「港区」タグアーカイブ

お台場海浜公園【東京考察#86】

Odaiba Kaihin Park


 「お台場」と言えば,今となっては東京の新しい名所として,非日常的なアミューズメント施設の建ち並ぶ再開発地を指すようになったが,元々の由来はこの地に「台場」と呼ばれる砲台跡が現存していることから名付けられた.台場は江戸幕府が黒船来航に備えて品川沖に築いたもので,1853年から着工され,全部で6基の台場がつくられた.現在は第三台場と第六台場のみが残されており,このうち第三台場は「台場公園」として誰でも中に立ち入ることができるようになっている.周囲には海面から5~7mの石垣積みの土手が築かれ,黒松が植えられている.また,内側にあるくぼ地には陣屋や弾薬庫跡などが現存している.
そして「お台場」の街開きと同時に,かつては第三台場貯木場だったところに人工的な渚をつくって海浜公園としたものが,現在のお台場海浜公園である.砂浜の広がる海浜公園から,レインボーブリッジの美しい吊り橋と江戸時代に黒船襲来から守るためにつくられた砲台跡・台場を同時に眺めながら,東京の優雅な浜辺を体験することができる.


お台場海浜公園


レインボーブリッジと第三台場(手前の石垣と緑)


お台場海浜公園の砂浜


ボードをかかえて・・・


第三台場(台場公園)


石垣に囲まれた第三台場


黒船来航に備えた砲台跡


黒松が植わる(背後にはフジテレビ)


台場内のくぼ地 史跡が点在する


第三台場からの眺めも最高
(夜は人気もなくなって真っ暗となり,絶好のデートスポットとなる)

神谷町界隈(港区)【東京考察#78】

Kamiya-chyo neighborhood (Toranomon)

 


 地下鉄神谷町駅は,日比谷線しか通らない目立たぬ存在であるが,この駅を降り立つと,ホテルオークラやアメリカ大使館,テレビ東京などが建ち,東京のちょっと奥まった落ち着きと品のあるビジネス街が広がっているエリアである.銀座線に「虎ノ門駅」があるが,銀座線の虎ノ門駅は虎ノ門1丁目にあり,かつては虎ノ門1丁目あたりだけがビルの建ち並ぶ所で,神谷町駅付近は小さな商店の並ぶ街であった.25年ほど前から神谷町駅周辺にもビルが建ち並ぶようになってきたのだという.かつては「芝神谷町」という地名だったが,今その地名は存在していない.(読者からメールにて連絡いただいた内容を引用して記載しました)
虎ノ門とは、江戸城の一番外側にあったお堀を渡るところにあった門のひとつであり,明治になって撤去された.江戸城の門のなかでも動物の名前がついているのはここだけであるという.いくつかの説があり,大名屋敷に虎の尾と呼ぶ桜があった、太田道濯が出陣するときに千里行って無事に千里帰るという虎にあやかって名づけた、虎の櫨を通そうと門を改造した,など諸説がある.


虎ノ門には「重役」や「専務」が似合う


やっぱり歩いているのは「重役」っぽい人


虎ノ門といえば「森ビル」 写真は40番の森ビル
森不動産が出発点のビルである
とにかくいたるところに森ビルだらけである


アメリカ大使館
正確には「赤坂1丁目」である(溜池)


ホテルオークラ
アメリカ大使館の隣にあることもあって,
外国からの要人が宿泊する超一流ホテル
一流の雰囲気を味わいにロビーへ行ってみるのもよし!


「桜坂」
六本木通りと虎ノ門を結ぶ

 
左がスウェーデン大使館
右がスペイン大使館


渋滞をスイスイ抜ける「チャリンコメール便」が大活躍
無線機を首から下げて,ヘルメットをかぶり疾走している


Japanese Lessons!!


やっぱり神谷町で「テレビ東京」は外せない
むかしは「東京12チャンネル」といっていた.

