四97 品川車庫⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

品川・高輪・天現寺・広尾・西麻布・青山・新宿を結ぶお洒落路線

品97 品川車庫⇔新宿駅西口(経由)広尾橋・信濃町駅 品川・新宿営業所

路線keyword:青山墓地,赤坂御所,神宮外苑,外苑東通り,新宿・歌舞伎町,西麻布


平成12年12月の都営大江戸線の開通による路線改変によって、四97から品97となり、路線区間が四谷駅から新宿駅西口へと変更した。都03と田70系統を補う形となったのだろう。
都営北品川アパートの1階に品川車庫がある。品川車庫を出発すると、坂を上り八ツ山橋でJR線を越え、踏切で京浜急行の線路を通過する。京浜急行の線路はこの付近でカーブしており、さらに終着品川駅へ近いことから電車のスピードが出せず、踏切が閉まってから電車が通過し終わるまで時間がかかる踏切である。第一京浜の8車線もある広い通りを快走すると、左手に品川プリンスホテル、ホテルパシフィック東京の高層ビルが現れて賑やかになり、品川駅前となる。
ホテルパシフィック前を離れ、浅野家の菩提寺で浅野内匠頭や赤穂浪士47士の墓がある泉岳寺にてバスは左折し、坂とカーブの続く2車線道路を桜田通り目指して走る。周辺は高輪の高級住宅街である。魚藍坂を下って、魚らん坂下より北上し、古川橋となる。
古川橋より左折して明治通りに入る。古川橋交差点は明治通りの起点である。バスは古川とその川に沿って建設されている首都高速の高架橋を左に見ながら走っていく。四ノ橋を過ぎて、天現寺橋となる。この辺りの「○○橋」という地名は全て古川に架けられている橋の名前である。
天現寺にてバスは右折し、左手に都営広尾五丁目アパートを眺めると、テナントとして明治屋の入る広尾プラザ前(地下鉄広尾駅前)の広尾橋停留所となる。ここは付近に各国大使館があることから外国人を多く見かけるお洒落でハイセンスな店の連なる地域でもある。
男性ダンサーのストリップで話題となった「東京J’mens」を左に見て西麻布となる。六本木通り・首都高速と交差し、左手に青山墓地が見えてくると墓地下停留所となる。しばらくは墓石の続く車窓となる。お墓と道路はフェンスの柵で区切られているので、車から墓地が丸見えとなる。続いて青山斎場となり、墓地は赤坂高校停留所まで続く。西麻布から広尾にかけてはお洒落なオープンカフェやブティックなどが建ち並ぶ。外国人の乗客もちらほら乗ってくる。みんなお金持ちに見える。
カーブを過ぎると青山一丁目となって青山通りを横切る。再びカーブが続いて、右手に赤坂御所の森、左手に神宮外苑の森が現れて、緑の茂る空間をバスは走り抜けると、JR線信濃町駅前となる。左手に慶應義塾大学病院が見える。
バスは北に進み、四谷三丁目にて新宿通りへ右折する。四谷三丁目交差点の左前方には消防博物館の併設された四谷消防署があり、その屋上には真っ赤なヘリコプターが出動を待っている。
かつては、新宿通りを東へ進み、右手に上智大学と土塁の堤が見えると、終点四谷駅に到着していたが、地下鉄大江戸線の開通により新宿駅西口へと路線経路の変更が行われた。都03系統の新宿駅西口-晴海埠頭間が四谷駅-晴海埠頭間に短縮され、田70系統の新宿駅西口-港区スポーツセンター間の廃止を補う形となった。
新宿通りを左に曲がって西に進み、新宿御苑、新宿2丁目を通り越し、伊勢丹前で明治通りと交差する。ここから先は平日と土日でルートが異なり、平日はまっすぐ新宿通りをすすみ、紀伊国屋書店前やアルタ前を通ってJR大ガードをくぐる。土日は、靖国通りへ回って歌舞伎町を通りJR大ガードをくぐって西口に向かう。どちらにしても、道路渋滞の激しい所を走っていく。

井96 大井町駅東口-天王州アイル[都バスで東京発見]

大井町駅から天王洲アイルを結ぶ循環路線

井96 大井町駅東口⇔天王洲アイル循環(経由)青物横丁 品川営業所

路線keyword:天王州アイル


大井町駅から天王洲アイルを結ぶ、平日のみの運行路線であり、本数もそれほど多くはない。
大井町駅東口の丸井前より発車し、仙台坂を下って第一京浜を横切る。昭和6年までは品川青物市場があった青物横丁を過ぎ、海岸通りを横切ると突き当たりをバスは左折する。
東品川橋で運河を渡ると天王洲アイルとなり、左手に高層ビルの姿を見ることができる。日本航空本社のJALビル前を通って、天王洲アイル・パークスクエア停留所に到着する。
交差点で左折して新東海橋停留所となり、運河を新東海橋で渡ると再び左折し、シナネンカナルサイドビル前の昭和橋停留所となる。旧海岸通りを南下し、東品川を走って青物横丁を通り、仙台坂を上って大井町駅東口に戻ってくる。

品96乙 品川駅東口⇔JALビル[都バスで東京発見]

品川駅・天王洲アイル・日本航空本社ビルとを結ぶビジネスアクセス路線

品96乙 品川駅東口⇔JALビル(経由)天王洲アイル 品川営業所

路線keyword:日本航空本社ビル,天王洲アイル,東京水産大学


日本航空本社の天王洲アイル地区への移転に伴って平成8(1996)年に開設された新しい路線である。それまでの品96乙系統は、天王洲アイルを通って品川埠頭に入って品川駅に戻ってくる循環路線であった。本路線も品96甲系統と同様、ビジネス客の輸送を目的とした路線であるが、甲系統と違って祝休日に運休とならないのは、祝休日の天王洲アイルへの見物・観光客等のアクセスをも考慮してのことであろうか。平日の朝夕のバス車内は、ネクタイを締めたサラリーマンで混雑し、社内の噂話が聞こえてくる。
NTTのビルが立ち並ぶ品川駅東口を出ると海岸通りを横切り、高浜運河を御楯橋で越えると右手に東京水産大学の正門が現れる。車内の客層は、ネクタイを締めたサラリーマンが多い。突き当たりを右折して首都高速とモノレールに沿って南に走り、天王洲運河を天王洲大橋で渡ると天王洲アイルの再開発地区となる。そして、左手に日本航空本社ビルが現れて、ビル1階の専用バスポケットに入り、終点JALビルとなる。

品96甲 品川駅東口⇔天王州アイル循環[都バスで東京発見]

品川駅から天王洲アイルを結ぶビジネス循環路線

品96甲 品川駅東口⇔天王洲アイル循環(経由)食肉市場 品川営業所

路線keyword:天王洲アイル,東京中央卸売市場食肉市場,東京水産大学


天王洲アイルは約20haの面積を持つ埋立地の島全体の名称であり、かつては殺風景な流通倉庫群であったところを民間事業者が主体となって再開発を行ったところである。民間事業者による開発としては、最大級のプロジェクトである。平成4(1992)年に浜松町・羽田空港間を結ぶ東京モノレールに「天王洲アイル」の新駅が開業し、天王洲アイル・インテリジェントシティーの街開きとなった。
天王洲アイルの街づくりコンセプトは、「人間と知性と創造性に働きかける環境づくり」であり、オフィス・ホテル・住宅・劇場・飲食ショッピング街などが集まる話題のスポットである。運河に囲まれていることから、運河沿いには水に面して広場や公園・ボードウォークが整備されており、夜にはライトアップされたムードたっぷりの雰囲気の中で、東京湾の夜を満喫することができる。
本路線は天王洲アイルへのビジネス客を輸送する目的で設定されたものであり、ダイヤを見ると平日と祝休日とで極端に本数が違うことから一目でその事に察しがつく。
NTTのビルが立ち並ぶ品川駅東口を発車すると、旧海岸通りへ右折する。右手には食肉市場において日本最大の取扱量を誇る東京中央卸売市場食肉市場が現れ、バスは倉庫の建ち並ぶ地域を走っていく。
天王洲橋を渡ると、左手に天王洲アイルの高層ビル群のそそり立つ姿が現れる。バスは交差点で左折し、新東海橋を渡ると天王洲アイルと呼ばれる東品川二丁目の埋立地の島(アイル)に入る。さらに左折して、天王洲アイル停留所となる。商業施設等が多く営業されているシーフォートスクエアは右手側である。
バスは循環路線なので、今度は品川駅東口へ向かう。次の停留所が終点の品川駅東口となる。天王洲大橋を渡ると、左手には陸に上がった東京水産大学の雲鷹丸の船を見ることができ、報知新聞社停留所には止まらずに港南四丁目交差点で左折する。左手に東京水産大学の正門を見て御楯橋を渡ると、まもなく終点品川駅東口となる。
平日の朝夕のバス車内は、ネクタイを締めたサラリーマンでいっぱいになる。

反96甲乙 五反田駅⇔五反田駅[都バスで東京発見]

