「都バスでGO!~都バスで東京発見~」カテゴリーアーカイブ

旅の基本は路線バス! 都バスを路線ごとに紹介. 街を眺めるのにはバスに乗るのが一番です.地域の雰囲気が空間で伝わってきます.東京の中を縦横無尽に走っている都バスにのって,素顔の東京を発見するのもいいのではないでしょうか.

快速バス 東京駅丸の内南口-お台場循環[都バスで東京発見]

東京駅から銀座・レインボーブリッジを経由してお台場までを結ぶ座席定員制の快速バス路線

快速バス 東京駅丸の内南口⇔お台場循環(経由)お台場海浜公園駅・船の科学館駅 目黒営業所

路線keyword:レインボーブリッジ,お台場,臨海副都心,銀座


今や一大観光スポットとなっているお台場までを結ぶ路線であるが、観光バスの車両を用いた座席定員制の快速バスで、料金が300円となっている。お台場までのアクセスとしては新交通システムのゆりかもめが思い浮かぶが、東京駅からお台場に行こうと思った場合、新橋でゆりかもめに乗り換えるよりも、この快速バスを利用した方が値段も安いし快適である。また、快速バスのサービスとして誕生日に乗車する人は無料になる特典がある。
発車は東京駅丸の内口(赤煉瓦駅舎)の南口から出発する。東京中央郵便局前を発車し、東京日帰りツアー観光の定番であるはとバスのりば横を通り過ぎ、元都庁跡地であった東京国際フォーラムの横を走っていく。
看板のないすっきりとした丸の内のビジネス街から有楽町・銀座のネオンきらめく賑やかな街に入っていく。マリオン前・銀座4丁目で乗客を乗せ、あとはお台場まで直行する。
三原橋交差点で昭和通りへ右折する。左手を眺めると歌舞伎座の江戸時代を思わせるような面構えを見ることができる。
右手に汐留の再開発地、左手に浜離宮庭園の緑を眺め、ゆりかもめの水色の高架橋が現れると、それに沿って走っていく。左手に四季劇場が過ぎ去り、三宅島や八丈島・小笠原諸島への乗船口である竹芝桟橋となる。竹芝桟橋は新しくリニューアルされ、真新しい再開発ビルが建ち並ぶ。
浜崎橋で運河を渡り、左手にレインボーブリッジが現れると、隅田川やお台場への水上バスのりばのある日の出桟橋となる。はとバスなどの大型観光バスが数多く停車している。
バスはお台場・船の科学館駅まで、ゆりかもめの高架にそって走っていく。大倉庫群の建つ芝浦埠頭を走り、レインボーブリッジにさしかかる。レインボーブリッジは2層構造となっており、上が首都高速道路、下が一般道路とゆりかもめとなっている。このバスは下の一般道路を走っていくのであるが、これらは橋への勾配やカーブのアプローチがとれないため、ぐるりとループ状に1周走って坂を上り橋にのっかるルートをとっている。左手にフジテレビ本社、コンテナ埠頭、天王洲アイル、東京タワーを見て、ぐるりと右回りに1周し、レインボーブリッジに入る。
非常に眺めはよい。といってもフェンスや橋の構造物で視界が遮られることもあるが、晴海埠頭や東京港が一望できる。江戸時代の砲台が配備されていたお台場が右手に見えて、橋を終わると臨海副都心・お台場海浜公園駅となる。
副都心とは、都心部への業務機能の集中を分散させて多心型都市構造への転換を図るために設けられた地区のことで、池袋、新宿、渋谷、大崎、上野・浅草、錦糸町・亀戸、そしてこの臨海副都心の7つが副都心として指定されている。東京都市博覧会の中止決定以降、景気の低迷も影響して、臨海副都心開発の見直しについての議論が行われ、就業人口10万6千人、居住人口6万3千人の街から、7万人が働き、4万人が生活する街を開発することに変更された。開発目標年度は21世紀初頭を目指して国際化・情報化に対応した機能を整備する計画である。
さらに細かく臨海副都心を探ってみると、有明北地区、有明南地区、台場地区、青海地区の4つの地区に分かれており、それぞれテーマを設定して開発が行われている。ちなみに臨海副都心全体のテーマは「国際化、情報化に対応した未来型の副都心」となっている。
臨海副都心の近未来的な風景のお台場をぐるりと走る。フジテレビ前、台場駅、船の科学館駅、パレットタウン(青海駅)と止まり、東京駅へ向かう乗客と、東京駅から乗ってきた乗客が少しずつ入れ替わっていく。そして、バスは再び銀座4丁目・東京駅へ向けて戻っていく。循環バスなので、ぼけっとしていると戻ってしまうので注意が必要である。

なお,現在この路線は廃止され,運行していない.

田99 品川駅東口-港区スポーツセンター[都バスで東京発見]

港南・芝浦埠頭界隈の老舗の埋立地を走る路線

田99 品川駅東口⇔港区スポーツセンター(田町駅)(経由)汐路橋 目黒営業所

路線keyword:港南・芝浦界隈,倉庫群,元祖埋立地,モダンなオフィス


朝と夕方しか走らない路線であり、芝浦埠頭への通勤を考慮して運行されているのだろうと思われるが、本数は20分に1本程度であり、それほど多くはない。
NTT品川ビル前の品川駅東口を出発すると、旧海岸通りを横切って御楯橋を渡ってすぐ左折する。右手に芝浦第2住宅の団地群を見て、新港南橋で右折し、高浜運河を渡る。
首都高速1号線が見えると左折し、その下を走っていく。埋立地特有の殺伐とした倉庫群が車窓に広がる一方で、モダンなオフィスが建っている。一時は「ジュリアナ東京」などの倉庫跡とディスコとして開発した事例があったが、やはり芝浦の基本は流通倉庫である。汐路橋で左折する。そして、田町駅を過ぎて、港区スポーツセンター終点となる。

品99 品川駅東口⇔品川埠頭循環[都バスで東京発見]

品川埠頭を複雑な循環ルートで走る路線

品99 品川駅東口⇔品川埠頭循環(経由)東京港湾合同庁舎・品川埠頭 品川営業所

路線keyword:品川埠頭,水上警察署


品川駅東口を出発すると旧海岸通りを横切り、高浜運河を御楯橋で渡るとすぐ左折する。右手には都営港南団地が現れ、港南三丁目交差点を右折する。首都高速1号の高架道路と東京モノレールのレール下を横切り、左手に東京港湾合同庁舎が見えてくると港南大橋で京浜運河を渡る。橋の上からは海に浮かぶ海上保安庁の巡視艇やレインボーブリッジの迫力ある全姿を眺めることが出来る。
橋を渡ると品川埠頭である。右に大きくカーブしてバスは道なりに沿って直進する。左手に東京税関が現れると東京税関停留所となる。周辺には物流関係の企業が多く立地しており、大きな倉庫が並んでいる。
埠頭通り停留所あたりから、客の流れが変わる。ここまでは品川駅から乗った乗客が降りる一方であったが、ここからは品川駅に向かう客が乗車してくるようになる。大きく右にカーブすると、品川火力発電所停留所になり、左手に東京電力の発電所が存在する。
次の交差点でバスは右折する。今通ってきた道の1本東側の道路を今度は逆方面に走っていく。左手には天王洲アイルのビル群が立ち並び、夜になると運河に面する木製デッキ部分に照明が灯され、対岸にいてもそのムードは充分に伝わってくる。
バスは港南大橋の陸橋下を走り、海に面する道路を走っていく。海上には警視庁の船が何艘か浮かんでおり、しばらく走ると水上警察署前となる。正面に品川埠頭の内貿上屋が見えると、左前方にレインボーブリッジを眺めながらバスは右折する。
左手に埠頭岸壁を見ながら、さらに右折して品川埠頭岸壁入口停留所となる。次の交差点をまたまた右折してバスはぐるぐる品川埠頭の中を回っていく。そして、港南大橋を再び渡って品川埠頭を後にして、終点品川駅東口を目指して走っていく。

井98 大井町駅東口-大井水産物埠頭[都バスで東京発見]

