目黒から麻布の超高級住宅街を縫って新橋(銀座・日本橋=廃止)までを結ぶ路線
橋86 目黒駅⇔新橋駅(経由)愛育病院 目黒営業所
路線keyword:麻布界隈,各国大使館,超高級住宅地,有栖川公園,銀座目抜き通り(中央通り)
各国大使館の密集する高級感溢れる麻布の路地裏的な所を通り、新橋から中央通りで銀座の目抜き通りを走り抜け、日本橋の三越デパートまでを結ぶ、観光路線としても乗車価値の高い路線である。ブランド品を身につけて大きな買い物袋を手に持った気品の高い乗客を多く目にする。
目黒駅前のロータリーを出発すると、目黒通りを都心へ向けて走り、白金台にて外苑西通りに左折する。洒落たブティックやオープンカフェが建ち並び、夜になるとショーウインドウがライトアップされ、ムード溢れる景観が続いていく。
坂を下って白金六丁目となる。坂の上では「白金台」であったが、坂を下ると「台」が取れて「白金」となる。バスは右折し、天現寺橋にて明治通りと交差すると、左手に壁のように立ちはだかる都営広尾五丁目アパートを見て、地下鉄日比谷線広尾駅前(広尾橋)となる。
交差点角にある神戸屋キッチンを眺めながらバスは2車線の狭路に右折し、麻布へと突入する。「麻布」と言ってもその範囲は結構広く、本路線が走り抜ける麻布は、南麻布・元麻布界隈である。この辺りから外国人の姿を多く見つけることができ、日本に居ながらちょっとした異文化を味わえる地域である。
道なりに左折すると、右手には大使館関係の在日外国人の為のスーパー「National(ナショナル)」が現れる。店内には世界各国の食料品・嗜好品が陳列されており、見て回るだけでも楽しい。日本人でも自由に買い物をすることができる。ナショナルスーパーの奥がドイツ大使館である。
続いて、左に教会、右に都立中央図書館が存在する有栖川宮記念公園が現れ、坂を上ると右折して愛育病院前となる。右手に麻布運動場が現れて、高級マンションの連なる仙台坂を下ると二の橋となり、バスは左折する。
一の橋・麻布十番にて右折すると、左手に東京タワーを眺めながら中の橋を通り、赤羽橋にて左折、右手には東京タワーが目前に迫っている。
神谷町にて右折、第一京浜にて左折し、オフィス街となって新橋駅となる。平日の9時~18時台までは半数が新橋止まりの運行であるが、ここから先が麻布に続いて本路線の見せ場の一つであり、銀座の目抜き通りである中央通りを八丁目から一丁目まで突き抜けていく。しかも、休日などはプロムナード(歩行者天国)となってバスは迂回ルートを走ってしまうので、最も良い条件で乗車できる時間帯は限られてしまう。
首都高速をくぐると、銀座八丁目となる。両側にはビルが建ち並び、著名な店舗が続々と連なり、電柱は地中化され、街路灯が直線的に整然と先まで続く。さらに、夜になると看板とビルと街灯の明かりで眩しくなり、日本でも屈指の美しい都市景観が見れる。銀座の中心である銀座四丁目交差点で晴海通りと横切るが、ここは、地価日本一としてニュースによく登場する場所でもある。道路には人がうごめき合っており、日本一の「銀座」の繁華な雰囲気を感じることができる。そして、銀座一丁目となって、銀座は終了する。
首都高速をくぐると、京橋となる。オフィスビル街となってしばらく走ると、再び首都高速の高架橋が現れるが、バスはその手前にて左に曲がってしまう。その高速の下が道路元標のある日本橋である。日本橋三越から目黒駅行のバスに乗れば、日本橋を渡ることができる。
バスは日本橋川を渡って、日本橋に入り、三越新館の裏手にて終点となる。
平成12年12月、大江戸線の開通によって新橋-日本橋三越間が廃止されてしまった。唯一、銀座の目抜き通り(中央通り)を走るバスであったのに残念である。