五反田駅を起終点として8の字運行する循環路線

反96甲乙 五反田駅⇔五反田駅(経由)赤羽橋駅 品川営業所

路線keyword:循環路線,赤羽橋,品川駅,第一京浜,桜田通り


平成12年12月の路線改変によって、路線が統合されてできた循環路線である。魚らん坂下を交点として8の字に運行していく面白い運行ルートとなっている。甲系統と乙系統の違いは、右回りか左回りかの違いである。五反田駅を出発するときの行先表示は、「赤羽橋駅循環」となっている。本数はそれほど多くはない。
乙系統に乗車した。左手に山手線のホームを見ながら五反田駅を発車すると、8車線もある桜田通りを高輪向けて走っていく。急な上り坂を、エンジンを唸らせながらぐんぐん上っていく。高輪・白金界隈となり、左手に明治学院大学が現れる。魚らん坂下で右斜め前の道路に入り、三田界隈へと入っていく。そして、慶應義塾大学を左に見て、左折する。正面に東京タワーが「どかん」と現れる。ここは、昔から道路拡張の工事が進められており、まもなく完成するのだろうか。僕の友達もここに住んでいて、移転していったが、それはもう10年も前の話である。
赤羽橋駅手前にて方向巻が変わって、五反田駅行きとなる。アナウンスも、今までは赤羽橋駅行きだったのが、五反田駅行きに変更する。循環バスなので、このまま乗り続けることができる。
JTの専売病院を左に見て、麻布十番(一の橋)で左折する。二の橋、三の橋と過ぎ、再び魚らん坂下となる。カーブと下り坂を走って泉岳寺となり、第一京浜の大通りへ右折すると、まもなく品川駅前となる。
品川-五反田間は、ちょっと本数が増加する。第一京浜をそのまままっすぐ走り、京急の線路を左に見て、トンネルをくぐり、御殿山となる。ソニー前、そして、終点五反田駅へと戻ってくる。

反96 五反田駅⇔新橋駅[都バスで東京発見]

溜池・一ノ橋(麻布十番)・高輪台を通って五反田を結ぶ路線

反96 五反田駅⇔溜池(経由)一ノ橋・赤坂アークヒルズ 品川営業所

路線keyword:桜田通り(国道1号線),赤坂アークヒルズ,一の橋(麻布十番),白金台・高輪台


かつては、五反田駅・一ノ橋間が旧反96系統五反田駅循環線の一部であったが、循環線を廃止して飯倉片町・溜池を通って新橋駅まで至るようになった路線である。その後、さらに短縮して溜池までとなった。旧反96系統は、本路線の五反田・一ノ橋間と現在の反90乙系統の路線とを合わせて、起終点が五反田駅となる循環経路となっていた。新橋駅からのときに取材をしたので、新橋駅からのことを記す。
新橋駅から赤坂アークヒルズまでは都01系統と同じルートを走るが、都01系統は渋谷→新橋の記述をしているので、省略せずに記載する。新橋駅汐留口を出発すると外堀通りに入り、正面に霞が関ビルを見ながら虎ノ門を目指す。霞が関ビルは1967(昭和42)年に完成した日本初の超高層ビルであり、高さ147m、地上36階建ての建物である。最上部のレストランなどからは、霞が関の官庁街や皇居を鳥瞰することができる。
虎ノ門交差点となり、右手に文部省や特許庁などの霞が関の官庁街、左手には虎ノ門三井ビルや商船三井ビルなどの虎ノ門オフィス街が広がる。特許庁前交差点で左手の方向を眺めると、「共同通信社」と書かれたビルが見えるが、その道路の突き当たりにアメリカ大使館が存在する。溜池にて六本木通りへ左折する。
左手に赤坂アークヒルズが現れて、六本木二丁目交差点を左前方に進む。この交差点の上の高速道路は、高速3号渋谷線と都心環状線が分岐する谷町ジャンクションとなっている。
ここからは坂が多くなる。飯倉片町を通り、一ノ橋(麻布十番)となる。一ノ橋は首都高速道路の高速2号目黒線と都心環状線が分岐する一ノ橋ジャンクションとなっており、高速の高架橋が複雑に入り乱れている。二ノ橋、三ノ橋、古川橋と古川に架かる橋の名称が続き、清正公前までは黒10系統と同じルートを走る(→p.)。
桜田通り(国道1号)となり、高級住宅街として人気のある白金台・高輪台界隈を通り、??山(右手)、??山(左手)と呼ばれる地域の崖部に建ち並んだ高級住宅街を見ながら、長い下り坂を走り抜けると、終点五反田駅前に到着する。坂の途中の歩道には、「ご自由にお使いください」と書かれたすべり止め用の砂の入った鉄の箱が建設省によって設置されている。

平成12年12月、地下鉄大江戸線・南北線の開通により、路線短縮されて四92系統と統合された。

浜95 品川車庫-東京タワー[都バスで東京発見]

港南・芝浦・海岸の湾岸地域を走って東京タワーへ向かう路線

浜95 品川車庫⇔東京タワー(経由)品川駅東口・浜松町駅 品川営業所

路線keyword:東京タワー,湾岸地域,世界貿易センタービル


東京タワーへの観光アクセス路線と思えるが、どちらかというと倉庫や中規模工場などが存在する港南・芝浦・海岸地区へのアクセスを担っているといえる路線である。JR東海道(京浜東北)線の東側である湾岸地域を走っていく。
都営アパートの1階に品川車庫がある。東京タワー行きのりばは道路沿いの大井競馬場行きと同じ停留所となっている。品川車庫を出ると、一旦東京タワーとは反対方向に進み、天王洲アイルのビル群を眺められる天王洲にて左折を2回行って、旧海岸通りを北に進むようになる。
天王洲橋を渡ると港南地区となり、右手に東京水産大学、左手に食肉卸売市場が現れる。湾岸地域特有の殺伐とした倉庫やコンクリートの建物が目に付く。しかし、湾岸エリアとして新たに注目されている地域でもあり、真新しい近代的な高層ビルの姿もちらほら見つけることもできる。
品川駅東口となる。駅前広場は整備され、以前とは変わって整然ときれいなターミナルと変身した。東海道新幹線の品川駅開業に向けて、工事が進められている。品川駅をでると、正面に小さく東京タワーを見ることができる。
再び旧海岸通りを走り、芝浦下水処理場を左に見て、新幹線の車庫への線路と交差して、高浜橋で芝浦地区へと入る。芝浦は「元祖ベイエリア」ともいえる場所で、湾岸地域における空の倉庫を改装してジュリアナ東京(今はない)のディスコなどをオープンさせる再開発を行った最初の場所である。ジュリアナ東京(今はない)のディスコなどは無機質な芝浦地区をメジャーなものとする施設であった。
潮路橋を渡ると海岸地区となる。住所が海岸3丁目となり、東京湾に近いことが伺える。右手には新交通ゆりかもめ、水上バスのりばである日の出桟橋が存在する。首都高速1号線の薄暗い高架下をバスは走っていく。
休日になると、浜松町駅からどっと乗客が乗ってくる。東京タワーへの観光客である。満員の乗客を乗せて発車する。正面には東京タワーの大きな姿が見える。増上寺の大きな門を正面に見ながら、バスは 第一京浜へ右折する。芝公園越しに巨大な東京タワーが見えたかと思うと、バスは神谷町駅へとぐるりとまわって、東京タワーの真下(ほんとうに真下である)で終点となる。

品93 大井競馬場-目黒駅[都バスで東京発見]

白金・高輪地区と大井競馬場へのアクセス路線

品93 大井競馬場⇔目黒駅(経由)東京陸運支局・品川駅 品川営業所

路線keyword:大井競馬場,白金・高輪,狭路


この路線は品川駅を境に客層が入れ替わる。大井競馬場-品川駅間は、大井競馬場への来場者はもちろんのこと、東品川・勝島地区へのアクセス路線となる。品川駅-目黒駅間では、高輪・白金地区へのアクセス路線となる。本数は多い。
大井競馬場は東京都が行っている?地方競馬である。大井競馬場の説明・・・
場内入口の正門がある1階のバスプールから発車すると、首都高速の下を走り、倉庫の建ち並ぶ湾岸地域の海岸通りを走っていく。運転免許試験場のある鮫洲、品川ナンバーの登録を行う東京陸運支局を通り過ぎ、都立高専前となる。
右手に天王洲アイルの再開発ビル群が見えると左折する。品川車庫を過ぎて京浜急行の線路を八ツ山踏切で越えて第1京浜の広い道路にでる。平日の朝は踏切渋滞を避けるために、国道15号経由となる。そして、プリンスホテルが左手に見えると品川駅前となる。

四92 品川車庫⇔四谷見附(四谷駅)[都バスで東京発見]