大井町駅からコンテナ埠頭を通って水産物埠頭までを結ぶ通勤路線

井98 大井町駅東口⇔大井水産物埠頭(経由)青物横丁・5号バース 品川営業所

路線keyword:大井埠頭,大井コンテナ埠頭,大井水産物埠頭


大井町駅から大井埠頭までの通勤アクセス路線である。大井埠頭までの路線はこの他に品98(甲)系統が存在しているが、本系統は大井埠頭を直通で結ぶという目的から、品98(甲)系統とは違う運行経路を走っている。大井埠頭へ向かうバス路線の運行形態はかなり複雑である。
「直通 大井ふ頭」と書かれた行先方向幕を掲げ、バスは品川区総合区民会館きゅりあん・丸井前のロータリーから発車した。朝は大井埠頭方面が混雑し、夕方は駅方向の便が混雑する。逆方向の便は誰も乗車しておらず、空気を運んでいる状態になる。
仙台坂を下って第一京浜を横切り、青物横丁を過ぎる。海岸通りと交差すると、中央車線に入って陸橋を上り京浜運河を大井北ふ頭橋で渡る。左手に天王洲アイルのビル群、右手には八潮パークタウンの団地群を眺めることができる。ここから大井埠頭である。
左手前方に大井火力発電所の煙突を見て、周囲の視界が開けているカーブを右に曲がりながら陸橋を下りる。そして、2号バースとなり、以後3号バース、4号バース……と、コンテナ船からコンテナを積み下ろす基地のオンパレードとなる。夜になると、バース内にはオレンジ色の照明が照らされ、一種独特の風景を見ることができる。
6号バースを出ると、左手に日本郵船を見ながら右折し、東京税関大井出張所前に立ち寄るルートを走る。再び同じ道路に戻って8号バースとなる。
植物防疫所大井出張所を出ると左折し、大井水産物埠頭入口停留所となる。ここで品川区八潮から大田区東海に地名が変わる。と同時に、埠頭の役割もコンテナ埠頭から水産物埠頭に変わる。ここから先の路線は、午前便と午後便とでルートが変更する。午前便は右折して、ニチレイ、大井埠頭シャーシープールを経由して大井水産物埠頭となり、午後便は直進して大井水産物埠頭にて一旦終点となり、大井町駅行となって大井埠頭シャーシープール、ニチレイを経由して大井町駅に向かうルートとなる。

品98丙 品川駅東口⇔大田市場(急行)[都バスで東京発見]

品川駅と大田市場をノンストップで結ぶ路線

品98丙 品川駅東口⇔大田市場(急行) 品川営業所

路線keyword:大田市場(東京都中央卸売市場),急行バス


朝早い市場へのアクセスの為に設けられた路線であり、5時32分の始発より6本のみがノンストップの急行バスとなる(現在は日中も走っている)。大田市場までは約20分で到着する。品98(乙)系統の大田市場行とは走行するルートが異なる。
品川駅東口(港南口)を出発すると、新港南橋交差点にて右折し、旧海岸通りを南下する。天王洲橋で運河を渡ると、左手に天王洲アイル(→p.)の再開発ビル群が現れて、バスは左折し新東海橋で高浜運河を渡る。今度は京浜運河を品川埠頭橋で渡って右折する。運河の多さは湾岸の埋立地であることを実感する。
左手に火力発電所の赤白に塗られた煙突を見ながら、バスは柳の街路樹の植わる道路を南に進む。左手に大井清掃工場を見て大きく左にカーブすると、首都高速湾岸線を渡って右折する。左には東海道新幹線の広大な車両基地が広がり、のぞみ号やひかり号が出番を待っている。右には八潮パークタウンの高層住宅群が建ち並んでいる。バスは中央に首都高速湾岸線を挟んだ国道357号線をひたすら快走する。
環七大井埠頭交差点で環七通りに左折し、すぐに左の側道に入って右に曲がり、大田市場北門をくぐり抜ける。市場内に入ると、段ボール箱・青果物・ターレット車・トラックなどが目に飛び込んでくる。場内は広々として整然としており、スケールが大きい。
大田市場は、秋葉原に存在していた神田市場が平成 年に移転してきたものであり、築地市場とは違ってござっぱりとしている。敷地面積約39万㎡、青果、水産、花などを扱っている。場内には見学者用の徒歩コースも設けられており(無料・いつでも見学可)、建物内の上部からセリ(5時30分~8時30分頃)などを見学することができるようになっている。
市場内のバスはループ運行となり、市場の建物を右手に見ながら大田市場北門→水産棟と右回りに走って、正門・事務棟のある大田市場に到着して終点となる。

品98乙 品川駅東口⇔大田市場[都バスで東京発見]

品川駅・大井コンテナ埠頭・大田市場とを結ぶ路線

品98乙 品川駅東口⇔大田市場(経由)5号バース 品川営業所

路線keyword:大井埠頭(コンテナ埠頭),大田市場,倉庫群,コンテナ,湾岸埋立地


品川駅と大井埠頭とを結ぶ路線であり、終点の大田市場を除いて品98(甲)系統の品川駅東口-大井町駅東口線と同じルートを走る。
品川駅東口(港南口)を出発すると、新港南橋交差点にて右折し、旧海岸通りを南下する。天王洲橋で運河を渡ると、左手に天王洲アイルの再開発ビル群が現れて、バスは左折し新東海橋で高浜運河を渡る。今度は京浜運河を品川埠頭橋で渡って右折する。運河の多さは湾岸の埋立地であることを実感する。
左手に大井火力発電所の煙突、東京港海底トンネルの出入口を見ながら、バスは左折して陸橋を下りながら右にカーブしていく。そして、コンテナ埠頭となり、2号バース、3号バース……と「バース」の連続となる(→p.)。周囲を走る車は、ほとんどがコンテナ車であり、埠頭内に入場を待つトラックの列が、道路の端にズラリと並んでいる。
運輸・物流関係の社名が記載された巨大な倉庫群の中を走り、側道に入って左に曲がると大田市場北門を通り抜け、市場内を右回りに走って終点大田市場に到着する。

品98甲 品川駅東口⇔大井町駅東口[都バスで東京発見]

日本有数のコンテナ埠頭・大井埠頭をぐるりとめぐる社会科見学路線

品98甲 品川駅東口⇔大井町駅東口(経由)5号バース・大井競馬場 品川営業所

路線keyword:大井埠頭,コンテナ,倉庫群,バース,東京港野鳥公園,大井競馬場,湾岸臨海部


JR京浜東北線を利用すれば僅かひと駅3分の区間を、このバスは約1時間もかけて大井埠頭をぐるりと1周する。非日常的な空間を味わいたい時には、この路線に乗車することをお薦めする。
大井埠頭へのバス便は、この路線以外にも太田市場行や大井水産物埠頭行、さらには品川駅からの路線や急行便など数系統運行されており、それぞれルートや運行時間帯が若干違って複雑なので、全てを把握するには少々厄介な地域である。大井埠頭の骨格的な路線はこの品98(甲)系統である。
大井町駅東口の丸井前よりバスは発車し、仙台坂を下って第一京浜を横切る。昭和6年までは品川青物市場があった青物横丁を過ぎ、海岸通りに入って南下すると、東京陸運支局と免許更新時にお世話になる鮫洲運転免許試験場が左手に現れる。試験場の道路を挟んだ向かい側には品川自動車教習所があり、敷地のない都市の教習場らしく2階建ての教習コースが眺められる。ここで、正面やや上部に目を移すと、ニュース等を流す巨大な電光掲示板とサントリーの巨大なネオン広告が見える。夜になるとひときわ目立つ色彩を放つが、これは羽田空港に離着陸する飛行機の乗客に向かって宣伝するために取り付けられた広告なのである。この左手上空は羽田空港A滑走路に離着陸するときの飛行ルートとなっており、巨大な飛行機を間近で見ることができる。運が良ければバスとの併走がみられる場所である。
正面突き当たりが大井競馬場である。バスは左折し、東京モノレールの下をくぐり抜けると、京浜運河を勝島橋で渡る。右前方には大井ふ頭中央海浜公園の緑の茂みが見渡せる。この運河を越えると大井埠頭に突入する。
首都高速湾岸線が現れるとバスは右折し、高速沿いの国道357号線を走る。左には東海道新幹線の車両基地が見える。そしてバスは左折し、環7通りへ入る。この辺りの環七通りは、都心とは違って8車線(片側4車線)もの道幅を誇り、広々とした空間が保たれている。同時に周辺には空き地も目立つようになった。
東京港野鳥公園を過ぎると、青や茶色の色とりどりのコンテナが目立つようになる。バス停名も「ダイトー大井物流センター」「丸全昭和アムウェイ」「鴻池運輸」「ニチレイ」などといった会社名称が多くなる。周囲を走る車は、コンテナを牽引したコンテナ車がほとんどである。一方、休日になるとこの大井埠頭はほとんど車の走らないゴーストタウンの様相を呈する。太田市場は右手奥に存在する。
右手にコンテナをコンテナ船に積み降ろしするクレーンと山積みにされたコンテナ群が見えるようになる。コンテナ埠頭と呼ばれる所以である。8号バース、6号バース、5号バース……2号バースと、バス停留所が「バース」のオンパレードとなる。バースとは船1隻分の接岸係留に要する水域のことをいう。大井埠頭は、京浜運河北側に位置する外国・国内貨物船と東京電力原油輸送船の大型船専用埠頭であり、8つ(8バース)の外貿コンテナ専用埠頭と2つ(2バース)の水産物専用埠頭を有する、昭和48年に完成した世界でも最大級のコンテナ埠頭である。。
右手に大井・品川火力発電所の煙突が現れ、ブルーに塗られた橋で京浜運河を渡ると天王洲アイルの超高層のビル群が見え、旧海岸通りを東京水産大学の脇を通って北上すると、終点品川駅東口となる。

東98 等々力(操車所)⇔東京駅南口[都バスで東京発見]

