「いわき小名浜見聞録」カテゴリーアーカイブ

いわき小名浜地域の個人的なコラムをお伝えする,見聞録シリーズです.

いわき小名浜見聞録【#61-#71】[一括掲載]

(このページは2002年~03年3月に掲載したものです)

No.61 ミュージックカーニバル ~三崎公園野外音楽堂

毎年夏の終わりに三崎公園野外音楽堂で恒例のフェスティバルが開催されている.県内外のアマチュアバンドがあつまって演奏を行う「ミュージックカーニバル」である.1989年ジャズフェスティバルと題して行われたのが最初で,今年で13回目となり,当初7組だった出演バンドも20を数えるまでに成長した.なんといっても,普段はサラリーマンや自営業を営なみながら音楽をこよなく愛する人々が年に1日だけ演奏できるイベントとあって,ステージと会場との間に高い壁がなく,お互い一体となって踊りながら音楽を楽しむこともできる.いわき地方の音楽文化の育成に大きく貢献しているイベントである.会場内では,やきとりやビールも販売しているので,太陽の降り注ぐ会場で,ビールを飲みながら,日頃の成果を堪能するのも悪くはない.

No.62 風台風直撃!(最大風速48.1m)

先日襲った台風21号.戦後最大級とのふれこみで,天気予報でも警戒を伝えていたが,午後9時頃までは平穏な天候で本当に台風が来ているのだろうか,程度のものであった.このままちょっと雨と風が強くなって過ぎ去っていくだろうと思っていた.ところが,午後10時頃になると,突然突風が吹くようになり,雨足が強くなってきた.それが段々と更に強くなり,鉄筋コンクリートのこの建物が壊れるのではないかと思うくらい,突風が続いていった.外を見ると,発泡スチロールやダンボールなどのゴミが空を舞い,雨が波打っていた.隣の塀の柵が倒れた.すると,電気が消えた.と思ったらすぐついた.また消えた.またついた.これがしばらく繰り返されたあと,ついに電気はつかなくなり停電となる.
風による轟音と雨音が真っ暗な中で響く.身の危険を感じてしまう.懐中電灯とラジオを付けて,外を眺めた.部屋の中を暗くすると,外はよく見えるようになる.火花がスパークして空が明るくなる.電線が切れているのだろうか.海に浮かぶ船はライトを照らしている.すさまじい風と雨である.すると,ぴたりと風と雨が止んだ.台風の目に入ったらしい.本当にぴたりと止まった.そしてしばらくするとまた風が吹き出した・・・・.いっこうに電気がつく気配がないので,そのまま寝ることにした.
翌日,信号機は曲がり,店先の看板が落ち,ビニールのひさしは破れ,柵は倒れている.最大瞬間風速は48.1mであった.道路上にはどこから飛んできたのかコンクリート片の崩れた残骸のようなものが落ちており,ドラム缶がゴロゴロと転がっている.久々の台風らしい台風であった.おかげで,車は潮だらけ.葉っぱやワカメがこびりつき,空から海水が降ってきたのであった.

No.63 目光り大作戦!!

メヒカリとはいわき市の魚として認定された深海魚である.詳しくはNo.37の項目で記しているが,この「目光」にかけて,いわき市民総ぐるみ・秋の交通安全運動「目光り大作戦」が実施されている.その内容は,「昼夜を問わずライト点灯の目光り運転を実施しよう」というものである.トラック業界ではかねてよりライトを点灯しながら運転していたようであるが,ライトを点灯しながら運転すると昼間の事故が減少したという報告を受けて,いわき中央・常磐地区交通安全協議会・安全運転管理者協会・事業主会・警察署によって,いわき市全域でライト点灯の運動を展開しているものである.
効果として,①相手に自車の存在を早く知らせることができる,②カーブミラー内の車は確認しやすい,③遠くにいても早く気がつく,ことが挙げられている.ただし,その運動を行っていく上での対策として,①対向右折車が道を譲ってくれたと勘違いする,②消し忘れと思われパッシングされる,③降車時にライトを切るのを忘れることなどが挙げられている.
市内では,率先して官公庁や事業所においてライトをつけて走っており,ライトをつけて走る車をポツポツ見かけるようになった.しかし,9割方はライトをつけて走ってはいない.交差点では「ライトを点灯して走行」などと書かれたプラカードを持って,市民に浸透させようと広報活動を行っている.初めのうちはよくパッシングされたが,今はライトをつけていてもパッシングされることはなくなった.職務上の運転としてライトをつけることには抵抗を感じないが,個人の運転時にはバッテリーが消耗しそうで,何だかつける気はならない.どこまで,浸透していくのか,今後に注目である.

No.64 いわき東京線・高速バス Vol.4

年末も近づき,3連休には大混雑する高速バスである.安さが魅力の高速バスだが,最近はJRも休みの日に限って2日間有効の「週末東京フリー切符」というものを発売し,巻き返しを図っている.このJRのフリー切符はなかなか優れもので,スーパーひたちの往復指定席特急券と東京近郊乗り放題のフリー切符がセットになったもので,往復7500円で販売(前日まで購入)されている.高速バスよりは高いが,JRを使って都内で乗り降りする場合や電車のゆったりした空間と時間の早さを考えれば,妥当な値段である.通常の特急指定席では往復12000円程度するので,JRも高速バスを意識した相当の割引を行っていることになる.ただし,これは期間限定で2002年11月30日までとなっているが,かつては冬の期間(12月~3月)のみで販売していたものを,今年から夏まで延期したという経緯があり,今回もおそらく期間が延期されて発売されることと思う.
さて,2001年の4月より増便され,いわき発の最終が20時,東京発の最終が22時となった(2003年5月よりさらに3往復増便となり,30分おきの時間帯が増えた).さらに.金曜日のいわきから東京行きの夕方便はいつも満席で,20時発ができたことにより金曜日の乗りこぼしはなくなった.金曜日のいわき20時発のバスは,初めのうちはガラガラで半分も乗っていなかったのであるが,最近はだんだんと知れ渡ったのか,満席とはならないが結構混雑するようになっている.東京22時発の最終は,ナイターやお芝居,コンサートなどを見終わった後でも乗れるとあって,休みの日には満席となる.どうしても乗りきれないときは補助椅子にも乗客を乗せている.いわき着は午前1時であるが,1泊するよりは帰ったほうが安上がりとなるので,利用客が多いのであろう.
ちなみに,休日の東京駅15時30分以降のバスは,たいてい混雑して満席となる.そのため,2台に増便しているのであるが,2台増便は19時までとなっている.19時発になると,いわき到着が22時頃となるため,連休などの混雑時を除いては,半数くらいしか乗車しておらず,結構穴場の時間である.19時30分以降になると1台運行となっていることが多く,結構混んでいて満席に近い状態となっている.19時発は「狙い目」である.

No.65 上矢田交差点(国道の立体交差)

上矢田交差点とは,いわき市を南北に貫く国道6号と,福島県を東西に結ぶ国道49号がT字型に交わる交差点である.つまり国道49号の起点なのであるが,国道の幹線であることもあって大型車が多く通行する交通量の多い交差点となっており,平面交差の信号機による交通制御であるため,この交差点が引き金となって朝夕のラッシュ時などは大渋滞を引き起こしている交差点なのである.そこで国土交通省によって立体化工事が進められており,今年(2002年)の12月17日に供用開始予定として,急ピッチで工事が進められている.この立体化が完成すると,高速のジャンクションのようになって(一般国道でこのようなジャンクション型の立体化が行われるのは福島県初だという),信号機のないスムーズな分岐と合流ができるようになり,渋滞が大幅に解消されると予想される.現場には「12月供用(予定)」とデカデカと書かれた看板が掲げられ(「予定」と入っているところがミソであるが),もうじきあのノロノロの慢性的な渋滞から解放される日が近づいているのである.
国道49号から国道6号に向かう場合,地形的な方角は左側が四倉・原町方面で,右側が日立・東京方面なのであるが,スペースや構造上の問題もあってか,新しい立体化後には右車線が四倉・原町方面となり,左車線が日立・東京方面となるような車線構成となる.日立・東京方面の場合,左車線で陸橋になっていったん左にふってから,右に大きくカーブながら原町方面の車線と国道6号をオーバークロスして合流するようになる.つまり,地理的な方向と逆の車線を走らないと,目的に向かうことができないのである.初めのうちは戸惑うドライバーが多いような気がする.東京方面に行こうと思っている人が,右側が東京だろうと思って右車線をスピードを出して走っていたら,実は左車線が東京方面であることに気づき,急に車線変更をして事故を起こす・・・・.最悪の場合,周辺の景色は単調な山林なので,間違って走っていることに気がつかず,四倉まで行ってから気がつくといった事態もありえるかもしれない.(余談だが,北陸道から新潟に向かうとき,長岡ジャンクションが同じような構造で,越後湯沢・高崎方面と新津・新潟方面が地理的方向と逆車線の分岐となっていて,間違いが多い)
国道バイパス交差点の完成のときには,看板をよく見て間違いないように走行しましょう.国土交通省磐城国道工事事務所のホームページには詳しい情報が掲載されています.

No.66 アクアマリンふくしまのイルミネーション

クリスマスシーズンも近づき,街のあちこちでイルミネーションが見られるようになった.小名浜港の2号埠頭にあるアクアマリンふくしま水族館では,駐車場前にある7本の街路樹に電飾を取り付けられて,幻想的なイルミネーションを点灯してクリスマスムードを盛り上げている.さらに街路樹以外にも,アクアマリン館内1階のエントランスホール天井や,ラッコやトドなどがいる天井の柱にも電飾を三角形に配し,外からももガラス張りの館内がチカチカ光るように演出されている.港湾道路(市民の間では「産業道路」と呼ばれている)を大剣から三崎方面に走っていると,右側にきれいに点灯したイルミネーションを見ることができ,殺伐とした港湾の風景に心の灯火を与えている.ただし,商業施設がほとんどないアクアマリンパークなため,せっかくイルミネーションが点灯し,さらに日頃からライトアップもされているにもかかわらず,人の気配がまるでない.あまりにも「ひとけ」がなくて,ちょっと歩くには不気味ささえ感じてしまう.是非とも,デートのできる洒落たバーやレストラン,ショッピングモールなどが欲しい小名浜港である.イルミネーションは12月25日まで点灯している.

No.67 世界の人に有名な「磐城」

国際線の飛行機に乗ると,前方の大画面には映画やニュースの合間に,GISを利用した世界地図に今まで飛んできた航路の軌跡と,現在の航空機の位置及び方向が示されるようになっている.地図は全世界の大陸が載っている縮尺の小さい地図から,主な地名まで明記された縮尺の大きい地図へと,交互に表示されていくのであるが,日本列島の上空を飛んでいるときに,ふと日本地図を眺めていると,「仙台(Sendai)」,「東京(Tokyo)」の二つの点の他に,どういうわけか「磐城(Iwaki)」のポイントが掲載されているのである.仙台と東京の真ん中あたりでちょうどよかったからなのか,とにかく「いわき」の名称が日本を発着する国際線の中で,世界中の人々の目に止まっているのである.しかも,ひらがなで「いわき」と表記されずに,「磐城」と表現されているところなど,どうも日本の地理に詳しくない人がシステムを構築したのではないかと思えるのであるが,漢字で表記されているほうがなんか「渋い」!! アメリカ大陸から太平洋路線で日本に向かうと,ちょうど磐城あたりから高度を落としていく.矢祭あたりには航空管制用の信号基地があるらしいので,航空関係者の間では,「磐城」は位置を把握する上で重要なポイントにでもなっているのだろうか?

No.68 飯塚のパン(小名浜)

知る人ぞ知る昔ながらのパン屋さんである.小名浜の本町通りを江名方面へ走っていき,旧東邦銀行の隣(小名浜駅のバス停付近)にあるのが飯塚パン屋である.店に入ると「プーン」と焼きたてのパンの香りがして,奥の方ではパン作りに忙しそうに動くおばちゃんたちがいる.なんといっても手作りのパンは,昔ながらのガラスのショーケースに,ひとつひとつ丁寧にラップに巻かれておかれており,夕方でもお客さんが並んで購入するほどの人気ぶりである.これが,結構うまい! メロンパンなんて,パンの中にメロンのソースが入っていて,なんとも言えないおいしさ.あんぱん,うぐいすぱん,チョコレートパン,カツサンド,食パン・・・・,いろいろなパンを売っている.スーパーのような画一的で無味乾燥とした感じではなく,見ただけでもひとつひとつが「手作り」という風に感じ取れるパンで,実際,食べてみても手作りの味で美味しい.なお,1日おいてしまうと固くなってしまうのも特徴である.是非,ご試食を.
なお,もう一度繰り返すが,飯塚のパンは昔ながらのパン屋であある.「クロワッサン」というパンはコッペパンに赤いハムが挟んであるパンだったりする.都会的なセンスの「ブレッド」を好む人には向いていないパン屋である.

