赤坂料亭「金龍」の建物内【東京考察#197】

Akasaka Japanese-style restaurant ” Kinryuu ” building


金龍の床の間


 赤坂にあった料亭「金龍」は,政界や著名人によく使われた高級料亭である.おそらく一見さんはお断りの店であったであろう.時代の流れにより,派閥接待や料亭遊びが減少していったこともあり,ついにこの金龍も閉鎖を余儀なくされることになった.夜になると店の前にはVIP用の黒塗りの車とボディーガード兼警備員が物々しく集まっており,赤坂を代表する光景でもあった.閉鎖された金龍の建物は,日本の伝統的数寄屋建築の近代化に努め,近代数寄屋を開拓した建築家吉田五十八先生の息のかかった芸術的建築物であり,非常に価値ある建物なのであるが,取り壊しが決定されており,店主のお計らいによって最後に若手人気陶芸家の展覧会が開かれた.その展覧会の模様と一般人!?は入ることのできなかった料亭建物の内部を公開する.
なお,閉店当時は建物を取り壊して一部を移転保存するとのことであったが,建物をそのまま活用し,料亭ではなくレストランパブ「赤坂金龍」として2009(平成21)年に再オープンすることとなった.


【いただいたメールの内容】
当店記載有難うございます。日本の文化を継承していきたく頑張ってまいりましたが、この度金龍を閉店致しました。
しかし、日本の伝統的数寄屋建築の近代化に努め,近代数寄屋を開拓した建築家吉田五十八先生の息のかかった芸術的建築物を壊すには忍びなく、最後に芸大出身の前田正博先生 百田輝先生 川松弘美先生など若手人気陶芸陶芸家12名の展覧会を2006年6月23日より6月30日まで、金龍にて開催致したく考えております。
この機会に出来るだけ沢山の方々に近代陶芸の美と新興数奇屋の美をお楽しみ頂ければ、幸いと考えております。是非よろしくお願いいたします。



金龍の正面

入口

玄関部分

奥に続く廊下

1階奥の部屋 窓の外には日本庭園

同じく1階の部屋
 
男子便所
手を洗うところが珍しい

時代を感じさせる電灯スイッチ

窓の格子が横になったり縦になったりといった
デザインが珍しいとか

2階の奥の部屋

竹細工の椅子が置かれている

居心地のいい空間である

長嶋監督が1年で監督解任となったとき
監督とオーナーが会談した部屋だとか

2階の大広間

陶芸家の紹介が障子のしきり扉?(なんて言うのか)に貼られている

サロンルーム
 
階段を降りる