東京駅と世田谷区等々力を目黒通りで結ぶ長距離路線

東98 等々力(操車所)⇔東京駅南口(経由)目黒駅・東京タワー 目黒営業所

路線keyword:目黒通り,新山の手住宅地(目黒区),東京タワー,赤煉瓦駅舎


赤煉瓦駅舎の東京駅丸の内口(南口)から、山の手住宅地として人気の高い目黒区を通って、神奈川県との県境近くである世田谷区等々力駅までを結ぶ路線である。東急バスと共同運行しており、東京駅で赤い帯を締めた東急バスの姿を見ることができる。
内幸町までは黒10系統と同じルートを走る。
内幸町にて右折し国会通りに入る。右手には比谷公会堂・市政会館、都立日比谷図書館が現れ、バスは次の家裁前交差点にて左折する。まっすぐ進めば霞が関となって国会議事堂に突き当たる。家裁前交差点の左手にはロンドンの二階建てバスをそのまま喫茶店にした店が過ぎ去って、通産省前停留所となる。
中小オフィスビルの立ち並ぶ西新橋界隈の2車線道路をバスは南に走っていく。左手に東京慈恵会医科大学看護専門学校、続いて芝公園が現れて突き当たりを右折すると東京タワー停留所となる。東京タワーはあまりにも近すぎる為に右側の窓側に座って首をひねり上げないと見ることができない。左には東京プリンスホテルがある。
赤羽橋を通り桜田通り(国道1号)となる。三田二丁目にて右折すると右手に慶應義塾大学が現れて正門前となる。魚藍坂下を過ぎて清正公前になると目黒通りに右折する。ここが目黒通りの起点である。赤羽橋から清正公前までは右左折を繰り返したが、通り名は同じ桜田通り(国道1号)である。
坂を上って白金台となり、首都高速と交差してしばらく走ると駅ビル「サンメグロ」が見えて目黒駅前となる。
ここから先は東急バスのエリアとなる。権之助坂<説明>と呼ばれる大きな坂を下って目黒川を渡り、今度は坂を上って大鳥神社前となる。山手通りと横切り、かつては競馬場のあった元競馬場停留所となる。バス停の名前には、かつての街の様子を伝えてくれるものもあり、路線バス旅の魅力の一つである。
三代将軍家光の鷹狩りの狩猟地であった鷹番、そして碑文谷を過ぎ、柿の木坂陸橋にて環七通りと横切り、東急東横線のガードを上に見て都立大学駅前となる。この辺りは昭和以降に高級住宅街として人気の高くなった地域であり、現在の「山の手住宅地」と言えば目黒区・世田谷区あたりのことを指す。付近には芸能人も多く住んでいる。目黒通りからの風景では高級住宅街の家並みを見ることは難しいが、一歩裏の路地に入ると庭付きの豪華な一戸建て住宅が現れ、そこには東急バスが縦横無尽に走っている。
ケニア大使館のある八雲を過ぎ、目黒区から世田谷区に入って等々力となる。密度の低い住宅地の広がるところである。この辺りまでくると、丸の内や日比谷、霞が関のピリッとした緊張感の走る刺々しさがなくなり、静閑な住宅街の様相を呈するようになる。東急大井町線を越える陸橋には上らずに側道に入り、線路手前を右折する。そして終点等々力駅前に到着する。等々力操車所は少しまっすぐ行ったところにあり、始発はその操車所からの発車となる。

四97 品川車庫⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

品川・高輪・天現寺・広尾・西麻布・青山・新宿を結ぶお洒落路線

品97 品川車庫⇔新宿駅西口(経由)広尾橋・信濃町駅 品川・新宿営業所

路線keyword:青山墓地,赤坂御所,神宮外苑,外苑東通り,新宿・歌舞伎町,西麻布


平成12年12月の都営大江戸線の開通による路線改変によって、四97から品97となり、路線区間が四谷駅から新宿駅西口へと変更した。都03と田70系統を補う形となったのだろう。
都営北品川アパートの1階に品川車庫がある。品川車庫を出発すると、坂を上り八ツ山橋でJR線を越え、踏切で京浜急行の線路を通過する。京浜急行の線路はこの付近でカーブしており、さらに終着品川駅へ近いことから電車のスピードが出せず、踏切が閉まってから電車が通過し終わるまで時間がかかる踏切である。第一京浜の8車線もある広い通りを快走すると、左手に品川プリンスホテル、ホテルパシフィック東京の高層ビルが現れて賑やかになり、品川駅前となる。
ホテルパシフィック前を離れ、浅野家の菩提寺で浅野内匠頭や赤穂浪士47士の墓がある泉岳寺にてバスは左折し、坂とカーブの続く2車線道路を桜田通り目指して走る。周辺は高輪の高級住宅街である。魚藍坂を下って、魚らん坂下より北上し、古川橋となる。
古川橋より左折して明治通りに入る。古川橋交差点は明治通りの起点である。バスは古川とその川に沿って建設されている首都高速の高架橋を左に見ながら走っていく。四ノ橋を過ぎて、天現寺橋となる。この辺りの「○○橋」という地名は全て古川に架けられている橋の名前である。
天現寺にてバスは右折し、左手に都営広尾五丁目アパートを眺めると、テナントとして明治屋の入る広尾プラザ前(地下鉄広尾駅前)の広尾橋停留所となる。ここは付近に各国大使館があることから外国人を多く見かけるお洒落でハイセンスな店の連なる地域でもある。
男性ダンサーのストリップで話題となった「東京J’mens」を左に見て西麻布となる。六本木通り・首都高速と交差し、左手に青山墓地が見えてくると墓地下停留所となる。しばらくは墓石の続く車窓となる。お墓と道路はフェンスの柵で区切られているので、車から墓地が丸見えとなる。続いて青山斎場となり、墓地は赤坂高校停留所まで続く。西麻布から広尾にかけてはお洒落なオープンカフェやブティックなどが建ち並ぶ。外国人の乗客もちらほら乗ってくる。みんなお金持ちに見える。
カーブを過ぎると青山一丁目となって青山通りを横切る。再びカーブが続いて、右手に赤坂御所の森、左手に神宮外苑の森が現れて、緑の茂る空間をバスは走り抜けると、JR線信濃町駅前となる。左手に慶應義塾大学病院が見える。
バスは北に進み、四谷三丁目にて新宿通りへ右折する。四谷三丁目交差点の左前方には消防博物館の併設された四谷消防署があり、その屋上には真っ赤なヘリコプターが出動を待っている。
かつては、新宿通りを東へ進み、右手に上智大学と土塁の堤が見えると、終点四谷駅に到着していたが、地下鉄大江戸線の開通により新宿駅西口へと路線経路の変更が行われた。都03系統の新宿駅西口-晴海埠頭間が四谷駅-晴海埠頭間に短縮され、田70系統の新宿駅西口-港区スポーツセンター間の廃止を補う形となった。
新宿通りを左に曲がって西に進み、新宿御苑、新宿2丁目を通り越し、伊勢丹前で明治通りと交差する。ここから先は平日と土日でルートが異なり、平日はまっすぐ新宿通りをすすみ、紀伊国屋書店前やアルタ前を通ってJR大ガードをくぐる。土日は、靖国通りへ回って歌舞伎町を通りJR大ガードをくぐって西口に向かう。どちらにしても、道路渋滞の激しい所を走っていく。

井96 大井町駅東口-天王州アイル[都バスで東京発見]

大井町駅から天王洲アイルを結ぶ循環路線

井96 大井町駅東口⇔天王洲アイル循環(経由)青物横丁 品川営業所

路線keyword:天王州アイル


大井町駅から天王洲アイルを結ぶ、平日のみの運行路線であり、本数もそれほど多くはない。
大井町駅東口の丸井前より発車し、仙台坂を下って第一京浜を横切る。昭和6年までは品川青物市場があった青物横丁を過ぎ、海岸通りを横切ると突き当たりをバスは左折する。
東品川橋で運河を渡ると天王洲アイルとなり、左手に高層ビルの姿を見ることができる。日本航空本社のJALビル前を通って、天王洲アイル・パークスクエア停留所に到着する。
交差点で左折して新東海橋停留所となり、運河を新東海橋で渡ると再び左折し、シナネンカナルサイドビル前の昭和橋停留所となる。旧海岸通りを南下し、東品川を走って青物横丁を通り、仙台坂を上って大井町駅東口に戻ってくる。

品96乙 品川駅東口⇔JALビル[都バスで東京発見]

