郡山見聞録【81-85】[一括掲載]

以下の記事は2006~2007年に掲載したものです)

No.85 「郡山」よ,ありがとう(最終回)

4年間とちょっとにわたり連載を続けてきたこのコーナーも,郡山を離れることになり,今回が最終回となってしまいました.「郡山」らしい出来事,住んでみないとわからないこと,郡山の情報を少しでも多くの方に知ってもらいたくて,情報を発信しました.まだまだ,お伝えしたいことは沢山あるのですが,時間切れです.
また,このコーナーには色々な方からメールや励ましをいただくことが多く,大変励みになっていました.ご訪問してくださった方々に改めて感謝いたします.さて,今度は何処の「見聞録」を発行することになるのでしょうか!!?.引越作業が落ち着いたら,新見聞録を立ち上げますので,他ページ共々,今後ともよろしくお願いします.
では,最後に,「郡山」よ,ありがとう・・・・・.(2007,06)

No.84 ネギ嫌いに嬉しい「比内やサスケ」の親子丼

親子丼には,タマネギがどっさり混ざっているのが普通である.玉子とタマネギと鶏肉が密着し,食べるときに分けて食べづらいので,ネギ嫌いにとって親子丼はあまり乗り気になれない食べ物である.しかし,うすい前のなかまち夢通りから,ビルの中に入って通っている芭蕉小路を進んでいったところに蔵造りの建物があって,その中で比内地鶏を中心としたメニューを提供する店が「比内やサスケ」である.昼は親子丼専門店,夜は比内地鶏メニューを中心とした居酒屋となる.この店は築100年経過している蔵の中で営業をしており,店内のインテリアも赤松を使用するといったこだわりを見せており,店内は落ち着いた雰囲気となっている.ここの名物が「親子丼」なのである.炭火で焼いた鶏肉と,半熟の玉子がマッチして,非常に上品な親子丼が出されるのであるが,なんといっても大変嬉しいのは,「ネギが入っていない!」ということなのである.玉子と炭火の香ばしい鶏肉の,まさに親子のみが,絶妙なハーモニーで味わうことができるのである.親子丼も色々な種類があって,地玉子2個を使用した「あっさり味親子丼」,地玉子3個を使用した「究極の親子丼」,上質の肉を使用した「極上の親子丼」,玉子が嫌いな人のための「照り焼き丼」,すき焼き風にした「極上鶏すき丼」など,好みに合わせてメニューを選ぶことができる.いずれもネギが入っていないところが,大変嬉しい限りである,ネギ嫌いにとっては・・・.(2007,06)

No.83 365mania(フリーペーパー)

365mania(サン・ロク・ゴ・マニア)とは,郡山で発行されている月刊のフリーペーパーで,「郡山人の、郡山人による、郡山人のための情報誌」である.4月(2007年)より,巷で発行されているフリーペーパーのような本の体裁となり,ホットペッパーのように郡山市内各所にラックを置いて配布している.毎月1日の発行で,発行部数は70,000部,協賛している各店舗にも設置されている.ホットペッパーほどの店舗の情報量はないが,なんといっても読み応えのある点は,郡山で編集しているので,巻頭の特集やインタビューなど郡山に関する記事が掲載されていて,地元ネタを詳しく知ることが出来るところにある.「365」は,この「365マニア」のフリーペーパー,「365ブログ」,そして「365カード」と呼ばれる加盟店での共通ポイント制度の3つで構成されている.加盟店になって協賛をしないと,その店の情報は掲載されないようであるが(フリーペーパーなので),郡山にある商業施設が全て「365」に加盟するようになれば,読み応えのあるフリーペーパーになるに違いない.本の体裁は見劣りしない内容でフルカラーとなっており,郡山で完結するフリーペーパーがあったことに嬉しくなった.(2007,04)

No.82 丸井郡山店閉店決定

若者向けファッションを中心に販売していた○|○|(丸井百貨店)郡山店が,来年(2008年)2月を目途に閉店する方針となった.新聞報道(福島民報)によると,売り上げの伸び悩みやテナント関係の課題,老朽化した店舗面積も狭いため改装効果も薄いことなどが理由として挙げられている.郡山店は昭和50年にオープンし,8階建て,売り場面積8800m2,駅前の一等地である交差点前に建っている.郡山(というより福島県内)では,若者向けのデパートとして数少ない存在で,GAPなどの若者家族に人気のショップや,充実した時計売り場などがあり,丸井に行けばわざわざ仙台や東京に行かなくても,ちょっとしたカジュアルな品物は揃えることができる店だった.新宿伊勢丹で欲しいと思っていた商品が,郡山丸井で見つけることができたりしていたので,丸井が閉店してしまうことは,郡山の若者ファッション文化にとって大きな痛手となることは間違いない.郡山店は,丸井の店舗の中では最北に位置しており,東北では唯一の店舗であった(現在,仙台に出店を計画しているという).そんなことからも,郡山に丸井があるということは,郡山の都市としてのステータスにもなっていた.
近年の丸井は,東京近郊の店舗(津田沼・所沢・川越・戸塚・川口など)を相次いで閉店させる一方で,百貨店の競合激戦地となっている新宿においては,新宿3丁目にシネコンを備えた丸井シティーを2館オープンさせるなど,店舗の再統合を行っているようである.地方(東京近郊)の売り上げの小さい店は閉鎖して,激戦地への投資を重点的に行っている感じである.しかし,津田沼や所沢など,1時間も電車に乗れば新宿などの都心にでれるのであればともかく,高い交通費を払って仙台や東京まで時間をかけなければ行けない郡山とは,商業圏としての都市のバックグラウンドが違うような気もする.
駅前の中心市街地を活性化させる議論が活発になっているが,ますます市街地の空洞化が懸念される残念な出来事である.年始恒例のスパークリングセールも,来年で最後なのである.

No.81 ピカピカ光るビッグアイ

ビッグアイ(Big-i)は郡山駅前に建つ,福島県で最も高いビルである.郡山市街地からは大抵どこからでも見ることができ,市民にとってのランドマークとしても役立っている.そんなビッグアイが,夜になると「ピカピカ」光っているのである.ビッグアイを外から見ると,最上階のふれあいパーク内にある球形のプラネタリウム(宇宙劇場)部分が,英語の小文字の「i」の点の部分になっていて,ビル全体が「i」の文字にデザインされている.その「i」の点の部分が,夜になるとピカピカ光るのである.光るのは,毎時00分,15分,30分,45分の15分おきで,時間になると,球形の部分にスポットライトやカラフルなライトが当てられて,チカチカリズミカルに瞬くのである.決して明るい光りではないので,なかなか目立たなくて気づきにくいのであるが,よーく見ていると,宇宙の幻想を思わせるような光りの競演が1分間程度行われているのである.また,00分の時には,違ったバージョンの光りの競演も見られ,ちょっとしたところに遊び心のあるビッグアイなのであった.
ちなみに,このことに気づいたのは,郡山ビューホテルアネックスの最上階13階にあるバー「スターロード」のソファーに座って,郡山駅方面の煌めく夜景を眺めながらカクテルを味わっていたときに,瞬くビッグアイが望めたのである.この店は,カクテルの他にも各種ワインやウイスキーなど色々なお酒を味わえるが(勿論,メニューにないカクテルも自由に作ってもらえる),カクテル1杯1000円程度~,ワインもそれなりの値段がする(ハーフボトル有り)ので,郡山で最も贅沢なバーの1つと言ってよい店である.ビッグアイのピカピカ光りの競演は,ひっそりとそして贅沢な空間からしか,味わえないのであった.

(この記事は2006~2007年に掲載したものです)