③第3中継地点:中田河岸(伊達市)⇒(県境 福島県→宮城県)⇒④第4中継地点:大張(丸森町)⇒⑤第5中継地点:丸森船着場(丸森町)⇒⑥第6中継地点:角田船着場(角田市)
8.第4中継地点(大張)まで
このカヌー大会で最大の難所とされている県境越えの区間である.沿道の道路から阿武隈川を見てみると,どのチームも苦戦していた.急な流れによって次々と「沈」しているのである.いままでの田畑が広がる田園地帯から,緑の山が屹立と迫るあぶくま渓谷となるので,風景としては最高なのであるが,流れとして捉えると,岩の露出があり,流れの速い瀬があり,馬洗滝・猿羽根滝・野呂滝といった流れの速いせせらぎがあったりと,初心者にとってはやはり難しい.半分以上のカヌーがこの区間で「沈」したということである.あまりにも流れが速いところや浅瀬となっているところは,カヌーでの通過を禁止し,急遽陸上(河岸)をカヌーを持ちながら歩いて移動していた.
この渓谷を抜けると,流れは緩やかとなって,第4中継地点に到着となる.次の中継地点の再スタート予定時刻は14時30分であったが,時間になっても1艇も到着しなかった.それだけ難所の区間なのであった.最初のカヌーが現れると,河岸で待っていたギャラリーは大きな声で声援を送った.そして,大きな拍手で選手達をねぎらっていた.既に15時を回っており,前(第3)中継地点の再スタートが13時だったので,2時間以上カヌーとともに戦っていたことになる.
矢印のところに「沈」して流されているカヌーがいる
救助艇によって救助される
カヌーを持って河岸(陸)を移動する選手達(左から2番目がチーム山土)
漕げる場所まで歩いていくチーム山土
なかなか到着しないカヌーを待つ選手
第4中継地点は山に囲まれたところ
約1時間遅れてカヌーがやってきた.みんな総出で労いの拍手を送る
「がんばれ~ あとちょっとだ~」
やっとゴールしたチーム山土
区間タイム(順位)を見るメンバー.現在12位
時間がおしている.選手を交代し,すぐに再スタートとなって,河口を目指した.
9.第5中継地点(丸森船着場)まで
県境を越えた阿武隈川は,再び緩やかな流れとなっていた.第5中継地点(丸森)からは船着場が整備されており,そこがリレーの中継地点となっている.
チーム山土の成績は現在12位.朝のスタート地点では冴えない顔をしていたメンバーであり,第1・2中継地点での最初の競技を終えたときは疲労困憊の顔つきをしていて,このままゴールまでもつのかと心配していたが,段々と競技に慣れてきたのか2回目の競技を行った後は,みな顔つきが穏やかになっていた.
そして,
「どうやったら早く漕げるのだろう」
「いくら一生懸命漕いでもだめで,3人がリズムを合わせて漕がないと前に進まないよ」
「先頭の人が右側を漕いでいるときは,後ろは左側を漕いで,バランスを保たないとまっすぐ進まない」
「3人のコミュニケーションというか一体感が必要だ」
などといった感想が聞かれるようになっていた.
さあ,第5中継地点で選手交代すれば,本日最後の区間となる.疲労がピークに達しているが,もう一踏ん張りである.
第5中継地点(丸森船着場)
上陸地点を誘導するスタッフ
続々とゴールを目指すカヌー
チーム山土もゴール
第5中継地点での再スタートではちょっとした沈ハプニングがあった.スタート直後のカヌー達は我れ先に本流を目指して漕いでいくのであるが,そのときにあまりにも隣同士が接近していると,カヌー同士が接触して「沈」してしまうことがある.特に,第5中継地点では,コンクリートの岸壁があるために,一旦斜め上流側へ漕いでから下流側へ舵をきってカヌーを進めていくこととなっており,上流側に向かって漕いでいたカヌーがそれぞれの判断で下流へ舵を切ったときに,平行に漕いでいた隣のカヌーと接触して「沈」してしまったのである.
チーム山土はこれに巻き込まれることなかったが,3艇ほどのカヌーが沈をしていた.それでも,救助艇の救助により直ぐに体制をたて直し,ちょっと出遅れたがゴール目指して再び勇壮に漕いでいった.
スタート直後.一旦斜め上流に行ってから下流側に舵をきる
しかし,接触により次々と「沈」
これに巻き込まれなかったカヌー(上側)は,ゴール目指して漕いでいった
救助艇によって体制を立て直す.川は流れているので,放っておくとどんどん流される.
10.1日目のゴール・第6中継地点(角田船着場)
1日目最後の区間は約10kmの区間であった.だんだんと大きくなっていく阿武隈川をひたすら漕いでいく.そして,角田市にある船着場にカヌーが到着するころには,あたりは暗くなりかけていた.
全16艇が無事ゴールをすることができ,それぞれの選手たちが達成したという喜びの笑顔を浮かべていた.今日の区間は全6区間,まだ明日の3区間が残っている.ひとまず,1日目の駅伝レースを完走し,明日のレースへ備えるため,旅館へと向かった.
阿武隈川を漕いでいく
チーム山土のカヌー
1日目のゴール・角田船着場
17時をまわり,あたりが暗くなっていた
投光器を照らし,福島中央テレビの取材クルーもカヌーの到着を待っていた
ゴールしたチーム山土.笑顔が漏れていた.
1日目ゴール直後の「チーム山土」.みんないい笑顔になりました.
駅伝のタスキ(源流の水)もカヌーとともに河口を目指している.