No.69 小名浜ショッピングセンタと名店街(現タウンモールリスポ)

小名浜の商業中心地は寂れてしまった・・・.それを最も感じ取れるのが小名浜ショッピングセンター跡地である.かつて小名浜には二つのショッピングセンターがあって,今はつぶれてしまって閉鎖されている「小名浜ショッピングセンター」と,現在は「タウンモール・リスポ」と呼ばれている専門店街が入る「名店街」と二つの大きな商業施設があった.休日となると大勢の買い物客で賑わっていた.この二つのショッピングセンターは,昭和40年代の中頃には既にオープンしていたといい,噴水のある中庭や透明な展望エレベーター,イベントを行えるスペースなどを備え持ち,当時としては画期的な大型ショッピングセンターであったに違いない.商業センターの先駆けとして,先見性をもった施設であったはずである.今でも,タウンモール・リスポを歩いていると,ちょっと圧迫される空間の中に,ショッピングセンターのエッセンスを「ぎゅっ」と詰め込んでいる感じを味わうことができ,旅好きの僕としてはちょっと興味のそそる空間である.東京・青山にある「ベルコモンズ」というショッピングビルも,昭和40年代頃に出来たのであろうと思われるが,やはりこのような圧迫感のある空間を持つ商業デパートである.
今は,鹿島に近代的で空間の広々としたきれいなショッピングセンター「エブリア(専門店街)」と「ダイエー」がオープンし,大きな駐車場も兼ね備えていることから,たくさんの買い物客で賑わっている.小名浜ショッピングセンターに入居していた商店も,この新しい鹿島ショッピングセンターに移転した店主が多かったため,閉鎖を余儀なくされたとのことである.これも,時代の流れである.でも,ちょっとした買い物をするのなら,タウンモール・リスポも結構便利である.いつ行っても空いていて,駐車場にもすぐ車をとめられる.僕は,お茶っ葉「宇治」を買うときにリスポの「高木園」(実は鹿島SPにも高木園はあって,ソフトクリームが人気となっている)に行っている.高木園ではお茶を買うと,お茶1杯がサービスで出される.ちょっとした楽しみである.やっぱり日本人は,ジャパニーズ・ティー(日本茶)である.

No.70 BREAD-GARDEN(ブレッドガーデン)のパン屋

No.68で飯塚のパン屋を紹介したが,そことは全く正反対といってもいい雰囲気のパン屋が「ブレッドガーデン」である.場所は,ヨークベニマル小名浜店の裏手の道路を泉駅方面にちょっといったところに「ちょこん」とあるお店で,フランスパンやクルミ入りの欧風田舎パンなど焼きたてのパンを売っている.毎日焼くパンの種類が違うので,お店に置いてあるパンの種類と焼き上がり時間のカレンダーを持って帰ってチェックする必要がある.このパン屋さんは,都会的な味を好む人には定評があり,いままで東京でパンを購入していたというこだわりの人が,ここのパン屋なら東京の一流の味と同じだといって買っていくとのこと.
実際食べてみると,なかなか不思議な形のパンと,香ばしいパンの焼けた外皮の味と,もちもちとした食感がたまらなく,繰り返し足を運びたくなる味である.しかし,そんな人気店ゆえ,売れきれるのも早く,午後3時頃いってみると,ケースの中にはほとんどパンがなく,本当に営業しているのかと疑いたくなるようなディスプレイになってしまう.焼き上がり時間は午前中が多いので,恐らく昼前は行列ができているに違いない.聞いた話であるが,ここのご主人は面白い方で,「俺の焼いたパンは日本一うまい!」,とパンにかける情熱はすごい人らしい.ここに来たら,菓子パンのような小さなパンではなく,フランスパンやクルミの入った大きいパンを1斤買っていくことをお勧めする.

No.71 「いわき」よ,ありがとう(最終回)

3年間にわたり連載を続けてきたこのコーナーも,今回が最終回となってしまいました.郡山へ引越すことになり,4月からは郡山での生活になります.「いわき・小名浜」らしい出来事,住んでみないとわからないこと,いわきの情報を少しでも多くの方に知ってもらいたくて,情報を発信しました.まだまだ,お伝えしたいことは沢山あるのですが,時間切れです.
また,このコーナーには色々な方からメールや励ましをいただくことが多く,大変励みになっていました.ご訪問してくださった方々に改めて感謝いたします.今度は「郡山見聞録」なるものを発行しようと考えておりますので,他ページ共々,今後ともよろしくお願いします.
「いわき小名浜」よ,ありがとう・・・・・.

(このページは2002年~03年3月に掲載したものです)

いわき小名浜見聞録【#41-#60】[一括掲載]

 (このページは2001~02年に掲載したものです)

No.41 海が鳴る!!

海の近くに住んでいて,奇妙な経験をした.台風や低気圧が近づいていて海が大時化の時,海のしぶきが霧状になってあたりを包み込む.そして,地鳴りのような「ゴー,ゴー」という音が不気味に響き渡るのである.初めのうちは,空の方から響いてくるので,飛行機でもとんでいるのかなと思ったが,荒々としぶきあがる波のうねりの音なのである.滝が落ちるときの音が空に響くので,夜になるとよりいっそう不気味に感じる.まさに,海が鳴いているのである.

No.42 「大黒様の宝くじ」復活

「大黒様の宝くじ」として全国の宝くじファンから人気のあった大黒屋百貨店1階の宝くじ売り場.デパートの倒産によって宝くじ売り場も閉鎖されたのであるが,大黒屋デパートの屋上にあった守護神でもある大国魂神社を分社してもらい,平1丁目再開発ビルの1階に売り場が設けられることになった.運営は「平1丁目都市開発」が行い,2002年4月のビルオープンまでは仮設の売り場で販売され,ビル完成後はビル内に移転する.
初日の販売日は9月27日である.
もともと再開発ビルに宝くじ売り場を設ける予定はなかったが,時間が経たないうちにあの大黒様の宝くじ売り場をなんとかしたい,とのことで関係機関と相談の上,4月のオープンを待たずに仮設売り場まで設けてオープンさせることになった.年末ジャンボに穴をあけたくない,という思惑があったのだろう.しかし,仮設の売り場を新聞で見る限り,以前と比べるとやはりお粗末な感じは否めなく,本当に大黒様の御利益があるのかな,ちゃんとお客さんが来てくれるのかな,と思ってしまうのであるが,これは今年の年末ジャンボで1等賞を2本以上だして実績を作る以外にないであろう.実際売り場に行ってみるとどうなのであろうか?近々行ってみようと思う.
いわき民報の新聞には「いわき市のシンボルであり文化だった「大黒様の宝くじ」・・・」と記してある.宝くじ売り場が「いわき市の文化だ」と断言しているところがすごい.石田純一の「不倫は文化だ」に匹敵する名言のような気がする.JRAの福島競馬場を持つ,さすがはギャンブル立県うつくしま,っていった感じである.

No.43 吉野屋の牛丼-小名浜での評判

いわきに吉牛が上陸したことは,No.35で述べたところである.さらに国道4号の草野付近にも1件オープンし,次第に吉牛勢力が浸透してきている次第である.その吉牛の評判なのであるが,「小名浜の吉牛はまずい! 味が薄い!」といった意見が大勢を占めている.この話は小名浜のどこにいっても聞かれることであり,いわき市民の口には合わない味なのかなと思ってしまう.吉牛の味付けは,おそらく全国統一で,地方地方で味が変わることはないと思われ,事実僕が食べたときはそれほど東京の吉牛と味が変わっているとは感じられなかった.
小名浜でレストランを経営している人が言っていた.「レストランをオープンさせるとき,その地方で「好まれる味」というのがあり,東京で成功した味でもいわきでは流行らない味ということがある,その地域の実情を考えて店を出さなければいけない.いわきでは味の濃い煮魚やしょうゆをたっぷりつけた刺身などが食されてきたところなので,どうも味付けは濃いめの方が好まれるらしい」,と
そうなると,味付けの濃い牛丼が好まれるのも理解できるが,もうひとつの要因として開店当初は大行列ができるほどの繁盛ぶりで,牛丼の肉や汁を次から次へと出さなければならない状態であり,ということは,普段は鍋に入れて暖めておくのである程度水分が蒸発されて,中身が濃くなっているのであるが,その蒸発する時間がなく,結果として薄味と感じられる牛丼が供されていったのではないか.

No.44 松喜鮨

小名浜でうまい寿司屋は・・と聞くと必ず返ってくる言葉が「松喜鮨(まつきずし)」である.小名浜の中心地の細い路地の中に店があり,いつもにぎわっている鮨屋である.休日にもランチタイムメニューをやっていて,800円でにぎりやちらし,鉄火丼,いくら丼,あなご丼,うな丼などが食べられ,さらにサラダ・かに汁・小鉢がつくのでお得である.ランチのスタンプカードもやっている.ランチ以外でも,新鮮な魚介類を提供してくれるのであるが,なかでもワニの唐揚げやうみぶどうなどといった珍しい一品も出してくれる.特上にぎりは3000円でランチタイムにもかかわらずこれを食べていくお客さんも多い.店員さんたちも夏場をのぞいてはネクタイを着用して鮨を握っており,愛想はないが人間味のあるお寿司屋さんが松喜鮨のプライドとして感じられる.カウンター席のイスには,すべて白のシーツがかけられているのも,松喜鮨ならではといった感じである.ちなみに回転寿司でうまい店は鹿島街道沿い東警察署小名浜寄りにある「源洋丸」,刺身定食のうまい店は源洋丸の隣にある海鮮レストラン「和千荘」であると僕は思う.

No.45 夜の小名浜といえば・・・

いわき小名浜見聞録や小名浜観光情報で殿方が待ちわびていた情報,それが「夜の小名浜」の話題ではないだろうか?
福島県で「夜は小名浜で豪遊だ!」などと言えば,それは必ずソープランド街での湯遊びのことをさす.いわきで酒飲みや宴会で泊まりにきた殿方たちは,1次会で宴が終わったあとに「ちょっと行って来るか」などと言ってタクシーを呼びつけ街に繰り出したりする.小名浜は各地からの船が停泊して発展していった港街だからなのか,福島県で随一の風俗街が形成されていて,約20件ほどの個室付き特殊浴場(都市計画の専門用語ではこう呼ぶ)街がネオンをキラキラさせながら密集して建ち並んでいる.
小名浜には「いわき特殊浴場協会」なるものがあって,新宿歌舞伎町などのようにぼったくり店というのは存在しないようなので,安心して遊ぶことができる.料金は60分16,000円.これはどの店でも共通しているようで,協会で設定されている値段なのであろう.朝9時位から深夜23時50分までの営業が多く,金土日曜日や給料日後などは混雑して2時間待ちもざらなので事前予約をしてくる客が多いという.どのお店が評判なのか?それは小名浜で酒を飲んだときにまわりの客や店員さんから情報を得るか,タクシーの運ちゃんに聞いてみるなどして情報を手に入れましょう.若い子がいる店と,おばさんが出てくる店といろいろあるようなので,情報収集は欠かせない.小名浜の街を走っていて,「小名浜配湯株式会社」なる看板を目にすることがあるが,この会社はまさしくお風呂にお湯を提供している会社なのであった.工場で出た排熱を利用してお湯を供給しているということである.

No.46 いわき東京線・高速バスVol.3

相変わらず好調のいわき東京線の高速バスである.連休初日の朝の便は4台も増便されていたのであるが,アメリカテロ事件の影響もあってか,国内旅行が復活しているようであり,首都高に入ったとたん大渋滞に巻き込まれ,綾瀬駅到着が1時間も遅れてしまった.首都高の渋滞は葛西まで20kmも続いていたということから,東京ディズニーシーへの行楽渋滞のように思う.
さて,綾瀬駅で降りる場合と東京駅まで行く場合とでは運賃に200円の差がある.この料金設定は非常に良心的だと思うのだが,回数券の場合,綾瀬駅までと東京駅までとを別々に購入しておけばいけないのか,といえばそうではない.回数券は4枚綴りで無期限なので,綾瀬駅までの回数券(表示を正確に言うならば「綾瀬駅から○○円と書かれた回数券」)を使って東京駅からも乗車することが可能で,そのときは乗車時に運転手さんに差額200円を払えばOKなのである.だから,東京に今後も行く予定があるのであれば,割引率の高い回数券を買った方が絶対にお得である.
東京からいわきまでの便は電話予約ができないので,いわきの窓口で予約するか,当日東京駅の窓口で便指定をしなければならない.といっても,連休最終日などの午後の便は混雑し,すぐ次の便には乗ることができず,2~3時間後の便からしか空いていないことがよくある.その時は「キャンセル待ち」をすることができる.窓口でキャンセル待ちの番号札を持ってのりばの先頭で待っていると,空席がある場合に限り,番号順に乗せてもらえる.ただし,キャンセル待ちの時はあとの便の予約をすることができない.つまり,予約していた便より早いバスに乗りたいが満席だったという場合にキャンセル待ちをするためにはあとの便の予約を解除してからキャンセル待ちをすることになる.この辺は「かけ」になるが,予約便が1~2時間後くらいであれば,予約便に乗った方が確実である.たいてい,キャンセル待ちで3~4名乗ることができる.
そして,キャンセル待ちの乗客がすべて乗ったあとにも空席がある場合には,「繰り上げ乗車」といってあとの便の予約をしている客でも乗せてもらえることができる.ちなみに,今までキャンセル待ちを何回かやったとこがあるが,次の便に乗れなかったということはなかった.キャンセル待ちをする客はそう多くはない.
最近は最新型のきれいなバスも投入されるようになっている.そして,常磐交通でも2003年5月より,塗装も新たに新型のバスが投入されるようになった.

