「会津考察」カテゴリーアーカイブ

会津の街を写真と共にコラム形式で紹介. 会津は心のふるさとです.会津人は「ならぬことはなりませぬ」の精神で,戊辰戦争以降,ゆっくりとした時の刻みの中で,会津文化を守ってきました.そんな会津を紹介します.

ツール・ド・猪苗代湖(サイクリングイベント)【会津考察#62】

 ツール・ド・猪苗代湖(TOUR DE INAWASHIROKO)は,猪苗代湖を自転車で一周するサイクリングイベントである.東日本大震災被災地の復興支援のため,震災翌年の2012年より開催されている.

 2024(令和6)年は9月28日(土)に開催され,今年のコースは3コース,私は磐梯熱海の郡山スケート場から猪苗代湖を一周(イナイチ)して戻ってくる85kmコースに参加した.

 もともと自転車乗りではなく,近所の買い物にママチャリを乗っていた程度なのであるが,中学生の息子がロードバイクにはまってしまい,子供一人では危ないので私も参加することになったのがコトの始まりであった.

 ママチャリでは絶対無理,かといってあのロードバイクでは体力的にも乗り心地的にも自信がない!,ということで,今後も息子のサイクリングに付き合っていくことも考え,ブリジストンの電動アシスト付きシティサイクル「TB1e」を購入して参加することにしたのであった.

あいづやないづモダン駅フェス(柳津散策と会津柳津駅)【会津考察#61】

JRからの譲渡によりリニューアルした会津柳津駅


 JR只見線の会津柳津駅の駅舎は,これまでJR東日本で所有し管理していた施設を,地元の柳津町が無償譲渡を受けて改修を進めていた.そして,2024(令和6)年4月13日に会津柳津駅情報発信交流施設としてオープンし,この日に駅前で第6回となるモダン駅フェスが開催された.

 駅舎内は,赤べこの絵付け体験もできる張り子工房「Hitarito (ヒタリト)」が入り,また,土日祝限定のカフェも営業する.これまで誰もいなかった無人駅から,赤べこ伝説発祥の地・柳津町の新たな交流拠点として賑わいを見せるに違いない.

 会津柳津の駅舎は,1927(昭和2)年に建築されたもので,まもなく築100年を迎える.木造平屋で建築面積は199.1m2,建物内は,待合スペース,赤べこ工房,ワークショップスペース,カフェスペース, 観光案内窓口,ジオラマ展示などで構成されている.

 柳津は,福満虚空藏菩薩圓藏寺を中心に栄えた門前町.まちなかの散策とあわせて楽しみたい.只見線は本数が少なく,鉄道で柳津町を訪れるにはちょっと不便である.そこで,行きは路線バスの会津バスを使って訪問した.ちなみに,路線バスは日曜祝日に全便運休となるのでご注意を.

 今回は,会津若松駅から路線バスに乗って柳津駅前までの旅路と,第6回あいづやないづ駅フェスを紹介します.


会津若松駅前の会津バスターミナルから路線バスは発車する.会津若松駅から柳津までの直通バスはなく,一旦,坂下(ばんげ.駅名では会津坂下)で乗り換えて柳津へ向かう.

バスターミナル内には,チケット売り場とお土産処,カフェも併設されている.高速バスは,東京新宿をはじめ郡山,仙台,新潟へと,次々と発車していく.

会津若松駅から柳津までのバス時刻表

 バスターミナルのチケット売り場で,柳津までのバスを聞いてみたところ,「柳津までの行き方」という時刻の書かれた紙をもらった.おそらく訪ねる人が時々いるのだろう.

 只見線で柳津まで行こうとすると,会津若松駅7:41→柳津駅8:42着 のあとは,午後の13時の若松駅発まで列車がない.

 そこで,午前の中間の時間帯で移動できる会津バスがあり,
会津若松バスターミナル9:40発→坂下乗り換え→柳津駅前10:50着で向かうことができる.(ただ,運賃は鉄道の倍となる)

9時40分発の坂下行き.行き先はざっくり「坂下」となっているが,坂下では町の中心部を走って終点は「坂下厚生総合病院」となる.柳津行きへの乗り換えは「坂下厚生病院」で大丈夫だが,乗り換え時間に余裕がないときは,手前の役場前の「仲町(なかまち)」で乗り換えると,時間に多少余裕がでると案内所で教えてもらった.まちなかのバスルートの関係らしい.

米どころ会津盆地のど真ん中を走っていく.

 終点の坂下厚生総合病院で乗り換え.やってきたバスは「柳津温泉」と書かれた行き先.
 バス停名の路線図や時刻表などには一切「柳津温泉」とは書かれていない.バス車体の行き先表示だけに「温泉」とついている.温泉と付いている方が,観光客などにはわかりやすく「あぁ,温泉があるところが終点なんだな」とワクワクする感じがする.
 ちなみにこのバスの終点は「柳津ふれあい館」というバス停.何か触れあえる施設があるのかな,と興味が湧く.

なんか懐かしい~車内.ちなみに日曜祝日のみ運休となるのは,病院が休みのため.通院のための路線バスなのである.

 国道252号を走り,終点「柳津ふれあい館」に到着.こちらは柳津町立の多目的ホールや会議室・展示室・図書室などを備えた中央公民館.買い物などをする場所は,数分歩いたところの国道沿いにある道の駅会津柳津(観光物産館清柳苑)が便利.

道の駅(清流苑)から只見川に沿って遊歩道が整備されており,温泉街まで散策しながらいくことができる.歩いて行くとバスの行き先表示にあった柳津温泉にたどり着くのである

英語の案内看板.

温泉街(圓藏寺の門前町)の様子.赤べこ堂では・・・

柳津産の黒ニンニクのジェラート(最中アイス)を購入.300円で手頃.紙も赤色.ニンニクといっても黒ニンニクで,くせのない柔らかな味.

温泉街を会津柳津駅に向かって歩いてく.ここからは緩い上り坂が続く.

駅前でイベントが開催されるときは,駅前までの県道は通行止めとなる.路線バスも国道を迂回する.ということは,通行止めではないときは会津バスはここの街なかを走っていくということ.


会津柳津駅に到着.

駅前でのイベントの様子.ミニSLはJR東日本の皆さんが実施していた.

そして,奥会津の各町村からも出店.三島町の会津地鶏,金山町の特産品,只見町のメーデルリーフ,只見線の走っていない昭和村のかすみ草など.柳津西山の手作りピザも!


駅舎の中へ.

赤べこ工房.絵付け体験もできる.様々な赤べこを購入することもできる.

「日めくり」カフェで注文ができるクリームソーダ,600円.ソーダは,いちご・めろん・ブルーハワイ・れもん・とうめい・さくら(期間限定)から選べる.珈琲もある.土日のみの営業.

JR東日本会津若松エリアのオリジナルキャラクター「ぽぽべぇ」.密かな人気者.

帰りは,会津柳津駅13:21発の会津若松行きJR只見線で.

皆さん総出でお見送り.車内の皆さんも手を振って感激していた.

皆さ~ん,柳津でお待ちしています~,また来てね~.

春の飯盛山【会津考察#60】

白虎隊士の墓

 飯盛山は,戊辰戦争における白虎隊自刃の地として知られ,白虎隊十九士の墓をはじめ,イタリアやドイツから贈られた記念碑,さざえ堂,白虎隊引揚の戸口堰洞穴など,史跡名所が残っている場所である.

 会津若松の城下町を見渡す山で、もともとは約1700年前につくられた前方後円墳であり,滝沢村の地元住民の共同墓地でもある.

 幕末の白虎隊の悲劇は有名で,お墓の前の線香の煙りが絶えることがないという.2022(令和4)年のゴールデンウィークに訪れてみた.コロナ禍における3年ぶりに規制のないゴールデンウィークとあって,天気もよく人出も見込まれる陽気であった.

飯盛山ふもとにある「市営観光客専用駐車場」を利用すると便利.無料のうえ,公衆トイレ(写真右)も整備されている.

まだ朝早い時間のため,お店が開いていない.あわまんじゅう店の湯気が立ち上っていた.

頂上までは「動く坂道」(=エスカレーターのこと)があり,楽々に登ることができる.大人250円,小人150円.

夜は登れないらしい.

飯盛山はこんな感じの配置.

結構な急坂の階段.思った以上に息が上がる!

 はじめは「よし行くぞ!」と息巻いたものの,途中で苦しくなっても大丈夫.途中から動く坂道に乗車することができる.途中からだと大人150円,小人100円.

登ってから後ろを振り返ると,会津若松市街が望める.

山腹の途中にある飯盛分店のお店.ギャラリー(無料)があって,ここには松平容保公の晩年の写真が飾られている.

