スタートまで[阿武隈川カヌー駅伝大会物語#1]

福島県中通りを流れる阿武隈川.西白河郡西郷村を源流として白河市・郡山市・福島市と福島県内を縦断し,宮城県の亘理町で太平洋にそそいでいる.「川に親しみ,川との触れ合いを通して自然のすばらしさや大切さを改めて再発見し,阿武隈川の舟運の歴史を偲び巡りながら,上流から下流までの人々の交流の輪を広げる夢を託す」という趣旨で,第1回阿武隈川カヌー駅伝大会が開催された.(主催:阿武隈川サミット実行委員会(事務局:福島市役所))
スタート地点は福島県福島市のわたり水辺の楽校と呼ばれる河川敷,約5~12kmごとに設けられた8つの中継地点でタスキをつなぎ,宮城県亘理町の船着場まで74.9kmの区間を2日間に渡ってタイムを競う大会である.全国的にもカヌーの駅伝大会は珍しいという.
参加チームは各沿川市町村の住民などで構成された16チームあり,我々も「チーム山土(やまど)」というチーム名で参加することになった.(私はサポート隊で車の提供とドライバー,そして取材広報!?(つまりHP作成)という役目を担った)
無事,ゴールまでたどり着けるのか!物語の始まりです.

撮影日:2007(平成19)年9月29日~30日開催


1.プロローグ

それは,携帯電話への一通のメールから始まった.
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日付:2007,07,23
件名:協力依頼m(_ _)m
内容:お願いがあります.・・・9/29,30の土日に第1回阿武隈川カヌー駅伝(県庁前~河口)があります.1チーム最低7名が必要となります・・・初心者でも全然OKです!選手じゃなくて,サポートでもOKです! 皆様のご協力をお待ちしております.
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メールの送信者はカヌーやラフティングの経験のあるI氏だった.メンバーに一斉送信をしているらしい.このI氏からは度々週末のお誘いメールが来ており,本当ならば断るときもきちっと返信するべきだが,10年前の職場からつきあいの続いているメンバーの一人であり,気心の知れた仲間でもあり,「また,いつものお誘いメールか.ほっとけばそのままお流れになるだろう!」と感じ,そのままほったらかしにしておいた.
そして,その1週間後,再びメールが入った.
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日付:2007,07,29
件名:お願いですm(_ _)m
内容:BANCHANさん,9/29,30のカヌー駅伝ご協力頂けないでしょうかm(_ _)m カヌーには乗らないで結構です.車回し等の応援をお願いしたいのですが・・・お願いですm(_ _)m
今のところ,F氏,G氏,E氏,N氏と私(I氏)の5名です.あと2名必要なのですが・・・BANCHANさんとN氏の友人のT氏にお願い出来ればと思っております.
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m(_ _)mマークが3つも入っていた.そしていつになく丁重な文面.どうやらこれは本気らしい.サポート隊として車の提供とドライバー,そしてメンバーの写真を撮影する広報担当として,私も阿武隈川カヌー駅伝大会にエントリーすることになった.

2.練習を経ていよいよ当日

今回のカヌー大会は,プロの競技というよりは,全くカヌーを経験したことのない人も対象としている.そのため,未経験者には事前に1日間の練習を行ってから参加することとなっている.練習は,スタート地点から第1区間の手前までの区間で行った.
カヌーには3人乗り込んで,パドルと呼ばれる水を掻くための漕ぎ棒を持つ.パドルは水を掻くブレードが1つだけついたシングルパドルを使用する.一番後ろの人は「舵取り」といって,カヌーの方向性を掌る役割もあって,それぞれがバランスよく漕いでいくことが求められている.練習はなんとかこなし,本番の当日を迎えることとなった.

福島県庁を背景にスタートを待つカヌー達

大会参加の受付テント

漕ぐための道具・パドル シングルタイプ

盛り上げグッズ・鳴り物の「笛」

いよいよ大会当日,秋晴れとなった.気温も暖かく,絶好のカヌー日和である.我々チーム山土のメンバーは,土休日は無料開放される福島県庁前駐車場に一旦集合し,移動車に乗り換えて,スタート地点である「わたり水辺の楽校」へ向かった.
受付を済ませたあと,貸与されるパドル,ライフジャケット,そしてなぜか応援グッズである鳴り物の「笛」も手渡され,出発への準備を進めた.
さて,当日集まった7人のチーム山土(やまど)のメンバー達.かつての職場で苦楽を共にした若者(当時)集団であり,私が最年長の部類に属している.集合時間は朝8時とあって,みんな目が充血しており,顔が青白く,冴えてない様子.はっきり言って,全然気持ちが盛り上がっていなかった.
「結局,誰も参加者がいなくて,お流れになると思っていたのに~」
「俺なんか,名前貸してくれって言われただけなのに,こんなことになっちまったよ~」
「残業続きで,大会に参加する体力がないんだけど・・・・・」
みなさん,ブーブーのご様子.カヌー経験者は,チームリーダーのI氏のみ.彼だけは,朝からテンション高く張り切っていた.それでも,これだけ正直に意見が言い合えるのも,気を遣わなくていい気心の知れた仲間という証.何だかんだ言っても,ジャージに着替えて現地までやってくるのだから,チームメイトとはありがたい,ありがたい(I氏に代わって代弁).

さて,競技について簡単に説明すると,カナディアンカヌーを3人一組で漕ぎ,駅伝方式でタイムを競うタイムトライアルレースである.1日目は福島市の「わたり水辺の楽校」をスタートし,途中の中継地点で駅伝形式のリレーを行って,2日目の亘理船着場を最終ゴールとするものである.駅伝形式といっても,途中の中継点では一旦カヌーを陸に揚げて全艇一斉再スタート方式を採用し,タイムを集計していき最も少なかったチームが優勝ということになる.
中継地点は全部で8カ所,合計9区間あり,1日目は宮城県角田市の角田船着場までの6区間,2日目は角田から亘理までの3区間となっている.1区間あたりの距離は5.1km~12.5km,1時間から1時間半程度となっている.リレーのタスキとして,ペットボトルに入った「阿武隈川源流(福島県西郷村)の水」を河口まで繋いで運んでいく.

参加チーム数は全16チームである.チーム名を紹介する.

①西郷・白河源流チーム ②玉川カヌークラブ ③買いましたカヌーチーム ④チーム大玉 ⑤アウトドア倶楽部 ⑥安達ファイヤーズ ⑦UFOの里飯野町 ⑧阿武隈OYAG’Z ⑨チーム山土(やまど) ⑩福島市役所R&Sスポーツ同好会 ⑪CITY.伊達 ⑫Team SHIBATA ⑬亘理町 ⑭がんばろう仙台 ⑮Team南 ⑯ふぐすま転覆隊

それぞれ個性的なネーミングで面白い.沿線の住民や自治体関係者,大学の学生チームなど,多彩な顔ぶれとなっている.

プラカード

タスキとなる「阿武隈川源流の水」

スタート間近 コースの最終確認

チームリーダーより連絡事項

スタート前の写真 みんないい笑顔が見られます
(悪いことはしていませんが,プライバシー保護のため目隠しをしています)

3.開会式とスタート

さて,開会式となった.福島市長や国土交通省,福島県など来賓からの挨拶が続き,そして各チームの紹介となった.司会者から順番にチーム名などが紹介されていき,いよいよ9番目,我々の番となった.

「続きまして,チーム山土(やまど)です.・・・・正直言って,このチーム名,何が言いたいのか分からない名前なのですが,とにかく,かつて職場が一緒だったメンバーだとのことで,福島市からの参加となっています.皆さん独身だそうで,優勝した暁には独身貴族を卒業することを誓うとのことです.」

司会者から痛烈なパンチ! 確かに,「山土(やまど)」という名前,分かる人にしか分からないチーム名である.これはかつての職場の略称なのである.世間的にはとりあえず,山と土とを愛する自然派集団ということにでもしておこう.

開会式 福島市長ごあいさつ

タスキの授与(河口まで繋げるか?)

まもなくスタート! 競技者全員集合

第1競技班 いよいよカヌーに乗り込む

いよいよスタートの時がやってきた.スタートの合図は,いつの間にか国道4号線の大仏(おさらぎ)橋に移動していた福島市長が,白い旗を振ったらスタートとなる.全16艇,緊張の一瞬である.太平洋の河口に向かって,阿武隈川カヌー大会の始まりである.
そして,スタートの旗が振られ,全艇一斉スタートをきった.チーム山土はゼッケン9番,無事にゴールまでたどり着けるのか.

あとは合図を待つのみ

大仏橋から市長が合図を送る

スタート直後  チーム山土は左に傾いているような・・・!?

スタート→県境手前[阿武隈川カヌー駅伝大会物語#2]

スタート:渡利水辺の楽校(県庁裏)⇒①第1中継地点:瀬上河岸(福島市)⇒②第2中継地点:伊達崎河岸(桑折町)⇒③第3中継地点:中田河岸(伊達市)

4.第1中継地点(瀬上河岸)まで

スタート地点を出発したカヌーは,緩やかに流れる阿武隈川を,第1中継地点である瀬上(せのうえ)に向けて下っていた.途中,橋の上からポツポツとやってくるカヌーを見ることができ,カヌーに向けて応援をする市民達が集まっていた.第1中継地点までは8.3km,約1時間のタイム予想となっている.そして,第1中継地点にはカヌーが続々とやってきてゴールとなった.

チーム山土第1班,順位は第9位,タイムは57分.全16チームなので思ったよりも好成績.
「めっちゃ疲れる! 漕ぐ手を休めることができないよ~」
「カメラで景色を撮っている余裕なんて全然ない!」
とのこと.約1時間もパドルで漕ぎっぱなしなのだから,体力的には相当きつい.カヌー競技者の顔色が力を出し切った表情となっていた.チーム山土は2班体制で1区間ごとに交代していって本日の全6区間を制覇するチーム編成としており,ゴールした第1班はあと2区間漕がなければならなかった.
漕ぎ手を第2班へと交代し,第2中継所へ向けて,再スタートをきっていった.