No.47 小地震王国!いわき

福島県は地震保険の等級が一番低い県であり,地震が少ない地域であると言われている.しかし,それは大きな地震という意味であると思われ,事実,いわきに住んでみると,小さな地震がかなり多いことに気づく.福島県の中でも太平洋側のいわき特有の現象なのかもしれないが,震度1~2,ときには3以上の地震が頻発している.震源地は宮城県沖や福島県沖といったものが多く,海のすぐそばに住んでいる僕にとって,地震が起こる度に津波が襲ってこないか不安になったりする.まぁ,地震が多いということは,エネルギーの放出がされているということなので,逆に大きな地震の心配がない地域であるということの証なのかもしれないが・・・.

No.48 新川緑地公園,1本のイルミネーション

旧大黒屋デパートの脇に「新川公園」というグリーンベルトがある.ここにある街路樹は,毎年クリスマスシーズンになるとイルミネーションが施され,ムードあふれる公園となっていた.ところが,このイルミネーションは大黒屋デパートの協賛によって電飾の設置と電気代が支払われていたということであり,今年はこのイルミネーションが見れないものと思われていた.ところが,周辺商店街や住民からのボランティアによる募金などによって1本だけイルミネーションが復活したのである.かつては年末ジャンボ宝くじを求める人たちの行列ができ,賑やかな新川公園であったが,今年は人出がさっぱりだとか.イルミネーションだけでも復活させたいという思いが,1本の光り輝くクリスマスツリーとなったのであった.

No.49 湯ノ岳からの眺望

常磐道湯本インターから小名浜方面に走ったところにある交差点を曲がって,ぐんぐん山道を登っていくと湯ノ岳となる.湯ノ岳は標高593.6mの山なのであるが,ここからの眺めは「素晴らしい」の一言.いわきにこんなに眺望のすぐれた場所があったということに驚きを覚え,もっと早くからこの場所を知っていればと後悔してしまうほど,眼下に広がるいわき市の景色が素晴らしい場所である.煙突からモクモクと煙があがる小名浜の工場地帯があり,その背後には紺碧の太平洋が広がり,いわきの特徴でもある丘陵地の地形が波を打ち,植田の常磐共同火力の大きな煙突が見える.頂上にある展望台からは,いわき市の中心地「平」のビル群が眼下に眺められ,夜になると夜景がとてもきれいでデートスポットとなっている.車で簡単に行くことが出来るので,是非とも一度は足を運んでみるべきポイントである.ただし,冬はカーブなどで路面が凍結しているので要注意であるが,冬の空気の澄んでいるときの方が景色は最高であろう.

No.50 冬のいわき地方の気候

福島県は大きく分けて3つの地域に分けられている.新潟県境の越後山脈と奥羽山脈に挟まれている地域が「会津」と呼ばれ,白虎隊や鶴ケ城・喜多方ラーメン・猪苗代湖・スキー場・檜枝岐や尾瀬も会津地方となり,福島県の中では最も全国的に知名度の高い地域である.次に,奥羽山脈と阿武隈高地に挟まれている地域が「中通り」と呼ばれ,県庁所在地の福島・経済商業都市の郡山・最近ラーメンが脚光を浴びている白河と,福島県の動脈となっている地域である.そして,阿武隈高地から太平洋にかけてが「浜通り」と呼ばれている地域であり,野馬追いの相馬・Jビレッジの楢葉・塩屋崎やアクアマリンふくしま水族館のあるいわき市が該当する.
福島県の面積は北海道,岩手県に次いで日本第3位,東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の合計面積をよりも若干広いという広大な県であり,三者三様,文化も違えば気候も全く異なっている.
冬の気候について,会津では毎日毎日雪が降り続き,気温の低い日が続いているのであるが,高速道路で太平洋側の浜通り(いわき)にくると「どっ,ぴかーん」といった晴天の広がる温暖で穏やかな気候となる.いわきでは山沿いを除いては雪が滅多に降らず,スタッドレスタイヤに履き替えない人も多いという.同じ県内でこの差は何なのか?と時々思うが,ラジオやテレビで「中通りや会津では大雪で交通がストップしています」などと放送されていても,いわきでは晴天が広がる別世界といったところである.四季の変化は乏しいが,雪がないのは非常に暮らしやすい.

No.51 Jビレッジに「アルゼンチン」

楢葉・広野町に「Jビレッジ」というサッカー場とクラブハウスを備えた日本最高レベルのサッカーナショナルトレーニングセンターがある.1997年に福島県・日本サッカー協会Jリーグ・東京電力のパートナーシップにより設立されたものである.東京電力が関係しているのは,太平洋沿いに設置されている原子力発電所の見返りとしての施設であるからで,原発がなければこの地にこのような素晴らしい施設は誕生していないと思う.
そんな「Jビレッジ」に,今年の夏開催される日韓共催ワールドカップに参加するアルゼンチンのチームがキャンプ地となることが決定した.アルゼンチンといえば最強チームのひとつ.そんなチームがJビレッジにやってくることは,福島県内ではちょっとしたニュースとなっており,チームサポートや地域交流・ボランティア活動など,全面的に応援する態勢を整えている.アルゼンチン代表が訪れるのは5月とのこと.地元としては,日本のみならずアルゼンチンも応援したくなるのが心情であろう.

No.52 いわき小名浜方言講座(FMいわき)

FMいわき・SEAWAVEに「いわき小名浜方言講座」という番組がある.タイトル名からして,年輩のおじいちゃんやおばあちゃんが出てきて,いわき地方に伝わる方言を,その言葉の歴史や意味合いを訥々と語る面白みのない番組かと想像してしまう.ところがどっこい,これほどユーモア溢れるおかしな番組はない.パーソナリティーは声の若い!?男性2人で,いわき地方で普段使われる方言を毎日1語ずつ取り上げていく.言葉の意味を伝えることに加え,中学校の時に「This is a pen.」などとレクチャーしたように,その言葉を混ぜたフレーズを繰り返して読み返し(これを聞くとどうしても「くすっ」と笑ってしまうのは僕だけではないだろう.というのも例文の中身がふざけていて面白い.),そして更にそのフレーズの英語訳も読み上げるといった,いわき小名浜の方言と英語を学べる一石二鳥の教養番組なのである.
例えば,「こけにする」という方言,意味は「馬鹿にする」ということであるが,レクチャーする例文は,
「あんにゃろ いづも おれのごど こけにすんだ」
訳文「あの人はいつも私を馬鹿にします」
英文「He always makes fun of me.」
となり,もう一人のパーソナリティーがまじめな声でこれをレクチャーするのである.
また,別の例文は,
「おめー はなし ごっちゃにすんな」
訳文「あなた話をおかしくしないでください」
英文「Are you fallowing me?」
さらにもう一つ.
「おめーの はなぐら うっちぇしくって ねむちぇー」
訳文「あなたのイビキがうるさくて眠れませんでした。」
英文「I couldn’t sleep because of your noise.」
放送時間は,平日7:20 15:50(再) 土曜9:30 16:30(再) となっている.この番組は聞かないとおもしろさが分かりません.

・・・と,この項目を載せたとたん,平成14年3月30日をもって,番組が終了してしまった・・・.是非,同じ内容の再放送をしてもらいたいものである.(恐らく方言のネタがなくなったものと思われるが・・)

No.53 太平洋健康センター(蟹洗温泉)

四倉の国道6号沿いに温泉娯楽施設・太平洋健康センターがある.健康センターは日本全国どこにでもあるので,ご存じの方も多いと思うが,ここの健康センターも,大浴場あり,サウナあり,マッサージあり,足裏壺マッサージあり,食堂あり,仮眠室あり,演歌ショーあり,とありふれた健康センターである.しかし,立地している場所がすごい.目の前が海,建物からは「海」しか見えないのである.大きなガラスに向かってイスにもたれならが,小さくなったカーフェリー(太陽のマークが入っているので,ブルーハイウェイラインのサンフラワー号であろう)を眺め,また,時化のときは大荒れになった灰色の波しぶきをみながら自然のすごさを感じることのできる,ダイナミックな景観を味うことのできる健康センターである.
それ故に人気が高く,日曜や連休などは大混雑となる.2階にはゲームコーナーがあって,パチンコやパチスロも置いてある.100円で60発できるのであるが,本物のパチンコよりも甘い釘でよく回る.大当たりするとメダルが1枚でてきて,3枚でてくると入泉券(1250円の金券としても使える)と交換できる.つまり確率変動が続けば次回もただにすることができる.しかし,世の中そう甘くはない.入泉料は2100円なので,2100円以上投資したら赤字なのである.運が良ければ黒字だが,大抵は赤字である.ただ,前まではすごく爆発する壊れた台(だと思う)があっていつも10連チャン以上出る台が1台だけあったのであるが,いまは通常の台に戻されてしまった.
全身マッサージは人気が高く,休日は1~2時間待ちとなるので,早めに予約をいれて入浴後に程良くあたたまってから受けるとよい.やはり部分マッサージではなく40分以上の全身マッサージがおすすめである.あっという間に時間が過ぎてしまう.
深夜0時を過ぎると,深夜料金が加算され,翌朝まで泊まっていくことができる.健康センターの魅力は安い料金で1泊できるところにあるが,加算料金は1050円なので,3150円(税込)で1泊できることになる(8時30分チェックアウト).仮眠室や休憩室,なかには廊下で寝ている人もいるが,他人のいびきさえ気にならなければ,さほど眠れないことはない.ただ,冬や夏は空調をとめないので喉がやられることがある.いわきは日の出を拝むことができるので,晴れていれば水平線から登る太陽を見ることができる.(先日泊まったが,残念ながら曇りだった.)
ちなみに,勿来(勿来海岸隣り)にも来年あたり,太平洋健康センターがオープンする.北茨城や日立から日帰りの観光客がやってくること間違いなしであろう.いわきには泉と植田の中間あたりの国道6号沿いにもう1件「いわき健康センター」が存在するが,こちらは温泉ではないが,マッサージがカイロプラクティック療法を用いたちょっと痛い(僕はちょっとどころではなかったが)マッサージを味わうことができる.
四倉の健康センターに行く場合は,ローソンのコンビニにおいてある端末機・ロッピーで画面操作をすると,JTBを通じて発行されている割引された入泉券を買うことができる.2100円が1650円になるのでローソンで買っていくことをお勧めする.

No.54 さらにゴミ分別が細かく・・・

ただでさえ細かい「いわき市のゴミ分別」が,平成14年6月からさらに細かく分別されることになった.既にNo.2の項でいわき市のゴミ分別について記載してあるとおり,現在は8分類にゴミを分別をして出さなければならない.台所のゴミ置き場には,種類ごとのビニール袋が置かれていて,どの袋が何のゴミだったかごちゃごちゃになってしまう状況である.
さらに追加された分別とは,今までは「燃えるゴミ」で一括して出しておけば良かったものを,
①「プラ」マークのついている「リサイクルするプラスチック」 →新たに2週に1回回収
②「紙」マークのついている「紙箱・紙袋・包装紙」 →古紙類として一緒に出す
③その他の燃えるゴミ(従来の燃えるゴミ) →週2回回収
に分けなければならなくなった.またまた,さらにゴミ分別用のビニール袋が増えそうな事態である.「リサイクルするプラスチック」とは,カップラーメンのカップやサンドイッチを包んでいるビニール袋,卵の透明なケース,シャンプーの殻,ペットボトルに巻かれている包装フィルムなどである.ただし,惣菜等で汚れたラップやマヨネーズや汚れの落ちにくいマーガリンのついたプラスチック類は,その他の燃えるゴミに出してくださいとのこと.台所のゴミ置き場は,さらに置き場面積が増えること間違いなしである.この市民の分別の成果を,きちっと反映したリサイクルをやっていただきたいものである.

No.55 磐越自動車道,三和I.C.と中央I.C.

いわき市から郡山,会津若松市を経て新潟市まで,福島県を横断するように結んでいる磐越自動車道であるが,常磐道とのジャンクションから分岐して最初のインターチェンジが「いわき三和インター」である.いわき市の中心部から最も近いインターは,好間にある「いわき中央インター」なのであるが,いわきから郡山・福島・会津若松方面に高速で向かおうとする人は,中央インターでは乗らず,中央インターから三和インターまで国道49号で走っていき高速にのっかる.というのも,中央インターから磐越道に向かおうとすると,一旦常磐道を東京方面に向けて走った後,ジャンクションにて分岐し,再び三和インターで国道49号とぶつかるといった三角形のルートをとるため,ショートカットして直線で走る国道49号を走っても時間が変わらないからなのである.若干であるが,高速料金も節約できる.いわきから郡山方面へ向かう高速バスは,中央インターから乗って律儀にぐるりと迂回して磐越道を走っていくルートをとっている.郡山方面からいわき市の中心部へ向かおうとしている方,三和インターで降りた方がお得であるのでお忘れなく・・・.