白虎隊十九士の墓.お線香の煙が絶えない.

 白虎隊士自刃の地は,少し離れたところにある.

途中に,飯沼貞吉翁のお墓がある.自刃した中で唯一生き残った白虎隊士.1931(昭和6)年に没した.白虎隊の話は,飯沼貞吉氏によって語り継がれることになった.

写真では分かりづらいが,緑の茂みの中に鶴ヶ城が見える.ここから町中の火事を見て,鶴ヶ城が落城したと見誤り,白虎隊は自刃することになった.

帰りは階段を使わず,右側のスロープを歩いて行くと,さざえ堂,戸口堰洞穴になる.

さざえ堂.正式には円通三匝堂(えんつうさんそうどう)といい,西国三十三観音菩薩を安置した六角三層の観音堂である.1796(寛政8)年に建立され,その形がさざえの殻に似ていることから「さざえ堂」と呼ばれている.
らせん通路となっており,上りと下りの人がすれ違うことなく一方通行で巡れる建築で,国の重要文化財に指定されている.

戸ノ口堰洞穴は,猪苗代湖の戸ノ口から会津盆地への用水を引くために掘られたトンネルで,戊辰戦争時に白虎隊士が戸ノ口原から潜ってここにたどり着いた洞穴である.

麓には白虎隊記念館がある.なかなか昭和レトロチックな管内であるが,在りし日の白虎隊を知ることができる.


【公共交通案内】
○会津若松駅から まちなか周遊バス「ハイカラさん」「あかべえ」で「飯盛山下」停留所下車.

春の只見線(雪と桜の車窓・その2)小出→会津若松【会津考察#59】

田子倉の車窓.まだまだ雪が残っている.
只見線の位置図(国土地理院地図を元に作成)

 只見線は会津若松駅を起点として小出駅まで,福島県会津地方と新潟県魚沼地方を結び,中山間地の自然の中をゆっくりと走る,延長135.2kmのローカル線である.

 区間によっては1日に3本しか走っておらず,さらに列車の接続を考えると,全線乗り通すには極めて難易度の高い究極のローカル線であると言える.

 それ故に,昔ながらの生活や美しい自然の風景を見ることができ,時間と効率を追い求める現代において,このゆっくりと流れる車窓を眺めながら,只見線を旅するスタイルは,至極贅沢な旅であると言っても過言ではない.

 日本有数の豪雪地帯である.春になると待ちわびていたように,植物や動物たちが一斉に活動を始める.今年(2022年)の冬は大雪に見舞われ,まだ積雪が残っている.田子倉では雪が見られ,柳津では桜が咲いているのである.

 そんな只見線に乗ってみました.小出から会津若松まで,車窓からの風景などをお楽しみください.

<前ページ>春の只見線(雪と桜の車窓・その1)会津柳津→小出【会津考察#58】


 長岡駅の駅ビルでへぎ蕎麦とカツ丼のセットを食べ,折り返し小出駅に向かった.今日は只見線往復の旅.小出駅で折り返しの只見線に乗るまで2時間半ほどの時間があったので,長岡駅まで足を伸ばし昼食をとってからとんぼ返りをするところだった.長岡駅での滞在時間は約40分間であった.

 ちなみに,只見線経由で郡山に向かうと,長岡12:34発→郡山18:36着で4,510円.乗り換え案内で検索すると新幹線大宮経由で長岡12:43発→郡山15:06着で14,250円.只見線経由の場合は3時間多くかかるが,約1万円安いということになる.

 13時15分,小出駅を出発した.

 入広瀬を出て,大白川駅に到着する手前左側に真っ赤なスノーシェッドが現れる.国道252号にかぶさる柿ノ木スノーシェッドである.雪崩から道路を守るために作られた構造物で,鋼製の部材は赤く塗られている.この色合いと線形が鮮やかで美しい.
 手前に流れている川は破間川(あぶるまがわ).ここから少し上流に上がったところに破間川ダムがあり,春になると「雪流れ」という流氷のような現象が見られるとのこと.見てみたい.

 只見駅で代行バスに乗り換えて,会津川口駅に到着.駅の中には金山町観光情報センターがあって,手作りのおにぎりが売られていた.土日には人気のヒメマス寿司も販売されている.

 会津水沼駅を出ると左手に見えるのが上田(うわだ)ダムである.重力式コンクリートダムで堤高34m,堤頂長283.7m,1954(昭和29)年に竣工した水力発電用のダムである.

 只見川は第二次世界大戦後,国土総合開発法に基づいて只見特定地域総合開発計画の対象地域に指定され,水力発電による電源開発が進んだ.
 春の雪解け水と上流と下流の高低差を利用し,数多くの水力発電用のダムが建設され,只見川はそのほとんどがダムの湛水域となっている.
 車窓から見える景色は,ほとんどがダムの湖水面であり,渓谷をさらさらと水が流れるといった風景はほぼ見られない.

 第3只見川橋りょうから見える風景.山腹に見える構造物(シェッド)は国道252号.自然環境の厳しいところを道路も鉄道も走っている.

 続いて,宮下ダムが現れる.こちらも重力式コンクリートダムで堤高53m,堤頂長168.5m,1946(昭和21)年に竣工した.只見線沿線にあるダム群の中では最も古い.
 ダム堤体の下流に水力発電所がある.ダム堤体手前に導水トンネルの流入口があって,県道と只見線の下を通って発電所まで導水されている.

 桜が満開である.

 春の只見線は,桜から雪まで一度に風景を楽しむことができる.

会津宮下駅の古い駅名看板.

第2只見川橋りょうからの眺め.右は国道400号.

第1只見川橋りょうからの眺め.中央右に見える鉄塔あたりに,道の駅「尾瀬街道みしま宿」から登っていく展望台がある.

塔寺駅を出ると飯豊山が見え,視界が開けて会津盆地に入る.これまでの山に囲まれた風景から一転,開放的なものとなる.そして,会津坂下駅に到着となる.

17時21分,終点,会津若松駅に到着した.

春の只見線(雪と桜の車窓・その1)会津柳津→小出【会津考察#58】

会津若松駅に停車中の只見線
只見線の位置図(国土地理院地図を元に作成)

 只見線は会津若松駅を起点として小出駅まで,福島県会津地方と新潟県魚沼地方を結び,中山間地の自然の中をゆっくりと走る,延長135.2kmのローカル線である.

 区間によっては1日に3本しか走っておらず,さらに列車の接続を考えると,全線乗り通すには極めて難易度の高い究極のローカル線であると言える.

 それ故に,昔ながらの生活や美しい自然の景色を見ることができ,時間と効率を追い求める現代において,このゆっくりと流れる車窓を眺めながら,只見線を旅するスタイルは,至極贅沢な旅であると言っても過言ではない.

 日本有数の豪雪地帯である.春になると待ちわびていたように,植物や動物たちが一斉に活動を始める.今年(2022年)の冬は大雪に見舞われ,まだ積雪が残っている.田子倉では雪が見られ,柳津では桜が咲いているのである.

 そんな只見線に乗ってみました.車窓からの風景などをお楽しみください.


朝の柳津駅ホーム.今朝は小雨の降る天気だったが,ホームの桜は満開で風に吹かれて花びらが舞っていた.7時04分発会津川口行きの列車を待ちます.(会津若松駅は6時05分発です)

 柳津駅前は桜の名所である.C11-244型の蒸気機関車(SL)が静態保存されている.

 柳津駅からは3名の乗車だった.ひとりは旅人,もう一人は高校生である.無人駅なので車掌さんから切符を購入するが,ローカル線でもSuicaでの精算ができるのは素晴らしい.さすがJR東日本!といったところである.

 小出駅では折り返しの列車まで時間が空いている.時刻表を開いてみると在来線で長岡まで往復できることがわかった.今日は長岡まで足を伸ばしてみることにした.

 6時37分に宮下駅に到着した.交換列車を待つために10分ほど停車する.駅舎に向かうためには急な階段を降りて線路を直接渡る.懐かしい施設である.

 只見線は1971(昭和46)年に全線開通して,今の形になった.

 まず,1926(大正15)年に会津線として,会津若松ー 会津坂下間が開業する.続いて,会津柳津までが1928(昭和3)年に,会津宮下までが1941(昭和16)年に開業する.
 そして戦後,会津川口まで1956(昭和31)年に延伸開業するが,会津川口から先は,水力発電用ダムの建設のための貨物専用鉄道として電源開発(株)により建設され,1957(昭和32)年からは貨物専用の輸送を行った.この区間で営業旅客するのは,1963(昭和38)年からとなる.