橋の欄干から見たカヌー

第1中継地点(瀬上)
岩がゴツゴツと露出している箇所である

再スタート地点に行くまでは,長靴などが必要

再スタートとなって,第2中継地点へ向かう

5.第2中継地点(伊達崎河岸)まで

第2中継地点は小石の広がる河原であった.続々とカヌーがゴールしていたが,チーム山土は後ろのほうらしい.到着したときは皆息切れしており,ゆったりと周りの風景を楽しんで眺めながら阿武隈川をカヌーでくだるというのではなく,タイムを競う駅伝大会なのである.
ゴールしたカヌーは,漕いでいるときに入り込んだ水で濡れており,競技者のユニフォームもびしょ濡れとなっている.カヌーをひっくり返して水を出し,再び次の区間に向けて,スタート地点までカヌーを運んでいく.
第2中継地点では,1回漕ぎ終わったメンバーが一同に会して,漕いでみた感想を語り合っていた.途中のコンビニで買った滋養強壮に効果のある「リポビタンD」を差し入れて,次の区間に向けて体力を保っていた.1回目の感想としては「思ったよりもきついねぇ~」という言葉が一番最初に出てきた.「川を眺めている余裕なんてないよ!」 これも素直な感想であろう.
そして,第1班に再びタスキを渡して,第2中継地点を再スタートした.スタート直後の「チーム山土」はというと・・・・.状況は下の写真で.

第2中継地点(伊達崎)は小石の広がる河原

続々とゴールするカヌー達
(チーム山土は遙か後ろのほう!)

ゴールしたチーム山土第2班
「疲れた~」といった感じで息が切れている

カヌーの中には水が入ってびしょ濡れ
ひっくり返して水を出してから再スタートとなる

1回漕いでみて,感想を語り合うメンバー
リポビタンDを飲んでファイト一発!

スタートの模様を動画で

第2中継地点スタート直後
1艇ひっくり返っている(沈).もしかして・・・

予感は的中! ゼッケン9「チーム山土」だった
頑張れ!

6.第3中継地点(中田河岸)まで

第3中継地点は福島県内で最後のポイントとなる.移動中の選手はというと,体力回復のため?至福の一服の時である.だんだんと丘陵地となっていき,県境に近づいてきているなという風景になる
この区間のチーム山土のタイムは,最初の沈(カヌーがひっくりかえって沈むことを「ちん(沈)」と言っている.2艘ひっくりかえれば「ちんちん」ということか?)がタイムに大きく影響し,堂々の16位.スタート時のカヌーの並びは,前区間の到着した順番となっており,一番上流側(つまり最下位)からのスタートとなる.

陸上移動時 「至福の一服!」
もちろん吸い殻は携帯灰皿へ捨ててます

第3中継地点(中田)は茂みの中を歩いて河岸へ

看板を超えたらゴール

チーム山土第1班ゴール

ひっくり返して水を出す

前区間の到着した順に並べてスタート
チーム山土は一番手前.手前が上流.ということは・・

7.いよいよ県境に向けてスタート

第3中継地点(中田・福島県伊達市)から第4中継地点(大張・宮城県丸森町)までは,このカヌー大会で最大の難所とされている県境越えの区間となる.いままでの田畑が広がる田園地帯から,緑の山が屹立と迫るあぶくま渓谷となるので,風景としては最高なのであるが,流れとして捉えると,岩の露出があり,流れの速い瀬があり,馬洗滝・猿羽根滝・野呂滝といった流れの速いせせらぎがあったりと,上級者にとっては張り合いのある面白いコースであるが,初心者にとっては難しいコースとなる.
共催となっているリバーズネット阿武隈のかたから,第4中継地点までの選手を集めて,コースやひっくり返ったときの注意点などについて説明があった.もちろんひっくり返ってもすぐに救助できるように,モーターの付いたボートも併走しているのであるが,川に落ちたときは乗っていたカヌーにつかまるようにとのことであった.このリバーズネット阿武隈のかたのアドバイスは,選手にとって心強いものがある.未知の区間への不安と緊張感を胸に抱えて,県境越えの阿武隈川へ16艇一斉に再スタートをきった.

次の第4中継所までは,難所の県境越え.
リバーズネット阿武隈の担当のかたからコース概況などの注意点について説明を受ける

難所の県境へ向けて,スタートをきっていった.

県境→1日目ゴール・角田市[阿武隈川カヌー駅伝大会物語#3]

③第3中継地点:中田河岸(伊達市)⇒(県境 福島県→宮城県)⇒④第4中継地点:大張(丸森町)⇒⑤第5中継地点:丸森船着場(丸森町)⇒⑥第6中継地点:角田船着場(角田市)

8.第4中継地点(大張)まで

このカヌー大会で最大の難所とされている県境越えの区間である.沿道の道路から阿武隈川を見てみると,どのチームも苦戦していた.急な流れによって次々と「沈」しているのである.いままでの田畑が広がる田園地帯から,緑の山が屹立と迫るあぶくま渓谷となるので,風景としては最高なのであるが,流れとして捉えると,岩の露出があり,流れの速い瀬があり,馬洗滝・猿羽根滝・野呂滝といった流れの速いせせらぎがあったりと,初心者にとってはやはり難しい.半分以上のカヌーがこの区間で「沈」したということである.あまりにも流れが速いところや浅瀬となっているところは,カヌーでの通過を禁止し,急遽陸上(河岸)をカヌーを持ちながら歩いて移動していた.
この渓谷を抜けると,流れは緩やかとなって,第4中継地点に到着となる.次の中継地点の再スタート予定時刻は14時30分であったが,時間になっても1艇も到着しなかった.それだけ難所の区間なのであった.最初のカヌーが現れると,河岸で待っていたギャラリーは大きな声で声援を送った.そして,大きな拍手で選手達をねぎらっていた.既に15時を回っており,前(第3)中継地点の再スタートが13時だったので,2時間以上カヌーとともに戦っていたことになる.

矢印のところに「沈」して流されているカヌーがいる

救助艇によって救助される

カヌーを持って河岸(陸)を移動する選手達(左から2番目がチーム山土)

漕げる場所まで歩いていくチーム山土

なかなか到着しないカヌーを待つ選手

第4中継地点は山に囲まれたところ

約1時間遅れてカヌーがやってきた.みんな総出で労いの拍手を送る

「がんばれ~ あとちょっとだ~」

やっとゴールしたチーム山土

区間タイム(順位)を見るメンバー.現在12位

時間がおしている.選手を交代し,すぐに再スタートとなって,河口を目指した.

9.第5中継地点(丸森船着場)まで

県境を越えた阿武隈川は,再び緩やかな流れとなっていた.第5中継地点(丸森)からは船着場が整備されており,そこがリレーの中継地点となっている.
チーム山土の成績は現在12位.朝のスタート地点では冴えない顔をしていたメンバーであり,第1・2中継地点での最初の競技を終えたときは疲労困憊の顔つきをしていて,このままゴールまでもつのかと心配していたが,段々と競技に慣れてきたのか2回目の競技を行った後は,みな顔つきが穏やかになっていた.
そして,
「どうやったら早く漕げるのだろう」
「いくら一生懸命漕いでもだめで,3人がリズムを合わせて漕がないと前に進まないよ」
「先頭の人が右側を漕いでいるときは,後ろは左側を漕いで,バランスを保たないとまっすぐ進まない」
「3人のコミュニケーションというか一体感が必要だ」
などといった感想が聞かれるようになっていた.
さあ,第5中継地点で選手交代すれば,本日最後の区間となる.疲労がピークに達しているが,もう一踏ん張りである.

第5中継地点(丸森船着場)

上陸地点を誘導するスタッフ

続々とゴールを目指すカヌー

チーム山土もゴール

第5中継地点での再スタートではちょっとした沈ハプニングがあった.スタート直後のカヌー達は我れ先に本流を目指して漕いでいくのであるが,そのときにあまりにも隣同士が接近していると,カヌー同士が接触して「沈」してしまうことがある.特に,第5中継地点では,コンクリートの岸壁があるために,一旦斜め上流側へ漕いでから下流側へ舵をきってカヌーを進めていくこととなっており,上流側に向かって漕いでいたカヌーがそれぞれの判断で下流へ舵を切ったときに,平行に漕いでいた隣のカヌーと接触して「沈」してしまったのである.
チーム山土はこれに巻き込まれることなかったが,3艇ほどのカヌーが沈をしていた.それでも,救助艇の救助により直ぐに体制をたて直し,ちょっと出遅れたがゴール目指して再び勇壮に漕いでいった.

スタート直後.一旦斜め上流に行ってから下流側に舵をきる

しかし,接触により次々と「沈」

これに巻き込まれなかったカヌー(上側)は,ゴール目指して漕いでいった

救助艇によって体制を立て直す.川は流れているので,放っておくとどんどん流される.

10.1日目のゴール・第6中継地点(角田船着場)

1日目最後の区間は約10kmの区間であった.だんだんと大きくなっていく阿武隈川をひたすら漕いでいく.そして,角田市にある船着場にカヌーが到着するころには,あたりは暗くなりかけていた.
全16艇が無事ゴールをすることができ,それぞれの選手たちが達成したという喜びの笑顔を浮かべていた.今日の区間は全6区間,まだ明日の3区間が残っている.ひとまず,1日目の駅伝レースを完走し,明日のレースへ備えるため,旅館へと向かった.

阿武隈川を漕いでいく

チーム山土のカヌー

1日目のゴール・角田船着場

17時をまわり,あたりが暗くなっていた

投光器を照らし,福島中央テレビの取材クルーもカヌーの到着を待っていた

ゴールしたチーム山土.笑顔が漏れていた.

1日目ゴール直後の「チーム山土」.みんないい笑顔になりました.

駅伝のタスキ(源流の水)もカヌーとともに河口を目指している.