品川・高輪・麻布十番・虎ノ門・赤坂見附・四谷と南北に結ぶ路線

四92 品川車庫⇔四谷見附(四谷駅)(経由)一ノ橋・虎ノ門 品川営業所

路線keyword:麻布十番,虎ノ門,赤坂見附,一流ホテル,迎賓館,東京タワー,ビジネス街


品川車庫から四谷駅(四谷見附)までの路線は、天現寺・青山を経由する四97系統と、麻布・虎ノ門・赤坂を経由するこの四92系統の2つが存在する。地下鉄の便の悪い地区を縦(南北)に結ぶ路線であり、平日の日中はビジネス客も利用する路線である。
都営北品川アパートの1階に品川車庫がある。品川車庫を出発すると、坂を上り八ツ山橋でJR線を越え、踏切で京浜急行の線路を通過する。京浜急行の線路はこの付近でカーブしており、さらに終着品川駅へ近いことから電車のスピードが出せず、踏切が閉まってから電車が通過し終わるまで時間がかかる踏切である。第一京浜の8車線もある広い通りを快走すると、左手に品川プリンスホテル、ホテルパシフィック東京の高層ビルが現れて賑やかになり、品川駅前となる。
ホテルパシフィック前を離れ、浅野家の菩提寺で浅野内匠頭や赤穂浪士47士の墓がある泉岳寺にてバスは左折し、坂とカーブの続く2車線道路を桜田通り目指して走る。周辺は高輪の高級住宅街である。魚藍坂を下って、魚らん坂下より北上し、古川橋、三ノ橋、二ノ橋、そして一ノ橋の麻布十番となる。桜田通りでは現在、営団地下鉄南北線の麻布駅(仮称)工事が行われている。
バスは一ノ橋で右折し、中の橋を通って右に共生会中央病院を見て赤羽橋を左折、国道1号・桜田通りに入る。右手に東京のランドマーク・東京タワーが目の前に現れる。右の窓側に座って首をひねり上げないと東京タワーの先端を見ることができない。馬の鞍のような地形となっている飯倉交差点を山型に通過し、営団地下鉄日比谷線神谷町駅前となる。
この辺りから番号の振られた「森ビル」が多くなり、オフィス業務ビルが建ち並ぶ景観が続く。虎ノ門三丁目交差点では、右手にサムライ美術専門店を開く日本刀剣の専門店が現れる。車内から見ることはできないが、左手奥には各国の来賓が宿泊するホテルオークラが存在する。そして、虎ノ門交差点となり、バスは左折し外堀通りに入る。直進すれば官庁街・霞ヶ関になる。
文部省、霞ヶ関ビル、特許庁を右に見て、溜池交差点を通過する。右手奥は首相官邸である。火災によって閉鎖していたホテルニュージャパンの煤けた建物がかつては建っていた跡地を右手に見ると、赤坂東急プラザ(ホテル)が現れて、赤坂見附となる。右手には陸橋・高速道路の高架橋ごしに赤坂プリンスホテルの高層ビルが見え、続いてビル上部が円形となっているホテルニューオータニの本館・新館の高層ビルが江戸城の外堀・弁慶濠ごしに現れる。
ここからは喧噪としたビル群がなくなり、周辺の雰囲気ががらりと変わる。左手には迎賓館(赤坂御所)の森が現れ、右手に外堀の土塁と上智大学敷地内の聖イグナチオ教会の十字架を見て四谷見附交差点となり、まもなく終点四谷駅の停留所に到着する。

平成12年12月、大江戸線の開通により、反96系統と統合され、短縮された。

井91 大井町駅東口-大田市場[都バスで東京発見]

大井町駅から八潮パークタウンを経由して大田市場までを結ぶ路線

井91 大井町駅東口⇔大田市場(経由)八潮パークタウン 品川営業所

路線keyword:大田市場,八潮パークタウン,大井埠頭


本数が非常に少ない路線である。大田市場へは品川駅からバスが運行されている。
八潮パークタウンまでは品91系統と同じルートを走り、八潮パークタウンを出た東京陸運支局から東京港野鳥公園までは品98(甲)系統と同じルートを走る。
そして、東京港野鳥公園(環七大井埠頭交差点付近)から大田市場までは品98(丙)系統と同じルートを走り、終点大田市場に到着する。(それぞれの系統を参照してください。)

宿91 駒沢陸橋-新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿から東高円寺を通り、環七で駒沢までを結ぶ路線

宿91 駒沢陸橋⇔新宿駅西口(経由)新代田駅・東高円寺駅 杉並営業所

路線keyword:新宿副都心,青梅街道,環七通り,駒沢


新宿から東急王国の世田谷区駒沢までの都バスがあったのか、と思わせるような路線である。かつては大森駅まで走っていたのであるが、環七の道路渋滞が激しいためか、区間が短縮された。
新宿から高円寺陸橋までは青梅街道を王78系統と同じルートで走る。
高円寺陸橋で左に曲がり、あとはひたすら環七通りを南下するのみである。
丸の内線の方南町駅を過ぎ、甲州街道や首都高速と交差し、代田橋を過ぎて新代田駅となる。ここに東急バスの操車場があり、大森駅行きのバスが出ている。小田急線の下をくぐり、都内で2カ所だけになったチンチン電車・東急世田谷線と交差して若林となる。上馬、野沢と過ぎ、駒沢通りとの交差点に駒沢陸橋があり終点となる。青梅街道と環七通りしか走らないので、車窓の変化に乏しい路線である。

品91 品川駅東口⇔大井町東口[都バスで東京発見]

品川駅・大井町駅と八潮パークタウンとを結ぶ路線

品91 品川駅東口⇔大井町東口(経由)八潮パークタウン 品川営業所

路線keyword:八潮パークタウン,大井埠頭,湾岸埋立地


大井埠頭西部の八潮五丁目に存在する高層住宅・八潮パークタウンへのアクセス路線である。品川駅から八潮パークタウンを経由して大井町駅までを結んでおり、乗り通す乗客はまずいない。
大井町駅東口のきゅりあん(品川区総合区民会館)・丸井前のロータリーを出発すると、仙台坂を下って第一京浜を横切り、青物横丁となる。北ふ頭橋交差点にて海岸通りに右折し、今度は八潮橋交差点を左折する。
右手には、羽田空港へ向かう東京モノレールが運河の中を走っており、バスはS字カーブを描きながら八潮橋で京浜運河を渡って大井埠頭八潮五丁目・八潮パークタウンに入る。本路線は八潮パークタウン内を左回りでぐるりと一周して、再びこの八潮橋を渡って八潮パークタウンを後にするルートを走る。
高層住宅の団地群の中をバスは走り、八潮橋を渡って八潮橋交差点を右折する。海岸通りを北に進み、右手に天王洲アイルの再開発ビルを眺めながら天王洲橋を渡り、左手に食肉卸売市場、右手に東京水産大学を眺めて、交差点を左折すると終点品川駅東口(港南口)に到着する。

反90乙 五反田駅⇔三田駅[都バスで東京発見]

高輪の台地の路地裏的な所を走り抜けて五反田と田町を結ぶ路線

反90乙 五反田駅⇔三田駅(経由)高輪一丁目・田町駅 目黒営業所

路線keyword:高輪台,三田,高松宮邸,狭路


かつては反96系統、五反田駅循環路線として走っていたが、現在は三田で折り返す便に短縮された路線である。本数が少なくて捕まえにくい路線であり、地元の乗客もメモをして時刻を把握し乗車している姿を目にする。バスは高輪台の路地裏的な二車線道路を走っていき、生活の匂いの感じられる高輪の住宅地を垣間見ることができる。
五反田駅を出発すると、桜田通り(国道1号)の上り坂を都心へ向けて走っていく。島津山、??山と呼ばれる高級住宅街である。
坂を上りきった都営地下鉄浅草線高輪台駅前にてバスは右折し、狭い二車線道路へと入っていく。そしてすぐ正面に衆議院高輪議員会館を見て左折し、高輪三丁目となる。バスは高輪の住宅街の中をクネクネと走っていく。商店街が両手に現れ、高級な住宅街の中にも生活の匂いが感じられる下町的な風景が続くようになる。
左手に高松宮邸の森が現れて高輪一丁目となる。伊皿子交差点から三田となり、坂を下りながら三田四丁目・三丁目を走って、慶応大学の学生の多い街となると、突き当たりを左折しJR線田町駅前となる。ほとんどの乗客はここで下車する。
第一京浜を直進し、東京港口停留所を過ぎて左折し、さらに次の交差点で左折して、ループ状に運行ルートをとる。そして、ビルの真ん中に風を通すための穴が開けられている日本電気(NEC)本社ビルが右手に現れると、バスは終点都営地下鉄三田線三田駅前に到着する。

渋88甲 渋谷駅-東京駅南口[都バスで東京発見]

