「練馬区」タグアーカイブ

江古田界隈(練馬区)【東京考察#217】

Ekoda St. neighborhood


江古田駅と言えば黄色い西武線


 江古田に住んでいる人は,「江古田っていいところだよ~」とよく言う.住んでみると居心地のいい何かがあるようである.池袋から西武線で3駅目,都心に近いけれども,下町的な雰囲気の残る地域である.江古田駅周辺には,日本大学の芸術学部,武蔵野音楽大学,武蔵大学などがあり,学生街としても知られている.駅に降り立つと,人とすれ違うのがやっとといった路地裏が広がっていて,そこに商店街が形成されている.昔から営んでいるお店も存在し,その下町的なヒューマンスケールの雰囲気が,住む人々をホッとさせているような気がした.
ちなみに,江古田駅は「えこだ」と読むが地名としては存在していない.ちょっと南に離れた中野区には江古田と書いて「えごた」と読む地名があるが,この江古田(えこだ)駅からは少し離れている.「えこだ」と「えごた」は,厳密に言うと別の区域のことを指しているが,目白通りの下に走っている地下鉄大江戸線はその南側に広がる中野区の江古田(えごた)に合わせて,新江古田(しんえごた)駅という名称になっている.今回は江古田(えこだ)駅周辺を紹介する.

江古田駅南口 駅前に商店街が広がる

居酒屋,本屋,飲食店などが,路地裏に密集している

大衆割烹.なんかそそられる雰囲気.

昭和33年創業の江古田で一番古い喫茶店
昭和の香りが漂っている

江古田銀座


日大芸術学部や武蔵野音大のある北口
私鉄の小さな駅といった雰囲気が満点

駅北口から日大へ続く日大通り商店街

日大前にある果物屋のシャッター
シャッターのデザインも芸術的?
 
日本大学藝術学部(江古田キャンパス) 昭和14年開校
2010(平成22)年を目指して改築工事を行っている
 
昭和の香りが漂う「江古田コンパ」
ネーミングもいい.カクテルなどが飲めるバーのようである.
 
じいじとばあばが作っているおにぎり屋
暖かい感じのおにぎり屋である
 
「江古田いちば」 生鮮食料品が中心となる市場
アメ横のような雰囲気で,下町情緒満点である.
1915(大正4)年の武蔵野鉄道(現西武鉄道)の駅開業により開設

武蔵野音楽大学 昭和4年開校
敷地内に楽器博物館があるが,平日しか開館していない.

江古田には,小演劇の出来るスタジオや
音楽練習のできるスタジオが多く存在している

一歩それると住宅やアパートが広がる

踏切から見た西武線江古田駅

大泉学園町【東京考察#119】

The Oizumi-gakuen town (Nerima-Ward)


メインストリートの大泉学園通り沿いには,
ちょっとした商店が建ち並んでおり,
穴場的な発見があるかもしれない.

 


 大泉学園町は埼玉県和光市と接する閑静な住宅街である.地図を眺めるとこの区画だけ整然と道路が入っているのがわかる.ここは,関東大震災直後に箱根土地(株)(西武鉄道グループ・現西武鉄道の一部前身)が一大学園都市を開発しようと計画したところで,碁盤の目に入った区画の土地は坪10円で売り出されたという.しかし,大学誘致も住宅開発も思うように進まず,現在のように教育施設ができたのは,昭和48年に朝霞の陸軍士官学校(戦後は米軍と自衛隊が使用)が返還されたあとであった.


大きな松の木がある


緑の生け垣もある


もういっちょ,松の木
都内では高級住宅街の様相である.



交差点の名前が,ずばり「風致地区」


「大泉風致地区」というバス停

 街を歩いていて興味深かったのは「風致地区」という交差店名があり,さらにバス停にも「大泉風致地区」という名前が付けられていたことである.風致地区とは都市計画法で定められるもので,都市内の自然景観を維持し,樹林地帯の保存を図る区域に指定するもので,風致地区内では,建物の高さ,建ぺい率,建物の位置,形態,デザイン,緑の保存のために必要な行為について規制を行うことができるものである.(出典:都市計画総論,鹿島出版会) この地区にも風致地区の規制をかけて,良好な居住環境をつくる制度が取り入れていたのであろう.