 一方,新潟県側は只見線として,1942(昭和17)年に小出ー大白川 が開業する.そして,福島県との県境(大白川ー只見間)が開通したのは,1971(昭和46)年8月29日.この日を境に,小出ー大白川間の只見線の名称を,会津線と呼んでいた会津若松-只見間にも適用して,新たな只見線が誕生した.

 この日からの「おかげさまで只見線開通50周年」なのである.

 宮下駅を出てトンネルを抜けると,パッと只見川の視界が開けて早戸駅となる.ここは霧の幻とかいて霧幻峡(むげんきょう)と呼ばれ,川霧が幻想的に発生して人々を魅了する.
 今日は残念ながら霧は出ていないが,霧幻峡では,対岸の三更(みふけ)地区から出ていた渡し舟が再現され,観光舟として乗ることができる.写真右側はその舟付き場(護岸)となっている.

 早戸駅から水沼駅にかけて,左側に国道と只見川が併走する区間がある.車窓からだと気がつかないが,ここの道路には工夫が凝らされていて,車が時速50km/hで走るとカントリーロードのメロディーが流れる.
 夏だと窓をあければメロディーが聞こえてくるのかもしれない.

まもなく細越橋梁を渡る.8径間連続コンクリートアーチ橋.

 そして,メロディーロードが終わるところで「細越橋りょう」を渡る.8径間の連続コンクリートアーチ橋で,1939(昭和14)年に竣工.選奨土木遺産として土木学会から認定されている.

 只見線には数々の土木遺産がある.選奨土木遺産とは,土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的に公益社団法人土木学会が認定する制度で,只見線鉄道施設群として,2021(令和3)年9月17日に認定された.

 認定された施設は16橋梁と1トンネルで,施設名は次のとおり.
●橋りょう
 大川(会津若松市)
 宮川(会津美里町)
 滝谷川(柳津町・三島町)
 第一只見川、第二只見川、大谷川、阿寺沢、第二左靭、山中沢、第三只見川(三島町)
 細越、第四只見川、第五只見川、第二西谷(金山町)
 第八只見川(只見町)
 第四平石川(新潟県魚沼市)
●トンネル
 六十里越(只見町・魚沼市)

 上井草橋が見えてくると,まもなく終点の会津川口となる.今日は風もなく水面が穏やかで,逆さまに橋の姿が写っていた.

 会津川口駅から只見駅までの間は,2021(平成23)年の新潟・福島豪雨による災害により橋梁が流され,代行バスによる運行となっている.今年(2022(令和4)年)の秋に全線再開通を控えており,代行バスの運行もあと僅かとなっている.

 只見町に入ると,まだまだ雪が残っている.天気も悪くて霧が立ちこめており,春の陽気まで「まだまだ」といった感覚になる.写真は叶津川橋梁.カーブを描きながら叶津川を渡っている.そして代行バスは9時05分,只見駅に到着した.

 駅の待合室には,暖かい色合いの只見町インフォメーションセンターがある.ここで只見周辺の観光情報を入手することができる.
 駅前には,会津鉄道の会津田島駅までを結ぶ定期路線ワゴン「自然首都・只見号」が出発を待っていた.只見駅前9:10に出発すると田島駅で乗り換えて,東武鉄道の浅草駅に14:15に到着する.東京から只見へは,東武鉄道の特急を利用するという方法もあることに気がついた.

 只見駅9時30分発の小出行き.次の大白川駅までは29分間ノンストップで,長いトンネルを走って行く.田子倉トンネルは約3.7km,六十里越トンネルは約6.4km,福島県から新潟県へ,県境をゆっくりゆっくり走る.

 田子倉トンネルと六十里越トンネルの間に,少しだけ外を走る明かり部がある.田子倉はまだまだ残雪が多い.
 写真の建物は田子倉無料休憩所.夏のみの開設だが,24時間利用可能で簡易水洗トイレがついており,浅草岳の只見沢登山口の近くとなっている.昔は近くに田子倉駅があったが今は廃止されているため,この無料休憩所に只見線から降りて行くことはできない(只見駅から歩いて行けば別だが・・・).

 10時41分,上越線の小出駅に到着した.
 折り返し只見行きの列車は13時15分発であり,約2時間30分ほど時間が空く.時刻を調べてみると,長岡駅まで往復できる電車があり,約40分ほどの時間の内に昼食をとれる.長岡駅で昼食をとって戻ってくることにした.

<次ページ> 春の只見線(雪と桜の車窓・その2)小出→会津若松【会津考察#59】 

熊倉経由・喜多方行(路線バス)【会津考察#57】

熊倉経由喜多方行き(会津バス)

 会津若松から米沢街道の宿場町・熊倉(くまぐら)を経由して喜多方まで走る路線バスがある.現在は平日は1日6本,土休日は1日4本が運行されているが,2020(令和2)年9月をもって一部廃止される見通しとなった.

「第2期会津若松市公共交通再編実施計画(案)令和2年8月(予定)」ホームページより抜粋.2020(令和2)年10月より実施予定とのこと

 詳しくは,会津若松市のホームページに「第2期会津若松市地域公共交通再編実施計画(案)」が掲載されているのだが,今から四十数年前,会津若松市内の中心部にある幼稚園に行くとき,毎日乗っていた思い出の路線である.会津若松市側は平日の朝夕のみ一部区間で運行されるようだが,もう乗ることができなくなってしまう前に,最後にもう一度乗ってみることにした.

 会津若松から喜多方までは2つの系統の路線バスがある.ひとつは,国道121号を走って行く塩川経由・喜多方行き.会津アピオや会津医療センター,旧塩川町内など幹線道路を走っていく路線で,本数も1~2時間に1本程度走っている.

会津若松駅バスターミナル時刻表
熊倉経由・喜多方行きは本数が少ない.土休日は1日4本.

 一方,熊倉経由・喜多方行きは本数が少なく,国道121号より東側に走る県道を走って行く.途中,狭い道路となる集落内を走ったりとローカルバスの醍醐味を存分に味わえる路線となっている.

会津若松バスターミナルでバスが来るのを待つ
国道49号から右折して県道に入り,坂を下って,これからJR磐越西線の踏切を渡るところ.

会津若松駅を出発すると,バスは北に向かい,国道49号に出てJR磐越西線の線路を跨線橋で渡って,すぐに県道北山会津若松線へと右折する.

乗客は5~6名程度.六丁を過ぎて広田郵便局を過ぎると,沢目で右に曲がって,最初の狭い道を走っていく.

広田駅付近で直角に左に曲がって広田駅前停留所.駅は後ろ側.

大和田鍛冶屋前停留所付近

バス停に「大和田鍛冶屋前」とか「田斗床屋前」などといった名前が残っているが,今はなくなっている(面影もない).昔の在りし日の思い出を残してくれているのが停留所の名前であった.

会津盆地の田園風景と猫魔ヶ岳の姿が広がる.この風景は昔も今も変わっていない.

江添地区に向けて,狭い道を再び走る熊倉喜多方線

日橋川を渡ると,会津若松市から喜多方市に入る.塩川別停留所を出ると再び狭い道となり,江添集落をゆっくりと通り過ぎる.しばらく旧道を走る狭路のルートを走っていく.

熊倉になると,米沢街道の宿場町の面影が残る町並みとなる.

塀ギリギリを左折!ドライバーの腕の見せ所.

塀ギリギリの直角の交差点を左折していく.

蔵の街,喜多方市小田付.

そして,蔵が見えてくると,終点喜多方駅となる.


「第2期会津若松市公共交通再編実施計画(案)「第2期会津若松市公共交通再編実施計画(案)令和2年8月(予定)」ホームページより抜粋.2020(令和2)年10月より実施予定とのこと

 2020(令和2)年10月からは,会津若松~熊倉~喜多方間の路線が会津若松市側と喜多方市側との2つに分割されて,市境を走らないことになる予定.

 喜多方市側は「塩川・熊倉線」として,塩川を会津若松などへの接続点とすることで対応予定としている.

「第2期会津若松市公共交通再編実施計画(案)令和2年8月(予定)」ホームページより抜粋2020(令和2)年10月より実施予定とのこと

 一方,会津若松市側は「河東・会津医療センター線」として,
①「会津医療センタ~広田駅~六丁~北柳原~会津若松駅~米代二丁目(かつての米代バスセンター)」
②「島~大和田~広田駅~六丁~北柳原~若松駅~米代二丁目」の2系統を走らせる予定.ただし運行本数が朝夕のみの2本程度になるとか.