渋谷から青山アンティーク通り・六本木を経て新橋駅(東京駅=廃止)までを結ぶ路線

渋88 渋谷駅⇔新橋駅北口(経由)麻布台 渋谷営業所

路線keyword:渋谷・青山・六本木・麻布,東京タワー,ロシア大使館


渋谷駅・東京駅間は本数が非常に少なく、平日の日中は1時間に1本、休日でも4~50分に1本の割合で、乗りにくい路線である。渋谷・東京タワー間を結ぶ渋88乙系統は頻発している。
東京中央郵便局の重厚な建物の前を発車し、はとバスのりばを通過して、東京国際フォーラム前を左折する。鍛冶橋で今度は右に曲がり、銀座新橋を目指す。
プランタン銀座、西銀座宝くじチャンスセンター、ソニービルを見て、数寄屋橋交差点を通過する。そして、新橋となる。新橋駅北口バス停前に「新橋モダン食堂」という昭和初期を彷彿させるような看板のお店がある。外堀通りを走り、虎ノ門で左折する。
虎ノ門にはオフィス街が建ち並ぶ。日本ガス協会ビルディングの入口にはガス燈が2つ建っており、風情を醸し出している。
馬の鞍のような形をした飯倉交差点で左を眺めると、東京タワーの超アップが現れてバスは右折する。東京タワーからやってくる渋88乙系統は、ここで合流し渋谷まで同じルートを走っていく。ロシア大使館が左手に現れて、麻布台となる。
ここからは乗客、街を歩く人々ともに外国人が多くなる。そして六本木。街がにぎやかである。六本木通りに左折して渋谷に向かうが、西麻布をでると高樹町交差点でアンティーク通りに右折して青山通り(国道246号)に向かう。骨董品通りであるが、青山の骨董品と聞くと非常に高級な感じがする。
8車線の広々とした青山通りを走って、終点渋谷駅となる。

平成12年12月、新橋-東京駅間が廃止され、乙系統であった麻布台-東京タワー間も廃止された。

田87 渋谷駅⇔田町駅[都バスで東京発見]

三田・白金・恵比寿・東を走って田町と渋谷を結ぶ本数の多い路線

田87 渋谷駅⇔田町駅(経由)恵比寿駅・魚らん坂下 渋谷営業所

路線keyword:白金,恵比寿ガーデンプレイス,北里研究所,慶應義塾大学


地下鉄の過疎地域を走ることから、乗客数・本数ともに多い路線である。田町駅のバス乗り場は、第一京浜に面した西口側と港区スポーツセンターのある東口側の2ヶ所存在するが、本系統は第一京浜側の東口にバス停がある。
田町駅を出発するとバスはすぐに左折し、第一京浜から細い道路へと入っていく。慶応大学の学生が闊歩する町中を走り、国道1号の大きな通りに出ると、右手に慶應義塾大学が現れる。
三田界隈を走り、魚らん坂下となって桜田通りと交差し、2車線道路へ直進する。右手に北里大学研究所が現れ、バスは白金界隈をくねくねと走っていく。
外苑西通りを横切り、恵比寿界隈に入る。左手にサッポロビール恵比寿工場跡地を再開発した恵比寿ガーデンプレイスの建物群が見えて、最寄り停留所である恵比寿四丁目となる。商店・飲食店街が続き、しばらく走ると恵比寿駅となる。
明治通りに左折して、終点渋谷駅前まで都06系統と同じルートを走っていく。

橋86 目黒駅⇔新橋[都バスで東京発見]

目黒から麻布の超高級住宅街を縫って新橋(銀座・日本橋=廃止)までを結ぶ路線

橋86 目黒駅⇔新橋駅(経由)愛育病院 目黒営業所

路線keyword:麻布界隈,各国大使館,超高級住宅地,有栖川公園,銀座目抜き通り(中央通り)


各国大使館の密集する高級感溢れる麻布の路地裏的な所を通り、新橋から中央通りで銀座の目抜き通りを走り抜け、日本橋の三越デパートまでを結ぶ、観光路線としても乗車価値の高い路線である。ブランド品を身につけて大きな買い物袋を手に持った気品の高い乗客を多く目にする。
目黒駅前のロータリーを出発すると、目黒通りを都心へ向けて走り、白金台にて外苑西通りに左折する。洒落たブティックやオープンカフェが建ち並び、夜になるとショーウインドウがライトアップされ、ムード溢れる景観が続いていく。
坂を下って白金六丁目となる。坂の上では「白金台」であったが、坂を下ると「台」が取れて「白金」となる。バスは右折し、天現寺橋にて明治通りと交差すると、左手に壁のように立ちはだかる都営広尾五丁目アパートを見て、地下鉄日比谷線広尾駅前(広尾橋)となる。
交差点角にある神戸屋キッチンを眺めながらバスは2車線の狭路に右折し、麻布へと突入する。「麻布」と言ってもその範囲は結構広く、本路線が走り抜ける麻布は、南麻布・元麻布界隈である。この辺りから外国人の姿を多く見つけることができ、日本に居ながらちょっとした異文化を味わえる地域である。
道なりに左折すると、右手には大使館関係の在日外国人の為のスーパー「National(ナショナル)」が現れる。店内には世界各国の食料品・嗜好品が陳列されており、見て回るだけでも楽しい。日本人でも自由に買い物をすることができる。ナショナルスーパーの奥がドイツ大使館である。
続いて、左に教会、右に都立中央図書館が存在する有栖川宮記念公園が現れ、坂を上ると右折して愛育病院前となる。右手に麻布運動場が現れて、高級マンションの連なる仙台坂を下ると二の橋となり、バスは左折する。
一の橋・麻布十番にて右折すると、左手に東京タワーを眺めながら中の橋を通り、赤羽橋にて左折、右手には東京タワーが目前に迫っている。
神谷町にて右折、第一京浜にて左折し、オフィス街となって新橋駅となる。平日の9時~18時台までは半数が新橋止まりの運行であるが、ここから先が麻布に続いて本路線の見せ場の一つであり、銀座の目抜き通りである中央通りを八丁目から一丁目まで突き抜けていく。しかも、休日などはプロムナード(歩行者天国)となってバスは迂回ルートを走ってしまうので、最も良い条件で乗車できる時間帯は限られてしまう。
首都高速をくぐると、銀座八丁目となる。両側にはビルが建ち並び、著名な店舗が続々と連なり、電柱は地中化され、街路灯が直線的に整然と先まで続く。さらに、夜になると看板とビルと街灯の明かりで眩しくなり、日本でも屈指の美しい都市景観が見れる。銀座の中心である銀座四丁目交差点で晴海通りと横切るが、ここは、地価日本一としてニュースによく登場する場所でもある。道路には人がうごめき合っており、日本一の「銀座」の繁華な雰囲気を感じることができる。そして、銀座一丁目となって、銀座は終了する。
首都高速をくぐると、京橋となる。オフィスビル街となってしばらく走ると、再び首都高速の高架橋が現れるが、バスはその手前にて左に曲がってしまう。その高速の下が道路元標のある日本橋である。日本橋三越から目黒駅行のバスに乗れば、日本橋を渡ることができる。
バスは日本橋川を渡って、日本橋に入り、三越新館の裏手にて終点となる。

平成12年12月、大江戸線の開通によって新橋-日本橋三越間が廃止されてしまった。唯一、銀座の目抜き通り(中央通り)を走るバスであったのに残念である。

池86 東池袋四丁目⇔渋谷駅東口[都バスで東京発見]

渋谷-表参道-新宿-池袋のラインを明治通りで結ぶ路線

池86 東池袋四丁目⇔渋谷駅東口(経由)池袋駅東口・新宿伊勢丹 早稲田営業所

路線keyword:明治通り,新宿伊勢丹,高島屋タイムズスクエア,サンシャイン60,表参道,ハチ公前


東京でも有数な繁華街である渋谷・新宿・池袋を明治通りで結び、便利な路線のように思えるが、それ故に道路の渋滞も激しく、移動には時間のかかることが多い。
本系統と早81系統の早大正門行は、渋谷駅東口のバスターミナルからは発車せず、駅北側の三和銀行前(渋谷駅西口停留所)か東急イン前(渋谷駅東口停留所)のバス停から乗車することになる。渋谷駅を発車すると、左手に宮下公園が現れる。流行発信の街・渋谷から表参道までを結ぶ明治通り沿線には、さすがにお洒落なショップ・レストラン・ブティックが建ち並んでいる。
クリスマスシーズンになると電飾をつける立派なケヤキ並木の続く道路と交差すると、右手に原宿プラザ、左手にラフォーレ原宿が見えて表参道停留所となる。この辺りは土休日になると人々でごった返している。パレフランスの手前が原宿通りであり、左手に一瞬見ることができる。そして、神宮前一丁目となる。
神宮前一丁目を過ぎると、パタリと店がなくなって、賑わいのないビルの建ち並ぶ街並みがしばらく続く。千駄ヶ谷、北参道と過ぎると、再び街並みが賑やかになり、左手に東急ハンズや紀伊国屋書店がテナントとして入る高島屋タイムズスクエアの建物が過ぎ去って、JRAウインズ新宿前の新宿四丁目停留所となる。
左手に新宿駅南口ルミネを望むことができる甲州街道を横切り、右手に丸井が見えて、左手に新宿伊勢丹が現れると、新宿通りを横切って新宿伊勢丹前の停留所に到着する。
新宿五丁目交差点で靖国通りと交差し、バスは明治通りを北に進む。新宿の賑やかな街を抜けだし、左手に早稲田大学理工学部が現れて都立障害者センター前となる。
高戸橋交差点を過ぎると、右手に都内で唯一残った都電荒川線の線路が現れて、神田川を高戸橋で渡り、学習院下停留所となる。都電の停留所も右手にあって、乗換に便利なところである。学習院大学は左手の台地上に存在する。そして、バスは坂を上って千登勢橋をくぐり抜け、都電は右手に別れていき、左手に西武百貨店が現れると、池袋駅東口となる。
かつての本系統は池袋サンシャインシティーまでを結んでいたが、池袋駅東口・サンシャインシティ間に乗客がいなかったからなのか、現在は区間が変更され、バスの操車所が存在する東池袋四丁目という半端な行き先となった。
バスは池袋駅東口にて右折する。左手にサンシャイン60の超高層ビルが立っているが、周囲に高い超高層ビルが立っていないので、一際目立つ存在である。首都高速5号線の高架の下を走り、都電荒川線東池袋四丁目停留所と都電線路の手前にて、バスは終点となる。
せっかくの機会なので、サンシャインシティーについて記述する。サンシャインシティーは、昭和46(1971)年の東京拘置所(戦後米軍に接収されて以来「スガモ・プリズン」と呼ばれていた)の足立区小菅移転に伴ってできた跡地を再開発したところであり、昭和53(1978)年に地上60階、240mの日本一(当時)の超高層ビル・サンシャイン60が完成し、同時にサンシャインプリンスホテル・ワールドインポートマート・専門店街アルパ・プラネタリウム&国際水族館などを備えた複合施設である。サンシャインシティーは、池袋の地位向上に大きく貢献した開発である。