農地が残っている


「生産緑地地区 東京都市計画 練馬区」という看板が立っている

 この周辺,昔は農地がたくさん残っていたのだろうが,宅地化の波で農地は減少している.そもそも23区内に農地が残っている事自体不思議に思うかもしれないが,練馬区や板橋区・世田谷区の県境付近には,まだまだ農地が点在している.そんな農地の脇に「生産緑地地区」という看板を見つけた.
「生産緑地」とは,市街化区域内にある農地等に着目して,公害又は災害の防止,調和した都市環境の保全に役立つ農地を計画的に保全し,良好な都市環境の形成を図ることとなっている.この生産緑地に指定されるには500m2以上の面積を持ち,公共施設用地として適していることなどの用件がある.指定を受けると,農作物等の生産に利用されることや長期営農することが求められるが,宅地並み課税の減免措置を受けることができる.
この看板が立てられている地区は,この生産緑地に指定されていることを表している.

光が丘団地【東京考察#118】

The Hikarigaoka housing complex


 「光が丘団地」は,戦争中は成増飛行場として,戦後は米軍の住宅地(グランドハイツ)として接収されていた土地を,昭和48年に返還してもらってできた土地に建設された住宅団地である.面積は186ha,約1万2千世帯,人口4万人が暮らす,都内でも最大級の団地である.昭和58(1983)年より入居が開始され,平成3(1991)年には団地建設が完了し,併せて都営地下鉄大江戸線(当時は12号線と呼んでいた)が開通して,徐々に「街」として成熟していった.
公団,東京都,住宅供給公社による開発なので,エリア内には行政区民センターや郵便局,学校や図書館などの公共施設も併設されており,日比谷公園の4倍の広さを持つ光が丘公園も存在している.団地内を歩いてみると,近年に開発された団地であることもあり,三角屋根を取り入れた設計や,壁面に煉瓦タイルを使用するなど,コンクリート一辺倒で無味乾燥としていた「いわゆる団地」といったイメージを払拭する造りとなっており,デザイン的にも配慮されたものとなっているように感じる.30階建ての超高層住宅もバランスよく配置されており,最上階からは都心を一望できる眺めであるに違いない.


煉瓦タイルの団地


壁面に煉瓦風タイルを配している


超高層住宅は空間のバランスを考えて配されている


イチョウ並木の中を・・・


超高層住宅では1階エントランスにオートロックシステムが完備されている


光が丘駅前には「IMA(イマ)」と呼ばれる
複合型ショッピングセンターがある.


