春の飯盛山【会津考察#60】

白虎隊士の墓

 飯盛山は,戊辰戦争における白虎隊自刃の地として知られ,白虎隊十九士の墓をはじめ,イタリアやドイツから贈られた記念碑,さざえ堂,白虎隊引揚の戸口堰洞穴など,史跡名所が残っている場所である.

 会津若松の城下町を見渡す山で、もともとは約1700年前につくられた前方後円墳であり,滝沢村の地元住民の共同墓地でもある.

 幕末の白虎隊の悲劇は有名で,お墓の前の線香の煙りが絶えることがないという.2022(令和4)年のゴールデンウィークに訪れてみた.コロナ禍における3年ぶりに規制のないゴールデンウィークとあって,天気もよく人出も見込まれる陽気であった.

飯盛山ふもとにある「市営観光客専用駐車場」を利用すると便利.無料のうえ,公衆トイレ(写真右)も整備されている.

まだ朝早い時間のため,お店が開いていない.あわまんじゅう店の湯気が立ち上っていた.

頂上までは「動く坂道」(=エスカレーターのこと)があり,楽々に登ることができる.大人250円,小人150円.

夜は登れないらしい.

飯盛山はこんな感じの配置.

結構な急坂の階段.思った以上に息が上がる!

 はじめは「よし行くぞ!」と息巻いたものの,途中で苦しくなっても大丈夫.途中から動く坂道に乗車することができる.途中からだと大人150円,小人100円.

登ってから後ろを振り返ると,会津若松市街が望める.

山腹の途中にある飯盛分店のお店.ギャラリー(無料)があって,ここには松平容保公の晩年の写真が飾られている.

白虎隊十九士の墓.お線香の煙が絶えない.

 白虎隊士自刃の地は,少し離れたところにある.

途中に,飯沼貞吉翁のお墓がある.自刃した中で唯一生き残った白虎隊士.1931(昭和6)年に没した.白虎隊の話は,飯沼貞吉氏によって語り継がれることになった.

写真では分かりづらいが,緑の茂みの中に鶴ヶ城が見える.ここから町中の火事を見て,鶴ヶ城が落城したと見誤り,白虎隊は自刃することになった.

帰りは階段を使わず,右側のスロープを歩いて行くと,さざえ堂,戸口堰洞穴になる.

さざえ堂.正式には円通三匝堂(えんつうさんそうどう)といい,西国三十三観音菩薩を安置した六角三層の観音堂である.1796(寛政8)年に建立され,その形がさざえの殻に似ていることから「さざえ堂」と呼ばれている.
らせん通路となっており,上りと下りの人がすれ違うことなく一方通行で巡れる建築で,国の重要文化財に指定されている.

戸ノ口堰洞穴は,猪苗代湖の戸ノ口から会津盆地への用水を引くために掘られたトンネルで,戊辰戦争時に白虎隊士が戸ノ口原から潜ってここにたどり着いた洞穴である.

麓には白虎隊記念館がある.なかなか昭和レトロチックな管内であるが,在りし日の白虎隊を知ることができる.


【公共交通案内】
○会津若松駅から まちなか周遊バス「ハイカラさん」「あかべえ」で「飯盛山下」停留所下車.