早81 早大正門-渋谷駅東口[都バスで東京発見]

渋谷から早稲田大学まで裏道を縫うようにして走る路線

早81 早大正門⇔渋谷駅東口(経由)四谷三・千駄ヶ谷駅 小滝橋営業所

路線keyword:早稲田大学,表参道のケヤキ並木,狭道,千駄ヶ谷界隈


渋谷駅ではターミナルに入らず、三千里薬局付近の西口、東映映画館前の東口に停車するループ運行となる。渋谷を発車すると左手に宮下公園を見て、おしゃれな店舗の続くケヤキ並木の道路をバスは快走する。表参道となり、かつてはクリスマスの電飾ツリーで名所となっていた通りを通って原宿駅前となる。近隣住民からの反対運動により、クリスマス時の電飾は中止となった。
左に明治神宮の森、右に竹下通りを見て、千駄ヶ谷に入ると、街並みは一変して落ち着いた雰囲気となる。仙寿院下のガードのコンクリート壁面には、芸術的なペイントアートが数多く描かれている。バスはぐるぐる迂回するように2車線の狭い道を走り、東京体育館・国立競技場が見えて千駄ヶ谷駅となる。
新宿御苑の東側を通り、四谷4丁目で晴海通りをちょいと走り、消防署前で外苑東通へ左折する。防衛庁を右に見て左折、かつてフジテレビ本社のあった河田町となり、東京女子医大前となる。
このあたりの道は狭く曲がりくねっている。車内のおばあちゃんたちからは「このあたりは戦争でやけなかったのよ」といった会話が聞こえてくる。若松町、喜久井町、馬場下町と過ぎ、早大正門となる。

茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)[都バスで東京発見]

青山を突き抜けて番町を走る路線

茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)(経由)青山一丁目駅・神保町 渋谷営業所

路線keyword:青山界隈,青山通り,番町,順天堂病院,靖国神社,本屋街・学生街


御茶ノ水駅行のバスは、渋谷駅東口の都営バスターミナルの最前端部分から発車する。宮益坂を登りながら渋谷の繁華街を走り、国道246号線・青山通りと合流する。あとは三宅坂の手前の最高裁判所まで、都心部では珍しく8車線もある広々とした青山通りを東に進んでいく。
右手に青山学院大学が現れて表参道となり、お洒落な店の多く集まる青山界隈となる。表参道交差点で左を眺めると、クリスマスの電飾ツリーで有名なケヤキ並木と道路左右に建つ石灯籠が目に入る。青山三丁目交差点左前方には、ファッションショッピングビルの草分け的存在である青山ベルコモンズが通り過ぎ、神宮外苑にほど近くなって外苑前となる。青山二丁目交差点で左を見ると、神宮外苑絵画館前に延びる立派なイチョウ並木が続いており、軸線を持つ美しいビスタ景観を見ることができる。
青山一丁目を過ぎると、左手に森が出現する。東宮御所、三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸、迎賓館の存在する赤坂御用地である。そのうちの三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸は青山通りのすぐ近くに建っており、入口の門前では警視庁の警備員の姿を見つけることができる。
赤坂見附交差点を陸橋にて通り過ぎ、陸橋の上からは右手に東急ホテル、左手にホテルニューオータニ・赤坂プリンスホテルのビル群を眺めることができる。地下鉄永田町駅を通り、最高裁判所手前でバスは左に大きく曲がる。直進すれば皇居に突き当たって三宅坂となる。
右手に石造りの堅牢な建物である最高裁判所(1972(昭和47)年完成)の裏を眺め、ほんの一瞬であるが国立劇場(1966(昭和41)年完成)の裏手の昇り旗を見ることができる。バスは路上駐車の多い2車線の道を北に進む。そして坂も多くなり、坂を下って一番町、坂を上って三番町の停留所となり、左手には大妻女子大学が現れる。
番町は、江戸期において旗本の多く居住武家地であったところであり、戦前までは華族をはじめ高級官僚等の邸宅の多いお屋敷町であった。現在でも都心有数の超高級住宅街として、独特の落ちつきのある界隈である。バスは再び下って、再び上って靖国神社交差点を右折、靖国通りへ入る。
左手は、終戦の1945(昭和20)年までに戦争などの国事で倒れた約250万人の霊をまつる靖国神社である。坂を下ると、右手には日本武道館への入口でもある北の丸公園の入口・田安門が現れ、千鳥ヶ渕のお濠が見える。
営団地下鉄東西線九段下駅を通り、古本屋や本屋の連なる神田・神保町の本屋街を通り抜けて駿河台下を左折し、明治大学を左に眺めて学生街を走るとお茶の水橋の橋上に停留所のあるJR御茶ノ水駅前となる。眼下にJR中央・総武線と神田川を眺めることができる。バスはここで終点とならず、そのまま直進して東京医科歯科大学を右手に見ながら、左手に順天堂病院が現れると終点となる。

平成12年12月、唯一青山通りを走る路線であったが、廃止された。

四80 四谷駅⇔赤坂アークヒルズ[都バスで東京発見]

四谷駅から外濠(弁慶堀)沿いを走って赤坂アークヒルズまでを結ぶ路線

四80 四谷駅⇔赤坂アークヒルズ(経由)赤坂見附 新宿営業所

路線keyword:赤坂アークヒルズ,迎賓館(赤坂御所),高級感,弁慶堀(外濠),一流ホテル


アーク森ビルやサントリーホール、全日空ホテル、テレビ朝日放送センター等が存在するインテリジェントシティー・赤坂アークヒルズと四谷駅とを結ぶ路線であり、赤坂アークヒルズが地下鉄の駅から離れていることもあって、平日にはビジネスマンや訪問客によって混雑する路線である。現在、付近の六本木二丁目交差点にて営団地下鉄南北線・東六本木駅の開設工事が行われており、完成すると四谷-溜池-東六本木-麻布-目黒と結ぶことから、その後の本系統の存在が気になる路線でもある。
バスは四谷駅の裏手から発車し、外堀通りに入って四谷見附交差点を直進する。右手には国賓を迎えるための場所であるベルサイユ宮殿のような赤坂迎賓館(赤坂御所の一部)を見ることができる。緑の多く茂る落ち着いた空間をバスは走っていき、左手にはホテルニューオータニの建物群が現れる。カーブと下り坂が続き、左手には外濠・弁慶堀と首都高速が平行に走っていく。
金属的な外観を持つ赤坂プリンスホテルが左手に現れると赤坂見附交差点となり、バスは右折して新橋方面へ走る。赤坂東急プラザ(東急ホテル)前を通り、溜池にて六本木通りに右折して六本木方面へと向かう。すると間もなく六本木の手前にて全日空ホテル(赤坂アークヒルズ)1階のバス・タクシープールへと左折し、終点赤坂アークヒルズとなる。
赤坂アークヒルズ内にあるサントリーホールは、クラシック音楽専門のホールであり、世界でも最大級のパイプオルガンが置かれている。毎晩(平日)流れている「ニュースステーション」もここから放送されている。