No.56 いわきの夏祭り

熱い夏がやってきた.いわきでは数々の夏祭りが行われる.

2002年
7月20日 第2回おなはま海遊祭 アクアマリンパーク
7月26日 いわきおどり勿来大会 植田街商店街
7月27日 四倉ねぶたといわきおどりの夕べ 四倉街商店街
7月28日 ゆもと温泉大江戸宿場まつり 湯本温泉
8月 2日 はないちもんめ/いわきおどり常磐大会 湯本駅前
いわきおどり小名浜大会 鹿島街道岡小名
8月 3日 はないちもんめ/金魚つかみ大会 湯本駅前
第2回おなはま海遊祭 アクアマリンパーク
第41回いわき小名浜ミュウ花火(15000発) 小名浜港アクアマリンパーク
8月 4日 第2回おなはま海遊祭 アクアマリンパーク
8月 6日~8日 平七夕まつり 平商店街
8月 9日 いわきおどり いわき駅前通り
8月14日~15日 いわき回転櫓盆踊大会 内郷駅前

特に,いわき小名浜の花火大会は15000発もの花火が打ち上げられ,尺玉の連続打ち上げには圧倒される.いわきおどりは「どんわっせ!」の掛け声と共に,いわき市民が踊り歩くもので,職場や学校などでチームを結成し,毎年夏の恒例行事となっている.各地区で予選大会が行われて,最後のいわき駅前で行われる「いわきおどり」で祭りの頂点に達する.皆さんお誘い合わせの上,いわきの熱い夏をご堪能ください.

No.57 海水浴のあとの温泉

2002年の夏がやってきた.今年の海開きは7月17日(水).薄磯海岸をメイン開場として海開きが行われる予定である.8月18日までの33日間の海水浴である.例年海水浴客は減少しており,おととしから海水浴期間を1週間短くしたこともあって,昨年は曇りの日が多かったため約43万人の人出となり,平成になってからは最低の人数であった.今年は台風が襲来しているが,なんだか暑くなりそうな気配があるので(なんの根拠もない!),東北の湘南と言われるいわき市内10海水浴場に人出が多くなることを期待したい.
さて,海岸沿いには,簡保や国民年金などの温泉付き保養宿泊施設が存在する.この温泉は,海岸沿いということもあって,塩化物泉のしょっぱい温泉が湧き出ている.
これが「くせもの」なのである.
海水浴で日焼けをした体でお風呂にはいると,ひりひりと痛む.これが,塩化物泉の温泉となれば,火に油を注ぐのと同じことで,痛みの極みを経験することができる.日焼けした体を塩で揉んでいるようなものである.海水浴と温泉はマッチしない.肌によいアルカリ性の温泉が出ていればいいのであるが,海岸沿いでは期待できない泉質であろう.気の利いた宿泊施設では,温泉の風呂とジャグジー付きの普通のお湯の風呂の2種類があるからいいが,塩化物泉の湯船しかないお風呂では,シャワーのみといったところであろう.

No.58 いわきおどり小名浜大会

いわきおどり小名浜大会の祭りにいってきた.いわきおどりは昭和56年,いわき市制施行15周年を記念してつくられたものであり,それまであった,小名浜天狗おどり,常磐やっぺ踊り,じゃんがら念仏おどり,常磐炭坑節などの踊りを継承しつつ,市民が気軽に参加できる踊りを創作しようとつくられたものであるという.札幌で開催されている「よさこいソーラン祭り」と同じで,学校や企業などの市民グループが参加して踊るという市民参加型のお祭りであり,いわきの夏の風物詩として定着している.
いわきおどりは,勿来,四倉,常磐,小名浜の各地方で大会が開催され,平で行われるいわきおどりで頂点に達するのであるが,その小名浜大会にいってみたのである.この時期になると,各職場や学校ではいわきおどりへの準備を行うようになり,「もうじき,いわきおどりがやってくるな」などといった会話が繰り広げられ(かつて東京線の高速バスの車内で,いわきおどりについて話しをしているひともいた!),各チームお揃いはっぴなどを用意して参加する.美容組合ではパーマのカツラをかぶって踊り,病院では看護婦さんがナースの格好で踊る.踊り方は基本形があるのだが,自由に振り付けを行ってよく,チームによってさまざまな踊りを見ることができる.
30分踊り続けて,15分の休憩を挟む.これを3回繰り返すので,体力がかなり消耗する.でも,非日常の祭りパワーは,人々を踊りの虜と変えてしまう.各チームの最後尾には,水分補給のための飲み物を運ぶ人がついており,かなりハードであることが伺える.こうして,いわきの夏が過ぎてゆくのである.小名浜では,次の日に15,000発の花火大会が開催され,その次の日には港祭りが開催される.祭りが目白押しの小名浜であった.
当サイト内にいわきおどり小名浜大会の模様を掲載しております.是非,ご覧ください.

No.59 小名浜港の再開発はこうしよう!!

夏祭りが続く小名浜港には,各地から大勢の人々がやってきている.年間100万人を越える観光客が小名浜港にやってくるといい,いわき市ではNo.1の観光客入り込み数を記録するまでになっている.1・2号埠頭では,いわき・ら・ら・ミュウやアクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)がオープンし,その1・2号埠頭はアクアマリンパークというウッドデッキのオープンスペースで散策できるようになっており,週末や休日には家族連れやグループで大変賑わっている.小名浜でも「小名浜まちづくり市民会議」を発足させ,街全体のまちづくりをどのように行っていくか議論を重ねているところであり,小名浜の将来ビジョンを創っていく機運が高まっているところである.
そんな小名浜港の未来について,個人的に語ってみたい.このことを実現するためには,地元の合意形成や開発制度の問題,資金調達や開発手法など困難なステップをクリアーしていかなければならないが,人々はユートピアに向かって活動をおこなっているのであり,そんな実現不可能な勝手気ままなユートピア(夢物語)だと思って,読んでいただければと思う.

ら・ら・ミュウ(1号埠頭)とアクアマリン(2号埠頭)との間には,ウッドデッキのアクアマリンパークが整備され人々が回遊する素晴らしいオープンスペースがつくられている.しかし,その後背地には倉庫群が存在している.その倉庫は物流の拠点として使用されているのであろうが,その倉庫群にレストランや喫茶店,アウトレットモールなどの商業施設を展開すれば,人々は絶対に立ち寄ること間違いなしである.現在は,ここを訪れた観光客がただぶらぶら歩いているだけの状態で,この人々を取り込めないのは非常に「もったいない」のである.なんらかの融資や補助制度を確立して小名浜の街中の個人商店の人が移転して店を開けるようにし,是非ともあの無味乾燥とした倉庫街を「商業地」として賑わいのある空間にできないものだろうか.
小名浜駅から港湾道路を横切って,アクアマリンふくしまのある2号埠頭に向かって,貨物線が1本走っている.港湾道路を車で走ると,信号機式の踏切なので一旦停止をせず,突っ走ることができ,この線路に貨物が走ることはあるのだろうか,と疑問に思いながらも,車でいつも通過する.この貨物線は,かつて2・3号埠頭で資材や石炭などを積み上げていたときに,小名浜駅まで運ぶための引き込み線だったと思われ,ということは小名浜港における工業生産活動として機能していた「歴史的遺産」なのである.これを活用しない手はない! 小名浜駅付近に大型の駐車場をつくり,そこから「ら・ら・みゅう」や「アクアマリン」に行く人のために,夢のあるトロッコ列車を走らせるのである.車内では,かつてのこの線路の役割を案内すれば,日本の生産活動・工業についての社会科見学ともなって,一石二鳥なのである.駐車場は小名浜の街中と港との中間あたりになるので,街中に行く人にとっても便利となり,また港にやってきた人をトロッコ列車に乗せて街中に引き込ませる交通手段を確保することにもなり,小名浜街全体の向上にも寄与する.もちろん街中の魅力向上策を練らねばならないが・・・.
最近のウォーターフロント開発には「観覧車」が切っても切れない関係である.「お台場」も「葛西臨海公園」も「みなとみらい21(横浜)」もどこにも日本最大級の観覧車がついている.まぁ,小名浜にも観覧車といった画一的な施設をつくりましょうとは言わないが,アミューズメント施設があってもいい.日本初の海上ジェットコースターをつくるとか・・・.つまり,若者をターゲットにした「遊び場」が必要である.さらに,遊び場だけではなく,世界会議や展示が行えるようなコンベンションホール(ビッグサイトや幕張メッセのようなコンベンションセンター)をつくるべきである.ここでは世界一流の劇やショー・コンサートを行えるようにもし,芸術文化の発信基地としての役割を担うのである.
これだけの再開発を行ってくると,バスよりも輸送密度の高いアクセス交通機関が必要となってくる.そこで,かつて泉駅から小名浜駅まで走っていた鉄道を復活させたり,今,環境の面や乗降のしやすさなどユニバーサルデザインといった視点からも世界的に再注目をされている路面電車(ライトレール)を鹿島街道沿いの平から小名浜にかけて敷設し,自動車だけに頼らないいわき市内の交通網の確立を行って行ければ最高である.
そして近年,倉庫群の一部改装が行われて,徐々に小名浜港の魅力アップが推進されている.

No.60 小名浜グリーン劇場

小名浜には「小名浜グリーン劇場」という映画館が1軒だけある.タウンモールリスポと呼ばれる専門店街(かつての小名浜ショッピングセンター隣)から東へ道路2本行ったところにあるのだが,この映画館がすごい! かつての小名浜の繁栄を物語る施設なのであろうが,とにかくすごい! 上映は,土休祝日のみであり,上映作品も一月遅れといった内容で,中に入ると湿気からくるカビの臭いが鼻を突き,ドアを開けるとジメジメした空気が漂うばかりか,汚れたカバーの掛かる傷ついた緑色のイスが並んでいる.体がかゆくなってきた.地方の昔からある映画館ではよくある光景なのであるが,シネコンなどが建設される昨今,天国と地獄の差がある.そして,お客がいないかと思いきや,7~8人位居るのである! 車の運転できない小中学生のグループと招待券できているらしいおばちゃん達.まぁ,僕もその一人なので,物好きな奴と言われればそれまでだが,とにかくすごい映画館である.今夏の上映作品は5月中旬に公開された「ナースのお仕事・ザ・ムービー」.人間とは不思議なもので,5分もするとカビの臭いが気にならなくなり,こんなものかと体が慣れてきた.
ちなみに「グリーン劇場」は1階なのであるが,同じ建物の2階は「ローズ劇場」というのがある.その名からもピンとくるとおり,成人のピンク映画館である.正確には,小名浜の映画館は2軒あるということになる.左の窓口で買うと「ナースのお仕事」,右の窓口で買うと「成人映画」,愛想よく販売するおばちゃんは同じ人である.

 (このページは2001~02年に掲載したものです)

いわき小名浜見聞録【#21-#40】[一括掲載]

(このページは2001年に掲載したものです)

No.21 植田の地獄ラーメン

総じていわきのラーメンはあまりこれといって特徴がないが,植田の地獄ラーメンというと,ちょっとした話題になるラーメンである.ラーメン屋の看板には,どこにも地獄ラーメンの文字はない.正式には「らーめんランド」という店名である.
その店は,国道6号の泉から植田方面に走っていったところの小浜町あたりにバイパス店,旧6号である県道いわき上三坂小野線の植田中心地の手前に植田店がある.そのメニューのなかに「地獄ラーメン」という激辛ラーメンがあって,辛さに応じて1丁目から順になんと100丁目まである.値段も辛さに応じて高くなっていく.メニューには「1丁目から順にチャレンジしてください」と書かれており,更に30分以内に全てたいらげると,店内に貼られる証明書とデザートが付くという得点がある.地元では,「植田の地獄ラーメンにいる」というだけでどのラーメン屋なのか通じてしまう.
また,チャーシュー麺を頼むと,大きな4枚のチャーシューがドンブリから飛び出し,まるで巨大な花びらのようにチャーシューが咲いている. 100丁目をたいらげた人の証明書が貼ってあったので,超激辛ラーメンを制覇した人がいるのは確かなようである.

No.22 SEA WAVE (FMいわき) No.2

No.15でFMいわきのコミュニティーFMについて述べたが,さらにアイデアが面白い番組を紹介する.
朝,7時55分から「パパにエールを」をいうタイトルで,いわき市内の各幼稚園児が3人ほどでてきて,「パパ,アクアマリンに連れていってくれてどうもありがと.吉田一郎.」「おとーさん,車の運転に気を付けて,頑張ってね.田中知子.」「お父さん,今度デズニーランドに連れていってください.佐藤幸子.」などと,通勤途中のお父さんに向かってエールを送るという番組ある.これを聞いてると,なんだかほっとしてしまう.
昼の12時35分位から10分程度,小学校のお昼の放送がそのままFMで流される「こちら小学生放送局」という番組がある.小学校の校歌が流れ,リクエスト曲と学校での出来事などが放送される.出身校の放送が流れると,懐かしさのあまり目が潤むんではなかろうか.
また,お昼にはガラガラ声のレポーターとアクアマリンふくしまの職員が紹介する番組も流される.
夕方5時45分位からは,常交インフォメーションと題して,東京の話題や情報を紹介し,明日,あさっての高速バス東京行きの予約状況を伝えてくれる.
その他,いわき小名浜方言講座やいわき弁丸出しのクマクマタイムなど,面白番組盛りだくさんの「SEA WAVE」である.