品川駅・天王洲アイル・日本航空本社ビルとを結ぶビジネスアクセス路線

品96乙 品川駅東口⇔JALビル(経由)天王洲アイル 品川営業所

路線keyword:日本航空本社ビル,天王洲アイル,東京水産大学


日本航空本社の天王洲アイル地区への移転に伴って平成8(1996)年に開設された新しい路線である。それまでの品96乙系統は、天王洲アイルを通って品川埠頭に入って品川駅に戻ってくる循環路線であった。本路線も品96甲系統と同様、ビジネス客の輸送を目的とした路線であるが、甲系統と違って祝休日に運休とならないのは、祝休日の天王洲アイルへの見物・観光客等のアクセスをも考慮してのことであろうか。平日の朝夕のバス車内は、ネクタイを締めたサラリーマンで混雑し、社内の噂話が聞こえてくる。
NTTのビルが立ち並ぶ品川駅東口を出ると海岸通りを横切り、高浜運河を御楯橋で越えると右手に東京水産大学の正門が現れる。車内の客層は、ネクタイを締めたサラリーマンが多い。突き当たりを右折して首都高速とモノレールに沿って南に走り、天王洲運河を天王洲大橋で渡ると天王洲アイルの再開発地区となる。そして、左手に日本航空本社ビルが現れて、ビル1階の専用バスポケットに入り、終点JALビルとなる。

品96甲 品川駅東口⇔天王州アイル循環[都バスで東京発見]

品川駅から天王洲アイルを結ぶビジネス循環路線

品96甲 品川駅東口⇔天王洲アイル循環(経由)食肉市場 品川営業所

路線keyword:天王洲アイル,東京中央卸売市場食肉市場,東京水産大学


天王洲アイルは約20haの面積を持つ埋立地の島全体の名称であり、かつては殺風景な流通倉庫群であったところを民間事業者が主体となって再開発を行ったところである。民間事業者による開発としては、最大級のプロジェクトである。平成4(1992)年に浜松町・羽田空港間を結ぶ東京モノレールに「天王洲アイル」の新駅が開業し、天王洲アイル・インテリジェントシティーの街開きとなった。
天王洲アイルの街づくりコンセプトは、「人間と知性と創造性に働きかける環境づくり」であり、オフィス・ホテル・住宅・劇場・飲食ショッピング街などが集まる話題のスポットである。運河に囲まれていることから、運河沿いには水に面して広場や公園・ボードウォークが整備されており、夜にはライトアップされたムードたっぷりの雰囲気の中で、東京湾の夜を満喫することができる。
本路線は天王洲アイルへのビジネス客を輸送する目的で設定されたものであり、ダイヤを見ると平日と祝休日とで極端に本数が違うことから一目でその事に察しがつく。
NTTのビルが立ち並ぶ品川駅東口を発車すると、旧海岸通りへ右折する。右手には食肉市場において日本最大の取扱量を誇る東京中央卸売市場食肉市場が現れ、バスは倉庫の建ち並ぶ地域を走っていく。
天王洲橋を渡ると、左手に天王洲アイルの高層ビル群のそそり立つ姿が現れる。バスは交差点で左折し、新東海橋を渡ると天王洲アイルと呼ばれる東品川二丁目の埋立地の島(アイル)に入る。さらに左折して、天王洲アイル停留所となる。商業施設等が多く営業されているシーフォートスクエアは右手側である。
バスは循環路線なので、今度は品川駅東口へ向かう。次の停留所が終点の品川駅東口となる。天王洲大橋を渡ると、左手には陸に上がった東京水産大学の雲鷹丸の船を見ることができ、報知新聞社停留所には止まらずに港南四丁目交差点で左折する。左手に東京水産大学の正門を見て御楯橋を渡ると、まもなく終点品川駅東口となる。
平日の朝夕のバス車内は、ネクタイを締めたサラリーマンでいっぱいになる。

反96甲乙 五反田駅⇔五反田駅[都バスで東京発見]

五反田駅を起終点として8の字運行する循環路線

反96甲乙 五反田駅⇔五反田駅(経由)赤羽橋駅 品川営業所

路線keyword:循環路線,赤羽橋,品川駅,第一京浜,桜田通り


平成12年12月の路線改変によって、路線が統合されてできた循環路線である。魚らん坂下を交点として8の字に運行していく面白い運行ルートとなっている。甲系統と乙系統の違いは、右回りか左回りかの違いである。五反田駅を出発するときの行先表示は、「赤羽橋駅循環」となっている。本数はそれほど多くはない。
乙系統に乗車した。左手に山手線のホームを見ながら五反田駅を発車すると、8車線もある桜田通りを高輪向けて走っていく。急な上り坂を、エンジンを唸らせながらぐんぐん上っていく。高輪・白金界隈となり、左手に明治学院大学が現れる。魚らん坂下で右斜め前の道路に入り、三田界隈へと入っていく。そして、慶應義塾大学を左に見て、左折する。正面に東京タワーが「どかん」と現れる。ここは、昔から道路拡張の工事が進められており、まもなく完成するのだろうか。僕の友達もここに住んでいて、移転していったが、それはもう10年も前の話である。
赤羽橋駅手前にて方向巻が変わって、五反田駅行きとなる。アナウンスも、今までは赤羽橋駅行きだったのが、五反田駅行きに変更する。循環バスなので、このまま乗り続けることができる。
JTの専売病院を左に見て、麻布十番(一の橋)で左折する。二の橋、三の橋と過ぎ、再び魚らん坂下となる。カーブと下り坂を走って泉岳寺となり、第一京浜の大通りへ右折すると、まもなく品川駅前となる。
品川-五反田間は、ちょっと本数が増加する。第一京浜をそのまままっすぐ走り、京急の線路を左に見て、トンネルをくぐり、御殿山となる。ソニー前、そして、終点五反田駅へと戻ってくる。

反96 五反田駅⇔新橋駅[都バスで東京発見]

溜池・一ノ橋(麻布十番)・高輪台を通って五反田を結ぶ路線

反96 五反田駅⇔溜池(経由)一ノ橋・赤坂アークヒルズ 品川営業所

路線keyword:桜田通り(国道1号線),赤坂アークヒルズ,一の橋(麻布十番),白金台・高輪台


かつては、五反田駅・一ノ橋間が旧反96系統五反田駅循環線の一部であったが、循環線を廃止して飯倉片町・溜池を通って新橋駅まで至るようになった路線である。その後、さらに短縮して溜池までとなった。旧反96系統は、本路線の五反田・一ノ橋間と現在の反90乙系統の路線とを合わせて、起終点が五反田駅となる循環経路となっていた。新橋駅からのときに取材をしたので、新橋駅からのことを記す。
新橋駅から赤坂アークヒルズまでは都01系統と同じルートを走るが、都01系統は渋谷→新橋の記述をしているので、省略せずに記載する。新橋駅汐留口を出発すると外堀通りに入り、正面に霞が関ビルを見ながら虎ノ門を目指す。霞が関ビルは1967(昭和42)年に完成した日本初の超高層ビルであり、高さ147m、地上36階建ての建物である。最上部のレストランなどからは、霞が関の官庁街や皇居を鳥瞰することができる。
虎ノ門交差点となり、右手に文部省や特許庁などの霞が関の官庁街、左手には虎ノ門三井ビルや商船三井ビルなどの虎ノ門オフィス街が広がる。特許庁前交差点で左手の方向を眺めると、「共同通信社」と書かれたビルが見えるが、その道路の突き当たりにアメリカ大使館が存在する。溜池にて六本木通りへ左折する。
左手に赤坂アークヒルズが現れて、六本木二丁目交差点を左前方に進む。この交差点の上の高速道路は、高速3号渋谷線と都心環状線が分岐する谷町ジャンクションとなっている。
ここからは坂が多くなる。飯倉片町を通り、一ノ橋(麻布十番)となる。一ノ橋は首都高速道路の高速2号目黒線と都心環状線が分岐する一ノ橋ジャンクションとなっており、高速の高架橋が複雑に入り乱れている。二ノ橋、三ノ橋、古川橋と古川に架かる橋の名称が続き、清正公前までは黒10系統と同じルートを走る(→p.)。
桜田通り(国道1号)となり、高級住宅街として人気のある白金台・高輪台界隈を通り、??山(右手)、??山(左手)と呼ばれる地域の崖部に建ち並んだ高級住宅街を見ながら、長い下り坂を走り抜けると、終点五反田駅前に到着する。坂の途中の歩道には、「ご自由にお使いください」と書かれたすべり止め用の砂の入った鉄の箱が建設省によって設置されている。

平成12年12月、地下鉄大江戸線・南北線の開通により、路線短縮されて四92系統と統合された。

浜95 品川車庫-東京タワー[都バスで東京発見]