2日目スタート→ゴール[阿武隈川カヌー駅伝大会物語#4]

⑥第6中継地点:角田船着場(角田市)⇒⑦第7中継地点:柴田船着場(柴田町)⇒⑧第8中継地点:岩沼船着場(岩沼市)⇒⑨ゴール:亘理船着場(亘理町)

11.2日目がスタート

さて,2日目となった.午前中,あと3区間を制覇すればゴールとなる.昨日の疲れがとれておらず,朝は相変わらずみんな調子が悪そうであった.今日の3区間の距離は,順に12.5km,6.2km,5.1kmとなっていて,河口に行くほど区間距離が短くなっている.ラストの区間は昨日もあわせた全9区間の中で最も短い距離となっている.このため,
「ラストの区間は距離も短いし,ゴールのテープを切れるので,花を持たせるため女性や年配者を選手にするか」
と判断するのは甘い.リバースネット阿武隈の方によると,最後の区間が最も体力的にはきつい区間なのだそうである.つまり,河口に行くにしたがって川の流れは遅くなり,風向きや潮の満ち引きの関係で,場合によっては逆流していることもある区間だとのこと.全力を挙げて漕がないと前に進まない区間なのである.そう考えると,1日目のコースよりも,2日目のコースの方が,より一層漕がなければならず,体力勝負の区間ということである.
2日目も開会式があり,亘理(わたり)町長からの挨拶があって,スタートとなった.スタート直後,本流に向かって漕いでいると思いきや,浅瀬に乗り上げてしまい,カヌーを押して本流に向かっているチームが次々とでていた.

濡れたウエアーを旅館で乾かす.暗闇で見ると陰が不気味.

2日目の朝,調子が悪そう.二日酔いか?

2日目のスタート前にも開会の挨拶があった

準備OK

さぁ,2日目も頑張れ

スタートをきった

と思いきや,みんな浅瀬に乗り上げて,カヌーを降りてジャブジャブ押していた!!

12.第7中継地点(岩沼船着場)まで

宮城県の阿武隈川には船着場が整備されていて,コンクリートで造られている船着場が中継地点となっている.チーム山土は,第7中継地点にゴールする直前,浅瀬に乗り上げてしまい,バランスを崩して川に落ちてしまった.この模様をテレビカメラが捉えており,福島中央テレビの夕方の情報番組「ゴジてれシャトル」で後日放映された特集コーナーで,この模様がばっちり写されていた.

第7中継地点(柴田町)にゴール.2日目は抽選で赤いカヌーとなった.

ファイト!一発!リーダーは本日3区間連続登板!!

柴田船着場から再スタート.チーム山土は一番右.最下位.でも,最下位は2区間のみである.

最下位からのスタートの模様(動画)

ギャラリーからは笑い声が聞こえるような・・・「漕げー,漕げー」 思うように真っ直ぐ進まない

本流を目指す

さぁ,次は岩沼だ

13.第8中継地点(岩沼)まで

河口に近づくにつれて,阿武隈川の川幅も大きくなっていた.途中,阿武隈大堰があり,そのままカヌーが通過できないので,堰のところでは一旦カヌーを陸上に上げて,選手は数百メートルを走って移動していた(カヌーは車に乗せて移動させる).
岩沼では工場を背景に,小さなカヌーがゴールを目指して懸命に漕いでいた.チーム山土もゴールに向けて,ただひたすら漕いでいるのであった.カヌー経験者であるチーム山土のリーダーは,皆を巻き込んで参加させた責任をとって(?)か,3区間連続の出場をしていた.中継地点に到着するたびに,リポビタンDを補給し,体力を保っている.さすがに第8中継地点に到着したときは,顔が引きつっているようであった.さぁ,残すはあと1区間である.最終ゴールに向けてラストランである.

岩沼では工場が見られるようになった.川幅も大きくなってきた.

最後の一踏ん張り.ゴールはすぐそこだ.

さらにもう一丁! ファイト!一発! 顔が引きつっていないか!?

左のお二方,クランクアップ.お疲れ様でした.

さぁ,最後の再スタートである.

河口へ向けて,悠々と流れる阿武隈川を下っていった.

14.感動のゴール(亘理町)

ついにゴールした.福島市の渡利(わたり)から,宮城県の亘理(わたり)まで,全長約75kmの阿武隈川の旅であった.ゴールには白いテープが貼られ,次々と拍手で称えられながら,感動のゴールをきっていた.

順位は以下の通り.
⑥安達ファイヤーズ ⑫Team SHIBATA ③買いましたカヌーチーム ①西郷・白河源流チーム ⑧阿武隈OYAG’Z ⑩福島市役所R&Sスポーツ同好会 ⑯ふぐすま転覆隊 ⑦UFOの里飯野町 ⑭がんばろう仙台 ⑬亘理町 ②玉川カヌークラブ ④チーム大玉 ⑨チーム山土(やまど) ⑮Team南 ⑪CITY.伊達 ⑤アウトドア倶楽部

最後に,スタート地点から運んできたタスキである「阿武隈川源流の水」を川に戻して,フィナーレとなった.第2回の開催を誓って,閉会となったのであった.

ゴールの亘理船着場

ゴールにやってきたチーム山土(右側)

白いテープを通過するところ

ゴールしてカヌーを運ぶ

インタビューを受ける選手.残念ながらこのシーンはカットされていた.

ゴールしたぞ!!

閉会式では,豪華賞品が渡されていた.ちなみにチーム山土は13位だった.

タスキとしていた「阿武隈川源流の水」を川に戻してフィナーレとなった.

15.エピローグ

無事終了した第1回阿武隈川カヌー駅伝大会.
我が「チーム山土(やまど)」のメンバーに,後日アンケート形式で感想を聞いてみた.

1.参加してよかった点はどこですか.

はじめてカヌーに乗ることができた。水のスポーツも良いかも。
川の水面からの視点は、なかなか経験できません。
カヌーに10年ぶりぐらいに乗れたこと。
皆の性格(個性)があまり変わってないことが確認できたこと。
楽しかった。
自己満足だけど、普通はできない経験ができたこと。
あとは、○○チームにいた女子のうちの1人がちょっと気になった(冗談です)。
結果は二の次。チームが一つになれたことでしょうか!俺だけ?
皆さん、来年もお願いします。
「自然多くて、街中通ったりロケーション的には楽しめた」byG氏コメント「ゴジてれシャトル」より

2.参加して苦痛だった点はどこですか.

ありません。夢中でした。
風邪気味だったので、のどが痛かった。
真っ直ぐに進めない。
俺の操縦がヘボだったこと。
体力が持たない。
自分のことを棚に上げて、N君にキツイ事いってしまったかんじゃないかなぁと、
自問自答してしまったこと。
とにかく疲れた。
あと、狭いスペースでの膝立ちはきつい。でぶっちょなので…
ありませんが…残念だったこととして、独身貴族を卒業出来なかったことでしょうか?

3.タイムをあげるためには何が必要ですか.

集中力。諦めない、強い気持ち。持久力。すべてにおいて、足りませんでした。
カヌーをうまく操縦することが慣用。
練習(筋力と持久力)、ダイエット?事前の下見
酒!黄色い声援!チアガール!ゴール地点で○○を○○げて待つ美女!
Iさんのおっしゃるように、黄色い声援。

4.大会全体に関して,何かご意見ありますか.

初めての開催にしては怪我人も居なく、それなりに成功したんじゃないか。
各チェックポイントへ早く(遅く)ゴールしても、カヌーの置く位置で順位が変わってしまっていたのはちょっとおかしいと思いました。
商品は皆に分けましょう。
タイム計測に疑問あり。第1回だからしょうがないか…
それと、あんなに景品があったのに、上位チームで山分けってのは、んーーー、どうでしょう?
まぁ、ゴール後は、自チームだけではなく、参加者全員が一つになれたように感じたのは、私だけでしょうか?
本宮市から出場し3位入賞の「買いましたカヌー」チーム、広報もとみやに掲載されてました。
事務局の運営に感謝したい。
この先ずっーと大会が続くことを願う。

参加して一体感が持てたこと,これが大きな成果だった.優勝した暁には独身貴族を卒業しますと誓っていたチーム山土,13位ということで,当分独身貴族は卒業できそうにもありません.上位チームで商品山分けっていう感想,勝負の世界は厳しいのですよ・・・.実力を上げましょう! 私としては,もう少し川を楽しめて眺められる区間(つまりタイムを競わない区間)が2つほどあってもよいのかと思いました.
最後に,この大会を陰で支えていた運営スタッフの労力には,第1回目ということもあり,並々ならぬ苦労があったことと思います.大会が成功したことが,最大の成果だったと思います.

皆様からのご意見・ご感想(No.21-40)[一括掲載]

No.40
年齢 = 30-39歳
性別 = 女性
件名 = がんばってください
メッセージ = はじめまして。
他県へ嫁いだ者です。偶然ここのHPを見つけて、なかなか実家へ帰れないものでとても懐かしく見ました。古い時代の写真も「そうだ、そうだった」としみじみ見ました。新しい店も増えたようで知りませんでした。今度帰省するときには寄ってみようと思います。更新がんばってください。楽しみにしています。

【お返事】
アクセスありがとうございます.実家はどこなのでしょう? いろいろな地域を掲載していますので,福島県なのか,東京なのか,はたまた外国だったりして・・・? 今後ともアクセスよろしくお願いします.(2007,09,10)


No.39
年齢 = 50-59歳
性別 = 男
地域 = 福島県
件名 = ブラボー脱帽です。
メッセージ = これはヒットします。
絵柄がきれいで言葉も自然体で癖がなく読みやすいです。 お気に入りに登録します。

【お返事】
アクセスありがとうございます.これからも自然体でいきたいと思います.アクセスよろしくお願いいたいます.(2007,04,11)


No.38
年齢 = 50-59歳
性別 = 女性
地域 = 福島県
件名 = 残念!
メッセージ = 偶然見つけて 楽しく読ませて頂いてました。
「郡山見聞録」!とても残念ですが今まで ありがとうございました。

【お返事】
郡山を離れることになりました.いままでアクセスありがとうございます.福島市へ引っ越ししたのですが,ホームページは引き続き更新を続けていきます.今度は,福島市の新たな情報発信として,ご期待ください.(2007,06,30)


No.37
性別 = 女性
年齢 = 30-39歳
お気に入り = ブログ「とでも、とでも。」 郡山見聞録 東京考察
メッセージ = はじめまして。
偶然このサイトを見つけてから日参しています。
特に郡山見聞録は私も関心のある記事が多く、興味深く読ませていただいてます。
最初にこのサイトを見た時には感動したくらいです(笑)
デザインをいまいちとしたのは、郡山見聞録のページについてです。
どうしても青地に白の文字が読みにくく、いつも文字を反転させて読んでます。
あと、その記事がいつ書いたものか日付が入っていたら、後から読み返した時にもその情報がいつ頃のものかわかって便利かなと思います。
これからもご負担にならない程度に、続けていってほしいなと願います。
影ながら応援してます!