平成12年12月、大江戸線・南北線の開通により廃止された。

王78 王子駅⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

ただひたすらに環七通りを走る東京23区内都営バス最長距離の路線

王78 王子駅⇔新宿駅西口(経由)豊玉北・高円寺駅入口 杉並・練馬営業所

路線keyword:環七通り(環状七号線),青梅街道,各種ファミリーレストラン,単調退屈


東京都23区(特別区)内の都営バスで最長距離(18.3km)を走る路線である。新宿と王子を結んでいるのだが、高円寺・豊玉北・東十条と環七通りをぐるりと迂回して結ぶルートとなっており、乗り通す乗客はまずいない。しかも、走る道路が青梅街道・環七通り・北本通りといった幹線道路であり、沿線風景も変化に乏しく、さらに交通量の多さ・渋滞の激しさでは悪評高き環七通りをひたすら走るとなれば、よほどの物好きでない限り本路線を乗り通す乗客はいないだろう。王子駅・新宿駅間の所要時間は約1時間となっているが、道路渋滞によっては2時間もかかってしまうことがある。
新宿駅西口路線バスターミナルを出発すると、左手に新宿エルタワー、裾の広がる安田火災海上ビル、新宿野村ビルの超高層ビル群が現れ、青梅街道を高円寺まで西に向けて走る。中野坂上で山手通りと交差し、相撲の二子山部屋が近くにある鍋屋横丁商店街を抜け、営団地下鉄丸ノ内線東高円寺駅を過ぎると、環七通り・高円寺陸橋となって、バスは右に曲がる。順調に走ればここまでおよそ20分である。
環七通りに突入である。東京には1号から8号までの環状道路が造られている。1号線から順に、内堀通り・外堀通り・外苑東通り・不忍通り・明治通り・山手通り・環七通り・環八通りとなっている。この中でも特に「かんなな」と呼ばれる環状七号線(環七通り)は東京湾部分を除く全区間において環状線が整備されており、東京都心部を通過したい自動車(例えば横浜から大宮に行きたい車)にとっては環状道路を使うことにより、都心部の密集した市街地を通ることなく短距離・短時間で通過することができる。そのためにトラック等の交通量も多くなるのであり、環状道路は交通政策上も重要な道路である。環七通りと郊外へ延びる放射状の幹線道路との交差点には、陸橋が設けられており、信号待ち等によって環状線を直進する車のスピードが落ちないように設計されている。
一般的に路線バスの停留所はそのような陸橋の下の側道部分に置かれていることが多く、陸橋の上を路線バスが走っていく姿はあまり見かけないが、本系統は陸橋下の停留所には停車せず、陸橋の上をバスが走っていく。
野方にて西武新宿線の下をくぐり、豊玉北を過ぎたあたりで西武池袋線の陸橋を越える。羽沢で西武有楽町線新桜台駅前となる。
沿線の風景はこれといった特徴があるわけでもなく、街路樹と車・トラックのひしめく道路が続くだけで退屈極まりないが、環七沿線に多く見られるある施設をつぶさに眺めてみると結構暇つぶしになる。それは、ファミリーレストランとガソリンスタンドである。特にファミリーレストランは、「デニーズ」や「ロイヤルホスト」等といったメジャーな店舗から、聞いたこともないマイナーな店舗まで、多種多様な店が次々と後ろへ過ぎ去っていく。おそらく、東京で営業しているファミリーレストラン企業のほとんどの店舗を環七沿線で見られるのではないかと思うほど、ありとあらゆる店が現れていく。
常盤台で東武東上線の下をくぐると、環七通りは右にカーブするが、その左手に赤提灯を並べた立ち食いラーメン屋「土佐っこラーメン」が現れる。夜になると赤提灯には明かりがついて、路上に車を止めてラーメンをすする客の姿が絶えない。この地点が先頭になって渋滞が起こることもあり、道路には、「夜間の違法駐車取締りを強化します-板橋警察署」と書かれた看板が立っている。
大和町にて高速道路(上側)と中山道(下側)と交差する。大和町交差点は大気汚染度が都内ワーストワンという記録を持つ交通量の激しい場所であり、都営地下鉄三田線板橋本町駅前でもある。
バスはさらに環七通りを東へ進む。JR埼京線を越え、なだらかな下り坂を走りながらJR京浜東北線と東北・上越新幹線と交差し、隅田川手前に位置する北区神谷町の宮堀陸橋にてようやく環七通りから北本通りへと右折する。そして、王子五・四・三・二丁目と王子のオンパレードとなって終点王子駅前に到着する。

早77 早稲田⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿と早稲田を結ぶ明治通りを走る路線

早77 早稲田⇔新宿駅西口(経由)高田馬場2丁目・新田裏 早稲田営業所

路線keyword:早稲田大学,明治通り,新宿歌舞伎町


都電の早稲田停留所から東に少し歩いたところに都バスの早稲田営業所があり、そこに早稲田バス停留所がある。新宿駅西口行のバスは都電のりばの直前で左の道へ入り、坂を登りながら早稲田大学の真ん中を突っ切る。周りを歩く人々はほとんどが学生であり、昼どきは食事を求める人々がごった返している。店先に掲げられているランチセットも低料金のものが多く、思わず途中下車して入ってみたくなる店もある。コンビニエンスストアも学生達で混雑していた。
高田馬場口交差点で明治通りへ左折し、バスは南下する。停留所に止まる度に乗客がどんどん乗ってくる。いつのまにか車内は混雑していた。道沿いには高層ビルが建ち並び、道路の幅員が小さい(とは言っても4車線道路である)からなのか、高い壁に両側から囲まれているような圧迫感を感じる。
新宿5丁目にて右折し靖国通りに入る。新宿から早稲田に向かうバスは、一本南側にある新宿通りを走るので、ここは通らない。右手に丸井を見て、左手に伊勢丹が現れ、看板が派手になってくると、都内有数の歓楽街歌舞伎町であり、新宿大ガードでJR線の下をくぐると、新宿西口バスターミナル終点となる。

秋76 新宿車庫⇔秋葉原駅東口[都バスで東京発見]

初台・新宿・飯田橋・秋葉原と都心を東西に結ぶ路線

秋76 新宿車庫⇔秋葉原駅東口(経由)新宿駅西口・飯田橋 新宿営業所

路線keyword:峡谷のような神田川,牛込界隈,秋葉原電気街,歌舞伎町


秋葉原駅東口バスのりばは、営団地下鉄日比谷線秋葉原駅近くの小さな公園の前に存在する。新宿車庫・飯田橋間の折返し便が多数存在する路線であるが、日曜の日中には秋葉原等への買い物客を考慮して、全便全区間の運行となっている。
秋葉原駅を発車すると、右手に電気街、左手に神田川に架かる万世橋を見て中央通りを横切り、高い位置に架けられているJR総武線のグリーンの鉄橋下を通り抜ける。バスは飯田橋まで、神田川・JR総武・中央線に沿って走っていく。
左手に美しいアーチの形をした聖橋と神田川、そしてその奥にJR御茶ノ水駅が見えると、御茶ノ水駅停留所となる。御茶ノ水駅から順天堂大学前を通り過ぎると、左手には深く掘られた峡谷のような神田川と、その崖っぷちに走るJR線、崖上にそびえ立つビルディングが眺められ、東京ではあまり見られない一風変わった風景となる。この辺りの神田川は、江戸時代において駿河台の北側を開削して江戸城の外堀にしようと人工的に掘られたものである。
水道橋となり、右手に後楽園・東京ドームの正面入口と後楽園ゆうえんちのパラシュートが現れ、続いて後楽園の黄色いビル、青いビルが現れる。
飯田橋となり、左手に飯田橋駅と再開発ビルが現れて、飯田橋交差点を右斜め前方の大久保通りへ右折する。ここからは2車線の道路となり、坂が多くなる。
坂を上ると右手に東京厚生年金病院が現れ、続いて神楽坂となる。この辺りの地図を開いてみると、町名が細かく分割されていて、なおかつ丁目がないことに気づく。昭和37(1962)年に住居表示に関する法律が施行されて、町名の改正や地番整理が行われたが、この地域は昔から続く町名がそのまま踏襲され、変更されなかった。バスは、地下鉄の交通が不便な新宿区東部の牛込界隈の住宅街の中を走っていく。
若松町にて左前方の道に入り、東京女子医大病院と臨海副都心への移転を間近に控えたフジテレビ本社が近くに存在する河田町となる。このバスは両者の正門前は通らない。
抜弁天を通り、大久保一丁目にて明治通りに左折する。新宿駅から飯田橋へ向かうバスは明治通りを通らず、歌舞伎町の新宿区役所前を走るルートとなる。
新宿五丁目で靖国通りに右折し、大繁華街・新宿歌舞伎町の賑やかな街並みとなる。派手な看板の立ち並ぶ歌舞伎町を突っ切り、JRの大ガードをくぐって左折すると、バスターミナルの広がる新宿駅西口の広場となる。バスは小田急百貨店に沿って西口広場を走り、小田急百貨店に隣接する京王デパート前に来ると新宿駅西口停留所となる。右手には新宿副都心の超高層ビルが幾つもそびえ立っている。
バスは初台にほど近い新宿車庫まで運行する。新宿駅にて若干の乗客を乗せ、国道20号・甲州街道へと右折する。正面には新宿パークタワーの3棟の超高層ビルが、左手には文化服装学院が現れる。新宿パークタワーへ行くビジネスマンは西参道で降車する。
初台交差点にてバスは右折し、左手に新宿オペラシティータワーが現れると、右手に新宿車庫が現れて終点となる。新宿車庫は、背景に都庁や新宿パークタワー等の超高層ビル群が立ち並んでいる景観の中に、都営バスがズラリと並んでいる光景が見られる、都会的な風景画が楽しめる場所である。

平成12年12月、大江戸線の開通により廃止された。

宿74 新宿駅西口-東京女子医大[都バスで東京発見]