港南・芝浦・海岸の湾岸地域を走って東京タワーへ向かう路線

浜95 品川車庫⇔東京タワー(経由)品川駅東口・浜松町駅 品川営業所

路線keyword:東京タワー,湾岸地域,世界貿易センタービル


東京タワーへの観光アクセス路線と思えるが、どちらかというと倉庫や中規模工場などが存在する港南・芝浦・海岸地区へのアクセスを担っているといえる路線である。JR東海道(京浜東北)線の東側である湾岸地域を走っていく。
都営アパートの1階に品川車庫がある。東京タワー行きのりばは道路沿いの大井競馬場行きと同じ停留所となっている。品川車庫を出ると、一旦東京タワーとは反対方向に進み、天王洲アイルのビル群を眺められる天王洲にて左折を2回行って、旧海岸通りを北に進むようになる。
天王洲橋を渡ると港南地区となり、右手に東京水産大学、左手に食肉卸売市場が現れる。湾岸地域特有の殺伐とした倉庫やコンクリートの建物が目に付く。しかし、湾岸エリアとして新たに注目されている地域でもあり、真新しい近代的な高層ビルの姿もちらほら見つけることもできる。
品川駅東口となる。駅前広場は整備され、以前とは変わって整然ときれいなターミナルと変身した。東海道新幹線の品川駅開業に向けて、工事が進められている。品川駅をでると、正面に小さく東京タワーを見ることができる。
再び旧海岸通りを走り、芝浦下水処理場を左に見て、新幹線の車庫への線路と交差して、高浜橋で芝浦地区へと入る。芝浦は「元祖ベイエリア」ともいえる場所で、湾岸地域における空の倉庫を改装してジュリアナ東京(今はない)のディスコなどをオープンさせる再開発を行った最初の場所である。ジュリアナ東京(今はない)のディスコなどは無機質な芝浦地区をメジャーなものとする施設であった。
潮路橋を渡ると海岸地区となる。住所が海岸3丁目となり、東京湾に近いことが伺える。右手には新交通ゆりかもめ、水上バスのりばである日の出桟橋が存在する。首都高速1号線の薄暗い高架下をバスは走っていく。
休日になると、浜松町駅からどっと乗客が乗ってくる。東京タワーへの観光客である。満員の乗客を乗せて発車する。正面には東京タワーの大きな姿が見える。増上寺の大きな門を正面に見ながら、バスは 第一京浜へ右折する。芝公園越しに巨大な東京タワーが見えたかと思うと、バスは神谷町駅へとぐるりとまわって、東京タワーの真下(ほんとうに真下である)で終点となる。

品93 大井競馬場-目黒駅[都バスで東京発見]

白金・高輪地区と大井競馬場へのアクセス路線

品93 大井競馬場⇔目黒駅(経由)東京陸運支局・品川駅 品川営業所

路線keyword:大井競馬場,白金・高輪,狭路


この路線は品川駅を境に客層が入れ替わる。大井競馬場-品川駅間は、大井競馬場への来場者はもちろんのこと、東品川・勝島地区へのアクセス路線となる。品川駅-目黒駅間では、高輪・白金地区へのアクセス路線となる。本数は多い。
大井競馬場は東京都が行っている?地方競馬である。大井競馬場の説明・・・
場内入口の正門がある1階のバスプールから発車すると、首都高速の下を走り、倉庫の建ち並ぶ湾岸地域の海岸通りを走っていく。運転免許試験場のある鮫洲、品川ナンバーの登録を行う東京陸運支局を通り過ぎ、都立高専前となる。
右手に天王洲アイルの再開発ビル群が見えると左折する。品川車庫を過ぎて京浜急行の線路を八ツ山踏切で越えて第1京浜の広い道路にでる。平日の朝は踏切渋滞を避けるために、国道15号経由となる。そして、プリンスホテルが左手に見えると品川駅前となる。

四92 品川車庫⇔四谷見附(四谷駅)[都バスで東京発見]

品川・高輪・麻布十番・虎ノ門・赤坂見附・四谷と南北に結ぶ路線

四92 品川車庫⇔四谷見附(四谷駅)(経由)一ノ橋・虎ノ門 品川営業所

路線keyword:麻布十番,虎ノ門,赤坂見附,一流ホテル,迎賓館,東京タワー,ビジネス街


品川車庫から四谷駅(四谷見附)までの路線は、天現寺・青山を経由する四97系統と、麻布・虎ノ門・赤坂を経由するこの四92系統の2つが存在する。地下鉄の便の悪い地区を縦(南北)に結ぶ路線であり、平日の日中はビジネス客も利用する路線である。
都営北品川アパートの1階に品川車庫がある。品川車庫を出発すると、坂を上り八ツ山橋でJR線を越え、踏切で京浜急行の線路を通過する。京浜急行の線路はこの付近でカーブしており、さらに終着品川駅へ近いことから電車のスピードが出せず、踏切が閉まってから電車が通過し終わるまで時間がかかる踏切である。第一京浜の8車線もある広い通りを快走すると、左手に品川プリンスホテル、ホテルパシフィック東京の高層ビルが現れて賑やかになり、品川駅前となる。
ホテルパシフィック前を離れ、浅野家の菩提寺で浅野内匠頭や赤穂浪士47士の墓がある泉岳寺にてバスは左折し、坂とカーブの続く2車線道路を桜田通り目指して走る。周辺は高輪の高級住宅街である。魚藍坂を下って、魚らん坂下より北上し、古川橋、三ノ橋、二ノ橋、そして一ノ橋の麻布十番となる。桜田通りでは現在、営団地下鉄南北線の麻布駅(仮称)工事が行われている。
バスは一ノ橋で右折し、中の橋を通って右に共生会中央病院を見て赤羽橋を左折、国道1号・桜田通りに入る。右手に東京のランドマーク・東京タワーが目の前に現れる。右の窓側に座って首をひねり上げないと東京タワーの先端を見ることができない。馬の鞍のような地形となっている飯倉交差点を山型に通過し、営団地下鉄日比谷線神谷町駅前となる。
この辺りから番号の振られた「森ビル」が多くなり、オフィス業務ビルが建ち並ぶ景観が続く。虎ノ門三丁目交差点では、右手にサムライ美術専門店を開く日本刀剣の専門店が現れる。車内から見ることはできないが、左手奥には各国の来賓が宿泊するホテルオークラが存在する。そして、虎ノ門交差点となり、バスは左折し外堀通りに入る。直進すれば官庁街・霞ヶ関になる。
文部省、霞ヶ関ビル、特許庁を右に見て、溜池交差点を通過する。右手奥は首相官邸である。火災によって閉鎖していたホテルニュージャパンの煤けた建物がかつては建っていた跡地を右手に見ると、赤坂東急プラザ(ホテル)が現れて、赤坂見附となる。右手には陸橋・高速道路の高架橋ごしに赤坂プリンスホテルの高層ビルが見え、続いてビル上部が円形となっているホテルニューオータニの本館・新館の高層ビルが江戸城の外堀・弁慶濠ごしに現れる。
ここからは喧噪としたビル群がなくなり、周辺の雰囲気ががらりと変わる。左手には迎賓館(赤坂御所)の森が現れ、右手に外堀の土塁と上智大学敷地内の聖イグナチオ教会の十字架を見て四谷見附交差点となり、まもなく終点四谷駅の停留所に到着する。

平成12年12月、大江戸線の開通により、反96系統と統合され、短縮された。

井91 大井町駅東口-大田市場[都バスで東京発見]

大井町駅から八潮パークタウンを経由して大田市場までを結ぶ路線

井91 大井町駅東口⇔大田市場(経由)八潮パークタウン 品川営業所

路線keyword:大田市場,八潮パークタウン,大井埠頭


本数が非常に少ない路線である。大田市場へは品川駅からバスが運行されている。
八潮パークタウンまでは品91系統と同じルートを走り、八潮パークタウンを出た東京陸運支局から東京港野鳥公園までは品98(甲)系統と同じルートを走る。
そして、東京港野鳥公園(環七大井埠頭交差点付近)から大田市場までは品98(丙)系統と同じルートを走り、終点大田市場に到着する。(それぞれの系統を参照してください。)

宿91 駒沢陸橋-新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿から東高円寺を通り、環七で駒沢までを結ぶ路線

宿91 駒沢陸橋⇔新宿駅西口(経由)新代田駅・東高円寺駅 杉並営業所

路線keyword:新宿副都心,青梅街道,環七通り,駒沢


新宿から東急王国の世田谷区駒沢までの都バスがあったのか、と思わせるような路線である。かつては大森駅まで走っていたのであるが、環七の道路渋滞が激しいためか、区間が短縮された。
新宿から高円寺陸橋までは青梅街道を王78系統と同じルートで走る。
高円寺陸橋で左に曲がり、あとはひたすら環七通りを南下するのみである。
丸の内線の方南町駅を過ぎ、甲州街道や首都高速と交差し、代田橋を過ぎて新代田駅となる。ここに東急バスの操車場があり、大森駅行きのバスが出ている。小田急線の下をくぐり、都内で2カ所だけになったチンチン電車・東急世田谷線と交差して若林となる。上馬、野沢と過ぎ、駒沢通りとの交差点に駒沢陸橋があり終点となる。青梅街道と環七通りしか走らないので、車窓の変化に乏しい路線である。

品91 品川駅東口⇔大井町東口[都バスで東京発見]