【お返事】
アクセスありがとうございます.背景と文字の色の件ですが,以前にも,他のページで色の組み合わせが見づらいとのご意見をいただいたことが度々ありまして,直している経緯がございます.大変嬉しいご指摘で,いわき見聞録や東京考察なども実は,色のコントラスト(背景と文字の色合い)がきつすぎてチカチカして見づらいとのご意見で,ソフトな色に直しています.そこで,郡山見聞録も色合いをちょっと変更してみました.また,日付については,これからの記事には最後に括弧書きで記載していきたいと思います.これからも,色々なネタを更新していきますので,アクセス宜しくお願いします.(2007,04,03)

【お返事へのお返事】

ご丁寧なお返事を頂き、ありがとうございます。確かに東京考察のページは文字が読みやすいと思ってました。ソフトなコントラストのほうが読みやすいのですね。日付の件も早速のご対応ありがとうございました。

本当に良質な情報がつまった素敵なホームページだと思います。文章も主観的すぎず、かといって完全な客観でもなく、とても読みやすいです。郡山にとどまらず世界エリアに至るまで、こんなページを作れる方は、
バイタリティのあふれた方なんだろうなと想像しています(笑)郡山にもこんな方がいらっしゃると思ったら嬉しくなってしまい、元来筆無精なのにメールをしてしまいました。

これからも身近な話題から世界エリアの記事まで、気長に楽しみにしてます。お身体に気をつけてご負担にならない程度に、更新していって下さいね。それでは。。。

【お返事へのお返事へのお返事】
こちらこそ,さらなるご丁寧なお返事ありがとうございます.暖かいお言葉,今後の更新の励みになります!(2007,04,07)


No.36
年齢 = 40-49歳
性別 = 女性
地域 = 兵庫県
件名 = ありがとうございました。
メッセージ = ある、劇団を観に上京するのですが、何度か東京には行っています。
今回は、交通機関の関係で、銀座に宿泊するのですが、はっきり言ってここはうといです。チャンスセンターに行こう!とか思っていて、でも、何処かわからずこのHPで知ることが出来ました。
私も、旅行が大好きで、でも、最近はあまりいけません。上京したら、観劇が主になるのですが、出来る限り、うろつきたい、です。参考になりました、有難うございました。

【お返事】
ホームページがお役に立ててうれしく思います.東京も,歩いてみると色々な表情があるので,様々なところを歩いてみると面白いものですね.今後ともアクセスよろしくお願いします.(2006,12,03)


No.35
年齢 = 40-49歳
性別 = 男性
地域 = 福島県
件名 = おじゃまします。サンバの○○です。
メッセージ = こんばんは、○○です。
たまに△△△で会いますね!会えばいつも同じネタ(酒、旅、音楽)で盛り上がりますよね!(笑)
あまりPCメールは使った事がない私ですが、サイト内の浅草や表参道の写真で懐かしく思いお邪魔してしまいました。
しかも銀座線表参道駅の出入り口の写真なんか見ると(もうたまらん!)昔その辺りにあるライブハウスでバカ騒ぎしていた時が思い出されてメッチャ、テンション上がります。なんかバンちゃんアリガトウ~、って感じですよ!マジで!
変なメールですいませ~ん。

【お返事】
お久しぶりです!! アクセスありがとうございます.いわきにいたときが懐かしいですね.人にはそれぞれ心に残る思い出の場所があります.なつかしの場所の写真に出会うと,その当時の楽しかったこと,苦しかったことなどが蘇り,自分の人生を振り返ってしまうことがありますよね.また,いわき(△△△)で酒を飲んで楽しい話ができる日を楽しみにしています.(2006,11,26)


No.34
性別 = 男性
年齢 = 50-59歳
地域 = 北海道
お気に入り = イギリス散策 訪欧ヨーロッパ アムステルダム・ブリュッセル
メッセージ = 私も以前にオランダ~ベルギー~ルクセンブルグ~ドイツの旅に行った事がありますが、その時はタリスはありませんでした。今度機会があればフランスからタリスの旅を楽しみたいと思っています。私の海外旅行HPは半分独学のHTML記述で最近のテクニックは使っていませんので貴殿のHPの完成度の高さに感動しつつ、私が旅行した時のことを思い起こしています。

【お返事】
アクセスありがとうございます.我がHPを褒めて頂き,改めて感謝いたします.ヨーロッパの鉄道の旅も旅情をそそるもので,有意義な時間を過ごすことが出来ました.でも,一番感動したのは,アムステルダムの自由な雰囲気の空気と,街中を走っているトラム(路面電車)の鐘の音でした.教会の鐘の音と,トラムの鐘の音,これだけスマートでサスティナブルな空間を経験したことがありません!(2006,10,06)


No.33
性別 = 女性
年齢 = 20-29歳
地域 = 福島県
お気に入り = ブログ「とでも、とでも。」 郡山見聞録
メッセージ = 始めまして。
郡山の情報を探しているときにこちらを知り、郡山見聞録がアップされるのを楽しみに拝見するようになりました。
生まれも育ちも郡山の私ですが、身近な知らない情報がいっぱいでとても興味深いです。
これからも更新がんばってください。

【お返事】
アクセスありがとうございます.街を歩いていて,「あっ,これはネタになるな!」と思ったときは,なるべく書き込もうと思っているのです.が,その時はそう思っても,家に帰ってくると面倒くさくなってしまうことが多いんですよね,実際のところ・・・.でも,休みの日に時間を見つけて,思い出しながら更新するように頑張っています.今後ともよろしくお願いします.(2006,07,29)


No.32
年齢 = 50-59歳
性別 = 男性
地域 = 東京都
件名 = 赤坂 金龍
メッセージ = 当店記載有難うございます。
日本の文化を継承していきたく頑張ってまいりましたが、この度金龍を閉店致しました。
しかし、日本の伝統的数寄屋建築の近代化に努め,近代数寄屋を開拓した建築家吉田五十八先生の息のかかった芸術的建築物を壊すには忍びなく、最後に芸大出身の前田正博先生 百田輝先生 川松弘美先生など若手人気陶芸陶芸家12名の展覧会を6月23日より6月30日まで、金龍にて開催致したく考えております。
この機会に出来るだけ沢山の方々に近代陶芸の美と新興数奇屋の美をお楽しみ頂ければ、幸いと考えております。
是非よろしくお願いいたします。

【お返事】
アクセスありがとうございます.赤坂は意外と行く機会がなかったのですが,現在大学のときの知人が赤坂で働いていて,酒を飲む機会があったので,そのときに撮影したものが東京考察の「夜の赤坂」のページとなっております.黒塗りの車がズラズラ止まっている地区があり,よくみると「金龍」という店があったので掲載させていただきました.政界でもよく使われていたと伺っております.せっかくの日本文化なのに残念です.建物そのものの壊されてしまうのですね.なかなか一般人は中に入れる機会がないので,是非,6月末の展覧会には行ってみて,今度は「数寄屋建築の日本料亭・金龍」とのタイトルで,東京考察の1ページを作成したいと希望しています.日本文化と東京の文化を伝えるのもこのサイトの使命ですので.(2006,05,28)


No.31
年齢 = 30-39歳
性別 = 男性
地域 = 福島県
件名 = はじめまして
メッセージ = こんにちは、猪苗代、長浜で検索した所貴兄のHPに出会いました。私は北塩原生まれの北塩原育ち、現在も猪苗代近辺をテリトリーとする者です。1969年生まれの喜多方高校出身、現在近郊のとある企業に勤務しております。幼少の頃より釣りが大好きでついウン年前までは裏磐梯でのバス釣りに奮闘しておりました。最近は子供のスポ少、地元消防等で忙しく竿を握っておりません。
最近では子供を連れて猪苗代で水遊び(ジェット)が最高の楽しみとなっております。
趣味は電気工学・・・?最近電験2種を目指し日々精進中。
それでは失礼致します。

【お返事】
アクセスありがとうございます.北塩原は裏磐梯のあるところ,大変,自然の美しいところですね.私の知り合いも,国民休暇村のホテル内で仕事をしております.今年の夏は,裏磐梯に猪苗代湖に会津の自然を満喫したいな,とも思っております.今後とも,アクセスよろしくお願い致します.(2006,05,21)


No.30
性別 = 女性
年齢 = 30-39歳
地域 = 埼玉県
お気に入り = 東京考察
メッセージ = 1992~1999年、有楽町駅近くのガード下で働いていました。いつ行ってもあのままであると思っていた、有楽町のおかめの通りが無くなっていたなんて。とてもショックです。慌てて再開発について調べていましたら、こちらを見つけました。懐かしいあの通りやお店が写真に残されていてとても嬉しかったです。「東京考察」、とてもいいです!出来ましたら、取材された(写真を撮られた)年・月をページに情報として加えて下さいますようお願い申し上げます。是非リンクさせていただきます。これからゆっくりHP見させていただきます。

【お返事】
そうなんです.有楽町駅前は今,様変わりに向けて工事中です.大きな杭打機やクレーンが入って工事が進んでいることと思います.取材した日ですが,ページの一番上の右端にCopyrightに続いて数字が入っているかと思いますが,それがページ作成年月を表しています.例えば,「Copyright (C) 2006,10」の場合,2006年10月にそのページが作成されたこととなりますので,撮影年月もその近辺ということになります.(本来のコピーライトの様式では「月」までは入れないようですが・・・)
リンクは自由となっておりますので,今後ともアクセスよろしくお願いします.(2006,04,11)