新宿から東京女子医大までを結ぶ路線

宿74甲乙 新宿駅西口⇔東京女子医大(経由)抜弁天・河田町・国立国際医療センター 新宿営業所

路線keyword:東京女子医大,新宿歌舞伎町,抜弁天


新宿駅から東京女子医大までを結ぶ路線であり、抜弁天経由と国立国際医療センター経由の2路線が存在し、交互に出発している。ルート的には抜弁天経由のほうが近い。東京女子医大病院までのアクセスもあるが、河田町・若松町・余丁町・戸山町地域の新宿駅までのアクセスの役割も果たしている。近年、地下鉄大江戸線が開通したが、地下深いホームまでの乗り降りを考えると、バスを利用した方が気軽で便利である。
新宿西口の小田急ハルク前から発車する。新宿駅の小田急デパートを正面に見て左折し、大ガード西の交差点を右折、JR線の大ガード下をくぐって、東口・歌舞伎町となる。左手にはネオン輝く歓楽街が広がり、歩道は人でごった返している。ゴミが散乱し、道路が非常に汚い。新宿5丁目で明治通りへ左折する。花園神社が現れる。
ビルとビルに挟まれた明治通りを北に向けて走り、抜弁天経由のバスは、東新宿駅(新宿7丁目交差点)で右に曲がる。

抜弁天経由---
そして抜弁天となる。昔は抜弁天という地名が浸透していたが、現在は河田町という町丁名になっている。山手の中の下町的な雰囲気の街並みが続く。かつてはフジテレビがあった河田町にて右に曲がり、まもなく左手に東京女子医大が見えて終点となる。大学病院前にバスの折り返し用の操車場がある。

国立国際医療センター経由---
明治通りを直進し、大久保通りで右に入る。各種統計資料を閲覧できる総務庁統計局の統計センター前を通り、国立国際医療センターとなる。若松町にて右にぐるりと曲がり、河田町にて左に曲がると、東京女子医大前となる。東京女子医大前では、白衣を着た若い医者の卵たちが、道路を横断している。救急車が頻繁にやってきて、「脳神経に入りまーす」、などとスピーカーからアナウンスしながら走っていく。

高71 高田馬場駅-九段下[都バスで東京発見]

高田馬場から防衛庁前を通り靖国神社・日本武道館のある九段下までを結ぶ路線

高71 高田馬場駅⇔九段下(経由)大久保通り・市ヶ谷駅 小滝橋営業所

路線keyword:靖国神社,日本武道館,防衛庁,BIGBOX


高田馬場駅から九段下までの路線は、他に小滝橋車庫からやってくる江戸川橋経由の飯64系統がある。
BIGBOX横を発車し、商店の並ぶ緩やかな登り坂の続く駅前通りを走る。明治通りにでて、新宿方面に進路を向ける。大久保1丁目で左折し、かつてフジテレビ本社のあった河田町となる。東京女子医大前、韓国学校を通り過ぎ、市ヶ谷界隈を走っていく。
防衛庁が左に見えてきて左折、合羽坂下となる。左手には塀とセキュリティーのセンサーが張り巡らされている敷地が続く。自衛隊市ヶ谷駐屯地そして防衛庁の立派な建物が現れる。広々とした庭を備える、豪華なリゾートホテルのような趣である。左手に釣り堀と市ヶ谷駅ホームを見ながらお堀を渡ると、市ヶ谷駅前となる。
左手に瓦屋根の塀と緑の茂みが現れた。靖国神社である。右手に皇居北の丸公園と日本武道館が見えると終点九段下となる。

田70 田町駅東口(港区スポーツセンター)⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿・青山・六本木・麻布十番・田町と結ぶ路線

田70 田町駅東口(港区スポーツセンター)⇔新宿駅西口(経由)六本木 新宿営業所

路線keyword:新宿(新宿通り),青山,六本木,麻布十番,鳥居坂の急坂狭路,神宮外苑・赤坂御所


 本路線は、三田付近にて三ノ橋経由と赤羽橋経由の2つのルートを持っており、それぞれ交互に半数ずつ走るダイヤとなっている。系統そのものは目立たない地味な印象を受けるが、改めてルートを見てみると新宿・青山・六本木・麻布(十番)と都内有数の繁華スポットを走っている路線である。
新宿駅西口のバスターミナルを後にすると、裾の広がった安田火災海上ビルの高層ビルを左に眺めて右折し、東へ向けて走る。JR線の大ガードをくぐり抜けると右折して新宿通りとなり、右手に幾つも立ち並ぶ大きな映画の宣伝看板を眺めて新宿駅東口前となる。左はスタジオアルタ前となり、待ち合わせをする人々でごった返している。
新宿駅より都心(東)方向へのバスは、歌舞伎町に接する靖国通りを走る路線がほとんどであるが、この田70系統と早77系統の早稲田行のみ、靖国通りより1本南側に位置する新宿通りを走っている。人々で賑わう新宿通りを丸井・紀ノ国屋本店・三越・伊勢丹等を眺めながら四谷に向けて走っていく。
新宿二丁目から四谷三丁目までは都03系統と同じルートを走る。四谷三丁目にてバスは右折し、外苑東通りへ入って南に進路を変える。右手に信濃町煉瓦館の煉瓦の建物が見えて信濃町駅前となる。
信濃町駅を出ると、右手には神宮外苑の森、左手に明治記念館が現れる。続いて右手には都営北青山一丁目住宅、左手に赤坂御用地の森となり、緑の多い区間を走る。カーブが続いて青山通りと交差して、青山一丁目駅となる。
南青山一丁目、赤坂八丁目の落ち着いた街並みを走り、営団地下鉄千代田線乃木坂駅を過ぎると、左手に防衛庁が現れる。そして、六本木となる。
六本木交差点にてバスは往路復路が分かれ、右前方の喫茶店「アマンド」の横にある一方通行路へ入って急な下り坂を走る。午後8時以降はこの鳥居坂交通規制のため、港区スポーツセンター行も新宿駅西口行と同様の六本木五丁目を経由するルートになる。坂を降りて鳥居坂下となり、高速道路の高架橋が見えて一ノ橋・麻布十番となる。麻布十番商店街は右手に1本入った道沿いに存在する。
一ノ橋交差点で往路復路が一緒になる。かつての新宿駅西口行は城南中学校より分かれて、麻布トンネルを抜けてUターンし、六本木通りに出て六本木交差点を左折するルートであったが、現在は一ノ橋より飯倉片町・六本木五丁目を通って六本木交差点を直進するルートになっている。
一ノ橋から芝五丁目までは、三ノ橋回りと赤羽橋回りの2つのルートが存在する。
赤羽橋回りの場合、一ノ橋交差点を直進し、左手に東京タワーを眺めながら、首都高速の高架橋に沿って中ノ橋を走り、赤羽橋にて国道1号線に右折する。この区間は道路拡張工事を行っており、用地買収の済んだ空き地と商売等を続けている一軒家がポツポツと並んでいる。後ろを振り返ると、東京タワーが道路の軸線上にドカンと立っている。そして、芝五丁目となる。
三ノ橋回りの場合、……未乗。
札の辻にて第一京浜を横切り、JR東海道線・新幹線等の線路を越えて芝浦地区へと入り、藻塩橋にて左折して田町駅東口となる。バスは一つ先の港区スポーツセンターにて終点となる。

 平成12年12月、都営地下鉄大江戸線の開通により廃止された。

渋66 阿佐ヶ谷駅-渋谷駅[都バスで東京発見]

渋谷駅と阿佐ヶ谷駅を幹線道路で結ぶ路線

渋66 阿佐ヶ谷駅⇔渋谷駅(経由)新高円寺・代田橋 杉並営業所

路線keyword:渋谷の雑踏と狭路,井の頭通り,甲州街道,阿佐ヶ谷のけやき並木


渋谷駅から阿佐ヶ谷駅までを、山手通り、甲州街道、環七通り、青梅街道を走って結んでいるが、見せ場は渋谷駅を出発してすぐやってくる。一時期、廃止の話が持ち上がったが、地元からの強い反対があって現在に至っている。京王バスと共同運行しているが、渋谷周辺の渋滞を考えると、廃止したい気持ちもわからないではない。
阿佐ヶ谷行きは、東急バスや京王バスの発車する西口からとなる。銀座線のガードをくぐり、北口ハチ公前広場を右に見て、スクランブル交差点を通過する。周りを見ると、人、人、人。さすがは渋谷である。しかし、この路線はこれだけで驚いていてはいけない。西武百貨店にて左に曲がり、一方通行の井の頭通りへと入っていく。非常に狭い通りで、ましてや渋谷一の繁華街・センター街が近くにあるため、道路には溢れんばかりの人の山となっている。人、人、人、人、人、人、人。そんな中を、大型バスがゆっくりと進んでいく。高い位置から、渋谷の雑踏を眺めることができる。よくこんなところを走って行くな、といった感じである。日本一の若者文化の発信地・渋谷をどっぷり感じることができるであろう。東急ハンズ横を過ぎ、宇田川町となり、NHK放送センタースタジオパークの裏を走って、代々木公園を右手に見ると、左折して富ヶ谷となる。休日はここまでで30分である。
小田急線代々木八幡駅となり、山手通りを北へ走っていく。首都高速環状線のための用地買収が進んでいるようで、一部工事を行っている区間もある。初台にて甲州街道へ左折し、東京オペラシティー、新東京国立劇場を右手に見て、西に走っていく。ここから先は、幹線道路の単調な車窓が続く。代田橋(大原)にて環七通りへ右折し、ますます単調な車窓に。高円寺陸橋で青梅街道へ左折し、杉並区役所で右へと曲がる。
ここから阿佐ヶ谷駅までは立派なけやき並木が続く道路で、昼間でも日陰となるほど道路を覆うほどの枝振りとなっている。まもなく終点阿佐ヶ谷駅となる。

