東京国立博物館(上野) 【東京考察#222】

Tokyo National Museum


東京国立博物館


 東京国立博物館の歴史は古く,明治5(1872)年に文部省が湯島聖堂で最初の博覧会を開催したのが博物館としての始まりで,その後,明治15(1882)年に上野公園に移ってから,現在に至っているのが,東京国立博物館である.
展示館は,「本館」「東洋館」「平成館」「法隆寺宝物館」「表慶館」の5つに分かれており,全ての展示を見ようと思ったら,丸1日がかかるほど,ボリュームのある博物館である.国立博物館だけあって,常設展示されている本館の「日本ギャラリー」では,国宝や重要文化財などの展示品が紹介されており,日本文化を知る上では欠かすことのできない博物館である.彫刻,陶磁,刀剣など,日本に訪れた外国人観光客の方にとっても,興味深い展示である.
入場料金は大人600円と大変安いが,特別企画展などがあると料金は高くなる.時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)となっているが,特別展によっては金曜日は20時まで延長したり,土日は18時まで延長したりしており,夜までゆっくり鑑賞することも出来る.ちなみに,上野駅から歩いてくるよりも,実は鶯谷駅から歩いてきたほうが近い.しかし,鶯谷駅からは裏道を歩いてくる感じで,案内板などがないので,鶯谷駅から来る場合は地図などを見ながら歩いてくることをお奨めする.


入口正面にある「本館」
 現在の本館は,昭和13(1938)年に昭和天皇の即位を記念して開館したものである.渡辺仁設計で,コンクリート建築に瓦屋根をのせてた「帝冠洋式」の代表建築といわれており,平成13(2001)年に重要文化財に指定されている.この本館では,日本ギャラリーとして日本の美術,工芸,歴史資料などを展示しているが,企画展示室も設けられている.2007年ゴールデンウィークの時はレオナルド・ダ・ビンチの「受胎告知」が特別展示されていた.

本館内部 重厚な雰囲気である

本館から後ろの正面入口の先に広がる上野公園
 
人気のある企画展では行列ができる

日本ギャラリーでは兜も展示されている
撮影禁止マークが付いていなければ撮影OKである

本館から見える茶室

新しい「平成館」
平成館は,皇太子殿下のご成婚を記念して平成11(1999)年に開館したものである.1階は考古展示室,2階は特別展が開かれる展示室となっており,講堂なども備えている.

1階から2階へ向かうフロアー
こちらも重厚な感じに造られている

ラウンジにはドリンクコーナー(自販機)もある
京菓子の老舗・鶴屋吉信のあんみつを売っていた

エントランスから本館へ向かう通路


最も古い建物である「表慶館」
 東京国立博物館では最も古い建物で,大正天皇(当時は皇太子)のご成婚を記念して明治42(1909)年に開館したものである.日本における最初の本格的な美術館で,設計はJ.コンドルの弟子である片山東熊,中央と左右にドーム屋根があり,上部の外壁には製図用具や工具・楽器などのレリーフがある.昭和53(1978)年に重要文化財に指定されている.かつては通常の展示を行っていたが,改装が終わった2007年4月より教育普及活動を行う場所となっている.
 
中央ドームの内部
 
展示室 シンプルなシャンデリアがかえってよい


「法隆寺宝物館」
 かつては週1日だけの公開だったのであるが,平成11(1999)年に現在の新宝物館がオープンしたことにより,毎日公開されるようになった.法隆寺宝物館は,法隆寺献納宝物をまとめて保存展示する展示館として,昭和39(1964)年にオープンしたもので,お釈迦様などの像がずらりと並べてある.1階にレストランがある.


本館の右となりにある「東洋館」
 東洋館はアジアギャラリーとなっており,中国や朝鮮半島,東南アジア,インド,エジプトなど東洋の美術と考古物を展示するものとして昭和43(1968)年に開館した.ミイラなどが展示されている.内部は吹き抜けになっていて,半階ずつ上がっていく展示室になっているという.(夕刻になり時間がなくなってしまったので,内部には入らなかった)

東京国立博物館HPを参考に作成しています