明治神宮外苑(銀杏・イチョウ並木)【東京考察#62】

The ginkgo tree roadside trees at the Meiji-jingu outer garden

 


 秋から初冬にかけて,真っ黄色に色づいた銀杏並木の続く道・・・
テレビドラマのロケ地としても有名な場所である.ここは明治神宮外苑の絵画館へとのびる道である.
銀杏は現存するもっとも古い植物のひとつで,東南アジア以外ではほとんど植えられていない街路樹である.都バスや都営地下鉄,東京都の発行する刊行物にはイチョウの葉のマークがつけられているとおり,イチョウは東京都の木に指定され,都民に親しみの持たれている木でもある.
明治神宮外苑の銀杏並木は大正15年に植えられたもので,新宿御苑の銀杏から採集して代々木の明治神宮内苑で育てられた木を植裁したものである.青山通りから直線道路に沿って4条にイチョウが植えられ,絵画館をアイストップとする景観は,見事な都市景観を創出している.
明治神宮(内苑)は代々木(原宿駅裏)にあるが,明治神宮外苑も明治天皇の近代国家としての基礎を築き上げた功績を伝えるため,大正15年に完成したもので,絵画館を中心に神宮球場,国立競技場,秩父宮ラグビー場などの運動施設が設けられている.神宮球場はヤクルトスワローズの本拠地となっている.


4条の銀杏並木


絵を描く人


休みの日には様々な店が並ぶ


でも,一番人気は「焼きいも屋」


絵画館前で草野球(贅沢な草野球である)


お決まりの撮影ポイント

広尾の昼下がり【東京考察#48】

Early afternoon at Hiroo

 


 広尾・元麻布・南麻布界隈は、近くに各国大使館があることもあって、外国人が多く歩いているエリアである。そして、一度は住んでみたい高級住宅・マンションが建っている場所でもある。外国人居住者向けのスーパー「National(ナショナル)」があり、明治屋があり、神戸屋のパンがあり、となかなかハイセンスで落ち着いた気分を味わえる街である。ここを歩いていると、自分もおしゃれでかっこいい男になれた気分になれるから不思議である。
そんな広尾にここ数年オープンしているのがオープンカフェである。最近は、広尾に限らずどこの街にもオープンカフェがオープンしているが、フランス・パリのようなオープンカフェが最も似合うのは、ここ広尾界隈だけである。



オープンカフェ


入口の屋根がいかにも「おフランス」っていう感じ


神戸屋のパン 看板がリアルだ


オープンカフェ


これも、オープンカフェ 呼び込みがいる


広尾ガーデンヒルズの高級高層住宅

   

東京タワー【東京考察#47】

Tokyo Tower


世界貿易センタービルから見た東京タワー

 


 東京タワーを知らない人はいないだろう。東京のランドマークである。
昭和33年に完成した東京タワー、本来の目的は、テレビやラジオ、業務無線等の電波を関東一円に飛ばす総合電波塔なのである。東京タワーの持ち主も、そのものずばり「日本電波塔株式会社」。高さは333mで自立鉄塔としては世界一、150mに大展望台、250mに特別展望台がある。

  
下から眺めた東京タワー

 東京タワーの下には、東京タワービルが存在しており、お土産屋や名店街、蝋人形館、水族館、トリック・アートギャラリー等がある。
これらの施設が、良くも悪くも現在の東京タワーのイメージとなっており、珍しい存在ではなくなっている東京タワーにわざわざ行こうとは思わせないのである。東京に住んでいない人だって、初めて東京にくる人以外は、わざわざ東京タワーに2回も3回も行こうとは思わないであろう。子供に登らせるために行くといった程度である。その原因が、まさにこの東京タワービルの「陳腐化」、この言葉に尽きる。昭和30年代そのままの雰囲気なのである。流行のおしゃれな雰囲気・開発とは程遠い、昔にタイムスリップしたような錯覚に陥る。ある種、貴重な施設である。東京タワーは、このままの路線を貫いてもらいたい。


大展望台行きエレベータのりば ゴールデンウィークということもあって大混雑


みやげ物売り場。
プラスチックの東京タワー付き日めくりカレンダーを買った人は多いはず。


東京タワービルの中にはこのような休憩室もある
パイプの椅子と事務用机が並んでいるのみ


混雑時は、大展望台(150m)まで階段でも上れるときがある。
とはいっても、入場料は一緒。

 夜になると日付の変わる午前0時までライトアップされる。昔は、鉄塔のラインに沿って電球が取り付けられている電飾のライトアップだったように思うが、現在のライトアップは、下からライトを照らしてタワー全体を光らせるものとなっている。夏と冬では色が異なっており、秋~冬~春にかけてはオレンジ色っぽいものが、夏は白っぽい色となっている。

快速バス 東京駅丸の内南口-お台場循環[都バスで東京発見]