池65 練馬車庫-池袋駅東口[都バスで東京発見]

池袋と南長崎・西落合・江古田界隈の住宅地とを結ぶ路線

池65 練馬車庫⇔池袋駅東口(経由)江古田2丁目・目白駅 練馬支所

路線keyword:閑静な住宅街,南長崎・西落合・江古田界隈,狭路


終点は練馬車庫となっているが、ほとんどの便は途中の江古田2丁目止まりとなってしまい、練馬車庫までいくバスは本数が非常に少ない。日中は走っていない時間帯もある。しかし、この路線の醍醐味は、江古田2丁目から先の細く曲がりくねった狭路であろう。大型バスが右に左に方向を変えて走っていく。
東口西武百貨店前を出発すると、明治通りを南下、千登勢橋手前で右に入り、千登勢橋を左に見ながら目白通りへ右折する。学習院大学を左に見て、イチョウ並木の続く美しい目白通りを走ると、JR山手線の線路を越えて目白駅となる。
バスは住宅街のなかを、関東バス、西武バス、国際興業バスと共に走っていく。このあたりは各社混在して走っている。
落合南長崎駅前で目白通りから新青梅街道と名前が変わって、哲学堂を過ぎると、小さな江古田川を渡る。すると左手に神田川の支流である妙正寺川が現れて、真っ赤な関東バスが並んで止まっている関東バス丸山営業所となる。
江古田の閑静な住宅街の中をはしり、江古田2丁目となる。バスは右折し、右手に操車場を見てしばらく走ると、だんだんと道幅が狭くなっていく。左に曲がったり右に曲がったり、うねうねと住宅地の中を縫うように走る。環七通りと交差し、豊玉中、豊玉北と過ぎ、桜台駅前を通って終点練馬車庫となる。

草64 池袋駅東口⇔浅草寿町[都バスで東京発見]

池袋・王子・浅草を明治通りで結ぶ路線

草64 池袋駅東口⇔浅草寿町(経由)王子駅・日本堤 巣鴨営業所

路線keyword:明治通り,池袋,飛鳥山,吉原大門,浅草公園六区,浅草雷門,都電と併走


池袋・王子・浅草と、電車では乗換なければならない地点を明治通りで結ぶ比較的利用価値のある路線であり、休日には若干本数が増える。池袋・浅草間には、この他に巣鴨駅・白山・千束を経由する草63系統が存在する。
池袋駅から王子駅までは王40系統と同じルートを走る。王子駅前を出発するとこのバスは溝田橋交差点で右折して王40・王57系統と別れるが、明治通りも右に曲がっているので、通り名称は変わらない。石神井川を小さな橋で渡り、梶原で都電荒川線と交差する。この路線は、都電の線路と平行に走って行くわけではないが、都電が結ぶ地域と同じ地域を結んで走っている。
右手にひっそりと佇むJR宇都宮・高崎線の尾久駅舎が現れる。注意をして見ないと気づかずに通り過ぎてしまう。駅の後ろにはJRの操車場が広大に広がっており、運が良ければ夜の発車を待つ東北方面への寝台列車をちらっと眺めることができる。
京成線新三河島駅を過ぎ、左手に荒川区役所前に広がる公園を眺め、バスは中小工業と住宅が混在する下町の中を走っていく。この辺りの明治通りは、渋谷駅前・新宿伊勢丹前・池袋駅前の明治通りとは全く異なった趣を呈す。
大関横丁で国道4号・日光街道と交差し、三ノ輪二丁目で明治通りは左斜め前に別れていく。バスはここで明治通りに別れを告げ、土手通りを南に走っていき、山谷地域に接している日本堤を通過する。そして、遊郭で有名だった吉原の裏手に位置する吉原大門となり、吉原大門交差点の昭和シェル石油ガソリンスタンド前歩道に「見返りの柳」が小さな石灯籠と共にぽつんと一本立っている。バスは高速で走り抜けていくので、車内から見るときは目を凝らして右手を眺めていなければ見過ごしてしまう。吉原(新吉原)は明暦3(1657)年に日本橋人形町あたりに存在していた旧吉原の遊郭を現在の千束四丁目に移転して形成された遊郭であるが、昭和33(1958)年の売春防止法の施行によって吉原遊郭は消滅した。現在は特殊浴場(ソープランド)街が形成されている。
浅草二丁目で往路復路が別れ、このバスは右に曲がる。駅前にバスターミナルのないところでは、バスをループ運行させて折り返させるルートとすることが多く、浅草の場合も繁華街が広域に広がっていることもあって、ループ運行をする路線が多く存在する。左手に浅草寺(浅草観音堂)の裏を一寸眺められ、西浅草三丁目交差点を左折し、左手に花やしき遊園地をこれまた一寸眺めて浅草公園六区となる。花やしきは江戸時代には花園で賑わったところで、昭和28(1953)年に日本初のローラーコースターが登場した遊園地である。
浅草公園六区の「六区」とは、明治15(1882)年より始まった浅草公園の築造・整備(全6区画に区分して整備)における区画番号のことである。その中でも第6区画は興行街として整備され、そのまま「浅草公園六区」という名称が東京の娯楽の代名詞のようになったのである。バス停の名称に「浅草公園六区」という名が今でも残されていることに拍手を送りたい。映画館は明治40(1907)年頃から登場し、現在も残る浅草六区の映画街が形成された。1本左手奥に入った道沿いに映画館が建ち並んでいる。
浅草の繁華な雰囲気となってバスは国際通りを直進し、右手には浅草ビューホテルの高層ビルが現れ、ROXビル前にて浅草一丁目のバス停となる。そして、地下鉄銀座線田原町駅前である終点浅草寿町に到着する。
浅草寿町発の池袋駅東口行は、浅草二丁目まではループ運行となる。浅草の見所の多いところを通過するので、浅草二丁目までを記載する。
浅草寿町を発車し、隅田川に架かる駒形橋を右手に見るとバスは左折する。正面には浅草雷門が現れ、「雷門」と黒字で書かれた大きな赤提灯が門にぶら下がっている。雷門は五穀豊穣を祈願して天慶5(942)年に建てられたもので、風神・雷神が安置されている。現在の雷門は昭和35(1960)に復元されたものである。雷門正面に突き当たると右折し、賑やかな商店街を走る。吾妻橋・隅田川橋めぐりの水上バスのりば・金色の炎のオブジェを右手に見ながらバスは左折し、松屋デパート・浅草駅前となって浅草松屋前(東武浅草駅)停留所となる。浅草寺に通じる二天門バス停を通って、浅草二丁目バス停となる。バスはそのまま直進して池袋に向かう。

草63 池袋駅東口-浅草寿町[都バスで東京発見]

千駄木・根津界隈の山の手台地の下町的住宅街を走る路線

草63 池袋駅東口⇔浅草寿町(経由)巣鴨駅・千束 巣鴨営業所

路線keyword:文京区の山の手住宅地,浅草公園六区,巣鴨とげぬき地蔵


池袋駅から浅草寿町までを走るバスは、王子駅を経由して明治通りを走っていく草64系統と、昭和初期の頃までは高級住宅地だったであろう山の手台地の住宅街を縫うようにしてはしっていくこの草63系統の2路線が存在する。
池袋駅東口パルコ前より発車する。豊島区役所前を過ぎ、明治通りを王子へ向けて走っていく。西巣鴨で国道17号・白山通りへ右折する。ここを左折すると中山道となる。
新庚申塚で都電の線路と交差し、左に豊島市場を見て巣鴨駅前となる。巣鴨にはおばあちゃんの原宿と呼ばれる「巣鴨とげぬき地蔵」があり、4のつく日は縁日となって、根津・千駄木あたりにすむご老人たちが、このバスに乗ってやってくる。
バスは旧白山通りの2車線の通りに入り、東洋大学前を走る。山の手台地らしく坂が多くなってくる。そして、白山上で左折。商店街を抜け、文京区内の古い街並みを縫うように走っていく。このあたりには、医者や弁護士など、かつて名声を馳せたご老人たちが多く住んでおり、街並みは古くてもどこか文化の香りが漂う街でもある。バスに乗ってくる乗客も、シルバーパスを持った人が多い。
駒込千駄木町を出ると急な下り坂となり、団子坂下。不忍通りへ左折する。商店街の続く通りを走り、道灌山下で右折すると、西日暮里駅となる。
ここから今度は、下町の風景となる。荒川4丁目で明治通りに右折し、草64系統と合流するが、大関横町で右折し、再び草64系統とは別れて浅草寿町に向かう。三ノ輪橋駅を過ぎ、国際通りとなって、かつての繁華街・浅草公園六区を左に見て、終点浅草寿町となる。

~旅・万歳!街歩きの風が吹く~