品川駅・大井町駅と八潮パークタウンとを結ぶ路線

品91 品川駅東口⇔大井町東口(経由)八潮パークタウン 品川営業所

路線keyword:八潮パークタウン,大井埠頭,湾岸埋立地


大井埠頭西部の八潮五丁目に存在する高層住宅・八潮パークタウンへのアクセス路線である。品川駅から八潮パークタウンを経由して大井町駅までを結んでおり、乗り通す乗客はまずいない。
大井町駅東口のきゅりあん(品川区総合区民会館)・丸井前のロータリーを出発すると、仙台坂を下って第一京浜を横切り、青物横丁となる。北ふ頭橋交差点にて海岸通りに右折し、今度は八潮橋交差点を左折する。
右手には、羽田空港へ向かう東京モノレールが運河の中を走っており、バスはS字カーブを描きながら八潮橋で京浜運河を渡って大井埠頭八潮五丁目・八潮パークタウンに入る。本路線は八潮パークタウン内を左回りでぐるりと一周して、再びこの八潮橋を渡って八潮パークタウンを後にするルートを走る。
高層住宅の団地群の中をバスは走り、八潮橋を渡って八潮橋交差点を右折する。海岸通りを北に進み、右手に天王洲アイルの再開発ビルを眺めながら天王洲橋を渡り、左手に食肉卸売市場、右手に東京水産大学を眺めて、交差点を左折すると終点品川駅東口(港南口)に到着する。

反90乙 五反田駅⇔三田駅[都バスで東京発見]

高輪の台地の路地裏的な所を走り抜けて五反田と田町を結ぶ路線

反90乙 五反田駅⇔三田駅(経由)高輪一丁目・田町駅 目黒営業所

路線keyword:高輪台,三田,高松宮邸,狭路


かつては反96系統、五反田駅循環路線として走っていたが、現在は三田で折り返す便に短縮された路線である。本数が少なくて捕まえにくい路線であり、地元の乗客もメモをして時刻を把握し乗車している姿を目にする。バスは高輪台の路地裏的な二車線道路を走っていき、生活の匂いの感じられる高輪の住宅地を垣間見ることができる。
五反田駅を出発すると、桜田通り(国道1号)の上り坂を都心へ向けて走っていく。島津山、??山と呼ばれる高級住宅街である。
坂を上りきった都営地下鉄浅草線高輪台駅前にてバスは右折し、狭い二車線道路へと入っていく。そしてすぐ正面に衆議院高輪議員会館を見て左折し、高輪三丁目となる。バスは高輪の住宅街の中をクネクネと走っていく。商店街が両手に現れ、高級な住宅街の中にも生活の匂いが感じられる下町的な風景が続くようになる。
左手に高松宮邸の森が現れて高輪一丁目となる。伊皿子交差点から三田となり、坂を下りながら三田四丁目・三丁目を走って、慶応大学の学生の多い街となると、突き当たりを左折しJR線田町駅前となる。ほとんどの乗客はここで下車する。
第一京浜を直進し、東京港口停留所を過ぎて左折し、さらに次の交差点で左折して、ループ状に運行ルートをとる。そして、ビルの真ん中に風を通すための穴が開けられている日本電気(NEC)本社ビルが右手に現れると、バスは終点都営地下鉄三田線三田駅前に到着する。

渋88甲 渋谷駅-東京駅南口[都バスで東京発見]

渋谷から青山アンティーク通り・六本木を経て新橋駅(東京駅=廃止)までを結ぶ路線

渋88 渋谷駅⇔新橋駅北口(経由)麻布台 渋谷営業所

路線keyword:渋谷・青山・六本木・麻布,東京タワー,ロシア大使館


渋谷駅・東京駅間は本数が非常に少なく、平日の日中は1時間に1本、休日でも4~50分に1本の割合で、乗りにくい路線である。渋谷・東京タワー間を結ぶ渋88乙系統は頻発している。
東京中央郵便局の重厚な建物の前を発車し、はとバスのりばを通過して、東京国際フォーラム前を左折する。鍛冶橋で今度は右に曲がり、銀座新橋を目指す。
プランタン銀座、西銀座宝くじチャンスセンター、ソニービルを見て、数寄屋橋交差点を通過する。そして、新橋となる。新橋駅北口バス停前に「新橋モダン食堂」という昭和初期を彷彿させるような看板のお店がある。外堀通りを走り、虎ノ門で左折する。
虎ノ門にはオフィス街が建ち並ぶ。日本ガス協会ビルディングの入口にはガス燈が2つ建っており、風情を醸し出している。
馬の鞍のような形をした飯倉交差点で左を眺めると、東京タワーの超アップが現れてバスは右折する。東京タワーからやってくる渋88乙系統は、ここで合流し渋谷まで同じルートを走っていく。ロシア大使館が左手に現れて、麻布台となる。
ここからは乗客、街を歩く人々ともに外国人が多くなる。そして六本木。街がにぎやかである。六本木通りに左折して渋谷に向かうが、西麻布をでると高樹町交差点でアンティーク通りに右折して青山通り(国道246号)に向かう。骨董品通りであるが、青山の骨董品と聞くと非常に高級な感じがする。
8車線の広々とした青山通りを走って、終点渋谷駅となる。

平成12年12月、新橋-東京駅間が廃止され、乙系統であった麻布台-東京タワー間も廃止された。

田87 渋谷駅⇔田町駅[都バスで東京発見]

三田・白金・恵比寿・東を走って田町と渋谷を結ぶ本数の多い路線

田87 渋谷駅⇔田町駅(経由)恵比寿駅・魚らん坂下 渋谷営業所

路線keyword:白金,恵比寿ガーデンプレイス,北里研究所,慶應義塾大学


地下鉄の過疎地域を走ることから、乗客数・本数ともに多い路線である。田町駅のバス乗り場は、第一京浜に面した西口側と港区スポーツセンターのある東口側の2ヶ所存在するが、本系統は第一京浜側の東口にバス停がある。
田町駅を出発するとバスはすぐに左折し、第一京浜から細い道路へと入っていく。慶応大学の学生が闊歩する町中を走り、国道1号の大きな通りに出ると、右手に慶應義塾大学が現れる。
三田界隈を走り、魚らん坂下となって桜田通りと交差し、2車線道路へ直進する。右手に北里大学研究所が現れ、バスは白金界隈をくねくねと走っていく。
外苑西通りを横切り、恵比寿界隈に入る。左手にサッポロビール恵比寿工場跡地を再開発した恵比寿ガーデンプレイスの建物群が見えて、最寄り停留所である恵比寿四丁目となる。商店・飲食店街が続き、しばらく走ると恵比寿駅となる。
明治通りに左折して、終点渋谷駅前まで都06系統と同じルートを走っていく。

橋86 目黒駅⇔新橋[都バスで東京発見]

目黒から麻布の超高級住宅街を縫って新橋(銀座・日本橋=廃止)までを結ぶ路線

橋86 目黒駅⇔新橋駅(経由)愛育病院 目黒営業所

路線keyword:麻布界隈,各国大使館,超高級住宅地,有栖川公園,銀座目抜き通り(中央通り)


各国大使館の密集する高級感溢れる麻布の路地裏的な所を通り、新橋から中央通りで銀座の目抜き通りを走り抜け、日本橋の三越デパートまでを結ぶ、観光路線としても乗車価値の高い路線である。ブランド品を身につけて大きな買い物袋を手に持った気品の高い乗客を多く目にする。
目黒駅前のロータリーを出発すると、目黒通りを都心へ向けて走り、白金台にて外苑西通りに左折する。洒落たブティックやオープンカフェが建ち並び、夜になるとショーウインドウがライトアップされ、ムード溢れる景観が続いていく。
坂を下って白金六丁目となる。坂の上では「白金台」であったが、坂を下ると「台」が取れて「白金」となる。バスは右折し、天現寺橋にて明治通りと交差すると、左手に壁のように立ちはだかる都営広尾五丁目アパートを見て、地下鉄日比谷線広尾駅前(広尾橋)となる。
交差点角にある神戸屋キッチンを眺めながらバスは2車線の狭路に右折し、麻布へと突入する。「麻布」と言ってもその範囲は結構広く、本路線が走り抜ける麻布は、南麻布・元麻布界隈である。この辺りから外国人の姿を多く見つけることができ、日本に居ながらちょっとした異文化を味わえる地域である。
道なりに左折すると、右手には大使館関係の在日外国人の為のスーパー「National(ナショナル)」が現れる。店内には世界各国の食料品・嗜好品が陳列されており、見て回るだけでも楽しい。日本人でも自由に買い物をすることができる。ナショナルスーパーの奥がドイツ大使館である。
続いて、左に教会、右に都立中央図書館が存在する有栖川宮記念公園が現れ、坂を上ると右折して愛育病院前となる。右手に麻布運動場が現れて、高級マンションの連なる仙台坂を下ると二の橋となり、バスは左折する。
一の橋・麻布十番にて右折すると、左手に東京タワーを眺めながら中の橋を通り、赤羽橋にて左折、右手には東京タワーが目前に迫っている。
神谷町にて右折、第一京浜にて左折し、オフィス街となって新橋駅となる。平日の9時~18時台までは半数が新橋止まりの運行であるが、ここから先が麻布に続いて本路線の見せ場の一つであり、銀座の目抜き通りである中央通りを八丁目から一丁目まで突き抜けていく。しかも、休日などはプロムナード(歩行者天国)となってバスは迂回ルートを走ってしまうので、最も良い条件で乗車できる時間帯は限られてしまう。
首都高速をくぐると、銀座八丁目となる。両側にはビルが建ち並び、著名な店舗が続々と連なり、電柱は地中化され、街路灯が直線的に整然と先まで続く。さらに、夜になると看板とビルと街灯の明かりで眩しくなり、日本でも屈指の美しい都市景観が見れる。銀座の中心である銀座四丁目交差点で晴海通りと横切るが、ここは、地価日本一としてニュースによく登場する場所でもある。道路には人がうごめき合っており、日本一の「銀座」の繁華な雰囲気を感じることができる。そして、銀座一丁目となって、銀座は終了する。
首都高速をくぐると、京橋となる。オフィスビル街となってしばらく走ると、再び首都高速の高架橋が現れるが、バスはその手前にて左に曲がってしまう。その高速の下が道路元標のある日本橋である。日本橋三越から目黒駅行のバスに乗れば、日本橋を渡ることができる。
バスは日本橋川を渡って、日本橋に入り、三越新館の裏手にて終点となる。