東京駅から銀座・レインボーブリッジを経由してお台場までを結ぶ座席定員制の快速バス路線

快速バス 東京駅丸の内南口⇔お台場循環(経由)お台場海浜公園駅・船の科学館駅 目黒営業所

路線keyword:レインボーブリッジ,お台場,臨海副都心,銀座


今や一大観光スポットとなっているお台場までを結ぶ路線であるが、観光バスの車両を用いた座席定員制の快速バスで、料金が300円となっている。お台場までのアクセスとしては新交通システムのゆりかもめが思い浮かぶが、東京駅からお台場に行こうと思った場合、新橋でゆりかもめに乗り換えるよりも、この快速バスを利用した方が値段も安いし快適である。また、快速バスのサービスとして誕生日に乗車する人は無料になる特典がある。
発車は東京駅丸の内口(赤煉瓦駅舎)の南口から出発する。東京中央郵便局前を発車し、東京日帰りツアー観光の定番であるはとバスのりば横を通り過ぎ、元都庁跡地であった東京国際フォーラムの横を走っていく。
看板のないすっきりとした丸の内のビジネス街から有楽町・銀座のネオンきらめく賑やかな街に入っていく。マリオン前・銀座4丁目で乗客を乗せ、あとはお台場まで直行する。
三原橋交差点で昭和通りへ右折する。左手を眺めると歌舞伎座の江戸時代を思わせるような面構えを見ることができる。
右手に汐留の再開発地、左手に浜離宮庭園の緑を眺め、ゆりかもめの水色の高架橋が現れると、それに沿って走っていく。左手に四季劇場が過ぎ去り、三宅島や八丈島・小笠原諸島への乗船口である竹芝桟橋となる。竹芝桟橋は新しくリニューアルされ、真新しい再開発ビルが建ち並ぶ。
浜崎橋で運河を渡り、左手にレインボーブリッジが現れると、隅田川やお台場への水上バスのりばのある日の出桟橋となる。はとバスなどの大型観光バスが数多く停車している。
バスはお台場・船の科学館駅まで、ゆりかもめの高架にそって走っていく。大倉庫群の建つ芝浦埠頭を走り、レインボーブリッジにさしかかる。レインボーブリッジは2層構造となっており、上が首都高速道路、下が一般道路とゆりかもめとなっている。このバスは下の一般道路を走っていくのであるが、これらは橋への勾配やカーブのアプローチがとれないため、ぐるりとループ状に1周走って坂を上り橋にのっかるルートをとっている。左手にフジテレビ本社、コンテナ埠頭、天王洲アイル、東京タワーを見て、ぐるりと右回りに1周し、レインボーブリッジに入る。
非常に眺めはよい。といってもフェンスや橋の構造物で視界が遮られることもあるが、晴海埠頭や東京港が一望できる。江戸時代の砲台が配備されていたお台場が右手に見えて、橋を終わると臨海副都心・お台場海浜公園駅となる。
副都心とは、都心部への業務機能の集中を分散させて多心型都市構造への転換を図るために設けられた地区のことで、池袋、新宿、渋谷、大崎、上野・浅草、錦糸町・亀戸、そしてこの臨海副都心の7つが副都心として指定されている。東京都市博覧会の中止決定以降、景気の低迷も影響して、臨海副都心開発の見直しについての議論が行われ、就業人口10万6千人、居住人口6万3千人の街から、7万人が働き、4万人が生活する街を開発することに変更された。開発目標年度は21世紀初頭を目指して国際化・情報化に対応した機能を整備する計画である。
さらに細かく臨海副都心を探ってみると、有明北地区、有明南地区、台場地区、青海地区の4つの地区に分かれており、それぞれテーマを設定して開発が行われている。ちなみに臨海副都心全体のテーマは「国際化、情報化に対応した未来型の副都心」となっている。
臨海副都心の近未来的な風景のお台場をぐるりと走る。フジテレビ前、台場駅、船の科学館駅、パレットタウン(青海駅)と止まり、東京駅へ向かう乗客と、東京駅から乗ってきた乗客が少しずつ入れ替わっていく。そして、バスは再び銀座4丁目・東京駅へ向けて戻っていく。循環バスなので、ぼけっとしていると戻ってしまうので注意が必要である。

なお,現在この路線は廃止され,運行していない.

