豊洲埠頭(豊洲鉄鋼埠頭)【東京考察#151】

The Toyosu steel wharf


豊洲埠頭


 区分地図を眺めていて前々から気になっている場所があった.晴海埠頭とお台場の間にある「豊洲埠頭」と書かれている場所(豊洲6丁目)で,ここだけ道路も無機質に中途半端に引かれていて,東京鉄鋼埠頭と東京ガスと東京電力火力発電所の3つの施設のみが記載されている未知の場所である.バスも地下鉄も走っていないので,交通手段は徒歩かタクシーしかない.どんなところか行ってみた.

豊洲駅からタクシーをひろい,「豊洲埠頭の行けるところまで行ってください」と頼んだ.タクシーの運転手さんもあまり豊洲埠頭には詳しくないらしく,とりあえず行ってみるからといった返事だった.道路の歩道には草がぼうぼうと生えており,綺麗に管理されているとは言えない道路を走っていった.周りには高い建物が建っておらず,殺伐とした空間が広がっている.お台場の開発前もこのような感じだったのだろう.左手には今現在有明が終点となっている「ゆりかもめ」の豊洲までの延伸工事が行われており,新駅も建設されるようで,このあたり一帯を区画整理して新たな街を造っていく計画があるようである.
ガスの科学館への入り口となる東京ガス門前で道路は終わりとなっていたので,ここでタクシーを降りた.ガスの科学館は予約制の科学館なので,事前に連絡を入れていないと立ち入ることができない.そもそも一般の人が気軽に訪れるような場所に造られていない.バスもなにも走っていないのだ.
周囲を歩いていると,新交通システムゆりかもめの工事や土地の造成工事,晴海埠頭と結ぶ橋梁の架設工事を行っていた.将来の街開きに向けて整備が進められているようである.現在は使用されていない東京鉄鋼埠頭の大きな建物が,解体の日を待ち続けていた.もぬけの殻となっている事務所や売店跡もあって,ひとけも全くないことからまさに「廃墟」といった空間である.すぐとなりは賑やかな「お台場」があり,また反対側には世界各国の豪華客船が停泊する「晴海埠頭」がある中,この「豊洲埠頭」だけは異様な光景が広がっている.
もともと豊洲埠頭は,鉄鋼資材等を積み上げるための大型船舶が停泊できる埠頭が整備されており,東京ガスの豊洲工場や東京電力の火力発電所が建っている工場地域であった.近年の臨海部の再開発によって鉄鋼埠頭の機能や工場などは郊外に移転し,その跡地を再開発しているのである.臨海部(豊洲)土地区画整理事業が進行しており,住居・商業・業務・文化が複合した街づくりの実現に向けて事業が進んでいる.さらに,埠頭の先端部には東京の台所として有名な築地に存在している魚市場の移転先として「豊洲市場」の建設が決定されている(平成24年移転予定).


新交通システム・ゆりかもめの工事が行われている


平成17年度に豊洲-有明間が開業する予定


東京ガス豊洲工場(ガスの科学館)入口
休日なのに「本日休館日」の看板が掲げられていた.
なお,ガスの科学館は,豊洲埠頭の豊洲駅寄りに移転される予定.
ここから先へは行くことができない.豊洲埠頭はここで行き止まり.
将来は築地市場の移転先としての「豊洲市場」が建設される予定.


歩道には草が生えている.
背後の丸い建物は東電火力発電所の跡地に建てている建物


東京鉄鋼埠頭(株)の建物 もうじき取り壊される

 
かつての売店跡と事務所跡

 
広大な更地が広がる豊洲埠頭 まもなく再開発されるのか?


晴海埠頭と結ばれる橋


平成18年3月に豊洲まで開業した「ゆりかもめ」から見た豊洲埠頭


これから街の開発が行われる


ゆりかもめの車窓から


今は,何もない