No.23 スタッドレスタイヤ

いわきでは氷点下になることは珍しいらしく,いわき市(平野部に限る)から東京方面へ向かうだけの場合,スタッドレスタイヤをはかないで冬を過ごすことが可能であるという.僕の場合,会津方面へ向かうことがあるので,12月中旬にスタッドレスにはきかえたが,まわりで冬タイヤに交換した人は少ない.交換したのは「福島」ナンバーの車がほとんどである.それだけ,福島県の他地域から比較すると暖かいのである.道路の街路樹に亜熱帯地方に生えている「シュロ」が植わっているのは,まさしく東北の湘南をイメージした南国いわきを象徴している街路樹である.(いくら暖かいとはいえ,いわきの緯度は高く,冬は東京以上に寒いと思うのだが・・・)

No.24 レストラン「メヒコ」のカニピラフ

いわき人にとって,「メヒコ」レストランを知らない人はいないだろう.メニューもさることながら,レストラン内の演出が面白い.なかでも,鹿島(鹿島街道沿い・平と小名浜の中間地点)にある,水族館,フラミンゴ館,モンキー館の3店はユニークである.その名の通り,レストラン内が動物園・水族館のようになっており,水族館店では店内が暗くなって大きな巨大水槽(本当にでかい)の中を泳ぐ魚や亀を眺めながら食事をとることができ,モンキー館では「キャッキャ」はしる猿を見ながら食事ができる.
メニューは,カニ,ロブスター,ステーキが主なものとなっており,なかでも「カニピラフ」は,殻つきのカニがピラフの上にのっかってくるという豪快さ.このカニピラフ,味付けの方はシンプルで殻付きのカニとご飯をバターで炒めたいう感じであり,さらに,メニューの写真では茹でたカニをそのままのっけてあるような感じであるが,実際はカニの殻ごとご飯と炒めているので,カニ殻にご飯つぶがくっついていて,殻を割って食べるときに手もべとべとになるというちょっと食べづらいものとなっている.しかし,最初はバターで炒めただけの素朴なピラフかと思っていたが,食べ方によって味わいが変わることに気づいた.初めは殻付きのカニは,殻を割ってそのまま身を食べていてライスはそのまま別に食べていたのであるが,実は,このカニの身はほぐしてピラフと混ぜて食べると,塩気の利いたカニの身がパターライスと程良くマッチして,絶妙な味に変わるのであった.このカニピラフは人気メニューのひとつであり,この素朴で豪快なピラフは是非食べてみることをお勧めする.お土産も販売している.
そのほかに,ロブスターを注文すると,調理方法を焼くか蒸すか,選択することができる.ビーフシチューも美味しそうで,これもいけるのではないか.カニに飽きたらウニピラフもいけるとの情報も耳にした.
食後のデザートで,カボチャのプリンと生オレンジジュースを飲めば,後味もよくなって,ご満悦!といったところである.

No.25 スパ・リゾート・ハワイアンズ(旧常磐ハワイアンセンター)の功績

現在では,リニューアルされて「スパ・リゾート・ハワイアンズ」という名称になっているが,「常磐ハワイアンセンター」と言えば,「あぁー,あそこね」,と誰もが思い浮かぶテーマパークである.石炭から石油へのエネルギー転換の波は,炭坑の街・いわきを直撃した.次々と閉山される炭坑によって寂れる一方のいわき地方の産業を,なんとかしようと開業したのが,常磐ハワイアンセンターなのである.
常磐(じょうばん)地方は湯本温泉でも知られるとおり,硫黄泉質の温泉がわき出る地域であった.炭坑にとってはやっかいな噴出物であった温泉を逆手にとって,大きな屋内プール(温泉熱を利用して年中熱帯である)を作り,ハワイのフラダンスショー(ポリネシアンショー)を行って,あたかもハワイに行った気分になれるテーマパークを昭和41年に作ったのである.昭和41年といえばまだ海外旅行が自由化される前のことであり,当時としては画期的なテーマパークであって,さらに,従業員は(フラダンスを踊る人も)全て炭坑で働いていた人々を雇用しているということもあり,それ故にマスコミにも取り上げられて,全国的に名の知れたテーマパークとなった.いわき市における観光客入込数はずっとトップであった.(アクアマリンふくしまの開館により,小名浜港のららみゅうがトップになったらしい)
「この前,ハワイに行って来た」
「えっ,本当?」
「本当だよ,常磐ハワイアンセンター・・・」
といった会話をよく耳にしたものである.福島県内では腰をフリフリしてヒラヒラの腰ひもを付けたフラダンス踊りのCMがかつて(もう20年も前になるか)流れていたのであるが,そのポリネシアンショーは現在も健在で,炎をぶんぶん振り回すアトラクションとともにハワイアンズの目玉として人気が高い.1日2回,13:30と20:10から行われている.

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映画「フラガール」    涙がでます.感動のストーリー.
常磐ハワイアンセンターにおけるフラガール(フラダンスを踊る女性)の誕生物語を映画化したもの.
平成18年9月23日よりロードショー開始.

No.26 いわき市石炭・化石館(常磐炭田)

いわき市は炭坑の街だった.福島県富岡町からいわき市を経て,茨城県日立市付近までに広がる炭田は常磐炭田と呼ばれ,本州では最大,日本でも北海道の石狩,九州の筑豊に次ぐ大規模な炭田であった.ところが,石炭から石油へのエネルギー革命により,次第に閉山に追い込まれ,昭和51年の西部炭鉱の閉山を最後として,125年に及ぶ炭鉱の歴史に幕を下ろしたのであった.
その炭鉱について展示をしている資料館が,湯本駅前のかつて炭鉱の街が広がっていた跡地に存在する「いわき市石炭・化石館」である.
化石館という名が付け加えられているとおり,炭鉱のみの展示ではなく,恐竜や化石などの太古の世界の展示も行われている(1階入口部).しかし,やっぱり興味をそそるのは,炭鉱についての資料館である.石炭の利用方法や,採炭道具,常磐炭坑の歴史などの展示を2階で見学したあと,あたかも地下600mの坑底まで入坑するような感覚に陥るエレベータで1階に降りると(このエレベーターは登りは普通のスピードであがって行くが,下るときは超スローに動いてスピーカーからガタガタ音が聞こえ,ガラスの外にランプがチカチカ光り,あたかも坑内のエレベーターに乗っているように演出されている),薄暗い坑内が再現されており,実際の坑道の枠が各工法によって忠実に再現されている.そして,黒いダイヤと呼ばれる石炭を採炭する状況が,古い時代から現代に至るまで,実に12場面について,人形と効果音・音声案内によってこちらも忠実に再現されている.昔はふんどし一丁で,女性も下半身のみの服装で採炭を行っており,湿気が多く温泉が吹き出す常磐炭坑では,水風呂につかりながら採炭していたということであり,採炭現場は過酷で危険な労働であったことを伺い知ることができる.全国(石狩・筑豊も含む)で100人もの人々が命を落としていた(昭和40年くらいまでの話である)ということからも危険な仕事であったことが理解できる.また,昭和10年頃における炭坑の街で暮らす人々の様子も再現されており,炭坑の街の独特の雰囲気を感じ取ることができる.
いわき市の小学校では,遠足や社会科見学で必ず訪れるところなので,いわき市で育った人にとっては「あんなところ,おもしろくねぇー」などと言ってわざわざ見に行くことはないような資料館であるが,炭坑の歴史・ひいてはいわき市の歴史を知る上では非常に面白い資料館である.

No.27 いわき宇宙塾

これは「街づくり」を考える上で,いわき市を市民に知ってもらい,また勉強してもらうために,市企画調整課で行っている勉強会である.何故に「宇宙」塾と名付けられたかというと,「宙」とは時間の流れ,「宇」とは空間の広がりを表し,いわきという地域を時間の流れと空間の広がりの中でじっくり考えてもらいたいとの思いを「宇宙」という文字で表現しているとのことである.
平成2年度から毎年大きなテーマを設定して開催されており,日曜日の午前中に2時間程度,各テーマの専門家や著名活動人等の講演を聴講するというもので,全11回,9月頃から2月まで,2・3週間に1回の割合で開催されている.会費は無料であるが,年度ごとに塾生の募集を行っており,基本的に塾生のみの聴講となる.皆勤賞には賞状が渡される.
参加者は,年配の方が多いが,中には若い世代の人もぽつぽつと見かけることもでき,どの参加者も街づくりに関心をもつ人々であることには間違いない.市民の自己啓発や文化の向上,街づくりを考えるきっかけをつくる上で,このような市民講座は大変素晴らしく,なによりも無料で色々な立場の人の話を聞けるというのはお得であり,時代の流れ・情報をキャッチするのにはうってつけである.講師の中には,芸術家や設計士などといった話すことを職業としていない人も招かれている.会場は,いわき市内に点在するテーマにそった公共施設が使われており,たとえば障害者や年配の方にも配慮した街づくりを行っていかなければならないという思想であるユニバーサルデザインについての講演の場合は,健康増進施設いわきゆったり館の研修室を利用する,といった具合である.

No.28 ダイエー・ハイパーマート(鹿島SC)のレジ

鹿島ショッピングセンター(鹿島SC)については,No.19で紹介したが,その中にダイエーのスーパー・ハイパーマートがある.そのレジの仕方がちょっと変わっている.レジに向かってベルトコンベアーのようなものがあり,買い物客は手押しカートに入れた商品やかごの中身をベルトの上に乗せて,前の客の商品との区切りをつけるため,白いプラスチックの区切りの棒を置く.そのとき,ビニールの買い物袋が必要ない人は,その旨が書かれたカードを取って商品の上にのっけておく.袋がいらない人にはポイントが与えられ,20個たまると100円引きの商品券がもらえる.商品のレジが打ち終わると,ベルトコンベアーは少しずつレジの方向に動いていき,商品も同時に動いていく.
この後も変わっている.レジの打たれた商品は,かごに入れられるのではなく,丸い棒がいくつも並べられた滑り台のような上をなめらかに滑っていき,お客は自分が購入した全ての商品のレジが打ち終わらないうちに,次々と流れてきた商品をビニール袋に入れる.つまり,時間の短縮が図られるのである.袋を詰めるためのレーンは2つあるので,前の客が入れ終わっていないときは,電車のポイントのようなレバーを変えて,前がつまらないようになっている.
「変わっている」と表現したが,外国ではこの方式の方がよく見かける.パリやロンドンでも見たし,シンガポールでもそうであった.

No.29 さはこの湯

いわき湯本温泉に「さはこの湯」という公衆浴場がある.いわき市観光公社が管理運営する温泉保養所であるが,入浴料大人150円という破格の値段で温泉に入ることができる.営業時間は午前8時から午後10時(入場は午後9時)まで,休憩を行いたい人は710円を払えば休憩室が利用できる.温泉成分は,「硫黄水」であり,慢性皮膚病・やけど・動脈硬化等に効能がある.
なにしろ,安く入浴できるので,非常に混雑する.浴場は,決して広いとは言えないので,さるが群がって湯につかっているのと同じで,人間が所狭しと,湯につかっているさまは,ちょいと滑稽である.石鹸はあるがシャンプーはない.もちろんタオルも持参である(小物は売店で売っている).駐車場も狭くて台数が少なく,運良く開いていればいいが,開いていないときは辛抱強くどこかがあくまで道路で待っているしかない.入浴後に「木村牛乳」を飲むのは必須である.

No.30 泉小学校の校歌

FMいわき(SEA・WAVE)のお昼の時間に,「こちら小学生放送局」という番組をやっている.いわき市内の各小学校がかわるがわる放送を行っていくのであるが,必ず最初に学校の校歌が流れる.その中で,泉小学校の校歌はすばらしい.なにがかって,ハモるのである.「いずみ,いずみ,いずみ,いずみ・・・」,この部分でメジャー域とマイナー域のパートナーが二手に分かれてはもっているのである.学校の校歌でハモるなんて聞いたことがない.とても美しいこの校歌,実際に歌うときには,「君は高いほう,あなたは低いほう」,というように班分けしているのだろうか?出席番号の奇数が高いほう,偶数が低いほう,といった具合に班分けしているのかもしれない.