「第2期会津若松市公共交通再編実施計画(案)令和2年8月(予定)」ホームページより抜粋
2020(令和2)年10月より実施予定とのこと

 では,それ以外(朝夕以外)の時間(旧河東町北部のエリア)はどうなるか.地元の広田タクシーが「河東地域内交通」として完全予約制でワゴンタイプのデマンド交通「みなづる号」で対応予定としている.

 このデマンド交通は,集落ごとに決められた待合乗降場所があって,そこから目的地乗降場所(広田駅やリオンドール河東店,会津医療センターなど)への移動が大人500円でできるのであるが,平日のみの運行であることと,会津若松市の中心部へは乗り入れしていない点が,これまでの路線バスと大きく異なる.

 集落内に細かく待合乗降場所が決められている点は便利であるが,会津若松市の中心部へ行くには,目的地乗降場所となる広田駅からJR磐越西線もしくは湊方面からくる路線バス,河東地域コミュニティバス「みなづる号」(こちらも「みなづる号」なので,デマンド交通の「みなづる号」と混同してしまうが,コミュニティバスは会津若松中心部から国道49号を経由し,広田中心部を走って会津村まで走るバス)に乗り換える必要がでてくる.

 いっそのこと,会津若松市中心部からやってくるコミュニティバス「みなづる号」を,会津村から一方向の循環ルートとして,東長原駅を経由して,空也原→茶臼森→冬木沢→北高野→柏原→田斗→島→大和田→熊ノ堂→金道などの集落を通って,広田駅(またはリオンドール河東店)を循環ルートの合流点として,会津若松中心部へ戻るようにすれば,若松中心部と旧河東町北部とを乗り換えなしで直接結ぶことができるのではないかと思うのだが・・・.

 これも,時代の流れである.


 そして2020(令和2)年9月7日に,会津バスのホームページに以下のとおり掲載された.

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山忠碑【会津考察#56】

三忠碑

 三忠碑とは、猪苗代町の磐梯山の麓に広がる摺上原で繰り広げられた戦いで,戦死した蘆名氏の家臣3人の忠誠心を伝えるために,会津藩主松平容敬が古戦場跡地に立てた碑である.

 摺上原の戦いは,1589(天正17)年に,当時会津藩を治めていた蘆名義広のところへ伊達政宗が攻めたもので,午後から風向きが変わって伊達軍が有利となり勝利をおさめたもの.これによって,蘆名氏は滅びて会津は伊達藩に支配されるようになった.

 この碑は,県立猪苗代支援学校の奥(猪苗代町長田)にある.案内の看板が立っており,道は砂利道だが車で奥まで入っていくことができる.

これが三忠碑.説明の案内看板も建っている.

近くには旧二本松街道の松並木も残っている.

三忠碑へ通じる道路。車で入ってくることができる.奥は行き止まりだが,回転する広場がある。

入り口には案内看板が建てられている.

魚つかみ取り体験(緑の村)【会津考察#55】

磐梯山の伏流水でとても冷たい.

  猪苗代町の磐梯山麓にある緑の村(水族館のあるところではなく,もう少し奥の方に行ったところにある)で,7月から8月にかけて魚つかみ取り体験ができる.

 磐梯山から流れてくる伏流水のためとても冷たい.靴下を抜いて池に入ると,とても冷やっとする.イワナやヤマメ,ニジマスを手づかみで捕ることができる.

 料金は,入場料は無料でバケツを貸してくれる.捕まえた魚の数で料金がかかるシステムで,ニジマス350円/1尾,イワナ・ヤマメ500円/1尾,焼き代100円/1尾,唐揚代100円/1尾となっている.掴んだ魚は必ず購入しなければならないので,食べられる分だけ捕まえよう.

まずは受付でバケツをもらう.

 ニジマス池かイワナ・ヤマメ池か選ぶ.途中で行き来することが可能なので,お好きな方からどうぞ.

 水深は浅いので小さな子供でも大丈夫.

 捕まえた魚はバケツの中へ.

 捕まえた魚は炭火で焼いてもらう.

 焼き上がり.見た目は焦げ焦げのようにも見えるが,塩がかかっておりとても美味しい.

 夏休みの子供たちで大賑わいであった.

磐梯フィッシングロッジ(旧磐梯釣り公園)【会津考察#54】

Bandai fishing park

磐梯フィッシングロッジは,かつては磐梯釣り公園という名称だったところで,猪苗代町の県道猪苗代塩川線沿いにある管理型釣り堀である.ルアー・フライを利用する大きめの池と,餌づりができる小さな池2つがあり,時間ごとに利用料金が決められている.

ルアー・フライエリアでは,ニジマス,スチールヘッド,ブラウントラウト,ジャガートラウト,ヤマメ,イワナ,イトウ,コーホ(銀鮭)などが放流されており,持ち帰れるのはニジマス,スチールヘッド,コーホの30㎝以下のサイズとなっている(その他はリリース(放流)となる).
餌づりはニジマスのみとなる.

小さな子供のいる釣りビギナーの家族連れなどは,餌づりの池でそれなりに釣れてワイワイ賑やかに楽しんでいる.一方,ルアー・フライの池はそれなりの腕がないとなかなか釣れない.釣りビギナーである我が家では,子供のルアー釣り練習の場として一匹も釣れなかったのだけれども楽しんでいる.

料金も良心的だし,対応もとても親切なので,子供連れでも気兼ねなく楽しむことができる.連休などの混雑時は,常連さんがスタッフとして手伝っている.営業時間8:00~20:00(ナイターは夏季のみ).レンタル竿もある.
5月連休は,桜シーズンと重なり,花見をしながら釣りを楽しめる贅沢な空間となっている.


チケット売場などがある建物
カレーライスやラーメンなど軽食も食べられる.ルアーも販売している.


ルアー・フライエリアの池.背後の磐梯山と桜が美しい.


同じく,ルアー・フライの池.


魚が来ているんだけれど・・・素人では釣れないんです.


家族連れに人気の餌づりエリア.ニジマスのみ.


連休とあって多くの人で賑わっている.


隣には,釣り池を眺めながらコーヒーを飲めるカフェ「comaya」がある.赤ちゃん連れにもやさしいカフェ.

風が吹くと,桜吹雪がすごい.

動画で桜吹雪をどうぞ!

野口英世記念館【会津考察#53】

Hideyo Noguchi Memorial Museum

千円札の肖像となっている野口英世.黄熱病の研究者として有名であるが,福島県猪苗代町で生まれ育った野口英世の遺品や資料を紹介している博物館が「野口英世記念館」である.国道49号線沿いにあるので,車で会津にやってくると目にとまる施設である.周辺には世界のガラス館や喜多方ラーメンなどがある.

野口英世記念館の歴史は古く,開館は1939(昭和14)年となる.2015(平成27)年に全館リニューアルされて,子供も一緒に楽しめる,魅力ある展示内容に生まれ変わった.館内にある生家は,建てられてから200年近くが経つが,当時のまま保存されて公開されている.野口英世の大きな功績を知る施設として,是非一度は訪れておきたい.


記念館は国道49号線沿いにある.


車は国道沿いの猪苗代町営無料駐車場に停められるが,雪がないときは裏側にも駐車場がある.


入口


チケットカウンター・受付.大人600円,子供300円.


まずは,外にある生家を見てくださいと言われる.


築200年近くたつ生家.当時のまま.1823(明治44)年建築.


英世直筆の「忍耐」と刻まれた碑


英世(清作)が1歳半のときに火傷した囲炉裏.当時のまま.


東京に上京するときに決意を刻んだ床柱.
「志を得ざれば再び此地を踏まず」


2階の展示スペース.映像シアターもある.


英世の生涯を4つの時代にわけて紹介している.猪苗代・会津若松→東京→アメリカ・デンマーク→中南米・アフリカ.自ら研究を行っていた黄熱病にかかって亡くなる.


母シカの直筆の手紙.英世は一度だけ里帰りが叶っている.
「はやくきてくたされ」


いろいろな角度から英世の素顔を紹介している.


野口英世のカラー写真.白黒でしか見たことがなかったのでこれは新鮮.


野口英世ロボット.いろいろな対話を楽しめる.


英世が研究していた「細菌」についても学べる.


映像で遊び感覚で学べる.


生家と銅像.銅像はロックフェラー医学研究所より開館記念として1930(昭和5)年に贈られたもの.


白衣を着て記念撮影ができる.


記念撮影.パチリ.

感動と涙があふれてくる,そんな博物館である.