No.29
年齢 = 40-49歳
性別 = 男性
地域 = 埼玉県
件名 = 感動致しました。
メッセージ = 今日は、初めてメールを送らさせて頂く●●で御座います。たまたま、小菅(東京拘置所)の事を調べておりましたら、貴殿のH.Pに行き当たりました。大変面白い、参考になるH.Pで勉強になりました。小生、生まれは南麻布の愛育病院で、病院の真ん前にすんで下りました(現在は一族所有のマンションに建て替え/GMハウス)。父がサラリーマンだった為、転勤につぐ転勤で、いつしか「都落ち」をして現在は煎餅で有名な草加に住んで下ります。毎朝通勤電車の中から小菅拘置所の「雄志」を見ながら会社へ参ります。東京(埼玉)に住んでいながら意外と東京の事を知らないので、楽しく拝見させて頂き感謝に堪えません。今後も素晴らしいレポートをお願い申し上げます。お体にご留意の上、ご活躍下さいませ。以上、御礼まで。

【お返事】
アクセスありがとうございます.愛育病院には思い出があります.大学生の頃,図書館に本を納入する会社でバイトをしていたのですが,有栖川公園内にある都立中央図書館で作業をすることがあって,昼休みになると隣りにある愛育病院1階の食堂に行ってご飯を食べていました!外国人居住者のための輸入食材を多く売っているNationalスーパーもお気に入りでした.素晴らしい環境の地域で育ったのですね.僕もあの外国大使館の建ち並ぶ高級住宅街に住んでみたいと夢見ていました.(2006,03,16)


No.28
性別 = 女性
年齢 = -19歳
地域 = 愛媛県
お気に入り = 東京考察
メッセージ = 私は東京が舞台の小説を書いています。もちろんアマですが。
ですが私は東京都在住ではないので、本当に東京の事を知りません。だからこのサイトが本当に役に立っているんです。本当にありがとうございます。
これからも参考にさせていただきます。これからも、どんどんいろんな事を教えてくださいね。
楽しみにしています。

【お返事】
東京以外の方にも喜んで頂けて,大変嬉しく思います.東京は新陳代謝のスピードが速いので,どんどんと街の風景が変わっているように感じます.そんな日本の首都・東京をこれからも追い続けていきたいと思っています.今後ともアクセスよろしくお願いします.(2006,02,06)


No.27

性別 = 男性
年齢 = 20-29歳
地域 = 福島県
メッセージ = サイトの感想を見て牛豊に行ったのですが、最悪でした。
肉はまあまあですが、タレや注文した石焼きユッケビビンバの味付けが最悪でした。
値段は妥当だとは思いますけども、満足感で考えてもコスト高です。
ベニマルとかで売っている外国産牛をまともなタレで食べた方がおいしいと思います。

【お返事】
「最悪」でしたか.それは残念でした.まぁ,食べ物の嗜好には主観と個人差があるのでなんとも言えませんが,牛豊はGOODだったというメールをいただくこともあります! チェーン店の焼肉屋の肉よりは断然よかったと思いますね.ただ,僕もお腹が空いていたので,ちょっと褒めすぎて期待を持たせすぎましたかね(反省!) 福島県産の肉と野菜を使っている「地産地消」の取り組みについては,地域の独自性を出すという意味合いからも,福島のPRもできるので感心する取り組みです.(2006,1,16)


No.26
性別 = 男性
年齢 = 20-29歳
地域 = 福島県
お気に入り = 郡山見聞録 東京考察 いわき見聞録 福島高速バス 並木西ノ内
メッセージ = はじめまして。
私は郡山の桑野に住まいがあり、仕事で週3回いわきへ向かっています。
自分の住む街や仕事の街の情報が掲載されるのは、新たな発見や嬉しさもあり、非常にありがたいです。日々お忙しいとは思いますが、これからもHPの更新を楽しみにしております。

【お返事】
はじめまして.アクセスありがとうございます.郡山見聞録は,地元の方々からもメールいただきますが,郡山出身で他県で生活している方からもメールを頂くコーナーです.まだまだ載せたいネタが眠っていますので,更新お楽しみに・・・.(2005,11,20)


No.25
性別 = 男性
年齢 = 50-59歳
地域 = 神奈川県
アクセス経路 = 阪神タイガースショップと入力すると東京では京王百貨店7階にあると教えてくれたのがここ
お気に入り = 東京考察
メッセージ = お気に入りのページといってもまだ東京考察しか見ていないので… だけど一発で気に入りました。私がHP立ち上げたらこれだろなと。成城学園の何のコメントもない住宅地の写真の羅列で人となりが想像つきました。私も10数年前から5万分の1地図をもって、あてもなく東京中をさ迷い歩くのを趣味にしておりまして。アーこうやって写真を撮っとけばと。これから他のサイトも楽しみに見させていただきます。それでは、小田急で都内へと…

【お返事】
アクセスありがとうございます.阪神タイガースショップの東京の売り場って,検索をかけると意外と載っていないものなんですね.「成城学園の何のコメントもない写真の羅列」・・・.他のページでは写真ごとに1行程度のコメントをつけているのですが,あのページはコメントのしようがなくて,静寂な高級住宅街の点景だけを羅列してみました! このHPを開設して5年が経過しており,ちょっとずつ更新を続けています.今後ともよろしくお願いします. (2005,09,24)


No.24
性別 = 男性
年齢 = 20-29歳
地域 = 北海道
お気に入り = いわき見聞録 アクアマリン 小名浜港 小名浜観光 永崎海岸 いわきおどり 郡山見聞録
メッセージ = 小名浜や郡山の身近な情報が満載で、最後まで読んでしまいました^^
また遊びに来ますので更新頑張って下さいね★
都市計画の情報などもあれば嬉しいです。

【お返事】
アクセスありがとうございます.小名浜には3年ほど住んでおりましたが,美味しい刺身と大きな海を見たくなってたまに行っています.なかなか福島県で都市計画の情報は少なくて,トピックスとして取り上げるほどのものがないのが実情!?のような感じですが,今後ともアクセスよろしくお願いします. (2005,09,23)


No.23
性別 = 女性
年齢 = 20-29歳
地域 = 埼玉県
お気に入り = 東京考察
メッセージ = 都市社会学を学んでいる自分にとってはとても参考になるHPです!特に豊洲の記事が良いなと思いました。

【お返事】
アクセスありがとうございます.「豊洲」はじきに生まれ変わって街開きが行われると思います.あの殺伐としたゴーストタウンの様相は,もう味わうことができないでしょう.埋め立て地特有の殺伐とした風景が唯一残っていた埠頭だったと思います.かつてのお台場(13号埋立地と呼ばれていた)もそうだったように. (2005,06,13)


No.22
性別 = 男性
年齢 = 20-29歳
地域 = North America
お気に入り = 福島高速バス 福島航空 郡山見聞録
メッセージ = 現在はアメリカ在住ですが、生まれも育ちも郡山市です。このサイトで郡山の最近の出来事を知っています。文章も大変面白く、裏話的なことまで載っていてかなり役に立っています。これからも頑張ってください。あっ、酪王牛乳のカフェオレ飲んだことありますか?あれが福島県限定だと知ったのはつい最近です。でも、カフェオレと言えば誰が何と言おうと酪王です。

【お返事】
アクセスありがとうございます.今はアメリカ在住ですか.福島県の方が世界で活躍されているのを見ると感動してしまいます! 酪王牛乳ですか.まだ飲んだことがありませんね.こんどカフェオレなるものを飲んでみたいと思います.郡山見聞録は,郡山在住の方にとっても評判のいい!?コーナーで,いつも「まだ更新しないの?」「最近,全然更新していないね~」などと言われてから更新をしている次第です.今後とも,アクセスよろしくお願いします.(2005,05,29)


No.21
年齢 = 50-59歳
地域 = 東京都
メッセージ = 東京考察No.78の神谷町に於いて虎ノ門の中心は神谷町となっていましたが、虎ノ門の中心は虎ノ門1丁目です。現在の神谷町駅付近は以前、港区芝神谷町という地名でした。ちなみに昔は小さな商店ばかりの町でビジネス街になったのは25年位まえからです。私は神谷町で生まれ50年住んでいました。虎ノ門5丁目は幾つもの小さな町の集まりです。虎ノ門1丁目は昔からビルが沢山ありました。

【お返事】
貴重なご意見ありがとうございます.なるほどそうだったんですね.僕は今の神谷町の姿しかしりませんので,てっきり神谷町駅周辺が中心かと思ってしまいました.やっぱり地名というのは,過去の街の状況を如実に表していますね.1丁目が一番栄えていたことが,虎ノ門の場合も当てはまります.ページを若干修正させていただきました.今後とも,アクセスよろしくお願いします. (2005,04,17)


磐梯山登山(八方台ルート)【会津考察#14】

The Mt.Bandai mountaineering ( Happoudai route )


 磐梯山は,会津の人々にとって心に刻み込まれているランドマークである.標高は1819m,猪苗代町,磐梯町,北塩原村の3町村にまたがっている山で,別名会津富士,会津磐梯山とも呼ばれている.磐梯山は活火山であり,806(大同元)年と1888(明治21)年に大噴火を起こしているが,806年の噴火の時に磐梯山頂部分がふっとんで,当時は3000m程あった富士山のような姿だった容姿から,現在のように櫛ヶ峰と赤埴山と磐梯山からなる3峰の形になった.そんな磐梯山は,日本百名山のひとつでもあり,シーズンになると多くの登山客で賑わっている.特に頂上からの360度大パノラマの眺望は素晴らしく,裏磐梯湖沼群や猪苗代湖,会津盆地などの絶景を眺めていると,それまでの苦労がいっぺんに吹っ飛んでしまう.
登山ルートは全部で6つあるが,若松方面の磐梯町と裏磐梯とを結ぶ有料道路・ゴールドラインの途中にある八方台登山口からの登山は,最も標高差が少ないため,多くの登山客の一般的なルートとなっている.初心者でも大丈夫なルートである.なお,五色沼自然探勝路のようなハイキングコースではなく,あくまでも登山となるので初心者コースといえどもそれなりの準備をして登山に臨むようにしたい.頂上までは2時間~2時間半程度でつく.弘法清水についたときの清水の冷たさ,山小屋でのナメコ味噌汁の塩味,頂上での絶景を味わうと,充足感で満たされる.

磐梯山ゴールドライン
有料道路は入場時に料金を支払う.普通車730円(2007年現在)
八方台登山口は,有料道路の途中にある.

八方台登山口の駐車場
約50台が止められる.トイレもついている.
磐梯山方面と猫魔ヶ岳・雄国沼方面への登山口.
 
