駅。
ビルの林立する谷間に
どこからともなく集まってくる人、人、人
改札の機械音はなりやまず
銀の箱には屑物のやま
無造作に電車はやってきて
人々を飲み込んで去って行く
駅。
背には緑が生い茂り
小鳥がベンチで戯れる
時々列車がやってきて
たとえ人がいなくとも、ホームは笑顔で出迎える
汽笛を鳴らして離れてみれば
風のささやきのみとなる
街の顔、それが駅
出会い、別れ、喜び、悲しみ
全てのものに人間が漂っている
そんな駅を求めて
私はまた、旅に出る
ときには詩人になりきってみました.詩集です.
人は何故、旅にでるのだろう?
それは、
心にしみこむ素晴らしい風景があるからだよ
どっしりと座る雄大な山
太陽の輝<紺碧の海
茫々と広がる緑の湿原
きゆっきゅっと踏みしめて歩く雪の降る街
どれも、遠くへ来たことを知らせてくれる
人は何故、旅にでるのだろう?
それは、さまざまな異文化がそこにあるからだよ
細い路地の残る歴史漂う城下町
新開拓されたロマン溢れる島
早くから外国との交易が盛んだった街
京なまりの残る大秘境
日本はとても広い国だったことに気づく
人は何故、旅にでるのだろう?
それは、予期せぬ事態に遭遇するからだよ
そんな時、頭の中を隅々まで巡らせて
ひとつの決定までのプロセスがまた楽しい
スリルと不安と未知への好奇心
これらがごちゃごちゃになって
違った緊張感がみなぎってくる
人は何故、旅にでるのだろう?
それは、人との出会いがあるからだよ
心と心の波長が合って
人との出会いが起こる
そこで出会った人々は
優し<旅人を迎えてくれる
これらは全て、現実からの逃避ではないか!
いいや、ちがう。
旅とは未知への開拓である
旅が進むにつれて
その人の胸のうつわには
様々な感動が、次々と満たされていく