アクアマリンいなわしろカワセミ水族館【会津考察#52】

Aquamarine Inawashiro aquarium


アクアマリンいなわしろカワセミ水族館

 


 アクアマリンいなわしろカワセミ水族館は,これまでいなわしろ淡水魚館としていた水族館を2015(平成27)年4月にリニューアルした施設で,いわき市小名浜にあるアクアマリンふくしまへ運営を委任しているものである.猪苗代町緑の村で別々の施設として運営されていた淡水魚館と釣り堀を一緒にすることにより,命の教育をテーマとした体験コーナー(釣り堀で釣った魚をその場で食べる)も設けられている.県道から猪苗代リゾートスキー場へ向かうの登り道の途中にあり,正直あまり期待ができないように感じる施設であるが,入ってみると想像以上に展示は充実していて,子供と一緒にふらりとコンパクトに楽しめる水族館である.大人700円,小中学生300円,開館時間9:30から17:00(冬期は16:00,入館は30分前まで),釣り堀は1匹500円・リリース不可・唐揚げ提供含む.

特別展示でカブトムシ・クワガタ展を開催中

ヘラクレスオオカブト

タッチコーナーがあって魚を手づかみすることが可能

「湖」というタイトル
 
カワウソの展示

子供が見られるよう踏み台が用意されている
細かい配慮がうれしい
 
記念撮影用パネル
この手作り感が微笑ましい!

マリンピア日本海,アクアマリンふくしまの連携が紹介されている
 
カニが展示されている水槽のしくみがスケルトンで紹介されている
水槽の水をきれいにする仕組みは意外と大掛かり

「湖底の道」連絡通路を通って2号館へ

水草の展示
  
おもしろ箱水族館.発想が面白い.
福島県内に生息している両生類や昆虫類を中心に紹介している
 
サケ・マス ショーウィンドウ
 
ふくしまの希少な淡水魚コーナー

 
命の教育をテーマとして釣り体験ができる
バーベキューハウス脇から降りて
本館から少し離れたところに釣り堀がある
  
受付を済ませ,釣り竿と容器,餌をもらって釣り堀へ
入場券があれば料金は取られない.釣った魚の数で1匹500円がとられる仕組み.

釣れました!

釣った魚はその場で唐揚げにしてくれる
針がとれないときには左にあるペンチで針を抜く
  
はい!唐揚げの出来上がり!

キャンドルナイト希望のあかり2014~会津【会津考察#51】

Candle Night 2014 in Aizu


キャンドルナイト2014・会津会場

 


 東日本大震災から3年目を迎える2014年3月.県内各会場でキャンドルナイト希望のあかりが開催された.会津会場は県立博物館で開催され,来場する人の思いをキャンドルホルダーに描き,3.11のメッセージを未来へ届ける光である.監修・プロデュースとして,キャンドルアーティスト・Candle
JUNEが手がけており,犠牲者への哀悼と復興への思いがキャンドルで灯されていた.

駐車場から県立博物館入り口へ

横断幕

あかべこもいた

メッセージを書きます
 
キャンドルには思いのメッセージが込められている

キャンドルの中

プロデューサーのCandle JUNE(キャンドル・ジュン)が挨拶していた

だんだん暗くなって,灯りが見えてきた.
 
 
そして,真っ暗に.
 

甘酒と豚汁が振る舞われた

Bar Octave(バー・オクターブ)【会津考察#50】

Bar Octave (Aizu-wakamatsu city)


ジャズのライブが聞けるバー・オクターブ

 


 会津若松市でジャズのライブが聞けるバーがある.Bar Octave(バー・オクターブ)は550種を超える洋酒をそろえたカクテル&ウィスキーバーで,月に2回,会津若松市では貴重なジャズのライブが聞けるお店である.
ライブは,第2・第4木曜日に開催され,1stステージは21:00~(30分間),2ndステージは22:00~(30分間),別途チャージ料はとられない.第2木曜日はドラム・ベース・ピアノのトリオ,第4木曜日はギター・ベース・ピアノのトリオ,その他,不定期でライブ演奏が行われている.2ndステージではリクエストも受け付けているので,お気に入りの曲があればマスターに伝えてみるのもよい.
また,店にはメニューがない.今月のおすすめカクテルというものが案内されているが,基本的には自分の知っている飲み物をオーダーするか,マスターにこんなカクテルが飲みたい!おすすめのカクテルは?などと伝えて,オーダーをする.メニューがなくても気さくで静かに語りかけるマスターなので,臆することなくお酒を楽しむことができる.ちなみに,マスターは日本バーデンター協会福島県本部会津支部の技術研究部長を務めており,国際バーテンダー協会(I.B.A)認定のバーテンダーである.
お値段は,カクテル2杯飲んで,2000円~3000円程度,二次会以降のお酒を落ち着いて楽しむバーである.営業時間は19時~4時.

今月のおすすめカクテルが置かれているが,
基本的にメニューはないので,マスターに気軽にオーダーする.

私の好きなカクテル「雪国」
 
洋酒がずらずらと並べられている.
一人で来たときはカウンターへ.マスターとの会話が弾む.

第2・第4木曜日はジャズライブが聴ける.
ミュージックチャージはない.
 
アイリッシュコーヒー
温かいコーヒーのカクテル.

木目調のムードある落ち着いた店内

奥会津ごっつおまつり(金山町)【会津考察#49】

Oku-Aizu local cooking Festival (Kaneyama-town)


奥会津ごっつおまつり

 


 奥会津のごちそう,郷土料理が勢揃いするイベントが,奥会津ごっつおまつりである.金山町が主催となっているが,只見町や三島町など周辺の奥会津町村の食材もそろっており,会場内では新そば早食い大会やおもりそ釣りゲームなど,イベント盛りだくさんとなっている.2013(平成25)年は10月26日(土)~27日(日)に開催され,初日はあいにくの雨模様であったが,多くの観光客で賑わっていた.会場は,金山町の町民体育館前(道の駅奥会津かねやまのちょっと手前)となっている.

町民体育館隣のグランドが臨時駐車場となる.

こちらは本部.後ろは町民体育館.

テントの中にごっつおが並んでいる.

金山町特産の赤かぼちゃのロールケーキ

地元のおばぁちゃんが丹誠込めて作ったごっつお.

どぶろくコーナー

倉庫を開放してそば販売.
 
いろいろな地区の新そばが味わえる.
 
(左)冷たいそば.500円.香りが高くとても美味い!
(右)温かい鳥そば.600円.こちらも香りが高くとても美味い!
 
ごっつお汁(300円)と味ぶかし(350円)

味噌カンプラ(150円)
じゃがいもに味噌が塗られている.
 
只見名物「マトンケバブ」

テーブルコーナーで食べられる.

炭酸水.金山町で自噴する炭酸水である.

川口高校生徒によるお茶のお点前.

イベントステージ.

ゴミは分別して捨てましょう.
【公共交通案内】
●JR只見線 会津中川駅下車 徒歩で約1分

会津清酒屋台村(会津若松市)【会津考察#48】

Aizu Japaneze sake stand festival (Aizu-Wakamatsu city)


会津清酒屋台村

 


 今回で第5回目を迎える会津清酒屋台村.会津清酒消費拡大推進協議会(事務局:会津若松酒造協同組合)が主催となって実施しているイベントで,野口英世青春広場において,2013(平成25)年10月25日に開催された.会津清酒にあうおつまみ類が屋台として並び,秋のお酒となる「ひやおろし」が各種楽しめるものとなっている.
ひやおろしとは,冬に仕込んだ新酒が秋にほどよく熟成し,その日本酒を通常は2回火をいれているところを,1回のみ火を入れて冷やのまま出荷用の木樽へとおろし,樽詰めしたことからこのように呼ばれるようになったという.ひやおろしは,作りたての豊かな香りが残っている.
利き酒セットは500円となっており,花春酒造,名倉山酒造,辰泉酒造,榮川酒造,鶴乃江酒造,末廣酒造,石橋酒造場,高橋庄作酒造店,宮泉名醸,会州一酒造,磐梯酒造,稲川酒造展から5種類の組み合わせができるようになっている.
2013(平成25)年はあいにくの雨模様となっていたが,無類の酒好きたちがテントの中で,秋のひやおろしを味わっていた....ちなみに,毎月25日は会津清酒の日となっている.

