小石川植物園(白山)【東京考察#208】

Koishikawa Botanical Garden


入口


 都心にこれほどまでの「森」があったとは驚きである.
小石川植物園は,「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」というのが正式名称で,東大の付属機関なのである.もとは五代将軍の徳川綱吉の別邸だったところを,江戸幕府が小石川御薬園として薬になる植物を育てるようになったのがはじまりで,明治に入ってから東京帝国大学の付属施設となって植物学研究所として一般に公開されるようになったものである.日本最古の植物園であり,面積約16万m2,東京都指定の旧跡となっている.園内は,都内のコンクリートジャングルからは想像も出来ないほどの大きな樹木や木々の茂みがあって,また普段あまり見ることのできない植物が見られることから,さながら本物の植物図鑑を観察しているようである.都会の喧噪がいやになって緑が見たくなったときには,とても心が落ち着く場所である.

入場券(330円)は入口向かいの
昔ながらの「タバコ屋」で買うところが面白い.

園内はかなり広い.入口は一カ所(白山2丁目)しかない.
 
ソテツも見られる(左).
植物にはプレートで名前が記載されているので分かりやすい.

「ただの草」に見えてしまうが,当然ながら1つ1つに名前がある.

木漏れ日の中を・・・
 
日本庭園があって,そこから背後に広がる樹林の迫力は圧巻である.
 
日本庭園の隣りにある「東京大学総合研究博物館小石川分館」
旧東京医学校本館で1876年完成の建物であり,国の重要文化財に指定されている.
当初は東大構内にあったが,1969年に移築再建されたもの.
一般公開されているので中に入ることが出来るが,
一旦,出口専用の門から植物園の外に出てからでないと入れない.
(一度,外に出てしまうと,外の道路で入口まで戻らなければ再び入れない)
 
都心とは思えない

「精子発見六十周年記念」 イチョウの話である

温室もあるが,温室の一般公開は限られている.
原則毎週火・水曜の午後1~3時までのみ(祝日は入れない)
 
休み処(売店)もあって,ソフトクリームが食べられる
 
「分類標本園」
植物の多様性が理解しやすいようにと,
東アジアの高等植物約500種をズラズラと
分類体系に従って配列(植栽)しているもの
なかなか面白い.学術的な展示である.

「薬園保存園」
こちらは,御薬園時代の薬用植物約120種を栽培している
地下鉄の駅からはちょっと離れているので,
都バス上60系統 大塚駅-上野公園 白山2丁目下車が便利である