八方台登山口
いよいよ磐梯山への登山開始である.
 
しばらくは緩やかなブナ林を進む
まだまだ余裕.ここで無理すると,あとが大変となる・・・.
 
約30分でひらけて「中の湯」となる
硫黄の臭いが立ちこめており,かつては「磐梯温泉中の湯」の温泉旅館があった

登山道脇には,硫化水素の鉱泉がアワとともに噴出している
熱くはなく,噴煙もない.

中の湯旅館跡は,今でも廃墟のように建っている.
その前には温泉湧出箇所があって,
今となっては底が泥となっている露天風呂があり,
野湯秘湯ファンが服を脱いで入っていたりしている.
(登山道から丸見えである)
どういうわけか,カゴとオケが置いてある.
しかし,硫化水素ガスの濃度が高くなると危険なので,
あまり近づかないほうが賢明である.


八方台登山口から中の湯まで1.1km
これから先の弘法清水まで1.7kmと書かれているので,
(写真はちょっと先の裏磐梯登山口との分岐で1.6kmとなっている)
「な~んだ,あとちょっとだ!」と安心してはいけない.
ここから急登がはじまるのである.
弘法清水までは,約1時間かかる.
 
自分のペースで無理せず登りを続ける
  
途中,視界が広がるところがある.
ここは火口壁の頂部となっているところ.
眼下に広がるのは裏磐梯の檜原湖・小野川湖・秋元湖
ロープ柵のところで眺めると,銅沼(手前下)や火口原・火口壁が見える.
一休み,ひとやすみ.

急登が終わると,ちょっと下りがあったりして平らな道となる.
木の根っこを跨いで歩いていく.ブナやダケカンバの樹林帯である.

だんだんと大きな樹木が少なくなっていき,笹の中を歩いていく.

途中,ちょこっと頂上が見える箇所がある.
「まだ,あんなに登るの~」とげんなりしてはいけない.
冷たい清水の飲める「弘法清水」まではすぐそこなので,
あとひと踏ん張り,がんばろう.

右に行くと弘法清水直行,左に行くとお花畑経由となる.
お花畑経由でも約100m遠いだけで弘法清水に行けるのだが,
眺望のよいお花畑は帰りにゆっくり経由することにして,
もう一踏ん張り,弘法清水へ直行することとする.


弘法清水
右側の塩ビ管から清水が出ている.
売店が2つある.

コンコンと湧く「弘法清水」
こんな高いところに清水が湧くなんて不思議である.
ちなみに,弘法清水は4合目であり,頂上は5合目である.
噴火前の磐梯山によるものか.

弘法清水には鐘が置いてあり,登山途中で鐘の音が近づいてくると,
弘法清水が近いんだな,と感じさせてくれる.
昔は鐘のところに
「気軽にあいさつ.Let’s say Hello」
と書かれた木の札が掛けられていた.
 
奥にある「弘法清水山小屋」でなめこ汁を食べた.
これがうまかった.会津の味噌とナメコと姫竹が入ったもの.

弘法清水から裏磐梯の眺望は最高である.
体力を取り戻して,頂上まであともうちょっとである.


弘法清水への入り口脇に,頂上までの登山道がある.
頂上までは約25分.一気に頂上まで登る.
  
急登が続く.でも時々,裏磐梯・猫魔の絶景が見れる.
ガレた石が多くなってきた.頂上までもうすぐだ.

もしかして???
 
頂上到着.
頂上はガレ場となっていて,祠がひとつ建っている.


背景の湖は「猪苗代湖」

こちらは,会津盆地方面


弘法清水から見たお花畑コース
背景の湖は裏磐梯の「檜原湖」
下りはこちらを経由した

また違った景色が広がる.
シーズンには様々な花が咲くという

お花畑からは,弘法清水の売店小屋と山頂が見渡せる

櫛ヶ峰が望める
裏磐梯の荒々しい火口壁の頂上周辺

なお,磐梯山は,裏磐梯側の火口原の荒涼とした風景,
爆発の凄さを感じる火口壁の荒々しさも魅力のひとつである.
その火口原や火口壁を見ながら登山する裏磐梯・川上ルートもある.
ただし,裏磐梯・川上ルートの火口壁を登りきるコースはきついので,
弘法清水まで登らなくても,銅(あか)沼や火口原まで歩くだけでも,
素晴らしい風景が堪能できる.
火口壁の頂部から裏磐梯方面の下を撮影した写真.
左上が銅沼で,中央の緑が点在しているところが荒涼とした火口原
転げ落ちたら真っ逆さま・・・である.
(なお,この風景は今回の通常のルートでは見られません)

【公共交通案内】
●八方台登山口までの路線バスはなし (猪苗代駅または裏磐梯高原からタクシー利用)

旅行博(東京ビッグサイト)【東京考察#239】

Traveling expo ( Tokyo Big Sight )


旅行博の会場内


 9月の連休に,JATA(日本旅行業協会)国際観光会議・世界旅行博実行委員会の主催で開催されている博覧会が「旅行博」である.正式にはJATA世界旅行博という.金・土・日の3日間開催されているが,初日の金曜日は業界やプレス関係者のみの入場で,土曜日から一般者も入場できるようになっている.海外旅行のための情報を集めたイベントで,世界各国の旅に関する情報を知り,そして体験することができる.ステージでは各国の民族舞踊などのパフォーマンスも見ることができるので,1日いても飽きることはない.各国のブースではアンケートに答えると景品がもらえたりするので,帰りにはパンフレットとともに大きな袋を抱えて出ることになる.入場料は大人1200円.2007年の模様をお伝えする.
 
会場はお台場にある東京ビッグサイト西ホール
 
会場入口は成田国際空港を思わせる演出となっている
 
ヨーロッパやアメリカなど,各方面の国別にブースが分かれている
 
いろんな国の民族舞踊を披露している

パンフレットをどっさりもらってこれる

エスカレーターで4階の展示ホールへ

ステージではイベントが行われている

青色はもらえる紙バック
ここに各国のパンフレットを詰め込んでいく

景品でもらったJALワンワールド加盟を記念したエコバック

もらってきたパンフレットの山(一部)

 

切立橋(隠れた歴史的遺産)【会津考察#13】

The Kittate Bridge


切立橋

 


 猪苗代湖から流れてくる日橋川(にっぱしがわ)の会津若松市(旧河東町)と喜多方市(旧塩川町)と磐梯町の3市町の境に,切立橋(きったてばし)と名付けられたアーチ橋がかかっている.春になると桜が満開となるところでもあり隠れた名所でもあるが,桜のみならずこの切立橋そのものも,実は隠れた歴史的土木遺産として価値のあるものである.
切立橋は,1925(大正14)年に東京電灯(株)(現東京電力)の猪苗代第四発電所建設時(橋のすぐ前の山頂に水力発電所がある)に資材輸送用の線路を敷設した際に日橋川に架けられたもので,磐越西線の広田駅からこの発電所間を結んでいた. 
 この橋は,1890(明治23)年にドイツで製作され翌年に九州鉄道(現JR九州)の鹿児島本線矢部川(福岡県)に架けられていたが,列車の荷重増加に耐えられなくなって引退することになり,この地に移設され転用された.当時の猪苗代水力電気(株)(東京電灯の前身)の社長・仙石貢氏が,かつて九州鉄道の社長でもあったということで,ここに転用されたとのことである.この橋はドイツから日本に11橋輸入されたが,現存する橋はここも含めて僅かに2橋となっているという.ちなみに残りの1橋は,栃木県足尾にある古河橋で,現在は歩道専用橋となっている.
製作はドイツ「ハーコート社」,長さは49m,ボーストリングトラス橋という種類であり,部材をボルトで連結組立するプレハブ橋(現場で組み立てるものをプレハブという)といった特徴がある.所有管理は東京電力猪苗代電力所で行っている.


静かなところで余生を送っている切立橋
 
横からみたところ

6tまでの乗用車は通れるが,コンクリートの床版の上に木が敷いてある.
雨が降ると,通常でもブレーキをかけるとスリップする.
落ち葉の季節は要注意.止まれないと県道に出てしまうので,最徐行で運転を.
 
上流側(左)と下流側(右)
下流には,第四発電所から落とされる水を放流する吐口があって,
そこから下流はおどろくほど水量が増加する.
水質のきれいな猪苗代湖から流れてくるので,水はとてもきれい.

向かいの山には猪苗代第四発電所(水力発電)の施設がある

 

橋の真ん中には,ささやかながら案内板が取り付けられている
でも,この静かな環境が,余生を送るのにはよい環境なのかもしれない.

 
このボルト接合が時代を感じさせてくれる

橋中央の上部に「丸いスピーカーみたいなもの」がぶら下がっているが,
これが何の役目を果たしていたのか不明.ランプ(照明)だろうか?

X型に組まれているトラス部材

桜の季節になると,また美しい橋となる.

橋の親柱には「東京電力株式会社」の橋名板がある
所有は東電だが,一般車も通行することが可能で,
橋の奥へ進むと鬱蒼とした林となるが,登り坂で抜けると,
ひらけて田畑の広がる柏原集落となり,
まっすぐ進むと農道となってJR広田駅に向かうことができる.

【公共交通案内】
●会津バス 西若松駅→神明通り→若松駅→大和田鍛冶屋前→島(1日4往復 要ダイヤ確認) 島停留所下車 若松駅からバス約30分,下車後徒歩約30分


 

柳津悠々紀行#2(柳津町)【会津考察#12】

The Yanaizu YuYu trip ( Yanaizu-machi in Kokuuzouson )
~ 虚空蔵尊のある門前町・2 ~

赤ベコ博物館
ベコとは牛のこと.赤ベコ発祥の地,柳津ならではである.
(残念ながら,訪れたのが朝早かったので,オープンしていなかった)

会津桐の直売もやっている.
会津の良さは酒の良さ「花春」の黄色い看板をみると,会津に戻ってきたな,と感じる.
地元福島のTVでは,昔から花春のコマーシャルが流れていた.

街なかの点景.
あわまんじゅう,くりまんじゅう元祖の店・岩井屋

まんじゅう屋の湯気
朝8時過ぎの風景

ほっとinやないづ
「まちなか」

パンフレットなどが置いてある情報ステーション.といっても無人であるが,いすが置いてあって中で休憩することができる.