中央のテントが酒を飲む場所

ひやおろし 1杯は300円

利き酒は5種類で500円 おちょこに入れられる
 
おつまみも売られている

スーツをきた男性が多い

岩魚の塩焼きにおでん,玉こんにゃく

野口英世像 忍耐と記してある
酒には「忍耐」が必要か....
【公共交通案内】
●路線バス(ハイカラさん)
若松駅→鶴ヶ城→会津武家屋敷→飯盛山→若松駅 野口英世青春広場下車

蒼翔祭(会津大学学園祭)【会津考察#47】

Sosyo festival (Aizu University school festival)


会津大学学園祭「蒼翔祭」

 


 福島県立会津大学の学園祭は「蒼翔祭(そうしょうさい)」と呼ばれ,2013(平成25)年は10月12日(土)~13日(日)に行われた.今年(2013年)で創立20周年を迎え,記念すべき区切りの年となっている.1993(平成5)年創立当時の第1回学園祭は蒼翔祭ではなく,翔壮祭(しょうそうさい)と呼ばれており,読み方が逆の発音であった.現在の呼び名に変わったのは第4回(1996(平成8)年)からで,蒼は磐梯山,猪苗代湖,また青く澄んだ空のイメージ,翔はおおきくはばたこうというメッセージ,この2つの意味をあわせて磐梯山や猪苗代湖をバックに大空まで羽ばたいていこうという意味でつけられたという.ちなみに会津短期大学の学園祭は「紅翔祭(こうしょうさい)」とのことで,短大は紅,大学は蒼というシンメトリーとなっている.

壁面に掲げられた垂れ幕

ここから会津大学へ

案内図

秘境ツアーなるものがある
 
学際では必ずつきもののバンド演奏

講義棟の廊下
呼び込みのぬいぐるみも頑張っている

廊下では写真展が行われていた

なんか学生のノリっていう感じ

スタンプラリーも実施

フリーマーケットも開催(管理棟)

大講義室
 
研究棟ではオープンラボを実施中
 
模擬店が並んでいる

メインステージではイベント開催
 
学食は通常時でも誰でも利用できる

図書館も通常時でも誰でも利用できる

子供広場の模擬店
 
会津大学蒼翔祭20周年
【公共交通案内】
●会津若松駅より会津バス 会津大学・松長団地行き約15分 会津大学下車

会津美里ふれあいウォーク【会津考察#46】

Aizumisato friends walking

 


 会津美里ふれあいウォーキングは,会津美里町を会場に4つのコース(10km,5km,3km,歴史探訪コース)に分かれて歩くウォーキング大会である.約1400名の参加がある大規模なウォーキング大会であり,途中おもてなしポイントでは給水所やトイレが設けられ,大人から子供まで楽しみながら歩くことができる.2013(平成25)年10月6日に開催されたウォーキング大会の10kmコースに参加した.
 
会津高田までは会津若松駅から会津バスで.

高田小学校や会津美里町役場駐車場などに車を停められる
 
受付でリボンやお楽しみ抽選券などを受け取る.

町長もご挨拶(すごく小さく写っている).

目抜き通りの国道401号を歩いていく
 
天海大僧正が出家した「龍興寺」を通る
 
初めのおもてなしポイント(給水所)では,麦茶と飴がもらえる.

田んぼのなかを歩く
 
おもてなしポイントでは,仮設トイレも完備されている.

三重塔と一休さんが見えてきたら,まもなく法用寺.
 
法用寺(会津唯一の三重塔)
720(養老4)年に徳道上人によって創建された会津で最も古い天台宗のお寺.

中間地点だ!
 
矢木沢公園では,なすの漬け物や梅干しなどのおもてなしがあった.
高台にある公園で,会津盆地が一望できて眺めがいい.
 
あともう一息でゴール.
 
ゴール近くでは,にぎわい祭りが同時開催されていた.

完歩証が配られてゴール!
 
いも汁が振る舞われて終了となる.
【公共交通案内】
●JR只見線 会津高田駅下車 徒歩で約15分

からむし織りの里(昭和村)【会津考察#45】

Village of the Karamushi texture (Showa-Village)


からむし織の里

 


 福島県昭和村はからむし織の里として知られている.からむし工芸博物館,織姫交流館,郷土食伝承館苧麻庵の3つを総称して「からむし織の里」と呼ばれる施設がある.からむしとはイラクサ科に属する植物で,苧麻(ちょま)・青苧(あおし)といわれ,これを原料とした織物が「からむし織」であり,このからむし織を織る女性を織姫と呼んでいる.からむし織は通気性があって軽く,吸湿性に優れているので,夏の被服素材として最適といわれているが,とても高価なものである.
からむし工芸博物館は,そのからむし織の全てを展示する博物館で,入場料300円,9時~17時の開館である.織姫交流館は,からむし織をはじめとする地場産品の展示販売の他に,からむし体験や生活工芸体験もできる施設となっている.苧麻庵(ちょまあん)は,郷土料理が食べられるレストランであり,10時~16時の営業(夏期),お子様メニューもあるレストランである.昭和村に来たときは,是非とも立ち寄りたい施設である.

広大な駐車場

織姫交流館
からむし織の販売のほかに,体験コーナーもある

地場産品の販売

農産物も売っている
 
からむし織の体験もできる

伝統工芸の実演もやっていた

からむし工芸博物館
中は撮影禁止なので外観のみ

苧麻庵 レストランである

苧麻庵はお座敷とテーブルが半々.清潔感ある店内である.
 
苧麻膳や郷土食膳などのほかに,お子様ランチもある.
  
左から順に,苧麻膳,郷土食膳,お子様ランチである.

世界の苧麻園として,世界各国64種類の苧麻が栽培されている.
【公共交通案内】
●会津鉄道 会津田島駅下車 車で約40分

奥会津麺’sフェスティバル(道の駅会津柳津)【会津考察#44】

Oku-Aizu noodles ‘s Festival (Roadside station Aizu Yanaizu)


奥会津麺ズフェスティバルin柳津

 


 今年(2013年(平成25)年)で3回目を迎えた奥会津麺’sフェスティバル,道の駅会津柳津で開催された.他県を含め10カ所の麺が味わえるとともに,多彩なゲストによるライブステージが行われる.只見線の利活用促進も兼ねているイベントであることから,只見線で来場した方にはサービス券の提供がある.朝はあいにくの雨模様であったが,スタートとともに雨があがり多くの来場者で賑わっていた.

ステージではライブイベントが行われている.

10カ所の「麺」を味わうことができる.

東京焼うどん

金山町ザクザクそうめん・・・何だろう?

富山ブラック麺屋いろはではTV生中継!

西会津味噌ラーメン

喜多方ラーメンに西郷山椒ラーメン

東京新宿の麺屋宗(塩ラーメン)

只見ラーメン山六食堂
 
ということで,富山ブラックを購入.うまかった!
 
麺ばかりではなくイカ焼きやドーナツなども出店.

道の駅会津柳津
【公共交通案内】
●JR只見線 会津柳津駅下車 徒歩約10分

大山祇神社の大山まつり(西会津町)【会津考察#43】

Oyama Festival of Oyamazumi god Shrine (Nishiaizu-town)


大山まつり

 


 大山まつりは,家内安全・五穀豊穣を祈願する祭りで,毎年6月1日~30日の間,大山祇神社(西会津町)で行われている. 大山祇神社は野沢の山の神として広く知られた神様で,遇拝殿が大久保集落にあり,本社は歩いて一時間ほどの大倉山八合目に,そして奥の院が山頂に祀られている.
 
駐車場から境内まで歩いて向かう

大山まつり警察本部

大山祇神社の遇拝殿参道.大久保集落にある.
ちなみに本殿は大倉山の8合目(さらに徒歩1時間).

参道には出店が.
 
大山みやげ.せんべいにあげまんじゅう.ソフトクリームもある.

大山祇神社遇拝殿

大山祇神社遇拝殿

多くの願いが書かれて納められている祈願札

神社から見た参道
 
帰りは西会津名物の味噌ラーメン.
【公共交通案内】
●JR磐越西線 野沢駅下車 大山まつり開催時は西会津町民バスによる臨時バス運行

旧喰丸小学校(昭和村)【会津考察#42】

Former Kuimaru Elementary School (Showa-Village)


旧喰丸小学校の校舎玄関

 



旧喰丸小学校は,田島から国道400号を走ってきて,
国道401号とのT字交差点を越えた右側にある.
(住所は,福島県大沼郡昭和村大字喰丸字宮ノ前1374)
 旧喰丸小学校は,福島県大沼郡昭和村にあった小学校である.1937(昭和12)年に現存する木造校舎が建てられたが,1980(昭和55)年に統廃合により昭和小学校へ統合されて廃校となった.老朽化が激しく取り壊される予定であった木造校舎であるが,坪川拓史監督の映画「ハーメルン」の舞台として撮影されることとなり,撮影完了まで取り壊しが延期されることとなった.2013年7月現在でも校舎の取り壊しは行われていないが,いずれ解体の決断が下されるときを静かに待っている感じがする校舎である.校舎の前には大きなイチョウの木があって,これもまた木造校舎にとてもよいアクセントを与えている.今回は展示会を校舎内で開催していたため,中に入ることができた.

からむし織の里フェア実行委員会の主催により,
森本紀久子展を開催していた.