No.31 三崎公園

小名浜港の隣にマリンタワーなどが建つ公園がある.小名浜港からトンネルを抜け,坂をぐんぐんあがると,緑の芝生の公園が広々と広がる.ロンドンなどで見られる日本離れした素晴らしい公園である.世田谷区の砧公園に似ている.日本の公園というと,長方形の敷地内に,ベンチやブランコ,ジャングルジムなどを配し,いかにも箱庭的な公園といったものが多いが,この三崎公園は,どかーんと広々とした芝生のみが広がり,その中でキャッチボールをしたり,寝そべったり,かけっこをしたり,と思い思いの行動がとれる.ビルが建ち家が密集する都市部では,こういった公園が最も求められるオープンスペースであり,憩いの場になる真の姿の公園であるように思う.
三崎公園は,夜になると,カップルが密集することでも有名で,暴走族や不良のたまり場としても名をはせている.正月の「初日の出暴走」では,茨城の「族」達が,三崎公園を目指して突っ走ってくるというから,三崎公園もまんざら捨てたもんじゃぁない.

No.32 常交の路線バス乗車記

僕の場合,いわきでは路線バスに乗る機会は滅多にないが,平(たいら)で飲み会があると,居住地・小名浜まで帰るのに,タクシーだと深夜割増で5000円,運転代行でも4000円は取られる.そこで,たまには1次会で切り上げて最終バスで小名浜まで帰ってこようと思った.いわき駅前21時35分発が小名浜までの最終バスである.20人位の乗客を乗せて,鹿島街道を南へ向けて走っていく.
常交の整理券にはバーコードが入っている.何故かと思いきや,運賃を払うときに,整理券を専用の黄色い投入口に入れると,自分の運賃が表示されるようになっていた.進んでいる.初めて常交の路線バスに乗った人は気づかずに,整理券を運賃と一緒に運賃投入口に入れてしまうだろう.
東警察署を過ぎたあたりから,どんどん乗客が降りていき,小名浜のメインストリートを過ぎると車内は僕だけに.僕の下車する停留所の手前にて運転手さんが突然話しかけてきた.
「このバスは暴走族だよ.」
と,わけのわからないことをしゃべっている. 「はぁ?」 再び聞き返すと,
「普通の自動車でもここから平まで27分かかるんだよ.バスは乗客を乗せたり下ろしたりしているんだよ.それなのにバスのダイヤは30分で小名浜まで来るようになっている.スピードを上げていたのがわかるだろう.腕まくりしてぶっとばしてきたよ.このバスは暴走族だ.」
そして,料金を払って降りようとしたとき,
「人生楽しく行きようね.気を付けて.」
と一言.個性的な常交の運転手であった.運賃は630円である.

No.33 五浦美術館

五浦美術館はいわき市の施設ではなく,お隣茨城県北茨城市に存在する.しかし,国道6号を走り勿来の関を越えると,そこはすぐ北茨城市であり,県境を感じさせるような峠もない.気がつくと茨城県に入っていく感じである.したがって,いわき市民も気軽に訪れる施設であろう.
正式には「茨城県天心記念五浦美術館」であり,岡倉天心や五浦の作家たちの業績を紹介し,企画展などによる展示も行われ,芸術文化活動の拠点として平成9年にオープンした県立美術館である.入館料は,なんと180円.激安である.しかも,美術情報ライブラリーという美術に関する専門図書を閲覧できるスペースがあり,美術に興味のある人にとっては,素晴らしい施設である.建物は近代建築の素材であるコンクリートを打ちっ放しにしつつ,木目調の化粧版によって和の柔らかさを醸し出す落ち着いたものとなっている.館内からは太平洋が一望できる.いわき地方の芸術文化の向上に,五浦美術館は非常に役立つ施設である.

No.34 いわき日帰り大浴場のあれこれ

日本人たるもの,たまには足を伸ばして「ざぶーん」とお風呂に入りたいものである.いわき市には湯本温泉という有名な温泉があるが,結構あちこちに日帰り大浴場が存在する.そんな,大浴場を個人的に比較してみました.






















料金
コメント
さはこの湯 湯本温泉 硫黄 × × × × × 150 安いこともあって非常に混雑する温泉である.浴槽も大きくないので,芋洗い状態での入浴となる.黄色い石鹸のみが置いてある.
国民年金センター
「いわき」
三崎公園 塩化 × × × 500 三崎公園にある施設で,日帰り入浴は午後4時までとなる.浴場から海が望める.1階で新聞が読める.
神白温泉
民宿「国元屋」
上神白 酸っぱい × × × × × 500 飲むと胃腸によいという泉質で,療養のため長期にわたり泊まる客が多い.浴槽も普通のお風呂である.日帰り入浴は午後8時まで.
小名浜スプリングス
ホテル
下川
(大剣)
塩化 1000 ゴルフ場が併設されたリゾートホテル.プレー終了時間以外は空いており,浴槽も非常に大きい.照島や太平洋の大海原が一望でき,露天風呂は太平洋の絶壁の上にある.ロビーで英字新聞も読める.
蟹洗温泉
「太平洋健康センター」
四ツ倉
アルカリ
2100 太平洋に面した健康センター.大海原を目の前にして入る大浴場は,爽快で気持ちがいい.いわき市各地へ送迎バスが走っている.
いわき健康センター 小浜町 温泉なし
漢方湯
× 2100 健康センターである.漢方風呂があり,しばらく入っていると弱い部分(特にあそこ)がひりひりしてくる.
道の駅「ならは」
Jビレッジ湯遊ならは
楢葉町 塩化 × × × 500 道の駅にある温泉.ジャグジー風呂が充実しており,サウナもついて500円は安い.タオルセット付きだと800円となる.
天心の湯 北茨城市
五浦
塩化
× × 1000
(平日・夜間
割引有
露天風呂の「白泥湯」が珍しい.北茨城でとれる粘土質の泥を混ぜたもので,肌がすべすべになるという.中はそれほど広くはない.

飲食施設とは,軽食のとれるレストランのことである.
タオルとは無料のタオルがあることをいう.

No.35 小名浜に吉野屋オープン(いわき市再上陸)

小名浜の岡小名,鹿島街道沿いに「吉牛(吉野屋の牛丼)」がオープンした.いわき市では,かつて倒産する前の吉野屋が平駅前にオープンしていたが,倒産によって閉鎖.その後,吉野屋は復活したものの,いわき市内にはオープンしていなかった.いわき市民にとっては待望のオープンなのである.そんあこともあってか,オープン初日より大行列.店内では食べられないので,弁当を買って駐車場で食べる事態も・・.なおかつ,並250円セールと重なって,駐車場に白テントの臨時弁当売場ができて行列ができるという盛況ぶりであり,いかにいわき市民は「吉牛」に飢えていたかが伺える.
吉野屋というと,おやじや若者の男性客ばかりで,女性が入りづらいという雰囲気があるが,ここの店はボックス席があることもあって,家族連れや女子高生,OLといったいままでの吉野屋の客層とはちょいと違う感じを受ける.小名浜の喫茶店での話題は,もっぱら吉牛の話題で持ちきりで,「店は大混雑だっぺよ.行ってみたか」などといった会話が取り交わされている.
いわき市民は,郡山などの吉牛のある地域に住む人たちとの会話で,
「吉牛の朝定(朝定食のこと)が食いてぇーなー.」
などといった会話がはじまると,悔しい思いをしていたのであるが,これからは,胸をはって,
「そうだよなー.」
と,相づちを打つことができる.どういうわけか,吉野屋の牛丼は無性に食いたくなるときがある.僕も大変嬉しい限りである.

No.36 いわき東京線・高速バスVol.2(4月増便)

いわきは高速バスが発達しているところであり,各インターチェンジに乗用車用の無料駐車場を設けて,パーク・アンド・ライドを日本でも先駆けて導入したところでもある.値段が安いこともさることながら,そのような利便性のよさが功を奏して,いつも盛況満席といったところである.特に,いわき東京線については,2001年4月1日より更に3増便されて21往復体制となった.(2003年5月からは,さらに3往復増便の24往復体制となり,30分おきの時間帯が増えた.)
いわき駅始発が午前5時となり,いわき駅最終が20時となった.さらに,東京駅発の始発が7時30分となり,最終が22時(いわき駅到着はなんと午前1時となる)という便ができた.給料日後(月末)の週末や連休の最終日には,1便2台運行の増便体制にもかかわらず,東京駅発のバスが「本日すべて満席ですので電車で帰って下さい」などと言われるときがあったが,今回の改正で,東京駅発15時30分から21時までは30分間隔の発車となり,特に午後7時以降の利便性が格段に向上した.それから,綾瀬駅から東京駅までのルートが首都高経由から一般道経由に変更された.
さて,いわき東京線は,JRバス関東,東武鉄道,常磐交通の3社で運行されている.これは駅ターミナルの乗り入れ権利があって,東京駅はJRバス,綾瀬駅は東武バス,いわき駅は常磐交通となっているため,お互いのバス会社を運行させて駅前ターミナルからの発車を実現させている.綾瀬駅の停車は,首都高の混雑を避けるために都心手前の駅で乗客を下車させるために停車するのである.
この3社,どれに乗っても同じだろう,と思いきや,若干の違いがある.
バスが一番綺麗なのは東武鉄道である.次に常磐交通であり,JRは電車もそうであるがバスもちょっと汚い車両が回ってくることもある.特にJRバスの場合,各方面手広く路線を持っているので,どこかのお古が回ってきたりするのではないか.しかし,悪いことばかりでもなく,かつて夜行で使われていたフットレスト(足置き場と足のふくらはぎをのせる台)がついていることもあり,ちょっと得した気分になる.最近は新型バスも導入されるようになってきた.
一番安全運転なのはJRバスである.逆に吹っ飛ばすのが常磐交通.首都高の常交の走りっぷりは追い越し車線を走っていき,つくばセンター行きや水戸行きなどの高速バスを抜かしていく.

No.37 いわき市のさかな 「メヒカリ」

いわき市の魚を決定しようと,市民からの公募を行ったところ,「メヒカリ」と決まった.漁協組合からは漁獲高の大きな「カツオ」にしたいという思惑があったが,最終的には市民に親しまれているメヒカリとなり,一安心といったところである.カツオは土佐高知などで既に有名であり,今さらカツオを「いわきの魚」にしたところで,独自性やアイデンティティーは何ら感じることのできないものである.メヒカリは長持ちしない魚なので,会津などでは食することがあまりない.いわきに来た人にはメヒカリを薦めているが,皆珍しいと言って唐揚げなどを食べていく.魚そのものの値段はそれほど高価なものではない.
メヒカリとは,漢字で書くと「目光」,正式には「あおめえそ」,硬骨魚綱 はだかいわし目 あおめえそ科の魚である.英名は「green eyes」,その名の通り,青緑色に光る大きな目が特徴のシシャモのような小さな魚である.底引き網で漁獲され,特に9月から4月にかけて多くとれる.底引き網の休業期間である7・8月には水揚げがない.唐揚げ,干物,天ぷらなどで食べられ,珍品として刺身で味わうこともできる.刺身は,船から直送されるごく一部の飲み屋などで食べることができる.

No.38 大黒屋デパート倒産

大黒屋デパートが破産した.大黒屋についてはNo.13の項でも述べているが,いわきの老舗百貨店であった.今年は創業100周年を迎える記念すべき年だった.福島民友などでは号外が出され,コンビニのレジには号外がおかれるほど,いわき市民にとっては衝撃的な出来事であった.なにしろ大黒屋デパートは,福島県浜通り地方の唯一のデパートと呼べる百貨店だったのである.負債額は大黒屋と関連企業の大黒屋ストアーなどをあわせて約90億円,要因として,①大手資本による大型スーパーの相次ぐ出店での競争激化(バイパス沿いにたてられる大型店舗によるもの.中心市街地の衰退の元凶でもある),②デフレによる単価ダウン(中間の卸売りを通さないことで価格ダウンを果たしたユニクロが最たるもの),③各地デパート倒産を背景にした問屋との取引条件の変更(そごうの倒産を背景に,問屋業界も厳しい条件を突きつけてくるようになったのか),④金融機関の引き締め(いわゆる「貸し渋り」である)などによるもの,としている.
自主再建を断念した破産宣告(民事再生法などの自主再建ではないのである)ということで,平成13年5月22日よりシャッターは開かず,「大黒様の宝くじ」として有名な宝くじ売り場も閉鎖されてしまった.「せめて,宝くじ売り場だけは続けて・・・」といった声も多く聞かれるが,倒産したデパートの宝くじ売り場に果たしてどれだけの人が購入しに来るだろうか,といった疑問の声も聞かれる.
地域経済に与える影響は大きいと言われており,いわき市役所では商工労政課内に市内の取引企業に対する融資相談窓口と従業員雇用のための相談窓口を設置した.パートを含む296人は解雇されるという.
実は,大黒屋デパートの経営が芳しくないという噂はちらほら聞かれていた.いわき商工会議所の会頭でもある馬目社長の任期が平成13年10月まであり,任期が終わったところで倒産か!などと言った冗談交じりの囁きもなかったわけではなかったが,こんなに早く倒産するとは思っていなかったに違いない.大黒屋デパートは,バーバリーやシャネルなどが入る,いわき地方の消費文化レベルを引き上げた功績は大きなものであったと思われる.