100円の有料自転車置き場(コインパーキング)
鎖をつないで100円玉を入れる


街区と街区は,歩行者自転車専用のペデストリアンデッキで結ばれている

王78 王子駅⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

ただひたすらに環七通りを走る東京23区内都営バス最長距離の路線

王78 王子駅⇔新宿駅西口(経由)豊玉北・高円寺駅入口 杉並・練馬営業所

路線keyword:環七通り(環状七号線),青梅街道,各種ファミリーレストラン,単調退屈


東京都23区(特別区)内の都営バスで最長距離(18.3km)を走る路線である。新宿と王子を結んでいるのだが、高円寺・豊玉北・東十条と環七通りをぐるりと迂回して結ぶルートとなっており、乗り通す乗客はまずいない。しかも、走る道路が青梅街道・環七通り・北本通りといった幹線道路であり、沿線風景も変化に乏しく、さらに交通量の多さ・渋滞の激しさでは悪評高き環七通りをひたすら走るとなれば、よほどの物好きでない限り本路線を乗り通す乗客はいないだろう。王子駅・新宿駅間の所要時間は約1時間となっているが、道路渋滞によっては2時間もかかってしまうことがある。
新宿駅西口路線バスターミナルを出発すると、左手に新宿エルタワー、裾の広がる安田火災海上ビル、新宿野村ビルの超高層ビル群が現れ、青梅街道を高円寺まで西に向けて走る。中野坂上で山手通りと交差し、相撲の二子山部屋が近くにある鍋屋横丁商店街を抜け、営団地下鉄丸ノ内線東高円寺駅を過ぎると、環七通り・高円寺陸橋となって、バスは右に曲がる。順調に走ればここまでおよそ20分である。
環七通りに突入である。東京には1号から8号までの環状道路が造られている。1号線から順に、内堀通り・外堀通り・外苑東通り・不忍通り・明治通り・山手通り・環七通り・環八通りとなっている。この中でも特に「かんなな」と呼ばれる環状七号線(環七通り)は東京湾部分を除く全区間において環状線が整備されており、東京都心部を通過したい自動車(例えば横浜から大宮に行きたい車)にとっては環状道路を使うことにより、都心部の密集した市街地を通ることなく短距離・短時間で通過することができる。そのためにトラック等の交通量も多くなるのであり、環状道路は交通政策上も重要な道路である。環七通りと郊外へ延びる放射状の幹線道路との交差点には、陸橋が設けられており、信号待ち等によって環状線を直進する車のスピードが落ちないように設計されている。
一般的に路線バスの停留所はそのような陸橋の下の側道部分に置かれていることが多く、陸橋の上を路線バスが走っていく姿はあまり見かけないが、本系統は陸橋下の停留所には停車せず、陸橋の上をバスが走っていく。
野方にて西武新宿線の下をくぐり、豊玉北を過ぎたあたりで西武池袋線の陸橋を越える。羽沢で西武有楽町線新桜台駅前となる。
沿線の風景はこれといった特徴があるわけでもなく、街路樹と車・トラックのひしめく道路が続くだけで退屈極まりないが、環七沿線に多く見られるある施設をつぶさに眺めてみると結構暇つぶしになる。それは、ファミリーレストランとガソリンスタンドである。特にファミリーレストランは、「デニーズ」や「ロイヤルホスト」等といったメジャーな店舗から、聞いたこともないマイナーな店舗まで、多種多様な店が次々と後ろへ過ぎ去っていく。おそらく、東京で営業しているファミリーレストラン企業のほとんどの店舗を環七沿線で見られるのではないかと思うほど、ありとあらゆる店が現れていく。
常盤台で東武東上線の下をくぐると、環七通りは右にカーブするが、その左手に赤提灯を並べた立ち食いラーメン屋「土佐っこラーメン」が現れる。夜になると赤提灯には明かりがついて、路上に車を止めてラーメンをすする客の姿が絶えない。この地点が先頭になって渋滞が起こることもあり、道路には、「夜間の違法駐車取締りを強化します-板橋警察署」と書かれた看板が立っている。
大和町にて高速道路(上側)と中山道(下側)と交差する。大和町交差点は大気汚染度が都内ワーストワンという記録を持つ交通量の激しい場所であり、都営地下鉄三田線板橋本町駅前でもある。
バスはさらに環七通りを東へ進む。JR埼京線を越え、なだらかな下り坂を走りながらJR京浜東北線と東北・上越新幹線と交差し、隅田川手前に位置する北区神谷町の宮堀陸橋にてようやく環七通りから北本通りへと右折する。そして、王子五・四・三・二丁目と王子のオンパレードとなって終点王子駅前に到着する。

池65 練馬車庫-池袋駅東口[都バスで東京発見]

池袋と南長崎・西落合・江古田界隈の住宅地とを結ぶ路線

池65 練馬車庫⇔池袋駅東口(経由)江古田2丁目・目白駅 練馬支所

路線keyword:閑静な住宅街,南長崎・西落合・江古田界隈,狭路


終点は練馬車庫となっているが、ほとんどの便は途中の江古田2丁目止まりとなってしまい、練馬車庫までいくバスは本数が非常に少ない。日中は走っていない時間帯もある。しかし、この路線の醍醐味は、江古田2丁目から先の細く曲がりくねった狭路であろう。大型バスが右に左に方向を変えて走っていく。
東口西武百貨店前を出発すると、明治通りを南下、千登勢橋手前で右に入り、千登勢橋を左に見ながら目白通りへ右折する。学習院大学を左に見て、イチョウ並木の続く美しい目白通りを走ると、JR山手線の線路を越えて目白駅となる。
バスは住宅街のなかを、関東バス、西武バス、国際興業バスと共に走っていく。このあたりは各社混在して走っている。
落合南長崎駅前で目白通りから新青梅街道と名前が変わって、哲学堂を過ぎると、小さな江古田川を渡る。すると左手に神田川の支流である妙正寺川が現れて、真っ赤な関東バスが並んで止まっている関東バス丸山営業所となる。
江古田の閑静な住宅街の中をはしり、江古田2丁目となる。バスは右折し、右手に操車場を見てしばらく走ると、だんだんと道幅が狭くなっていく。左に曲がったり右に曲がったり、うねうねと住宅地の中を縫うように走る。環七通りと交差し、豊玉中、豊玉北と過ぎ、桜台駅前を通って終点練馬車庫となる。