田99 品川駅東口-港区スポーツセンター[都バスで東京発見]

港南・芝浦埠頭界隈の老舗の埋立地を走る路線

田99 品川駅東口⇔港区スポーツセンター(田町駅)(経由)汐路橋 目黒営業所

路線keyword:港南・芝浦界隈,倉庫群,元祖埋立地,モダンなオフィス


朝と夕方しか走らない路線であり、芝浦埠頭への通勤を考慮して運行されているのだろうと思われるが、本数は20分に1本程度であり、それほど多くはない。
NTT品川ビル前の品川駅東口を出発すると、旧海岸通りを横切って御楯橋を渡ってすぐ左折する。右手に芝浦第2住宅の団地群を見て、新港南橋で右折し、高浜運河を渡る。
首都高速1号線が見えると左折し、その下を走っていく。埋立地特有の殺伐とした倉庫群が車窓に広がる一方で、モダンなオフィスが建っている。一時は「ジュリアナ東京」などの倉庫跡とディスコとして開発した事例があったが、やはり芝浦の基本は流通倉庫である。汐路橋で左折する。そして、田町駅を過ぎて、港区スポーツセンター終点となる。

東98 等々力(操車所)⇔東京駅南口[都バスで東京発見]

東京駅と世田谷区等々力を目黒通りで結ぶ長距離路線

東98 等々力(操車所)⇔東京駅南口(経由)目黒駅・東京タワー 目黒営業所

路線keyword:目黒通り,新山の手住宅地(目黒区),東京タワー,赤煉瓦駅舎


赤煉瓦駅舎の東京駅丸の内口(南口)から、山の手住宅地として人気の高い目黒区を通って、神奈川県との県境近くである世田谷区等々力駅までを結ぶ路線である。東急バスと共同運行しており、東京駅で赤い帯を締めた東急バスの姿を見ることができる。
内幸町までは黒10系統と同じルートを走る。
内幸町にて右折し国会通りに入る。右手には比谷公会堂・市政会館、都立日比谷図書館が現れ、バスは次の家裁前交差点にて左折する。まっすぐ進めば霞が関となって国会議事堂に突き当たる。家裁前交差点の左手にはロンドンの二階建てバスをそのまま喫茶店にした店が過ぎ去って、通産省前停留所となる。
中小オフィスビルの立ち並ぶ西新橋界隈の2車線道路をバスは南に走っていく。左手に東京慈恵会医科大学看護専門学校、続いて芝公園が現れて突き当たりを右折すると東京タワー停留所となる。東京タワーはあまりにも近すぎる為に右側の窓側に座って首をひねり上げないと見ることができない。左には東京プリンスホテルがある。
赤羽橋を通り桜田通り(国道1号)となる。三田二丁目にて右折すると右手に慶應義塾大学が現れて正門前となる。魚藍坂下を過ぎて清正公前になると目黒通りに右折する。ここが目黒通りの起点である。赤羽橋から清正公前までは右左折を繰り返したが、通り名は同じ桜田通り(国道1号)である。
坂を上って白金台となり、首都高速と交差してしばらく走ると駅ビル「サンメグロ」が見えて目黒駅前となる。
ここから先は東急バスのエリアとなる。権之助坂<説明>と呼ばれる大きな坂を下って目黒川を渡り、今度は坂を上って大鳥神社前となる。山手通りと横切り、かつては競馬場のあった元競馬場停留所となる。バス停の名前には、かつての街の様子を伝えてくれるものもあり、路線バス旅の魅力の一つである。
三代将軍家光の鷹狩りの狩猟地であった鷹番、そして碑文谷を過ぎ、柿の木坂陸橋にて環七通りと横切り、東急東横線のガードを上に見て都立大学駅前となる。この辺りは昭和以降に高級住宅街として人気の高くなった地域であり、現在の「山の手住宅地」と言えば目黒区・世田谷区あたりのことを指す。付近には芸能人も多く住んでいる。目黒通りからの風景では高級住宅街の家並みを見ることは難しいが、一歩裏の路地に入ると庭付きの豪華な一戸建て住宅が現れ、そこには東急バスが縦横無尽に走っている。
ケニア大使館のある八雲を過ぎ、目黒区から世田谷区に入って等々力となる。密度の低い住宅地の広がるところである。この辺りまでくると、丸の内や日比谷、霞が関のピリッとした緊張感の走る刺々しさがなくなり、静閑な住宅街の様相を呈するようになる。東急大井町線を越える陸橋には上らずに側道に入り、線路手前を右折する。そして終点等々力駅前に到着する。等々力操車所は少しまっすぐ行ったところにあり、始発はその操車所からの発車となる。