催し物案内も掲示されている

洋服屋の前にもまちなかギャラリーが.

道の駅「柳津」で売られている「あわソフトクリーム」.本物のあわソフトクリームは,写真右のように真っ黄色ではなく,淡いクリーム色(写真下).ここまで黄色いとちょっと別な「モノ」のようでリアルである.

魚渕
弘法大師が虚空蔵尊を刻んだ木屑を只見川に入れるとウグイに姿を変えたという伝説が残されている.
ウグイは淡水魚で,ハヤ・マルタ・アカハラなどとも呼ばれ,一般には群れる習性をもたないが,ここ魚渕では群れていることから,国の天然記念物に指定され,禁漁区として保護されている.

川霧が立つのも柳津らしさ
一般的には,気温が下がり川の水が温かいときに起きる現象.しかし,ここ只見川ではその逆が多いとか.背後に虚空蔵尊が見え,幻想的で美しい風景となる.

吊り橋もある
川霧が立ちこめている.

只見川ラインくだり。40分 1000円(小さく手前に見えるのが船)

赤く塗られたアーチ橋も,柳津の景観に強烈なインパクトを与えている.国道252号線に架かるもので,柳津橋と瑞光寺橋の2つあり,どちらも同じ形式で統一されている.1973(昭和48)年の完成.背景のお寺が虚空蔵尊.

午前10時頃になると,立ちこめていた川霧もなくなって,日差しが強くなってきた.ゆったりと流れる只見川をみながら,悠々とした時を刻むヒューマンスケールの飾り気ない街・柳津をあとにすることにした・・・.

柳津悠々紀行#1(柳津町)【会津考察#11】

The Yanaizu YuYu trip ( Yanaizu-machi in Kokuuzouson )
~ 虚空蔵尊のある門前町・1 ~

柳津と書いて「やないづ」と読む.「津」と名の付くところは,昔から水との関わりが強いところが多い.「津」とは船舶の停泊する船着きという意味があり,ここ柳津も街の中に只見川が悠々と流れ,明治時代までは柳の大木が川岸に茂っていて,船やいかだの発着所であったので「柳津」の地名が付いたと言われている.
柳津町は,会津若松から約25kmほど西に向かったところにある.807(大同2)年に開基した福満虚空蔵尊(圓蔵寺)の門前町として,参詣客でにぎわってきた歴史ある街である.そして,只見川が流れ,温泉が湧出し,斎藤清画伯が晩年住んでいた柳津は,ヒューマンスケールの空間が広がっている街だと直感できる.華々しく観光地化されていない,只見川に寄り添って時を刻んできた,心癒される街並みを歩いてみることにした.
会津柳津駅
日本一のローカル線として有名な只見線が走っている.会津若松から昔ながらのディーゼルカーが,エンジンを轟かせながらゆっくりと走っている.1日6往復.温泉宿のある街中心部まで歩いて15分程度で着く.
ローカル線のホームは旅情があってよい.本数は少なくて不便かもしれないが,時間に追いまくられている現代において,そんな忙しい生活とは無縁な,只見線の旅もアプローチとしてお薦めである.
駅前に置かれているSL「C11-244」
昭和18年に製造され,約30年間働いたあと,昭和48年11月に現役を引退し,この場所で余生を過ごしている.復活の話もあったに違いない.
駅の待合室に貼られていた「柳津ウォークマップ」
柳津はコンパクトな街なので,歩いて十分に回ることができる.歩いて回れる規模こそが,ヒューマンスケールの街並みである.
柳津町の案内板
観光ポイントには同じタイプの看板が置かれていて,土地勘のない観光客にとってはありがたい看板であった.
駐車場から虚空蔵尊へ向かう道
あじさいがしっとりと咲いていた
満虚空蔵尊(菊光堂)
全国的にも有名な正月7日に行われる「七日堂裸まいり」は,この菊光堂の中で行われる.大鰐口を目指し,男たちが綱をよじ登って競い合う祭りは,迫力がある.(中にはいると,「綱によじのぼらないでください」とかかれた張り紙が貼ってあった.普段もよじ登ろうとする人がいるのだろう)
海運 撫牛
虚空蔵菩薩は,丑と寅の守り本尊でもある.会津の民芸品である「あかべこ」の発祥の地として有名である.
菊光堂から眺める風景
只見川が流れ,そこにかかる赤いアーチ橋が見える.手前には吊り橋も架かる.
柳津の名物のひとつ「あわまんじゅう」店からは,まんじゅうを蒸すときの蒸気があちこちで出ている.店の中では,土産物として並べるためのまんじゅうづくりで,朝早くから忙しい.
今から180年前,柳津を様々な災害が襲ったとき,災害に「あわ」ないようにとの願いを込めて,虚空蔵尊に奉納されたのが,あわまんじゅうのはじまりとされている.朝の出来たてはうまい.
農産物直売所「ふれあい市」
地元でとれた野菜や花などを,100円から販売している.虚空蔵尊の仁王門へ登る階段の登り口前にある.大がかりな朝市ではなく,こじんまりとして手作りといった感じがして,生産者との距離が離れず新鮮な野菜を買える.浴衣でもふらっと立ち寄れる.
路線バスは坂下(ばんげ)から走っている.(会津)坂下では,(会津)若松駅からの便に接続している.
街中のストリート
ヒューマンスケールの空間となっているが,ときどき自動車が走り抜けていくので,街なかを歩いて散策するには,ちょっと落ち着かない.
まちなかスタンプギャラリー
店先や宿の入り口に斎藤清画伯の絵を飾って,スタンプラリーをやっている.街なか散策をしていて発見した.自動車では決して気が付かないユニークな取り組みである.

温泉の玉?
柳津温泉の源泉を玉の上から少しだけ流しているモニュメント.触ると暖かく,舐めるとしょっぱい.柳津温泉は昭和62年に柳津町が虚空蔵尊の境内で掘削したところ,地下700mから塩化物泉の温泉が湧き出たもので,比較的新しい温泉である.柳津は,それまでの宿坊から温泉街へと変化した.
このモニュメントも,歩いてみないと気づかない.

虚空蔵尊の仁王門への階段
虚空蔵尊への浴衣での参詣は禁止されている.温泉の玉,わかりますか?
柳津の大清水(弘法清水)
虚空蔵菩薩をつくられた弘法大師が,コンと杖をたたくと,冷たい清水が湧き出るようになったと伝えられる清水.干ばつや地震のときも,決して涸れることがなかったという.

野菜などを洗える場所もある.右上のかごに入っているのは「あさつき」だった.この施設は平成13年に完成した.

花ホテル「滝のや」
このホテルでは月1回程度の講演会(花ホテル講演会)を開催し,地元住民や柳津に興味のある方々とともに,地域を盛り上げようとしている.日帰り入浴も可.

会津鉄道のトロッコ列車【会津考察#10】

The lorry train of Aizu railroad


湯野上温泉駅に停車中のトロッコ列車

 


 ゴールデンウィークや観光シーズンになると会津鉄道のトロッコ列車が運行される.会津浪漫の花号・星号・風号と,時期によって名前を変える.
会津鉄道は会津若松から湯野上温泉・芦の牧温泉・田島・会津高原尾瀬口までを結ぶ第三セクターで,旧国鉄時代の会津線から転換された路線である.会津高原尾瀬口からは野岩鉄道を経由して,東武鉄道の鬼怒川温泉へ抜けることができるので,北千住・浅草までが1本のレールでつながっていることになる.
トロッコ列車に乗るためには,乗車券のほかにトロッコ整理券(大人300円)を購入すれば乗車ができ,車内には小さいながら売店もあるので,ビール片手にのんびりと南会津への車窓を楽しめる.なお,撮影は5月のゴールデンウィークのときのものである.

トロッコ会津浪漫星号・会津田島行きに乗る
 
トロッコ列車は3両編成で,
それぞれが違った仕様(内装)の車両となっている.
どのタイプの車両に乗るか,整理券を購入するときに決める.
トロッコ席・展望席・お座敷席の3タイプ
 
こちらは展望席で,最も座席がよいタイプ.
運転席から前方が展望できるのであるが,
田島に向かうときは逆方向となっている.

こちらはトロッコ席で真ん中の2両目となる.
ガラスを外すこともできるが,寒いときはこのようにつけたままとなる.
トンネル内では天井に星が広がる演出がある.
 
こちらはお座敷席.掘りごたつ式となっていて,居心地がよい.
今回,会津若松駅からの乗客は全5名で,全てお座敷席を選んでいた.

2両目にちょっとした売店があって,
飲み物やお菓子を買うことができる.栃もちを買った.

大川の渓谷が車窓に広がる

西若松駅から湯野上温泉駅まで,ツアー客でトロッコ席は埋まった

トンネルに入るとトロッコ席の車両では,
プラネタリウムが点灯する.

橋の上では一旦停車するサービスもある
 
茅葺き屋根の湯野上温泉駅には囲炉裏もある

終点会津田島駅
  
田島駅で売っていた駅弁.おいしかった.
弁当を買って野岩鉄道・東武鉄道と乗り継いで東京まで行ける

陶磁器の街・会津本郷【会津考察#9】

The town and Hongo of the earthenware


インフォメーションセンター前

 


 会津本郷焼は,1593(文禄2)年に会津藩領主の蒲生氏郷が,若松城の改修を行うにあたり城郭の屋根を瓦葺きとするために,播磨国から瓦工を招いて黒瓦を製造したのが始まりとされている.その後,保科正之が尾張国瀬戸生まれの陶工を迎えてから,本格的な陶器の製造が開始された.1993(平成5)年に,通産省(現経産省)より伝統的工芸品産地として指定を受けている.(会津本郷焼事業協同組合のHPより)
街は非常にコンパクトなので,各窯元めぐりをするのにも十分歩いて回れるが,インフォメーションセンターでは無料のレンタサイクルをやっているので,自転車で街中を巡るのもよい.地図を見ると「瀬戸町」といった地名があって,陶器の街だなと思わせてくれる.
 
インフォメーションセンター
2階は会津本郷焼歴史資料展示室となっている.
無料のレンタサイクルを貸し出してくれる.
窯元が入った会津本郷焼散策マップもある.

