雑誌名:「旅」
1992年6月号(第66巻第6号)
P.136
発行:JTB・日本交通公社
コーナー:私のおすすめバス路線「都バスで東京見物」
都バスで東京見物 [浅草~上野~新宿~品川]
首都東京の中心部を中心部を縦横無尽に走る都営バス.最近はバス現在地や現所要時間を知らせるバスロケーションシステムの導入によって,利用者の増加を目指しています.そんな路線バスに乗って素顔の東京を見物してみてはいかがでしょうか.
まずは,浅草から真っ赤な2階建てバスに乗って上野公園へ.予約無しで誰でも気軽に乗れます.上野の周辺をちょっと散策し,「上60 大塚駅」行で大塚へ.東京大学横を通り過ぎ,巨大な怪物のような東京ドームを背にして,文京区小石川界隈を走ります.
大塚からはちょっとルール違反をして,都電に乗って早稲田に向かいます.下町情緒の残る電車からは,サンシャイン60が間近に見え,雑司ヶ谷,学習院下をトコトコと走っていきます.
早稲田大学の北に位置する終点で下車し,そこから今度は「早77 新宿駅西口」行で新宿に移動.明治通りを南下し,都内有数の歓楽街「歌舞伎町」を突っ切ると目の前に,超高層ビル街と新都庁が見えて新宿に到着.
ここからは,バスロケーションシステムの完備された新都市バス「都03 晴海埠頭」行で,ベイエリアへと向かいます.新宿通りを東に走り,半蔵門にて右に曲がると,左に皇居のお堀,右には国立劇場,最高裁判所が現れます.さらに三宅坂,警視庁前,日比谷,そして,銀座の中心,銀座四丁目交差点を横切ります.勝鬨橋を渡ると,客船ターミナルのある晴海埠頭に到着.現在建設中の東京ベイブリッジも見えます.
数本のバスを乗り継いで,門前仲町に移動し,「海01 品川駅東口(海上公園で乗り換えの便もある)」行に乗車.東雲を過ぎると,埋め立て地である有明テニスの森公園,お台場海浜公園近くを通り,船の科学館に到着します.ここからバスは東京湾岸道路の料金所を通り,海底トンネル(東京港トンネル)を抜け,大井埠頭に入るとまもなく終点品川です.
最後に「浜95 東京タワー」行に乗って,東京の夜景を空から眺めて締めくくり.
1日乗車券は大人650円で,都バスはもちろん,都電,都営地下鉄に乗り放題です.また,営業所にて分かりやすい路線案内図がもらえます.