四97 品川車庫⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

品川・高輪・天現寺・広尾・西麻布・青山・新宿を結ぶお洒落路線

品97 品川車庫⇔新宿駅西口(経由)広尾橋・信濃町駅 品川・新宿営業所

路線keyword:青山墓地,赤坂御所,神宮外苑,外苑東通り,新宿・歌舞伎町,西麻布


平成12年12月の都営大江戸線の開通による路線改変によって、四97から品97となり、路線区間が四谷駅から新宿駅西口へと変更した。都03と田70系統を補う形となったのだろう。
都営北品川アパートの1階に品川車庫がある。品川車庫を出発すると、坂を上り八ツ山橋でJR線を越え、踏切で京浜急行の線路を通過する。京浜急行の線路はこの付近でカーブしており、さらに終着品川駅へ近いことから電車のスピードが出せず、踏切が閉まってから電車が通過し終わるまで時間がかかる踏切である。第一京浜の8車線もある広い通りを快走すると、左手に品川プリンスホテル、ホテルパシフィック東京の高層ビルが現れて賑やかになり、品川駅前となる。
ホテルパシフィック前を離れ、浅野家の菩提寺で浅野内匠頭や赤穂浪士47士の墓がある泉岳寺にてバスは左折し、坂とカーブの続く2車線道路を桜田通り目指して走る。周辺は高輪の高級住宅街である。魚藍坂を下って、魚らん坂下より北上し、古川橋となる。
古川橋より左折して明治通りに入る。古川橋交差点は明治通りの起点である。バスは古川とその川に沿って建設されている首都高速の高架橋を左に見ながら走っていく。四ノ橋を過ぎて、天現寺橋となる。この辺りの「○○橋」という地名は全て古川に架けられている橋の名前である。
天現寺にてバスは右折し、左手に都営広尾五丁目アパートを眺めると、テナントとして明治屋の入る広尾プラザ前(地下鉄広尾駅前)の広尾橋停留所となる。ここは付近に各国大使館があることから外国人を多く見かけるお洒落でハイセンスな店の連なる地域でもある。
男性ダンサーのストリップで話題となった「東京J’mens」を左に見て西麻布となる。六本木通り・首都高速と交差し、左手に青山墓地が見えてくると墓地下停留所となる。しばらくは墓石の続く車窓となる。お墓と道路はフェンスの柵で区切られているので、車から墓地が丸見えとなる。続いて青山斎場となり、墓地は赤坂高校停留所まで続く。西麻布から広尾にかけてはお洒落なオープンカフェやブティックなどが建ち並ぶ。外国人の乗客もちらほら乗ってくる。みんなお金持ちに見える。
カーブを過ぎると青山一丁目となって青山通りを横切る。再びカーブが続いて、右手に赤坂御所の森、左手に神宮外苑の森が現れて、緑の茂る空間をバスは走り抜けると、JR線信濃町駅前となる。左手に慶應義塾大学病院が見える。
バスは北に進み、四谷三丁目にて新宿通りへ右折する。四谷三丁目交差点の左前方には消防博物館の併設された四谷消防署があり、その屋上には真っ赤なヘリコプターが出動を待っている。
かつては、新宿通りを東へ進み、右手に上智大学と土塁の堤が見えると、終点四谷駅に到着していたが、地下鉄大江戸線の開通により新宿駅西口へと路線経路の変更が行われた。都03系統の新宿駅西口-晴海埠頭間が四谷駅-晴海埠頭間に短縮され、田70系統の新宿駅西口-港区スポーツセンター間の廃止を補う形となった。
新宿通りを左に曲がって西に進み、新宿御苑、新宿2丁目を通り越し、伊勢丹前で明治通りと交差する。ここから先は平日と土日でルートが異なり、平日はまっすぐ新宿通りをすすみ、紀伊国屋書店前やアルタ前を通ってJR大ガードをくぐる。土日は、靖国通りへ回って歌舞伎町を通りJR大ガードをくぐって西口に向かう。どちらにしても、道路渋滞の激しい所を走っていく。

反96 五反田駅⇔新橋駅[都バスで東京発見]