玄関(入口)を入ったところ

校舎内には,当時の小学生が描いた絵画が
そのまま壁に掛けられている.
机の上に置かれているのは,今回展示の作品.

1・2年生が使っていた教室
  
昔ながらの木の机が残っている.
映画ハーメルンでは,この教室も使われた.当時のまま.

教育目標.当時のまま.

勉強のしかた.当時のまま.

映画のシーンに出てくる鳥・キツツキ?

1979(昭和54)年,廃校前当時の写真がそのまま廊下に掲示されている.
これも映画ハーメルンに出てくる.

静かに余生を送っている旧喰丸小学校なのである.
【公共交通案内】
●会津鉄道 会津田島駅下車 車で約40分
==映画「ハーメルン」の感想==
 能楽を見ているかのような静かにゆったりと流れる映画です.つまり,見る人の感性と想像力によって,それぞれ感動の場面が違ってくる映画です.じんわりと涙が溢れてくる映画でした.
本当の主人公は,校長先生であり,綾子先生であり,リツコのお父さんだと思います.大きな懐の優しさと,だんだんと消えていく寂しさと,けれど最後は心地よい充足感に満たされる映画でした.イチョウから降ってくる鶴の折り紙は,現役世代の野田へ託された願いだったのでしょう・・・,これを見て野田が微笑んでいる姿がとっても救われました.
恐らく,きっと,ミドル世代(それも女性)からじわじわと口コミが広がる映画です.繰り返しになりますが,このゆっくりとした流れが,最後に心地よい感動と満足感につながります.

物産市&Hey!ちゃん市(会津若松駅前)【会津考察#41】

Product exhibition & station square Hey!chan exhibition (The Aizu Wakamatsu station square)


会津若松駅前で開催される物産市

 


 ここ数年,夏になると会津若松駅前のタクシープールと,その隣の駅前公園を使用して「物産市&駅前Hey!ちゃん市」が開催されている.タクシープールではミニSLが運転されていて,無料で乗車することができるので,子供たちには大人気な催しである.物産市では,会津地方各市町村を始め,新潟市や米沢市からも出店があって,夏のひとときを過ごす楽しいイベントである.2013(平成25)年は7月15日に開催された.
 
会場では,ミニSLが走っている.
 
各市町村の物産市が開かれている.

ミニSLは無料で乗ることが可能.
 
駅前公園の方でも開かれている.
 
米沢と新潟からも出店.

湯川村からは「米」

あかべぇ登場!

七日堂裸まいり(柳津・福満虚空蔵尊圓蔵寺)【会津考察#40】

Naked festival in fukuman-kokuzouson-enzoji (Yanaizu town)


綱によじ登る群衆

 


 七日堂裸まいりは,柳津・福満虚空蔵尊圓蔵寺の菊光堂(本堂)の大鰐口を目指し 雪の中を下帯一つの男たちが走るお祭りで,毎年正月7日に開催されている.民衆の力で只見川に凄む竜神を追い払ったという伝説にちなんだものだといい,一年の幸福と無病息災を祈願する.奇祭のひとつに数えられている.一般客の参加も可能で,その場合は月見が丘町民センターにて着替えを行って,本堂の大鰐口を目指す.

月見が丘町民センター(宿泊・温泉施設完備)
一般客はここに集合して,下帯に着替える.

下帯はカウンターで販売している.

出陣前に気合いを入れる男衆.

ひぇ~,寒い!!

圓蔵寺到着.水で清める.

113段の石段を駆け上がると・・・

菊光堂(本堂)の中に到着.
綱を目指して群衆が群がる.

菊光堂(本堂)の中はすごい熱気で,暑い,熱い!
 
わっしょい!わっしょい!のかけ声が続き,
上を目指して綱を登る.
周りの群衆は,登るのを阻止しようとして,ひきづり降ろす.
でも,子供の場合は,逆に上へ上げるように後押しする.

上からは,後ろ側にある階段で下に降りてくる.

終了すると破魔矢などが手渡される.
   
そして,階段を下りたところで,日本酒が振る舞われる.
これで今年一年,無病息災である.

月見が丘町民センターには,
暖かい??足湯(洗面器)が用意されている.
汚れを落とすためのものであるが...
【公共交通案内】
●JR只見線 会津柳津駅下車 徒歩15分程度

城前団地(会津若松市)【会津考察#39】

Siromae Housing complex (Aizuwakamatsu city)


城前団地

 


 一歩足を踏み入れた瞬間,背中にゾクゾクとしたものが走った.このようなすばらしい思想を持った団地開発があって,いまだに現存しているのである.周りの人に城前団地のことを聞くと,決してよい話が返ってこない.今となっては老朽化が激しく,入居者の高齢化も進み,魅力的な居住スペースとは言い難くなってしまった感のある団地なのであろうが,建設当時としては日本の最先端をゆく設計思想が入った団地開発だったはずである.
城前団地の面積は約5.6ha,鶴ヶ城のすぐ近くの北東側にあって,さまざまなタイプの中低層住宅を中心とした団地が建ち並んでおり,市営住宅が多いのであるが,一部県営住宅や民間住宅も混じっている.さらに団地中央には都市公園が整備されており,児童センターや保育園,近隣商業施設(今は機能していない),公衆浴場(銭湯)などの施設もきちんと計画されており,1960(昭和35)年という整備年次を考えると,日本の団地の先駆けであった貴重な開発なのである.
明治時代には,歩兵部隊の兵舎があったところで,戦後は引揚者用の住宅となっていたという.その後,1954(昭和29)年に公営住宅法を受けて,国からの補助金により公営住宅の整備を始め,1960(昭和35)年の住宅地区改良法を受けて,兵舎の住宅を除却し現在の改良住宅を整備したという.
城前団地は建替計画が進められており,平成16(2004)年からは新居入居を行わないこととしているという.今後は順次取り壊しが行われる城前団地であり,この貴重な歴史的遺産ともいえる団地開発を,無くなる前にこの目にとどめておきたいものである.
参考文献:「会津若松市のまちづくりにおける城前団地(福島大学)」

2階建ての低層住宅.
1~2階が使用できるメゾネットタイプのようである.
 
2階建ての低層住宅.
  
2階建ての低層住宅.
 
3階建ての中層住宅.
 
3階建ての中層住宅.
 
3階建ての中層住宅.
  
団地の中央には「つばくろ公園」が配置されている.

保育園も配置されている.保育園は真新しい建物である.

町内会案内図

4階建ての中層住宅であるが,
1階部分は近隣商店街として店舗の入るものであった.
 
平屋建てのものもある.

市道に面した中層住宅.1階の店舗は皆休業.

風呂が設置されている部屋が少ないため,
公衆浴場も配置されている.
  
いろいろなタイプの団地が建てられている.

改造が年月を物語る.
【公共交通案内】
●まちなか周遊バス(ハイカラさん) 若松駅→七日町→鶴ヶ城北口→若松駅(逆回りは「あかべえ」)

束松峠ウォーキング大会(会津坂下町)【会津考察#38】

Tabanematsu Pass walking Festival (Aizubange-Town)


束松峠ウォーキング大会のスタート地点
高寺公民館

 


 束松峠は,福島県会津若松から新潟県新発田に通じる旧越後街道にある峠で,江戸時代における参勤交代路でもあり,また越後から入ってくる塩の道であったことから,当時は大変賑わっていた峠である.旧街道沿いには沢山の史跡が残されており,地元団体である「束松峠を護る会」の活動によって旧街道の保全活動などが行われており,毎年秋には束松峠ウォーキング大会実行委員会(高寺地区公民館)主催によってウォーキング大会が開催されている.

高寺公民館に集合.受付を済ませる.
 
史跡の紹介写真が掲示されている.
右の写真は,只見川に架けられていた舟橋.高寺(舟渡)と片門を結んでいた.

最初は,アスファルトの道路を歩いていく.
 
束松事件現場.手書きの案内看板が立てられている.
元越前藩士・久保村文四郎が会津藩士・高津仲三郎らによって殺害された事件とのこと.

県道・別舟渡線を歩く.

天屋・本名の集落を歩く.
近世の越後街道がここを通るようになると,宿(間の宿)として賑わったところ.
旅籠が軒を並べて,中追馬の基地であった.
束松峠に向かって,道路右側が「天屋(てんや)」,
道路左側が「本名(ほんな)」の集落となる.

集落を過ぎると,なだらかな土の道となる.
 
地元団体の方により,案内板などがつけられている
 
よく見ないと分からないが,歩きやすくするために敷かれた石畳道.
 
一里塚.
越後街道の会津側に残る唯一のもの.男壇と女壇がある.
 