No.39 いわき市の気温

暑い熱い夏がやってきた.天気予報で福島県の気温を見ると,必ずいわき市の夏の気温は,郡山や福島,会津若松と比べて3~5度程度低くなっている.夏暑くて冬寒い山々に囲まれた内陸型気候の中通り(郡山や福島)や会津地方の人々からは,「いわきは海に近くて夏は涼しくていいよな~」,などと言われる.しかし,いわき市全てが涼しいというのは誤りだと思う.というのも,いわきの気象庁の測候所は海の近くの小名浜にあり,いわきの気温や天気は,すべて小名浜が基準となっているのである.小名浜は確かに海からの涼しい風が吹いてきて,気温が低い.この小名浜のみの気温が,いわき全体の気温として,NHKを初め,TV各局で放送されているのはちょっと正確さにかけているように思う.いわきの中心地・平(たいら)は内陸に位置しているので,小名浜よりも2~3度は気温が高いといわれており,いわきに住んでいる人も,「天気予報は小名浜の気温だから,平はもっと暑いよ」と誰もが思っている.決していわきは涼しくない! ちなみに僕は,目の前に漁港の広がる小名浜港の前に住んでいるので,涼しいいわきを充分すぎるほど享受しております.

No.40 草野心平記念文学館

草野心平はいわき市出身の詩人であり,いわき市小川町にこの記念館がある.夏井川上流の小玉ダム近くの自然に囲まれた地域にあって,館内からは大きな透明なガラス窓越しに,阿武隈の山を望むことができる.常設展示室の構成も独特で,草野心平の肉声による詩の朗読を聞くことができるとともに,モニュメントが配されて展示空間そのものを楽しめるような作りとなっている.カフェレストラン「テン」では,手作りのこった料理を味わうことができ,食事だけでも訪れてみるのも良いところである.時々,草野心平と親交のあった人物などの企画展を開催しており,今年の夏は「中原中也展」を開催していた.「汚れっちまった悲しみに・・・.ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」である.

(このページは2001年に掲載したものです)

いわき小名浜見聞録【#1-#20】[一括掲載]

(このページは2000年~01年に掲載したものです)

No.1 小名浜のテレビ

小名浜のテレビは、福島県でありながら福島のテレビは入りにくい。東京の4・6・8・10・12チャンネルの方が良く映るのである。福島のテレビで良く映るのは、NHK(福島版)と福島テレビ(フジ系)であり、それ以外は映りが悪く、見れるような状態ではない。当然、天気予報は関東のものが放映され、ここは茨城県の水戸を参考にして判断している。福島県にいながら、福島に居るような感じがしない。会津や中通りのことを忘れてしまいそうな、そんな所である。市民もみんな関東圏に目を向けて生活している。

No.2 いわき市のゴミ分別

いわき市のゴミ分別は、非常にややこしい。つまり、分別の種類が多く、全部で8分類に分けなければならない。リサイクルや環境という観点からはとても良いことなのであるが、よそから来た人間にとって、この分類になれるまでには、少々時間がかかりそうである。
8分類とは、
①缶類・ペットボトル(2週に1回)
②ビン類(2週に1回)
③燃えるゴミ(週2回)……生ゴミ・紙類・繊維類・やわらかいプラスチック(シャンプーの容器など)
④燃えないゴミ(4週に1回)……ガラス・せともの・蛍光灯・固いプラスチック(ビデオテープなど)
⑤小型家電製品・金属類(4週に1回)……ドライヤー・炊飯器・アイロン・ワープロ
⑥古紙類(4週に1回)……新聞紙・雑誌・段ボール
⑦廃乾電池(年2回)
⑧大型ゴミ(申し込み制)……重さ10kg以上50kg未満・大きさ60cm以上のものはすべて大型に該当
これらをそれぞれ透明なゴミ袋にいれて分別し、指定された日に出さなければならない。ゴミカレンダーにはカラフルな色分けがされている。

No.3 小名浜のドライバー

小名浜のドライバーは非常に荒々しい。いわきの中でも飛び抜けて運転の荒い地域ではないかと思う。何しろ黄色は「進め」、赤は「注意」といったところである。直進車がいるにもかかわらず右折をしてくるし、こちらが直進車なのにブレーキを踏まなければならないときがよくある。僕も負けじと、強引な右折を時々やってしまうが、怖いのは右折したときに歩行者や自転車が歩道を歩いていたときであり、対向車が来ていて右折したと思ったら人が歩いていた!なんてことに遭遇すると、もうどうしようもない、車にぶつかるか歩行者をひき殺すしかなくなる。
それから、福島ナンバーの車は、いわきナンバーの車にぴったりくっつかれてよくあおられるような気がする。いわきナンバーはたちが悪い。僕の車もいっそのこといわきナンバーに変えてしまい、たちの悪いドライバーに変身しようかなと思う今日この頃である。(いわきナンバーのかたへ、気分を悪くしないで下さい。ほんの雑談ですので…)

No.4 夕刊・いわき民報

「いわき民報」これはいわき地方に発行されている「いわき民報社」発行の新聞の名称である。夕刊のみの発行で、地元の情報を新聞で発行しているのであるが、1ヶ月2150円で夕刊のみとなっている。テレビ欄も記載されているので、いわき民放のみを契約している世帯もあるのかなと思ってしまうが、メジャーな新聞ではないので、おそらく事務所などでの契約となっているのかと思う。サイズは夕刊フジなどと同様に普通の新聞よりもひとまわり小さいサイズとなっている。
内容は、「三崎公園北側と市道が直結・3年かけ街路を改良」とか、「気合いで冷水にザブーン・好間中早くもプール開き(4月12日付け)」などといった地元のローカルな話題が多く掲載されており、なかでも興味を引くのは、魚類の取引値などを記載した「市況」や、「魚海況速報」というタイトルで海況や漁況などの情報が天気図のような概況図とともに掲載されているところが、いかにも海の街いわきらしいところである。こうした地元コミュニティー新聞が民間の新聞社から毎日発刊されているのは素晴らしいことであり、いわき地方の独自の生活圏を作っていこうとする地域住民の意識の高さだと思う。なかなかこのような新聞を一民間新聞社が発行するということはあまり聞いたことがない。いわき住民のパワーを感じる。

No.5 魚のうまい買い方

小名浜市場の脇にはいくつかの市場直送の魚屋が立ち並んでいる。このあたりの魚屋はもちろん観光客目当てであるので、他の一般的な魚屋よりは少々値が高いという評判であるが、鮮度はよく、買った魚をさばいてくれたり、隣の食堂で食べさせてくれたりもする。店員も観光客慣れしており、駆け引きにも慣れており、客としては少しでも値を負けさせて買いたいところであるが、なかなか、つい店員のペースにのせられてしまい、気がつくと全部食べるのに何日かかるのか、山のように魚を買ってしまう羽目になる。
日本では外国のように交渉によって価格を決めるという習慣がないので、なかなかこつがつかみにくいが、ここの魚屋では値札はあるものの、交渉によってはサービスが付加されることがある。そのポイントとして、値段を負けてくれと交渉するのではなく、あと1匹つけてくれとか、となりのコレを1つサービスしてくれ、といったことで負けさせるのがポイント。値段を下げるのではなく、ブラスアルファーのサービスを要求する。こうすると店側も結構すんなりと納得する。また、1個で150円のものの場合、2つ買うから250円にして、3個買うから350円ではどう? などといった交渉も有効である。また、夕方4時~5時頃は店の閉まる時間帯であり、たたき売りが行われる。店のおっちゃんも「やけくそ」になっており、1400円のカレイが700円になったり、3匹1000円のイシモチが5匹で1000円になったりする。こうなってくると、いままでの値段はなんだったのか?と思ってしまうが、これにのせられた僕は、でかいイシモチをつい5匹も買ってしまったのだが、冷静に考えると1週間毎日イシモチを焼いて夕食のおかずとして食べないと処理できないことに気づいた。普段食べる魚は、スーパーのパックを買った方がお得である。

No.6 いわきのパチンコ屋

当然、いわきにもパチンコ屋は星の数ほど存在する。持ち玉で台移動自由、終日無制限、といった店が多い(交換率はまちまち。等価もあれば2.5円もある)のであるが、おもしろいのがドル箱の積み方。たいていドル箱は縦に4つまで積み、5箱目から隣の列に積み上げていくのが多いが、いわきでは、横に平らに4箱まで並べて、5箱目から2段目となって、また横に並べていくのである。なかなか賢い。これは考えるに、店側がたくさん玉を出しているように見せかけるための作戦である。縦に並べるより横に平面的に並べた方がぱっと見、多く出ているように感じる。明治団地の近くにある「大将軍」、小名浜の「つばめ」、なんだか中華料理店のような「珍萬(ちんまんと読む。野田というところにある珍萬は「のだちん」と呼ばれている)」、「ダイエー」や「ジャンボ」といった日本海側系のパチンコ店は見当たらない。

No.7 のっぺのっぺいわき

いわきには常磐交通という民間バス会社がバス事業を展開している。常磐交通は高速バス事業にも力をいれており、いわきから東京、仙台、郡山・会津若松、福島へとネットワークを展開している。
JR線との競争もあって、割引率の大きい回数券を発行するなどして、シェアを高めようと努力しているのであるが、そんな中で、東京線にはさらにお得になる特殊回数乗車券というものが発行されている。その名も「のっぺのっぺいわき、とくとくスタンプ24」。最初に乗車した日から1年以内に24回乗車すると、次回片道乗車券が無料になるというもので、高速バスでこのようなサービスをやっているところは数少ない。なかなか面白いのがこの「のっぺのっぺいわき」というネーミングである。「のっぺ」という訛りを表現しているところ、強い郷土精神といわきのアイデンティティー、そしてある種フロンティアスピリットが感じられる。実際、バス会社のもくろみは、いわきに住んでいる人に対して東京に行く際にバスに乗ってもらうために、あえて親しみをもつ訛りを用いて、繰り返し乗車してもらえるような回数券を発行したことであろうと思う。別にフロンティアスピリットでもなんでもないと思うが、見方によってはそのように感じることもできる。

No.8 月刊タウンマガジンいわき

この雑誌はいわきの情報を掲載した月刊誌である。地域コミュニティの情報誌として、コンビニ等で300円で売られている。東京や大阪、名古屋で売られている「週間ぴあ」の地方版であり、いわきにおけるイベント情報や映画、飲食店の紹介などが掲載されている。この手のタウン情報誌が発行されている都市は、札幌・青森・盛岡・秋田・山形・仙台・福島・郡山・宇都宮・新潟・長野・富山・静岡・浜松・岐阜・和歌山・奈良・岡山・広島・島根・香川・松山・徳島・高知・福岡・長崎・熊本・大分・佐賀・宮崎・鹿児島・沖縄となっており、1つの道府県で3つ発行されているのは福島県のみである。ちなみに次号の特集は「アクアマリンふくしま~小名浜熱風セレナーデ」となっている。

No.9 運転代行

いわきでも、運転代行は一般的な交通システムのひとつである。
東京や大阪などのように電車で移動できるところでは、お酒を飲んだあと、夜遅くまで走っている電車で最寄り駅まで行き、そこからタクシーなどで帰ることができるが、車で移動することが主な交通機関となっている地方都市では、お酒を飲んだ後は、運転代行によって帰ることが多い。つまり、行きは自分で運転してきた車を駐車場に入れ、飲んだあとに代行を呼んで、車の置いてある駐車場まで連れていってもらい、自分の車を代行運転手に運転してもらって帰ってくる。その時、代行運転手を帰りに乗っけていくために、後ろにもう1台の車があとをついてきて、代行運転手はその車に乗って戻っていく。つまり、2人がかり2台がかりのサービスである。
2人がかりのサービスなので、タクシーより高いのだろうと想像するが、タクシーよりも若干安く帰ることができる。このあたりの仕組みはちょっとよくわからないが、酒を飲むときは、バスで行ってタクシーで帰ってくるよりは、自分の車で行って代行で帰ってくる方が得である。(近場の場合はどうかわからないが)
料金の仕組みには2通りある。ひとつは、タクシー会社が運営する代行で、こちらは距離によるメーター制となっており、駐車場の無料券や4000円以上20%割引券を発行するなどしているが(無料券や割引券は飲み屋でもらえる)、割引券がないとちょっと割高になる。もうひとつは代行専門の会社で、こちらは乗車前に交渉によって料金を決定する仕組みになっている。日本でもこのように交渉によって料金が決まるシステムがあったのかと、日本の新たな側面を発見し驚いた(タイに行くとトゥクトゥクという交渉制の三輪タクシーがあり、言い値の半額まで下げさせないと相場の値段にはならない乗り物がある)のだが、だいたい相場は決まっており、事前にその料金を友人知人に聞いておいて、乗車前に「2000円で○○まで大丈夫?」などといった具合で交渉し、料金が決定する。ただ、相場を知らないと高い値段で交渉することになるのかなと思うが、おそらく代行会社の今後の評判につながってくるので、そうボッタクリの値段をふっかけてくることはないだろうと思う。ただ、なにせ酔っぱらい相手の商売、泥酔している乗客によっては……?(いつもタクシー会社の代行を使うので、よくわからないが…)