平成12年12月、大江戸線の開通によって新橋-日本橋三越間が廃止されてしまった。唯一、銀座の目抜き通り(中央通り)を走るバスであったのに残念である。

池86 東池袋四丁目⇔渋谷駅東口[都バスで東京発見]

渋谷-表参道-新宿-池袋のラインを明治通りで結ぶ路線

池86 東池袋四丁目⇔渋谷駅東口(経由)池袋駅東口・新宿伊勢丹 早稲田営業所

路線keyword:明治通り,新宿伊勢丹,高島屋タイムズスクエア,サンシャイン60,表参道,ハチ公前


東京でも有数な繁華街である渋谷・新宿・池袋を明治通りで結び、便利な路線のように思えるが、それ故に道路の渋滞も激しく、移動には時間のかかることが多い。
本系統と早81系統の早大正門行は、渋谷駅東口のバスターミナルからは発車せず、駅北側の三和銀行前(渋谷駅西口停留所)か東急イン前(渋谷駅東口停留所)のバス停から乗車することになる。渋谷駅を発車すると、左手に宮下公園が現れる。流行発信の街・渋谷から表参道までを結ぶ明治通り沿線には、さすがにお洒落なショップ・レストラン・ブティックが建ち並んでいる。
クリスマスシーズンになると電飾をつける立派なケヤキ並木の続く道路と交差すると、右手に原宿プラザ、左手にラフォーレ原宿が見えて表参道停留所となる。この辺りは土休日になると人々でごった返している。パレフランスの手前が原宿通りであり、左手に一瞬見ることができる。そして、神宮前一丁目となる。
神宮前一丁目を過ぎると、パタリと店がなくなって、賑わいのないビルの建ち並ぶ街並みがしばらく続く。千駄ヶ谷、北参道と過ぎると、再び街並みが賑やかになり、左手に東急ハンズや紀伊国屋書店がテナントとして入る高島屋タイムズスクエアの建物が過ぎ去って、JRAウインズ新宿前の新宿四丁目停留所となる。
左手に新宿駅南口ルミネを望むことができる甲州街道を横切り、右手に丸井が見えて、左手に新宿伊勢丹が現れると、新宿通りを横切って新宿伊勢丹前の停留所に到着する。
新宿五丁目交差点で靖国通りと交差し、バスは明治通りを北に進む。新宿の賑やかな街を抜けだし、左手に早稲田大学理工学部が現れて都立障害者センター前となる。
高戸橋交差点を過ぎると、右手に都内で唯一残った都電荒川線の線路が現れて、神田川を高戸橋で渡り、学習院下停留所となる。都電の停留所も右手にあって、乗換に便利なところである。学習院大学は左手の台地上に存在する。そして、バスは坂を上って千登勢橋をくぐり抜け、都電は右手に別れていき、左手に西武百貨店が現れると、池袋駅東口となる。
かつての本系統は池袋サンシャインシティーまでを結んでいたが、池袋駅東口・サンシャインシティ間に乗客がいなかったからなのか、現在は区間が変更され、バスの操車所が存在する東池袋四丁目という半端な行き先となった。
バスは池袋駅東口にて右折する。左手にサンシャイン60の超高層ビルが立っているが、周囲に高い超高層ビルが立っていないので、一際目立つ存在である。首都高速5号線の高架の下を走り、都電荒川線東池袋四丁目停留所と都電線路の手前にて、バスは終点となる。
せっかくの機会なので、サンシャインシティーについて記述する。サンシャインシティーは、昭和46(1971)年の東京拘置所(戦後米軍に接収されて以来「スガモ・プリズン」と呼ばれていた)の足立区小菅移転に伴ってできた跡地を再開発したところであり、昭和53(1978)年に地上60階、240mの日本一(当時)の超高層ビル・サンシャイン60が完成し、同時にサンシャインプリンスホテル・ワールドインポートマート・専門店街アルパ・プラネタリウム&国際水族館などを備えた複合施設である。サンシャインシティーは、池袋の地位向上に大きく貢献した開発である。

早81 早大正門-渋谷駅東口[都バスで東京発見]

渋谷から早稲田大学まで裏道を縫うようにして走る路線

早81 早大正門⇔渋谷駅東口(経由)四谷三・千駄ヶ谷駅 小滝橋営業所

路線keyword:早稲田大学,表参道のケヤキ並木,狭道,千駄ヶ谷界隈


渋谷駅ではターミナルに入らず、三千里薬局付近の西口、東映映画館前の東口に停車するループ運行となる。渋谷を発車すると左手に宮下公園を見て、おしゃれな店舗の続くケヤキ並木の道路をバスは快走する。表参道となり、かつてはクリスマスの電飾ツリーで名所となっていた通りを通って原宿駅前となる。近隣住民からの反対運動により、クリスマス時の電飾は中止となった。
左に明治神宮の森、右に竹下通りを見て、千駄ヶ谷に入ると、街並みは一変して落ち着いた雰囲気となる。仙寿院下のガードのコンクリート壁面には、芸術的なペイントアートが数多く描かれている。バスはぐるぐる迂回するように2車線の狭い道を走り、東京体育館・国立競技場が見えて千駄ヶ谷駅となる。
新宿御苑の東側を通り、四谷4丁目で晴海通りをちょいと走り、消防署前で外苑東通へ左折する。防衛庁を右に見て左折、かつてフジテレビ本社のあった河田町となり、東京女子医大前となる。
このあたりの道は狭く曲がりくねっている。車内のおばあちゃんたちからは「このあたりは戦争でやけなかったのよ」といった会話が聞こえてくる。若松町、喜久井町、馬場下町と過ぎ、早大正門となる。

茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)[都バスで東京発見]

青山を突き抜けて番町を走る路線

茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)(経由)青山一丁目駅・神保町 渋谷営業所

路線keyword:青山界隈,青山通り,番町,順天堂病院,靖国神社,本屋街・学生街


御茶ノ水駅行のバスは、渋谷駅東口の都営バスターミナルの最前端部分から発車する。宮益坂を登りながら渋谷の繁華街を走り、国道246号線・青山通りと合流する。あとは三宅坂の手前の最高裁判所まで、都心部では珍しく8車線もある広々とした青山通りを東に進んでいく。
右手に青山学院大学が現れて表参道となり、お洒落な店の多く集まる青山界隈となる。表参道交差点で左を眺めると、クリスマスの電飾ツリーで有名なケヤキ並木と道路左右に建つ石灯籠が目に入る。青山三丁目交差点左前方には、ファッションショッピングビルの草分け的存在である青山ベルコモンズが通り過ぎ、神宮外苑にほど近くなって外苑前となる。青山二丁目交差点で左を見ると、神宮外苑絵画館前に延びる立派なイチョウ並木が続いており、軸線を持つ美しいビスタ景観を見ることができる。
青山一丁目を過ぎると、左手に森が出現する。東宮御所、三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸、迎賓館の存在する赤坂御用地である。そのうちの三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸は青山通りのすぐ近くに建っており、入口の門前では警視庁の警備員の姿を見つけることができる。
赤坂見附交差点を陸橋にて通り過ぎ、陸橋の上からは右手に東急ホテル、左手にホテルニューオータニ・赤坂プリンスホテルのビル群を眺めることができる。地下鉄永田町駅を通り、最高裁判所手前でバスは左に大きく曲がる。直進すれば皇居に突き当たって三宅坂となる。
右手に石造りの堅牢な建物である最高裁判所(1972(昭和47)年完成)の裏を眺め、ほんの一瞬であるが国立劇場(1966(昭和41)年完成)の裏手の昇り旗を見ることができる。バスは路上駐車の多い2車線の道を北に進む。そして坂も多くなり、坂を下って一番町、坂を上って三番町の停留所となり、左手には大妻女子大学が現れる。
番町は、江戸期において旗本の多く居住武家地であったところであり、戦前までは華族をはじめ高級官僚等の邸宅の多いお屋敷町であった。現在でも都心有数の超高級住宅街として、独特の落ちつきのある界隈である。バスは再び下って、再び上って靖国神社交差点を右折、靖国通りへ入る。
左手は、終戦の1945(昭和20)年までに戦争などの国事で倒れた約250万人の霊をまつる靖国神社である。坂を下ると、右手には日本武道館への入口でもある北の丸公園の入口・田安門が現れ、千鳥ヶ渕のお濠が見える。
営団地下鉄東西線九段下駅を通り、古本屋や本屋の連なる神田・神保町の本屋街を通り抜けて駿河台下を左折し、明治大学を左に眺めて学生街を走るとお茶の水橋の橋上に停留所のあるJR御茶ノ水駅前となる。眼下にJR中央・総武線と神田川を眺めることができる。バスはここで終点とならず、そのまま直進して東京医科歯科大学を右手に見ながら、左手に順天堂病院が現れると終点となる。