洞門の入口
1882(明治15)年,越後街道の道としてこれまでの急峻な束松峠ではなく,
藤峠(現在の国道49号)を経由にすることになった.
そこで,高寺地区民は旧越後街道の賑やかさを再び取り戻そうとして,
自力で230m程の洞門を掘った.
しかし,鉄道の時代が到来し,夢は叶えられることなく,洞門跡が残ったものである.
夢とロマンのある洞門なのである.

束松峠の頂上.標高460m.
その名の通り,かつては峠の茶屋が2軒並んでいて,あんこ餅が有名だったとか.
はるか彼方に磐梯山が望める.
 
峠の茶屋の名物だった「あんこ餅」
三本松で振る舞われる.
 
松が束ねられているから「束松」
そのひこ(曽孫)にあたる松が生えている.県の天然記念物.
 
ゴールの高寺公民館では,豚汁が振る舞われる.

ウォーキング大会で配布されたマップ
【公共交通案内】
●JR只見線 塔寺駅下車 車で約10分

猪苗代湖漂着水草回収ボランティア(天神浜)【会津考察#36】

Volunteer activity (Tenjin Beach in Lake Inawashiro ) to collect a waterweed cast ashore


猪苗代湖畔に集めた水草(天神浜)

 


 猪苗代湖の湖岸には,風に流れて毎年多くの水草が打ち上げられている.打ち上げられた水草が腐敗することにより水質悪化の一因になっているため,毎年地元団体のボランティア活動によって,水草回収の作業を行っている.ボランティア活動は「清らかな湖,美しい猪苗代湖の水環境研究協議会,ロータリー猪苗代湖水環境協議会」の主催で,9月~10月の毎週土日の午前中に行われている(土曜日は天神浜,日曜日は松橋浜).2012(平成24)年10月13日(土)・天神浜にて参加した模様をお伝えする.

10時から作業開始.作業前の集合ミーティング.
本日は,関東の大手電機メーカーのボランティア団体も参加し,総勢100名を超えた.
長靴と軍手は自分で用意する.ただし,ビニール製の手袋はもらうことができる.

作業で使用する道具は貸し出ししてくれる.

天神浜に打ち上げられている緑色の水草.
これを回収する.
 
このようにみんなで回収.結構いい運動になる.

集めた水草は,バスケットに入れる.

そして,軽トラックに乗せて搬出する.
この水草は堆肥にするとのこと.

作業は午前中で終了となる.

銀山峠ウォーキング大会(柳津町)【会津考察#37】

Ginzan Pass walking Festival (Yanaizu-Town)


軽井沢銀山跡地にある煉瓦の煙突

 


 銀山峠は,福島県柳津町の久保田と軽井沢を結ぶ銀山街道の途中にある峠である.銀山街道とは,会津若松市大町札の辻(四ツ角)から南会津郡只見町小林まで約72
㎞にわたる街道で,戦国時代後期から明治時代中期にかけて日本屈指の銀山(軽井沢銀山)から採掘された「銀」を運搬する人達の往来が盛んだった街道である.銀山は,1896(明治29)年に閉山され,それとともに峠越えの往来は減少して衰微の一途をたどっていった.地元団体の「銀山峠を復活させる会」では,この往年の賑わいを復活させようと,旧街道の利活用に取り組んでおり,毎年秋にはウォーキング大会を実施して,往時を偲んでいる.2012年秋のウォーキング大会の模様をお伝えする.
 
久保田側の入口
地元団体により,銀山峠の道標が建てられている.

緩やかな坂が続いていく
 
旧街道を忠実に歩いていく.
一部,道なき道を歩いていくところもある.
 
そして,途中整備された道路を少し歩いていく.

視界がひらけるところでちょっと休憩.
  
ふたたび,緩やかな山道へ.
急登はないので,ウォーキングしやすい.
 
軽井沢銀山を見下ろせる丘の上に,石の祠がある.
なんか,ドラクエっていう感じ.

軽井沢銀山の煙突跡が見下ろせる.
 
ひらけてくると,まもなく軽井沢となる.

軽井沢銀山は,採掘当時は大変賑わっていたといい,
福島県内で一番初めに電灯がついたのは,ここ銀山だという.
現在,坑道は閉鎖されており,建物も取り壊されているが,
巨大なレンガ造りの煙突のみが,当時のままの建造物として残っている.

これが,そのレンガ造りの煙突.
ただし,レンガの崩落がはじまっており,近づくのは危険である.
 
このような感じで,レンガが足下にゴロゴロ落ちている.

軽井沢銀山のあったところ.
【公共交通案内】
●JR只見線 会津柳津駅下車 車で約20分

会津藩奴隊【会津考察#35】

The Aizu-han Yakko tai

鶴ヶ城を出陣する会津藩奴隊
(会津まつり(2012年))

 


 白虎隊ではありません.奴(やっこ)とは,武士が外出する時の荷物を運ぶなど,いろいろな雑務を行っていた人で,主に農民や町民が雇われていることが多かったという.会津藩奴隊(やっこたい)は,この奴に扮装してお祭りなどで演技を行っている団体である.会津まつりのメインイベントである「会津藩公行列」では,朱色の顔をした奴隊が先陣をきって演舞を行うことから,見所のひとつとなっている.隊列は,前から順に「旗持ち」「先払い」「露払い」「表道具」「草履」「挟箱」「毛槍」となっており,およそ40名の隊列が会津の街を練り歩く.
2012(平成24)年の会津まつりはあいにくの雨模様であったが,沿道には多くの見物客で賑わっていた.その時の模様をお届けする.
 
会津まつりのメインイベント「会津藩公行列」の先陣をきって出陣する会津藩奴隊
鶴ヶ城から市内へ練り歩く.

<<旗持ち>>

<<先払い・露払い>>

<<表道具>>

<<挟箱>>

<<毛槍>>

沿道から声援をもらって会津若松市内を練り歩く

毛槍を投げるパフォーマンスは見せ場のひとつ
ここで拍手がわき起こる.

立木観音(恵隆寺)【会津考察#34】

The Tachiki Kannon (The Etyu temple)


立木観音堂(恵隆寺)

 


 立木観音は808(大同3)年に弘法大師が観音菩薩の霊感を受け,根がついた巨木に彫刻されたと伝えられており,国の重要文化財に指定されている.子年生まれの守護本尊となっている.像高7.4m(総高8.5m)で国内でも最大級の千手観音であり,観音像の左右には二十八部衆と風神・雷神が安置されている.また,観音堂は鎌倉時代の和洋建築物で,こちらも国の重要文化財に指定されている.観音堂内には「だきつき柱」もあって,抱きついて願い事をすれば満願成就するとして信仰を集めている.会津ころり三観音のひとつである.

駐車場脇には「仁王門を通るのが正式な御参拝です.近道はしないことです」との立て看板が.

ということで,仁王門を通って参拝へ.

参道

清浄水
約250年前に地下10mまで井戸が掘られて湧き出す天然水.

観音堂
300円の拝観料を払って,中に入ることができる.
そして立木観音像を間近に拝むことができる.
是非中に入って間近に拝むことをお勧めする.お堂が小さいので大きく見えて圧巻である.
扉をつけることができないので,観音像前面には斗帳という垂れ幕が掛けられている.
【公共交通案内】
●会津若松駅から JR只見線 会津坂下駅下車 約3.2km

法用寺(会津唯一の三重塔)【会津考察#33】

The Nakata Kannon (Kouan temple)


‰会津唯一の三重塔がある法用寺

法用寺は徳道上人が702(養老4)年に建立したといわれており,会津坂下町の恵隆寺(立木観音)に次いで会津では二番に古い寺となっている.大同年間(806-810年)の火災で焼失したが,その後は徳一大師によって再建されて恵日寺の建立まで中心的な役割をはたしていた.観音堂には、国の重要文化財に指定されている2体の木造金剛力士像が安置されている.また,会津唯一の三重塔が建っている寺でもある.

 

あじさいの咲く中,法用寺に向かう道(7月)


–本来なら金剛力士立像が立っている寺門
右側に阿形,左側に吽形となる.
けやきの一本造で彫られており,

平安時代から藤原時代における貴重なもの.
国の重要文化財に指定されており,現在は観音堂の中に安置されている.


Š観音堂.1768年の建立(推定).
金剛力士立像が安置されている.

Š観音堂から左奥に行ったところに会津唯一の三重塔がある.
福島県指定重要文化財.
現在の塔は1878年のもので,これまで二度建て替えをしている.

Ž三重塔からは会津高田の集落が望める

‰会津五桜のひとつ「虎の尾桜」
【公共交通案内】
●会津若松駅から JR只見線 根岸駅下車 約3km