された約500段の階段を下りて湿原に降りる.30分程度で木道を一周して金沢峠まで戻ってくることが可能であるが,静寂で神秘的な雄国沼湿原の空気をゆっくり味わって戻ってみたい.帰りは上り階段となるので,段数を数えながら金沢峠のバス乗り場駐車場まで頑張ろう.
 
雄国萩平駐車場
ここでシャトルバスに乗り換える
 
標高1000mまで約25分かけて登る
狭い道路でエンジンを轟かせながら登っていく.会津盆地のパノラマは絶景.
バスは無線機で位置情報の連絡を取り合いながら,すれ違う.
余談だが,昔マイカーで金沢峠まで登ってきたら,
エンジンがオーバーヒートしてしまった経験がある.
 
金沢峠.ここからは歩いて雄国沼へ.
最終バスに乗り遅れたらタクシーを呼ぶこともできるが・・・.

これが金沢峠から眺める雄国沼と雄国沼湿原
 
ひたすら階段を下りていく
ウッドチップが敷いてあり歩きやすい

湿原が広がる

ニッコウキスゲの中を歩く

咲き乱れるニッコウキスゲ.ユリ科の植物
漢字で書くと「日光黄菅」.朝咲くと夕方にはしぼんでしまう1日花
朝から午前中にかけてが見頃のようだが,
この写真は夕方17時頃のものであり,夕方でも見応えは十分

アヤメも咲いている

静寂な湿原の中で