平成12年12月、唯一青山通りを走る路線であったが、廃止された。

四80 四谷駅⇔赤坂アークヒルズ[都バスで東京発見]

四谷駅から外濠(弁慶堀)沿いを走って赤坂アークヒルズまでを結ぶ路線

四80 四谷駅⇔赤坂アークヒルズ(経由)赤坂見附 新宿営業所

路線keyword:赤坂アークヒルズ,迎賓館(赤坂御所),高級感,弁慶堀(外濠),一流ホテル


アーク森ビルやサントリーホール、全日空ホテル、テレビ朝日放送センター等が存在するインテリジェントシティー・赤坂アークヒルズと四谷駅とを結ぶ路線であり、赤坂アークヒルズが地下鉄の駅から離れていることもあって、平日にはビジネスマンや訪問客によって混雑する路線である。現在、付近の六本木二丁目交差点にて営団地下鉄南北線・東六本木駅の開設工事が行われており、完成すると四谷-溜池-東六本木-麻布-目黒と結ぶことから、その後の本系統の存在が気になる路線でもある。
バスは四谷駅の裏手から発車し、外堀通りに入って四谷見附交差点を直進する。右手には国賓を迎えるための場所であるベルサイユ宮殿のような赤坂迎賓館(赤坂御所の一部)を見ることができる。緑の多く茂る落ち着いた空間をバスは走っていき、左手にはホテルニューオータニの建物群が現れる。カーブと下り坂が続き、左手には外濠・弁慶堀と首都高速が平行に走っていく。
金属的な外観を持つ赤坂プリンスホテルが左手に現れると赤坂見附交差点となり、バスは右折して新橋方面へ走る。赤坂東急プラザ(東急ホテル)前を通り、溜池にて六本木通りに右折して六本木方面へと向かう。すると間もなく六本木の手前にて全日空ホテル(赤坂アークヒルズ)1階のバス・タクシープールへと左折し、終点赤坂アークヒルズとなる。
赤坂アークヒルズ内にあるサントリーホールは、クラシック音楽専門のホールであり、世界でも最大級のパイプオルガンが置かれている。毎晩(平日)流れている「ニュースステーション」もここから放送されている。

平成12年12月、大江戸線・南北線の開通により廃止された。

王78 王子駅⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

ただひたすらに環七通りを走る東京23区内都営バス最長距離の路線

王78 王子駅⇔新宿駅西口(経由)豊玉北・高円寺駅入口 杉並・練馬営業所

路線keyword:環七通り(環状七号線),青梅街道,各種ファミリーレストラン,単調退屈


東京都23区(特別区)内の都営バスで最長距離(18.3km)を走る路線である。新宿と王子を結んでいるのだが、高円寺・豊玉北・東十条と環七通りをぐるりと迂回して結ぶルートとなっており、乗り通す乗客はまずいない。しかも、走る道路が青梅街道・環七通り・北本通りといった幹線道路であり、沿線風景も変化に乏しく、さらに交通量の多さ・渋滞の激しさでは悪評高き環七通りをひたすら走るとなれば、よほどの物好きでない限り本路線を乗り通す乗客はいないだろう。王子駅・新宿駅間の所要時間は約1時間となっているが、道路渋滞によっては2時間もかかってしまうことがある。
新宿駅西口路線バスターミナルを出発すると、左手に新宿エルタワー、裾の広がる安田火災海上ビル、新宿野村ビルの超高層ビル群が現れ、青梅街道を高円寺まで西に向けて走る。中野坂上で山手通りと交差し、相撲の二子山部屋が近くにある鍋屋横丁商店街を抜け、営団地下鉄丸ノ内線東高円寺駅を過ぎると、環七通り・高円寺陸橋となって、バスは右に曲がる。順調に走ればここまでおよそ20分である。
環七通りに突入である。東京には1号から8号までの環状道路が造られている。1号線から順に、内堀通り・外堀通り・外苑東通り・不忍通り・明治通り・山手通り・環七通り・環八通りとなっている。この中でも特に「かんなな」と呼ばれる環状七号線(環七通り)は東京湾部分を除く全区間において環状線が整備されており、東京都心部を通過したい自動車(例えば横浜から大宮に行きたい車)にとっては環状道路を使うことにより、都心部の密集した市街地を通ることなく短距離・短時間で通過することができる。そのためにトラック等の交通量も多くなるのであり、環状道路は交通政策上も重要な道路である。環七通りと郊外へ延びる放射状の幹線道路との交差点には、陸橋が設けられており、信号待ち等によって環状線を直進する車のスピードが落ちないように設計されている。
一般的に路線バスの停留所はそのような陸橋の下の側道部分に置かれていることが多く、陸橋の上を路線バスが走っていく姿はあまり見かけないが、本系統は陸橋下の停留所には停車せず、陸橋の上をバスが走っていく。
野方にて西武新宿線の下をくぐり、豊玉北を過ぎたあたりで西武池袋線の陸橋を越える。羽沢で西武有楽町線新桜台駅前となる。
沿線の風景はこれといった特徴があるわけでもなく、街路樹と車・トラックのひしめく道路が続くだけで退屈極まりないが、環七沿線に多く見られるある施設をつぶさに眺めてみると結構暇つぶしになる。それは、ファミリーレストランとガソリンスタンドである。特にファミリーレストランは、「デニーズ」や「ロイヤルホスト」等といったメジャーな店舗から、聞いたこともないマイナーな店舗まで、多種多様な店が次々と後ろへ過ぎ去っていく。おそらく、東京で営業しているファミリーレストラン企業のほとんどの店舗を環七沿線で見られるのではないかと思うほど、ありとあらゆる店が現れていく。
常盤台で東武東上線の下をくぐると、環七通りは右にカーブするが、その左手に赤提灯を並べた立ち食いラーメン屋「土佐っこラーメン」が現れる。夜になると赤提灯には明かりがついて、路上に車を止めてラーメンをすする客の姿が絶えない。この地点が先頭になって渋滞が起こることもあり、道路には、「夜間の違法駐車取締りを強化します-板橋警察署」と書かれた看板が立っている。
大和町にて高速道路(上側)と中山道(下側)と交差する。大和町交差点は大気汚染度が都内ワーストワンという記録を持つ交通量の激しい場所であり、都営地下鉄三田線板橋本町駅前でもある。
バスはさらに環七通りを東へ進む。JR埼京線を越え、なだらかな下り坂を走りながらJR京浜東北線と東北・上越新幹線と交差し、隅田川手前に位置する北区神谷町の宮堀陸橋にてようやく環七通りから北本通りへと右折する。そして、王子五・四・三・二丁目と王子のオンパレードとなって終点王子駅前に到着する。

早77 早稲田⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿と早稲田を結ぶ明治通りを走る路線

早77 早稲田⇔新宿駅西口(経由)高田馬場2丁目・新田裏 早稲田営業所

路線keyword:早稲田大学,明治通り,新宿歌舞伎町


都電の早稲田停留所から東に少し歩いたところに都バスの早稲田営業所があり、そこに早稲田バス停留所がある。新宿駅西口行のバスは都電のりばの直前で左の道へ入り、坂を登りながら早稲田大学の真ん中を突っ切る。周りを歩く人々はほとんどが学生であり、昼どきは食事を求める人々がごった返している。店先に掲げられているランチセットも低料金のものが多く、思わず途中下車して入ってみたくなる店もある。コンビニエンスストアも学生達で混雑していた。
高田馬場口交差点で明治通りへ左折し、バスは南下する。停留所に止まる度に乗客がどんどん乗ってくる。いつのまにか車内は混雑していた。道沿いには高層ビルが建ち並び、道路の幅員が小さい(とは言っても4車線道路である)からなのか、高い壁に両側から囲まれているような圧迫感を感じる。
新宿5丁目にて右折し靖国通りに入る。新宿から早稲田に向かうバスは、一本南側にある新宿通りを走るので、ここは通らない。右手に丸井を見て、左手に伊勢丹が現れ、看板が派手になってくると、都内有数の歓楽街歌舞伎町であり、新宿大ガードでJR線の下をくぐると、新宿西口バスターミナル終点となる。