溜池・一ノ橋(麻布十番)・高輪台を通って五反田を結ぶ路線

反96 五反田駅⇔溜池(経由)一ノ橋・赤坂アークヒルズ 品川営業所

路線keyword:桜田通り(国道1号線),赤坂アークヒルズ,一の橋(麻布十番),白金台・高輪台


かつては、五反田駅・一ノ橋間が旧反96系統五反田駅循環線の一部であったが、循環線を廃止して飯倉片町・溜池を通って新橋駅まで至るようになった路線である。その後、さらに短縮して溜池までとなった。旧反96系統は、本路線の五反田・一ノ橋間と現在の反90乙系統の路線とを合わせて、起終点が五反田駅となる循環経路となっていた。新橋駅からのときに取材をしたので、新橋駅からのことを記す。
新橋駅から赤坂アークヒルズまでは都01系統と同じルートを走るが、都01系統は渋谷→新橋の記述をしているので、省略せずに記載する。新橋駅汐留口を出発すると外堀通りに入り、正面に霞が関ビルを見ながら虎ノ門を目指す。霞が関ビルは1967(昭和42)年に完成した日本初の超高層ビルであり、高さ147m、地上36階建ての建物である。最上部のレストランなどからは、霞が関の官庁街や皇居を鳥瞰することができる。
虎ノ門交差点となり、右手に文部省や特許庁などの霞が関の官庁街、左手には虎ノ門三井ビルや商船三井ビルなどの虎ノ門オフィス街が広がる。特許庁前交差点で左手の方向を眺めると、「共同通信社」と書かれたビルが見えるが、その道路の突き当たりにアメリカ大使館が存在する。溜池にて六本木通りへ左折する。
左手に赤坂アークヒルズが現れて、六本木二丁目交差点を左前方に進む。この交差点の上の高速道路は、高速3号渋谷線と都心環状線が分岐する谷町ジャンクションとなっている。
ここからは坂が多くなる。飯倉片町を通り、一ノ橋(麻布十番)となる。一ノ橋は首都高速道路の高速2号目黒線と都心環状線が分岐する一ノ橋ジャンクションとなっており、高速の高架橋が複雑に入り乱れている。二ノ橋、三ノ橋、古川橋と古川に架かる橋の名称が続き、清正公前までは黒10系統と同じルートを走る(→p.)。
桜田通り(国道1号)となり、高級住宅街として人気のある白金台・高輪台界隈を通り、??山(右手)、??山(左手)と呼ばれる地域の崖部に建ち並んだ高級住宅街を見ながら、長い下り坂を走り抜けると、終点五反田駅前に到着する。坂の途中の歩道には、「ご自由にお使いください」と書かれたすべり止め用の砂の入った鉄の箱が建設省によって設置されている。

平成12年12月、地下鉄大江戸線・南北線の開通により、路線短縮されて四92系統と統合された。

浜95 品川車庫-東京タワー[都バスで東京発見]

港南・芝浦・海岸の湾岸地域を走って東京タワーへ向かう路線

浜95 品川車庫⇔東京タワー(経由)品川駅東口・浜松町駅 品川営業所

路線keyword:東京タワー,湾岸地域,世界貿易センタービル


東京タワーへの観光アクセス路線と思えるが、どちらかというと倉庫や中規模工場などが存在する港南・芝浦・海岸地区へのアクセスを担っているといえる路線である。JR東海道(京浜東北)線の東側である湾岸地域を走っていく。
都営アパートの1階に品川車庫がある。東京タワー行きのりばは道路沿いの大井競馬場行きと同じ停留所となっている。品川車庫を出ると、一旦東京タワーとは反対方向に進み、天王洲アイルのビル群を眺められる天王洲にて左折を2回行って、旧海岸通りを北に進むようになる。
天王洲橋を渡ると港南地区となり、右手に東京水産大学、左手に食肉卸売市場が現れる。湾岸地域特有の殺伐とした倉庫やコンクリートの建物が目に付く。しかし、湾岸エリアとして新たに注目されている地域でもあり、真新しい近代的な高層ビルの姿もちらほら見つけることもできる。
品川駅東口となる。駅前広場は整備され、以前とは変わって整然ときれいなターミナルと変身した。東海道新幹線の品川駅開業に向けて、工事が進められている。品川駅をでると、正面に小さく東京タワーを見ることができる。
再び旧海岸通りを走り、芝浦下水処理場を左に見て、新幹線の車庫への線路と交差して、高浜橋で芝浦地区へと入る。芝浦は「元祖ベイエリア」ともいえる場所で、湾岸地域における空の倉庫を改装してジュリアナ東京(今はない)のディスコなどをオープンさせる再開発を行った最初の場所である。ジュリアナ東京(今はない)のディスコなどは無機質な芝浦地区をメジャーなものとする施設であった。
潮路橋を渡ると海岸地区となる。住所が海岸3丁目となり、東京湾に近いことが伺える。右手には新交通ゆりかもめ、水上バスのりばである日の出桟橋が存在する。首都高速1号線の薄暗い高架下をバスは走っていく。
休日になると、浜松町駅からどっと乗客が乗ってくる。東京タワーへの観光客である。満員の乗客を乗せて発車する。正面には東京タワーの大きな姿が見える。増上寺の大きな門を正面に見ながら、バスは 第一京浜へ右折する。芝公園越しに巨大な東京タワーが見えたかと思うと、バスは神谷町駅へとぐるりとまわって、東京タワーの真下(ほんとうに真下である)で終点となる。

