アムステルダムの運河
アムステルダムには,165の運河と1300程度の橋があるという.地図を見てみると,中央駅から扇状に運河が張り巡らされていることに気づく.アムステルダムは港町として発達し,17世紀には世界初の東インド会社の本拠地が置かれ,自由な貿易都市として繁栄していた.
アムステルダムの地図はこのとおり.
キャナルバス(Canal Bus)
その運河には水上バス(キャナルバス)が走っている.いくつかのコースがあるが,だいたい1時間半程度でぐるりと一周して戻ってくることが出来る.途中には桟橋があって,好きなところで降りて観光することもできるので,美術館などの観光施設と組み合わせて利用すると良い.
市内のトラム・バス・地下鉄,そしてこの水上バスに乗り放題の1日乗車券「オール・アムステルダム・トランスポート・パス(ALL AMSTERDAM TRANSPORT PASS)」が23ユーロで販売されている.購入は駅前の観光案内所でできる.このパスには,水上バスとトラム・地下鉄のチケットが別々に入っているので,それぞれ利用するときにチケットを見せることになる(トラムについては,「トラムの走る街」を参照).
水上バスからの眺め
水上バスに乗ると,また違った視点からアムステルダムの街を眺めることが出来る.1枚目の写真は,オランダでよく見られる建物のファサードである.1つの建物で3枚くらいの窓が並んで細長い高さになっている.家具などは1階から階段を使って上階に上げるのではなく,最上部からちょこっと梁が出っ張っているところにフックが取り付けられており,これを利用して窓からいれるようになっているらしい.(今もこれを利用しているのか,ちょっと詳細は不明)2枚目の写真は,よく見られる跳ね上げ式の橋である.街中,いたるところにこのような橋がある.3枚目の写真は,レーンごとになっている門のようなところ.目的は?4枚目の写真は,水上ボートで生活をしている人の舟.このように運河の縁にハウスボートを浮かべて生活している人が結構多い.
シンゲル運河沿いの小径
ライツェ通りからシンゲル運河沿いの道に入り,ムント広場に向かって歩いた.小道にはオープンカフェや花屋・小物を売る店が並んでおり,ブラブラ歩いているのも楽しい.
コーヒーショップ
アムステルダムの街を歩いていると,コーヒーショップに出くわすことがある.これが「コーヒーショップ」.でも,なんだか店構えが怪しい!? ここはコーヒーや紅茶を飲むところではなく,マリファナやハッシシなどのソフトドラッグを吸うための喫茶店なのである.オランダでは売春や安楽死は合法化され,麻薬は合法ではないがソフトドラッグであれば実質黙認という形をとっている.「自由と寛容」を受け入れるオランダらしい光景である.ヘロインやコカインなどのハードドラッグは厳しく罰せられる.
コーヒーショップでも,お客に対してマリファナなどを勧めてはいけないという決まりがあるらしく,店に入っても自分から注文しないと勧めることがないらしい.コーヒーが飲みたいときは,「コーヒーショップ」ではなく「カフェ」に行かなければならない.お間違えなく.
ダム広場
ダム広場はアムステルダムが街としてスタートしたところで,現在でも賑わいのある中心街である.左の写真は王宮で,現在は迎賓館として使用されている.各地からやってきた観光客などでいつも人で賑わっている.
ダムラックの賑わい
ダム広場から中央駅(写真奥に小さく写っている)にかけて通る「ダムラック」.歩道にはテーブルが置かれ,街並みを眺めながら美味しそうにビールを飲んでいる.そして,トラムが鐘を鳴らしながらゴトゴトと走っていき,自由と寛容を享受する人々の楽しい笑顔が満ちあふれている.もともと歩道はここまで広くなく,1990年代に片側車線を潰して,歩道と自転車道の拡幅を行ってこのようなトランジットモールになった.これによって人々の賑わいが復活したという.
いたるところに自転車
自転車が多く利用されているアムステルダムでは,いたるところの柵に自転車が鍵でくくりつけられている.
「飾り窓」地区
残念ながら,写真はありません.しかし,アムステルダムでは有名な地区なので,ちょっと紹介する.中央駅から旧教会や計量所にかけて,つまりダム広場の東側地区一帯は,飾り窓と呼ばれる地区で,日本で言うところのいわゆる風俗街である.オランダでは売春が2000年に合法化されており,売春婦も正式な職業として位置づけられている.ウインドー越しに女性が誘惑し,お気に入りの女性がいれば交渉して中に入る.カーテンが閉まっていればお取り込み中とのことで,ポルノショップや映画館なども建ち並んでいる.また,レズやゲイにも寛容な地区で,いろんな性風俗の文化がここでは渦巻いているのである.ただし,治安がよいところではないので注意のこと.