No.10 小名浜ミュウ花火大会

毎年8月第1土曜日は小名浜港(1号埠頭(ららミュウ)と2号埠頭(アクアマリン)の間)で花火が打ち上げられる。題して「いわき小名浜ミュウ花火大会」。15000発の花火が打ち上げられるというから、規模は大きいほうである。そして、今年初めて小名浜の花火大会を見物した。どの花火大会でもそうであるが、段々と打ち上げられる玉数が多くなってくるのが8時過ぎあたりからであり、小名浜でも例外ではない。3発同時打ち上げの尺玉(これが5回連続するからすごい。15発連発)、スターマイン、海中花火と、かなり見応えのある花火大会であった。ただ、一言いわせてもらえば、もう少しフィナーレの打ち上げ花火を盛大にやってもらいたかった。打ち上げ時間を1時間半位にして(現在は19時~21時の2時間)、打ち上げ玉数を減らさずに密度の濃い花火を上げれば、もっと感動するのではないだろうか。
花火終了後の人々で埋め尽くされたアナーキー状態の港湾道路も見応えあり。午後11時近くまで渋滞は続いていた……。

No.11 いわき弁の「け」

いわき弁の特徴として、語尾に「け」や「げ」をつけることが多い。例えば「行くか」というのは「いぐけー」、「そうかい」は「そうげー」という具合。この「け」は茨城県の北茨城や水戸でも聞くことができるので、やはり浜通りは茨城からの影響が大きい地域なのだろうと思う。小名浜のラーメンも細面で、水戸ラーメンといわれている細面とよく似ている。

No.12 いわきの冷し中華

いわきで冷し中華を注文すると、必ずカラシの他にマヨネーズがついてくる。食べる前に混ぜて食べるのである。ラーメンやご飯にマヨネーズを混ぜるのと同じ次元の話であり、初めは「うっそー」と思ったが、これがなかなかいける。これについては、ルーツなどはよく分からない。ただ、会津地方では、マヨネーズはついてこない。いわきのコンビニにいくと、冷やし中華の中にはマヨネーズが入っていないので、1本20円のチューブマヨネーズがすぐ横に置いてある。このことについて、情報をお待ちしています。

No.13 大黒屋デパート

このネーミング、インパクトのあるデパートである。いわき市の中心部「平(たいら)」にある、いわき市民なら誰でも知っているデパートである。いわき市民に限らず、耳にしたことのある人は多いはずで、ジャンボ宝くじでは必ず1等がでる「大黒様の宝くじ」で全国的(東日本といったほうが正確か?)に名の知れたデパートである。東京の電車の週刊誌の中吊り広告でも「大黒様の○○」などといって特集が組まれたこともあった。昭和45年開店(現在地での開店。創業は明治34年)とあって店内はちょっと古い感じが否めないが、シャネルやバーバリーの店舗が入っているところなど、いわきの高島屋(いわきの三越でもいいが)といった感じである。大黒屋という名前からは想像もつかないが。また、地下1階の食料品売場では、コーヒー豆販売所のとなりではコーヒーを、さらに紅茶売場のとなりではティーカウンターで午後の紅茶を味わえるのも本格的なデパートの証である。
屋上には大黒魂神社が祀られており、1階で宝くじを買って屋上で拝めば大当たり間違いなしである。店内は「がらがら」でも宝くじ売場だけは人が絶えない、それが大黒屋デパートである。ちなみに福島県のご当地デパートを紹介すると、郡山は「うすいデパート」、福島・会津若松では「中合デパート」といったところが、同じような系統のデパートではないだろうか。

No.14 フリーマーケット

大黒屋デパートの北側に新川公園というグリーンベルト地帯がある。おそらく、川を埋め立てたのか道路を廃止して公園にしたのか、細長い公園が平の町を東西に貫いているのであるが、そこの広場で毎週日曜日になるとフリーマーケットが細々と開催されている。衣服やがらくた(と言ってしまうと怒られるかもしれないが…)をはじめ、朝取れたての野菜や漬け物、ケーキなどを販売しており、なかなか楽しい。規模は非常に小さいのであるが、こういった光景があるとなんだかほっとするのは自分だけだろうか。中心市街地を活性化させる意味でも、もっともっと盛大にフリーマーケットが開催されることを思う。(店を出す人がいなければ話にならないのだろうけれど…) 同時に、ストリートパフォーマンスや海辺で開かれているライブ演奏などもやってみてはどうか。ただし、周辺住民から騒音についての苦情が殺到するような気もする。

No.15 SEA WAVE(FMいわき)

76.2MHz、このFMは福島県内のコミュニティーFMの周波数である。県内でコミュニティFMを開局しているのは、福島市のFMポコ、会津若松市のFM愛’s(FMあいづ)、そしていわき市のSEA・WAVE(シーウェーブ・FMいわき)である。これらのミニFM局は日中の一部と深夜の時間帯は東京のJ-WAVE(FMジャパン)を流しているのだが、それ以外の時間では地元ならではの番組が放送されている。
天気予報は勿来・小名浜・田人・遠野・湯本・平・三和・川前・小川・久ノ浜の10地区の気温やピンポイント予報が行われ、交通情報は主要交差点における各方面毎の渋滞情報を「国道6号、泉滝尻交差点、平方面は、信号1回待ちの渋滞が発生しております」などと言う具合にきめ細かく伝えている。某放送局のいつも同じ交差点だけが、ただ単に渋滞していますと放送されているのに比べよっぽど地元にとって有益な情報を提供している。また、リクエストされたコメントでは、「私の彼は植田のがんこラーメンで8丁目をたいらげる人です」などとジモピイでないと、何を言っているのかわからない会話が流れたりもする。(植田のがんこラーメンでは、辛さに応じて1丁目から8丁目まであるらしい。)いわきをドライブの際は、ダイアルを76.2MHzに合わせてみましょう。

No.16 「Umi-Tsukushi 」 「Wave Wave Wave」

小名浜2号埠頭の先端、アクアマリンふくしま隣にあるアクアマリンパーク。ここには面白い演出がなされている。
ひとつは「Umi-Tsukushi」と呼ばれるもので、地中から飛び出している伝声管と通して、今現在のナマの波の音や海中の音を聞くことができるものである。背の高い管から低い管まで10本立っているので、大人から子供まで楽しむことができる。耳を近づけると、「ちゃっぽんちゃっぽん」と音が聞こえてくる。夜になるとライトアップされ、音の強弱によって光が強くなったり弱くなったりし、ムード満点のベイエリアとなる。
もうひとつが「Wave Wave Wave」と呼ばれるもので、波の様子を構造物で表現した地上の波で、この波の上に乗って下を眺めると、本物のうち寄せる波を見ることができる。
これらの施設は、アクアマリンふくしま(2号埠頭)の先の方にあるので、気をつけて見ないと見過ごしてしまう。ぐるりとアクアマリンを一周すれば、必ずお目にかかれる。

No.17 いわき・東京線 高速バスVol.1

いわきから東京へのアクセスは、JR常磐線の特急スーパーひたち号を利用するか、常磐高速を走る高速バスに乗るか、または、マイカーで東京に行くか、の3パターンがある。JRの場合、定刻に早く到着できるが運賃は高い。特急指定席片道で6390円もかかる。一方の高速バスは、多少の渋滞が発生するが、いわき駅-東京駅が約3時間であり、電話予約なので席も確保されており、なにより運賃が片道3350円と破格の値段で乗車できる。さらに、4枚綴りの回数券を購入すると、1片道あたり2750円となる。
僕も東京へ行く場合、いままでJRを一度も使ったことがなく、高速バスのパークアンドバスライド方式を利用して、バス停近くにある無料駐車場に車を置いてバスを利用している。
いわきから東京へ行く場合は、常磐交通の予約センターに電話を入れて、便指定を受けなければならない。座席は自由であるが、便だけの指定を受けるものである。これを受けてない場合は、空席があれば乗車させてもらえるが、予約が満席の場合は最終乗車地の勿来ICのバス停でのみ、空席があれば乗車させてもらえる。
一方、東京駅から乗車する場合は、電話での予約はやっておらず、直接足を運んで、東京駅のバスチケット売場か東武トラベルの窓口にて便指定の予約を受けなければならない。しかし、東京駅からの便の場合は、たいてい直前の購入でも乗車することができ、混雑するのは午後3時以降のいわき行なのであるが、その時間帯は午後7時まで30分おきに発車しているので、満席の場合は、次のバスに乗ればよい。
土日などの休みの日には、いわき発の午前中の便が増便(2台)され、そのバスが帰ってくる東京駅午後3時以降の便も増便されていることがほとんどである。また、金曜日の午後5時以降のいわき発東京行(東武)は、増便されないので満席になることが多く、金曜の夜に東京に向かおうと思っている場合は、早めの予約が必要である。

No.18 木村牛乳

いわきの公衆浴場などに行くと大抵置いてある瓶牛乳が木村牛乳のパスチャライズミルクである。木村ミルクプラントは、いわき市平下神谷にあるプラントで、近くの説明板には、
「阿武隈山系の豊かな自然の中、安全で良質の飼料で育成された、健康体のホルスタインから朝一番で搾った新鮮な生乳を100%使用しています」
と書かれている。さらに、
「製法は昔ながらのパス殺菌法(パスチャリゼーション)で、本来ミルクがもっている特性を壊さないよう時間をかけて、優しく、やさしく低温処理しました。一般に市販されている普通牛乳(120~130度殺菌)、加工牛乳(脱脂粉乳使用)、LL牛乳(140~150度殺菌)に比べ自然の栄養素が生きています。このミルクは工場直送です。」
とある。いわき市で生産された牛乳を、温泉に浸かった後にごくりと飲みほすのが、真の「いわき人」である。

No.19 鹿島ショッピングセンター(鹿島SC)

平と小名浜の中間地点に、鹿島というところがある。平と小名浜を結ぶ県道を「鹿島街道」と呼ぶのは、この鹿島から付けられた名前であろうと思うが、この鹿島に巨大なショッピングセンターが存在する。それは、鹿島ショッピングセンター。建物は一つであるが、その中身はでかい! ダイエーとエブリアがキーテナントとして入っているが、ダイエーはご存じスーパーであり、エブリアは小さいテナントを集めた駅ビルのような感じの専門店街である。とにかく、なんでもそろっており、本屋・クリーニング屋・薬・洋服・パン屋・酒屋・たこ焼き屋・スーパー・ゲームセンター・花屋・文房具屋、銀行郵便局のCD…、まさに巨大デパートと言った趣のショッピングセンターである。ダイエーの品揃えも豊富で、近所のヨークベニマル(福島県版イトーヨーカドーである)などのスーパーと比較しても品揃えが多い。ただ、ちょっと難点は気軽に車を置いて買い物がしづらい点で、日曜などは駐車場が混雑しており、店に入るまでが一苦労。ダイエーが優勝した日には、大混雑すること間違いなしである。
鹿島にはショッピングセンターの他にも、鹿島ブックセンターといういわきでは一番大きいと思われる本屋や、中心市街地を寂れされる元凶の大規模小売店舗が建ち並んでいる。昔は鹿島街道のことを、ラブホテル街道などと呼ぶ時代もあったそうだが、いまとなっては飲食店や商業施設がぎっしり建ち並ぶ健全で賑やかな街道となっている。

No.20 ポートおなはま海援隊

武田鉄矢のバンドではない。福島県小名浜港利用促進協議会(共催:いわき市、小名浜港整備促進期成同盟会)が主催する、小名浜港を見学するツアーである。クルーズ船での洋上からの港見学、漁業基地、大剣コンテナ埠頭などの物流機能、アクアマリンふくしま水族館の見学を1日かけて行う市民(県民)のための勉強会である。参加費は2000円で昼食付き、参加資格は福島県内に居住するか通勤通学する15歳以上の人で、港への直接的な業務の関わりのない人となっている。
年に1回開催され、今年(2000年)で3回目となるそうだが、応募者が240人あって、抽選の結果40人が選ばれた。幸運にも当選したので、この海援隊に参加した。
各施設に関わりのある人から港湾の機能について詳しい解説があり、漁業から物流、親水機能まで、小名浜港を幅広くコンパクトに見て回れ、今まで気がつかなかった港湾の機能について知ることができ非常に有意義であった。詳しくは、「小名浜港の点風景」のページに掲載してあるのでご覧いただきたい。いわき市ではこういった市民のための研修会(いわき宇宙塾など。後頁に掲載予定)を積極的に行っており、参加費も安くて非常にお得である。まちづくりの基本はそこに住む住民なので、自分の居住する地域を理解することは、大変いいことだと思う。ただ、参加している年齢層が、5~60歳台のご夫婦と40歳台のおばさま方が非常に多い。これからを担う若い人がほんのちょっとだけいて、現状を見て考えてもらいたい3~40歳代の世の中を担っている男性諸氏の参加は少ないようである。つまり、日本のサラリーマンは忙しいのである。

(このページは2000年~01年に掲載したものです)