柳橋【東京考察#99】

Yanagi-Bridge(The bridge of the Kanda-river lowest style)

 


 柳橋は神田川最下流にかかる橋である.隅田川との合流地点にかけられており,昭和4年に架設された37.9mの鋼橋である.橋の歴史は古く,渡し船による行き来が不便だということで1698(元禄11)年に架設されたのが始まりで,その後,1887(明治21)年に鋼鉄製となったが,関東大震災で落ちてしまい,復興局によって1929(昭和4)年に完成したのが現在の橋となっている.隅田川にかかる橋梁群と同じ時期に復興された橋であり,土木遺産として価値のあるものとなっている.
柳橋の由来については、江戸時代に付けられていた「矢の倉橋」が変化したもの,柳が並ぶ柳原堤の端にあるから,橋のたもとに柳が1本あったことからなどの説がある.このあたりは,江戸時代の繁華街だった両国が近くにあり,吉原への渡船場ともなっていて,花街も形成されていたという.戦前の昭和初期には,料亭や船宿などが建ち並び,現在も,屋形船の発着場としてかつての江戸情緒の賑わいを感じ取ることができる.


柳が立つ. 袂は屋形船のりばとなっている.


屋形船