青山を突き抜けて番町を走る路線
茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)(経由)青山一丁目駅・神保町 渋谷営業所
路線keyword:青山界隈,青山通り,番町,順天堂病院,靖国神社,本屋街・学生街
御茶ノ水駅行のバスは、渋谷駅東口の都営バスターミナルの最前端部分から発車する。宮益坂を登りながら渋谷の繁華街を走り、国道246号線・青山通りと合流する。あとは三宅坂の手前の最高裁判所まで、都心部では珍しく8車線もある広々とした青山通りを東に進んでいく。
右手に青山学院大学が現れて表参道となり、お洒落な店の多く集まる青山界隈となる。表参道交差点で左を眺めると、クリスマスの電飾ツリーで有名なケヤキ並木と道路左右に建つ石灯籠が目に入る。青山三丁目交差点左前方には、ファッションショッピングビルの草分け的存在である青山ベルコモンズが通り過ぎ、神宮外苑にほど近くなって外苑前となる。青山二丁目交差点で左を見ると、神宮外苑絵画館前に延びる立派なイチョウ並木が続いており、軸線を持つ美しいビスタ景観を見ることができる。
青山一丁目を過ぎると、左手に森が出現する。東宮御所、三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸、迎賓館の存在する赤坂御用地である。そのうちの三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸は青山通りのすぐ近くに建っており、入口の門前では警視庁の警備員の姿を見つけることができる。
赤坂見附交差点を陸橋にて通り過ぎ、陸橋の上からは右手に東急ホテル、左手にホテルニューオータニ・赤坂プリンスホテルのビル群を眺めることができる。地下鉄永田町駅を通り、最高裁判所手前でバスは左に大きく曲がる。直進すれば皇居に突き当たって三宅坂となる。
右手に石造りの堅牢な建物である最高裁判所(1972(昭和47)年完成)の裏を眺め、ほんの一瞬であるが国立劇場(1966(昭和41)年完成)の裏手の昇り旗を見ることができる。バスは路上駐車の多い2車線の道を北に進む。そして坂も多くなり、坂を下って一番町、坂を上って三番町の停留所となり、左手には大妻女子大学が現れる。
番町は、江戸期において旗本の多く居住武家地であったところであり、戦前までは華族をはじめ高級官僚等の邸宅の多いお屋敷町であった。現在でも都心有数の超高級住宅街として、独特の落ちつきのある界隈である。バスは再び下って、再び上って靖国神社交差点を右折、靖国通りへ入る。
左手は、終戦の1945(昭和20)年までに戦争などの国事で倒れた約250万人の霊をまつる靖国神社である。坂を下ると、右手には日本武道館への入口でもある北の丸公園の入口・田安門が現れ、千鳥ヶ渕のお濠が見える。
営団地下鉄東西線九段下駅を通り、古本屋や本屋の連なる神田・神保町の本屋街を通り抜けて駿河台下を左折し、明治大学を左に眺めて学生街を走るとお茶の水橋の橋上に停留所のあるJR御茶ノ水駅前となる。眼下にJR中央・総武線と神田川を眺めることができる。バスはここで終点とならず、そのまま直進して東京医科歯科大学を右手に見ながら、左手に順天堂病院が現れると終点となる。
平成12年12月、唯一青山通りを走る路線であったが、廃止された。