インフォメーションセンター前の県道

会津美里町誕生記念「第2回会津みさと祭り」として
「風と土の芸術祭」が行われていた.
まちなかのあらゆるスポットに本郷焼が展示されていた.

会津本郷陶磁器会館
組合に加盟している14窯元の作品を展示販売しているところ.
本郷焼はここで購入するとよい.
会津本郷焼事業協同組合もここにある.

陶磁器会館には窯元案内図がある
  
まちなかの狭い路地裏には,各窯元がある.
手ひねりや絵付け,見学を行っているので,それぞれの窯元に問い合わせるとよい.

【公共交通案内】
●会津バス 若松駅→本郷→関山 (日中は90分間隔で運行 若松駅から約30分)
●JR只見線 若松駅→会津本郷駅→只見→小出 (1日7往復 日中は本数ない 若松駅から約12分)

黒酢バー(JR新橋駅)【東京考察#238】

The brown vinegar bar ( JR Shimbashi station )


黒酢バー受渡口


 健康志向が続く中で,黒酢が注目を集めている.そんな黒酢を飲みやすくアレンジして味わえるスタンドが,昨年(2006年)夏からJR新橋駅でオープンしている「黒酢バー」である.真っ黒に塗られたカウンターは見た目ちょっと独特であるが,黒酢のすっきりとした味わいを求めて,お客が黒酢を求めていく.かなり酸っぱいのかと思いきや,ほんのり酸っぱさが口に広がり,思ったよりも飲みやすい.メニューは純粋玄麦黒酢をはじめ,黒酢&豆乳,リンゴ酢&キャロット,黒酢&ブラッドオレンジ,黒酢&青汁!?など,いろいろなバリエーションの商品がある.1号店は新橋駅であるが,現在では渋谷駅や横浜駅,市川駅,八王子駅,宇都宮駅などJR東日本管内8駅で味わうことができる.販売は,NRE日本レストランエンタプライズ(昔の日本食堂)が行っている.ちょっとした話題にお試しを.

真っ黒なスタンド.一瞬何の店か戸惑う.

飲んでみたのは,黒酢&ブルーベリー
ほんのり酸っぱい味がするけど飲みやすい

新橋駅の南側改札を出たコンコースの汐留口方面にある
(ゆりかもめ乗り場方面)
赤丸のところにちょっとだけ黒いスタンドが写っている

大内宿【会津考察#8】

oouchi-juku


茅葺き屋根の残る大内宿

 


 大内宿は,会津若松と日光今市とを結ぶ会津西街道の宿場町として,江戸時代の宿場の雰囲気を残している場所である.集落全体がそっくり茅葺き屋根として残っており,1981(昭和56)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている.今はシーズンになると多くの観光客が訪れるようになり,軒先で名産品やおみやげ,そばなどの飲食店を営むようになっている.毎年9月1日の防災の日には,消火栓の一斉放水訓練が行われ,この放水の様子を眺めるのは圧巻である.今回はちょうどその時に訪れたので,その模様もお伝えする.ちなみに,来年(2008年)は9月1日が日曜日とのことである.

バスは一応走っているのだが,
朝1本と夕3本の4本のみ.地元住民通学用のダイヤとなっている.
観光客は自家用車か観光バス,もしくは,
会津鉄道湯野上温泉駅からタクシーでくるしかない.

駐車場は有料で,普通車300円となっている.
大内宿整備保全協力費として集められている.
 
放水訓練中の模様.
放水は,9月1日の午前10時から3分程度行われる.
2008年は日曜日開催とのこと.
 
普段,消火栓はこのようにコンクリートの箱の中に納められ,
上には木製の蓋がかけられている.

電柱など一切ない.江戸時代の空間が体感できる

軒先でお土産品などを売っている

起き上がり小法師も売っている
 
民家の先には,山からの水が流れていて,
ラムネやジュース,缶ビール,キュウリやトマトなどが冷やされて,売られている.

しんごろう餅
店先で無料のお茶を飲みながら座って食べることもできる.

ねぎ1本で食べる「ねぎそば」の店
大内宿では,1軒1軒微妙に扱っているものが違うので,
それぞれ回ってみると楽しい.

茅葺き屋根の民家

子安観音へ向かう階段を上がると,山の中腹から大内宿の全体を眺めることができる.

【公共交通案内】
●会津鉄道 湯野上温泉駅下車 タクシーで約15分(片道2000円程度
※路線バスは地元住民通学用のダイヤとなっており,観光客には不適.

小金井周辺の玉川上水(中流部)【東京考察#237】

Tamagawa-josui in Koganei

都立小金井公園の南側の五日市街道に沿って流れている


 玉川上水は,1653(承応2)年に羽村から四谷大木戸まで約43kmを開削によって上水路工事を行い,江戸時代に江戸市中へ上水を通水したものである.四谷から先は木樋などで地下水道となっていたが,その後の新田開発によって分水路が開削されるようになり,武蔵野の農地へも水を供給するようになっていた.
現在の玉川上水は3つの区間に分けることができ,現役の導水路として東村山浄水場へ導水を行っている羽村(羽村市)~小平監視所(立川市)間の約12kmの上流部,淀橋浄水場の廃止によって導水路としての役割は行っていないが,下水道の高度二次処理水を流して清流復活を行っている小平監視所(立川市)~浅間橋(杉並区)間の約18kmの中流部,そして,暗渠や公園などとなっている浅間橋(杉並区)~大木戸(新宿区)間の約13kmの下流部の3つである.
ここでは,小金井市の都立小金井公園付近の玉川上水中流部の風景をお送りする.

五日市街道に沿って流れる玉川上水
水路に沿って,桜などの樹木が植えられて,
グリーンベルトとなっている.
玉川上水を挟んで上下の車線が別れている.

橋の下に玉川上水がある

鯉がたくさん泳いでいた

夏は周辺の木々が生い茂っており,
水路を遠くまで見通すことはできない.

水路に沿って遊歩道が整備されている

羽村から浅間橋まで,橋のマップが作られている
 
玉川上水は,東京の歴史的遺産である

江戸東京たてもの園(小金井市)【東京考察#236】

Edo Tokyo old building Garden


ビジターセンターの旧光華殿


 江戸東京たてもの園は,両国にある江戸東京博物館の分館として,1993(平成5)年に小金井市の都立小金井公園内に建設された博物館で,江戸から昭和に渡って現存した歴史的建造物を移築し展示しているものである.この江戸東京たてもの園ができる前までは,武蔵野郷土館とよばれる武蔵野の生い立ちをテーマにした博物館が存在していた.現在27の復元建造物が展示されており,それぞれの建築物は中に入ることができるので,昔の建物内部の空間を感じることができて楽しい.じっくり見て回るには半日かかる博物館である.建物に入るときは靴を脱ぐので,くつ紐のない靴を履いてくることがお薦めである.
アクセスはJR中央線の武蔵小金井駅またはJR東小金井駅から100円循環CoCoバスに乗っていくと便利である.観覧料は大人400円,9時30分から17時30分(冬期は16時30分)まで.
 
【田園調布の家(大川邸)】
田園調布に建てられた住宅.
田園調布といえば田園都市株式会社(現在の東急電鉄)の
民間ディベロッパーによって開発された超高級住宅街である.
 
【小出邸】
文京区西片にあった住宅
木のお風呂が渋い!
 
建物内部へは玄関から靴を脱いで入れる.
玄関には靴べらがおいてある.
くつ紐のある靴だと何回も非常に面倒なので,
観覧中は紐を緩めて歩いていた.
 
【常盤台写真館】
東武東上線の常盤台駅前に広がっていた住宅地にあった写真館
館内には東武鉄道の常盤台宅地開発に関する古地図もある.
移築復元された建物とはいえ,バリアフリーに対応するためにエレベータがつけられている.
車いすでも安心して見学ができる博物館である.

【綱島家 (農家)】
世田谷区岡本に江戸時代にあった建物
 
建物を忠実に保存するため,囲炉裏やかまどには定期的に本物の火が入れられる.

段差はすべてバリアフリー対応である
 
【高橋是清邸】
1階には喫茶のできる休みどころがある.
↓<注文の仕方>↓
机にあるメニューを見て注文品が決まったら,部屋の隅にある内線電話で
テーブル番号と注文の品を伝えると運ばれてくる.半セルフ式

戸のガラスも明治時代に造られたもので,
よく見ると均一ではなく歪みが見える(写真ではわからない)
 
【都電7500型】
動きはしないが,車内には電気が通っていて扇風機も回っている

下町の風情が感じられる東ゾーン
正面は子宝湯
  
左から,醤油店,文具店,居酒屋
 
【銭湯 子宝湯】
足立区千住元町にあった銭湯
こういう銭湯はかつて都内にたくさんあった.熱い湯船のお風呂だった

屋上のモイスチャーミスト(小田急百貨店) 【東京考察#235】

The moisture mist at the rooftop ( Odakyu Department Store Co., Ltd. )


モイスチャーミストの機械


 今年(2007年)の夏は猛暑であった.日本各地で過去最高気温を更新していったが,そんな中で少しでも気温が涼しくなるような取り組みが見られる.その一つがこの「モイスチャーミスト」である.
モイスチャーミストとは直訳すると湿気の霧(モイスチャー=湿気,ミスト=霧)であるが,霧状の水であるミストと強力なファンの風を散布して,気化熱の作用により周囲の温度を下げる装置の名称で,2~3℃冷やすことができるという.さらに冬場は屋内の加湿装置としても利用できるので,冬でも有効活用ができる.近距離で手をかざすと濡れるが,離れれば霧が気化するので濡れなくてすみ,電気代も家庭用のエアコンと比べても電力が約20分の1ということで,環境にもやさしい装置である.今年はこの猛暑もあって全国各地で好評なため生産が追いつかないとのことであり,9月いっぱいまでは予約が難しいという.
小田急百貨店新宿店では9階の屋上広場に2007年9月30日まで設置している.その他,各地でも導入しているところがあるので,見つけたときは霧を浴びてみましょう.

屋上広場には4つの機械が設置され,
ミストが内向きに流されて,
その中の遊戯施設の空間が涼しくなっている

このように霧を吹き付ける