東急世田谷線【東京考察#255】

Tokyu Setagaya line


東急世田谷線山下駅


 東急世田谷線は,三軒茶屋駅と下高井戸駅とを結ぶ全長5.0kmの路面電車である.路面電車といっても道路の上を走ってはおらず専用軌道となっており,環七通りと交差するときに信号機て停車することが,唯一路面電車の面影を感じるところである.都内で残った路面電車として,都電荒川線と共に話題にのぼる路線で,2両編成の電車がコトコトと走る姿は,どこかホッとする情景となっている.現在は世田谷線と呼んでいるが,かつて渋谷から二子玉川園までを玉川通りの上を走って結んでいた玉電(玉川線)の支線的な役割として存在していたもので,当時は下高井戸線と呼ばれていた.その後,玉電は1969(昭和44)年に廃止されたが,この世田谷線だけが廃止されずに残ったもので,かつての玉電の面影を残すものとなっている.車体は新しいものに一新され,ヨーロッパの路面電車を連想させる.
世田谷ボロ市が開催されるときは多くの乗客で賑わい,普段も車内は混雑していることが多く,地元住民に愛されているヒューマンスケールな世田谷線である.
 
三軒茶屋駅はキャロットタワーの隣にある
この駅には改札口があるが,基本的には乗車時に車内で運賃を払う.
大人140円均一.

三軒茶屋駅ホーム
再開発によって綺麗で近代的な空間となっている

宮の坂駅
階段を上らずにホームに上がれて,
踏切がすぐ脇にあるといった雰囲気がいい.
  
世田谷線にはカラフルな車両が走っている.
小さな子供連れの家族が電車に乗ると,
次の電車が何色かを当てっこするゲームが繰り広げられる.

現在の新型車両が導入される前は,
玉電の面影を残す,この色の世田谷線が走っていた.