王30 王子駅⇔亀有駅(北口)[都バスで東京発見]

足立区中央部を環七通りで東西に横断する路線

王30 王子駅⇔亀有駅(北口)(経由)鹿浜橋・西新井大師 千住営業所

路線keyword:環七通り,足立区横断,西新井大師,中古車販売店,大渋滞


王子駅と亀有駅とを環七通りで結び、足立区の中央部を横断していく路線であるが、渋滞で評判の悪い環七通りの中でも、さらに渋滞の激しさで定評のある足立区東部を走っており、定時運行がしにくい路線である。本数が少なく、3本に1本の割合で東武バスが運行しており、都バスの1日乗車券では非常に乗りにくいバスである。近年、足立区役所の本庁舎が沿線近くに移転したことから、区東部・区西部に住む住民が区役所本庁へ行くには大変便利であり、足立区を東西に直線的に結んでいる事を考えれば、もっと本数・利用客共に多くても良さそうであるが、本数も少なければ、利用客も足立区東部になるほど少なくなる。やはり、環七の渋滞が一因なのだろうか。
王子駅を発車すると、北とぴあを左に見て北本通りを北に進む。王子二丁目、三丁目、四丁目と走り、公団王子五丁目団地が現れると、王子五丁目・営団地下鉄南北線王子神谷駅前となる。宮堀陸橋(交差点)で環七通り(→p.)へと右折し、坂を上って環七通りと合流してすぐに隅田川を新神谷橋で渡る。ここから足立区となる。車窓からは無味乾燥とした隅田川のカミソリ型堤防と工場と住宅が混合している川沿いの風景が見られる。
新田を走り、新田小学校を右手に見ると鹿浜橋にさしかかり荒川を渡る。左手には河川敷のゴルフ場と、そのさらに奥に水色の3つの水門が見える。水門は荒川から隅田川への分岐点である岩淵水門である。昭和5(1930)年以前は、現在の隅田川が荒川の本流であった。
首都高速川口線をくぐり、右にカーブしながら陸橋の坂を下って鹿浜となる。環七沿線にはファミリーレストランやガソリンスタンドがやたらに多く、様々な店舗が後ろに過ぎ去っていく。この辺りから環七沿線の雰囲気が若干変化し、郊外の長閑な風景になってくる。
鹿浜から、「現金買取・下取歓迎」と書かれた中古車販売の店が多くなる。値段を記入したボードを中古車内のフロント部分に置いて、野ざらしに車を並べている販売店が次々と現れる。値段のボードに「124」と書いてある車は、124万円ということであり、バスが止まったときによく見ると、「万円」という文字が小さく付いていた。子供の頃、中古車はこんなに安く買えるのか、と本気で思ったことがあった。
畑が見られるようになり、江北陸橋にて尾久橋通りと交差する。尾久橋通りでは現在、日暮里と舎人とを結ぶ新交通システムの計画が進行している。
商店などが軒を連ねるようになると、川崎大師と共に厄除開運の霊場として有名な西新井大師となる。そして、右手に西新井駅を見ながら陸橋で東武伊勢崎線の複々線の線路を越える。島根三丁目にて、王49系統の千住車庫行が右に分かれていく。
日光街道を横切ると、足立区役所の最寄り停である本庁五丁目となる。ビニールハウスや畑が時々見えて、首都高速6号線の珍しい円形ループ型の加平ランプが現れる。
綾瀬警察署前に営団地下鉄千代田線北綾瀬駅がある。環七を走る車の交通量が多くなり、特にトラック等の大型車が多く走っているように思える。大谷田橋の陸橋を越え、中川四丁目になると左手に東京都下水道局の建設残土改良プラントの大きな空き地が広がる。
JR常磐線の高架橋手前にてバスは右に曲がり、終点亀有駅北口に到着する。

現在は、都営交通としては廃止されているが、東武バスのみ1日2本だけ細々と運行されている。