新江62 大泉学園駅-新江古田駅[都バスで東京発見]

新江古田駅から練馬区を堪能して大泉学園駅までを走る路線

新江62 大泉学園駅⇔新江古田駅(経由)練馬区役所 練馬支所

路線keyword:練馬区,目白通り,練馬の牧歌的風景


かつては、新宿駅西口から出発して中野坂上で山手通りに入り、落合で目白通りに左折するルートを走っていたが、都営地下鉄大江戸線の開通により、路線が競合するため、新宿駅から新江古田駅間が廃止され、現在のように路線短縮が図られた。
新江古田駅を出発し、目白通りを西へ走る。豊玉で環七通りと交差し、桜台駅通りを過ぎると、街並みが賑やかになって練馬区の首都・練馬区役所前となる。
西武線をS字カーブの陸橋で越えて中村橋駅入口になると、目白通りから離れて旧道と思われる細い2車線の道路へと入る。大きな庭付きの一戸建てが建ち、畑も現れる。都心とは違って低密度の住宅街が形成されている。再び目白通りへと出る。
左手に中央卸売市場淀橋市場練馬分場が過ぎ、中原を出ると目白通りを離れて再び狭い2車線の道路を走る。ビニールハウス、畑、緑の生垣塀の家、練馬区の牧歌的(あえて田舎的とは言わないようにした)な風景が堪能できる。商店街が続いて、終点となる。

白61 練馬車庫-新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿から牛込をぐるりとまわって練馬までを結ぶ路線

白61 練馬車庫⇔新宿駅西口(経由)目白駅・江戸川橋 練馬支所

路線keyword:牛込界隈,新宿歌舞伎町,練馬区,狭路,閑静な住宅街


 この路線は、新宿から牛込をまわり練馬までを結ぶ路線で、釣り針のように「J」の字型に走っていく。全線乗り通す客は少なく、新宿と牛込界隈、目白駅と練馬方面と、路線は1本であるが、それぞれの地域を輸送する役割を担っている。本数は比較的多い。
住宅に囲まれた練馬車庫を発車すると、右手に武蔵大学のキャンパスが現れて、環七通りのしたをくぐる。江古田界隈となるのだが、西武線の駅名の読みは「えこだ」であるが、バス停の読みは「えごた」となっている。
南長崎六丁目より一方通行の非常に狭い道の商店街の中を走っていく。買い物客、自転車の横断が非常に多く、運行しづらい区間であろう。東長崎駅を過ぎ、落合の住宅街を目白通りで走ると、目白駅前となる。
左手に川村学園、右手に学習院大学が見え、千登勢橋で明治通りと都電荒川線を越える。日本女子大が現れ、目白台界隈となり、椿山荘となる。
坂をくだって高速をくぐり江戸川橋。つきあたりを右折、ここから方向を変えていく。いままでの山手台地の閑静な住宅街から、密度の高い街並みへ変化していく。早大通りへ右折し、都内では珍しく道路の中央分離帯にケヤキが植わる道路を走る。真っ直ぐ進むと早大正門になるが、バスは左折し牛込界隈を走っていく。
再び住宅街の中を走り、起伏のある道路を走っていき、曙橋で靖国通りに右折、新宿を目指す。厚生年金会館を過ぎ、新宿五丁目からはネオンや看板が多くなり、新宿の雑踏が近づいてきたことを感じる。
歌舞伎町ではゴミが多く、非常に汚い。正面に新宿副都心の超高層ビル群を見て、JRの大ガードをくぐり、左に曲がると終点西口バスターミナルとなる。