磐梯山は,会津の人々にとって心に刻み込まれているランドマークである.標高は1819m,猪苗代町,磐梯町,北塩原村の3町村にまたがっている山で,別名会津富士,会津磐梯山とも呼ばれている.磐梯山は活火山であり,806(大同元)年と1888(明治21)年に大噴火を起こしているが,806年の噴火の時に磐梯山頂部分がふっとんで,当時は3000m程あった富士山のような姿だった容姿から,現在のように櫛ヶ峰と赤埴山と磐梯山からなる3峰の形になった.そんな磐梯山は,日本百名山のひとつでもあり,シーズンになると多くの登山客で賑わっている.特に頂上からの360度大パノラマの眺望は素晴らしく,裏磐梯湖沼群や猪苗代湖,会津盆地などの絶景を眺めていると,それまでの苦労がいっぺんに吹っ飛んでしまう.
登山ルートは全部で6つあるが,若松方面の磐梯町と裏磐梯とを結ぶ有料道路・ゴールドラインの途中にある八方台登山口からの登山は,最も標高差が少ないため,多くの登山客の一般的なルートとなっている.初心者でも大丈夫なルートである.なお,五色沼自然探勝路のようなハイキングコースではなく,あくまでも登山となるので初心者コースといえどもそれなりの準備をして登山に臨むようにしたい.頂上までは2時間~2時間半程度でつく.弘法清水についたときの清水の冷たさ,山小屋でのナメコ味噌汁の塩味,頂上での絶景を味わうと,充足感で満たされる. |
磐梯山ゴールドライン
有料道路は入場時に料金を支払う.普通車730円(2007年現在)
八方台登山口は,有料道路の途中にある. |
八方台登山口の駐車場
約50台が止められる.トイレもついている.
磐梯山方面と猫魔ヶ岳・雄国沼方面への登山口. |
八方台登山口
いよいよ磐梯山への登山開始である. |
しばらくは緩やかなブナ林を進む
まだまだ余裕.ここで無理すると,あとが大変となる・・・. |
約30分でひらけて「中の湯」となる
硫黄の臭いが立ちこめており,かつては「磐梯温泉中の湯」の温泉旅館があった |
登山道脇には,硫化水素の鉱泉がアワとともに噴出している
熱くはなく,噴煙もない. |
中の湯旅館跡は,今でも廃墟のように建っている.
その前には温泉湧出箇所があって,
今となっては底が泥となっている露天風呂があり,
野湯秘湯ファンが服を脱いで入っていたりしている.
(登山道から丸見えである)
どういうわけか,カゴとオケが置いてある.
しかし,硫化水素ガスの濃度が高くなると危険なので,
あまり近づかないほうが賢明である. |
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八方台登山口から中の湯まで1.1km
これから先の弘法清水まで1.7kmと書かれているので,
(写真はちょっと先の裏磐梯登山口との分岐で1.6kmとなっている)
「な~んだ,あとちょっとだ!」と安心してはいけない.
ここから急登がはじまるのである.
弘法清水までは,約1時間かかる. |
自分のペースで無理せず登りを続ける |
途中,視界が広がるところがある.
ここは火口壁の頂部となっているところ.
眼下に広がるのは裏磐梯の檜原湖・小野川湖・秋元湖
ロープ柵のところで眺めると,銅沼(手前下)や火口原・火口壁が見える.
一休み,ひとやすみ. |
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急登が終わると,ちょっと下りがあったりして平らな道となる.
木の根っこを跨いで歩いていく.ブナやダケカンバの樹林帯である. |
だんだんと大きな樹木が少なくなっていき,笹の中を歩いていく. |
途中,ちょこっと頂上が見える箇所がある.
「まだ,あんなに登るの~」とげんなりしてはいけない.
冷たい清水の飲める「弘法清水」まではすぐそこなので,
あとひと踏ん張り,がんばろう. |
右に行くと弘法清水直行,左に行くとお花畑経由となる.
お花畑経由でも約100m遠いだけで弘法清水に行けるのだが,
眺望のよいお花畑は帰りにゆっくり経由することにして,
もう一踏ん張り,弘法清水へ直行することとする. |
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弘法清水
右側の塩ビ管から清水が出ている.
売店が2つある. |
コンコンと湧く「弘法清水」
こんな高いところに清水が湧くなんて不思議である.
ちなみに,弘法清水は4合目であり,頂上は5合目である.
噴火前の磐梯山によるものか. |
弘法清水には鐘が置いてあり,登山途中で鐘の音が近づいてくると,
弘法清水が近いんだな,と感じさせてくれる.
昔は鐘のところに
「気軽にあいさつ.Let’s say Hello」
と書かれた木の札が掛けられていた. |
奥にある「弘法清水山小屋」でなめこ汁を食べた.
これがうまかった.会津の味噌とナメコと姫竹が入ったもの. |
弘法清水から裏磐梯の眺望は最高である.
体力を取り戻して,頂上まであともうちょっとである. |
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弘法清水への入り口脇に,頂上までの登山道がある.
頂上までは約25分.一気に頂上まで登る. |
急登が続く.でも時々,裏磐梯・猫魔の絶景が見れる.
ガレた石が多くなってきた.頂上までもうすぐだ. |
もしかして??? |
頂上到着.
頂上はガレ場となっていて,祠がひとつ建っている. |
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背景の湖は「猪苗代湖」 |
こちらは,会津盆地方面 |
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弘法清水から見たお花畑コース
背景の湖は裏磐梯の「檜原湖」
下りはこちらを経由した |
また違った景色が広がる.
シーズンには様々な花が咲くという |
お花畑からは,弘法清水の売店小屋と山頂が見渡せる |
櫛ヶ峰が望める
裏磐梯の荒々しい火口壁の頂上周辺 |
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なお,磐梯山は,裏磐梯側の火口原の荒涼とした風景,
爆発の凄さを感じる火口壁の荒々しさも魅力のひとつである.
その火口原や火口壁を見ながら登山する裏磐梯・川上ルートもある.
ただし,裏磐梯・川上ルートの火口壁を登りきるコースはきついので,
弘法清水まで登らなくても,銅(あか)沼や火口原まで歩くだけでも,
素晴らしい風景が堪能できる. |
火口壁の頂部から裏磐梯方面の下を撮影した写真.
左上が銅沼で,中央の緑が点在しているところが荒涼とした火口原
転げ落ちたら真っ逆さま・・・である.
(なお,この風景は今回の通常のルートでは見られません)
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【公共交通案内】
●八方台登山口までの路線バスはなし (猪苗代駅または裏磐梯高原からタクシー利用) |