新丸の内ビルディング 【東京考察#221】

The Shin-marunouchi building


オープンしたばかりの
新丸の内ビルディング

 


 2007年4月27日に,新しく生まれ変わった新丸ビルが誕生した.「新丸ビル」と頭に「新」がつくので,かつては「丸ビル」と呼ばれていた建物を新しく建て直したように思うかもしれないが,そうではなく,この場所にかつて建っていたビルも「新丸ノ内ビルヂング(昭和27年竣工)」と呼ばれていて,そのビルを新しく再開発したものが,この新丸の内ビルディングである.丸ビルは,新丸ビルの道路を隔てた南隣りに建っており,こちらは,一足早い2002年9月に再開発ビルとしてオープンしている.
もともと,この丸の内一帯は,明治時代に欧米のようなビジネスセンターを建設する構想を,軍用地の払い下げを受けた三菱財閥によって進めらたところで,旧丸ビルは大正12(1923)年に,旧新丸ビルは昭和27(1952)年に完成した.かつての丸の内地区では,高さや看板の規制により,統一したスカイラインのある景観に優れたビジネス街が形成されていたが,規制緩和によって高層ビルが建てられるようになり,建物の老朽化もあって,このような新しい再開発が次々と行われているのが,今の丸の内地区である.
新丸の内ビルディング(三菱地所)は,地上38階,高さ198mで,かつての新丸ビルの高さである31m以下の低層部の商業ゾーンと,高層部のオフィスゾーンに分かれている.新丸ビルでは,丸ビルのように最上階部への商業施設は設けていない.商業施設は,30代から40代の大人をターゲットにしているとのことで,インテリアも落ち着いていて,大人の雰囲気を演出する空間となっている.なお,丸ビルも新丸ビルも,商業施設のオープン時間は午前11時からなので,お間違いなく.
 
地下道(地下鉄の駅)から直結している
 
1階のエントランス

電球色の柔らかい照明が空間を暖かくさせている
木目を使用するのが,最近のインテリアの流行のようである

こちらも地下1階の飲食店街
 
壁に掛けられているスタンド照明がいい

このように床も木の素材が使われていて,
木の温もりと照明の電球食によって,和やかな雰囲気となっている

各フロアーにはソファーが設けられている
疲れたら足を休ませることができる
 
上階のレストラン街
明るい光りが入ってくる

店舗の窓からは,隣のオフィスビルが見える

アフタヌーン・ティー・ルームからは
皇居の緑を眺めることができる
 
2階フロアーからは
東京駅の赤煉瓦駅舎を眺めることができる
3階建てへの復元工事が行われる

その景色の拡大版
背後に見えるビルは八重洲口の再開発ビルで
東京駅周辺は超高層ビルの開発ラッシュである

2階から1階へ下るエスカレータより撮影
アーチの空間と照明がレトロな感じでいい

1階入口側から見たフロアー

この低層部の建物の高さが,
かつての新丸ビルの高さである31mとなっている
つまり,昔の高さ規制の限界値
商業施設は,この低層部に入っている

昔の東京駅丸の内口は,休日にこれだけの人出はなかった