![]() 大観覧車と菜の花畑 |
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今や「お台場」は東京の観光名所のひとつとなっており、国内はもとより海外からの観光客も足を運ぶところである。昨年には世界最大級の観覧車が完成し、ますますレジャーランド化しているお台場である。しかし、東京都が開発したこの臨海副都心、もともとは業務地区と居住地区と商業地区がバランス良く配置された都市を描いて計画されたものであるが、近年の不況により企業の進出が少なく、かつての「太陽に吠えろ」が放送されていた当時の新宿副都心(超高層ビルの立ち並ぶ地域、もとは淀橋浄水場であった)のように、だだっぴろい空き地がただただ広がる光景が見られ、出鼻をくじかれた感のする開発である。
東京都の借金は臨海副都心開発によるものが大きなウエイトを占めている。なにしろ、インフラストラクチャーに非常にお金がかかっているのである。島内(お台場は建設残土等によって埋め立てられてできた島である)の道路下には地下鉄の規模とおなじような共同溝が網の目のように張り巡らされ、その中には電気・ガス・上水道・下水道はもちろん、ゴミ収集管なども埋設されており、ゴミは大きな掃除機のようなバキュームでゴミ収集場までパイプで吸い上げる方式がとられている。電柱はもちろん立っておらず、きれいな街並みが形成されているが、ヒューマンスケールで建物が配置されておらず、歩いて各施設をまわろうとすると、ちょっと歩き疲れる距離である。(つまり、机上で線を引いて計画された街なので、人間の生活する尺度・スケールで建物や道路(街路)の配置がされていないのである。この問題はお台場に限ったことではなく、世界の計画されて作られた都市(キャンベラやブラジリア、筑波学園都市など)でも同じことが人工都市の問題として議論されている)
業務・オフィスの進出が少ない代わりに、レジャー産業である室内テーマパークや13スクリーンの映画館、車のショールームなどが進出しているため、お台場がレジャーランドの様相を呈しているのである。そんな中で文化が育ち、土日には空き地を利用したフリーマーケット等が開催されている。入場料300円を取られるが、中に入ると、自動車の横で古着やおもちゃなどを地面に並べてセールしており、こんな汚いクツを誰が買うのかと思ってしまうものもあるが、貴重なブランドの品物なのだろうか、たぶん購入していく人がいるのであろう。古CDやプラモデル、茶碗などの食器類、いろいろなものが売られている。
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