高島平団地【東京考察#117】

The Takashimadaira housing complex


高島平の団地群

 


 高島平団地は,住宅ストック不足を解消するために日本住宅公団(前住宅・都市整備公団/現都市基盤整備公団/平成16年7月より独立行政法人「都市再生機構」へ)によって開発された,いわゆる「団地」と呼ばれるものである.当時建設された団地は,規制上からほとんどが14階建ての中高層住宅であり,この高島平団地も14階建ての住宅団地が並んでいる.
昭和47年より入居が開始され,高島平2丁目団地には賃貸住宅が7741戸,高島平3丁目団地には分譲住宅が2429戸あり、総戸数は10,170戸となる都内屈指の巨大団地である.この時代に作られた団地を歩いてみると,高密度に中高層住宅が並んでいることに気づく.現在の団地開発は高層住宅と高層住宅の間にもう少し公園などのオープンスペースを配置して,空間にゆとりを持たせ密度を押さえるようにしていると感じる.


都営地下鉄三田線「高島平駅」を降り立つと,
都道を挟んで目の前に団地が壁のように立ちはだかる.
これだけでも圧巻な景色である


空きが出ているようで,
賃貸住宅の入居募集を行っている.

 
1階は商店街になっている住宅棟もある.


団地の中には公園が配されている


廊下.天井の配管が年月による追加改造を物語る

 
一時期,自殺者が多く出たために,廊下などには徹底的に柵が取り付けられ,
屋上には上がれないようにしている.

 
懐かしい「ダストシュート」.今は分別が細分化され,廃止の方向にある.
銀色の蓋の部分からゴミを投げ入れると1階まで落ちるようになっており,
下階でゴミを集めるシステムとなっている.

 
交番(左)や図書館(右)などの公共施設を一体的に配置しているのも,
住宅公団の行っている団地開発の魅力の一つであった.