四92 品川車庫⇔四谷見附(四谷駅)[都バスで東京発見]

品川・高輪・麻布十番・虎ノ門・赤坂見附・四谷と南北に結ぶ路線

四92 品川車庫⇔四谷見附(四谷駅)(経由)一ノ橋・虎ノ門 品川営業所

路線keyword:麻布十番,虎ノ門,赤坂見附,一流ホテル,迎賓館,東京タワー,ビジネス街


品川車庫から四谷駅(四谷見附)までの路線は、天現寺・青山を経由する四97系統と、麻布・虎ノ門・赤坂を経由するこの四92系統の2つが存在する。地下鉄の便の悪い地区を縦(南北)に結ぶ路線であり、平日の日中はビジネス客も利用する路線である。
都営北品川アパートの1階に品川車庫がある。品川車庫を出発すると、坂を上り八ツ山橋でJR線を越え、踏切で京浜急行の線路を通過する。京浜急行の線路はこの付近でカーブしており、さらに終着品川駅へ近いことから電車のスピードが出せず、踏切が閉まってから電車が通過し終わるまで時間がかかる踏切である。第一京浜の8車線もある広い通りを快走すると、左手に品川プリンスホテル、ホテルパシフィック東京の高層ビルが現れて賑やかになり、品川駅前となる。
ホテルパシフィック前を離れ、浅野家の菩提寺で浅野内匠頭や赤穂浪士47士の墓がある泉岳寺にてバスは左折し、坂とカーブの続く2車線道路を桜田通り目指して走る。周辺は高輪の高級住宅街である。魚藍坂を下って、魚らん坂下より北上し、古川橋、三ノ橋、二ノ橋、そして一ノ橋の麻布十番となる。桜田通りでは現在、営団地下鉄南北線の麻布駅(仮称)工事が行われている。
バスは一ノ橋で右折し、中の橋を通って右に共生会中央病院を見て赤羽橋を左折、国道1号・桜田通りに入る。右手に東京のランドマーク・東京タワーが目の前に現れる。右の窓側に座って首をひねり上げないと東京タワーの先端を見ることができない。馬の鞍のような地形となっている飯倉交差点を山型に通過し、営団地下鉄日比谷線神谷町駅前となる。
この辺りから番号の振られた「森ビル」が多くなり、オフィス業務ビルが建ち並ぶ景観が続く。虎ノ門三丁目交差点では、右手にサムライ美術専門店を開く日本刀剣の専門店が現れる。車内から見ることはできないが、左手奥には各国の来賓が宿泊するホテルオークラが存在する。そして、虎ノ門交差点となり、バスは左折し外堀通りに入る。直進すれば官庁街・霞ヶ関になる。
文部省、霞ヶ関ビル、特許庁を右に見て、溜池交差点を通過する。右手奥は首相官邸である。火災によって閉鎖していたホテルニュージャパンの煤けた建物がかつては建っていた跡地を右手に見ると、赤坂東急プラザ(ホテル)が現れて、赤坂見附となる。右手には陸橋・高速道路の高架橋ごしに赤坂プリンスホテルの高層ビルが見え、続いてビル上部が円形となっているホテルニューオータニの本館・新館の高層ビルが江戸城の外堀・弁慶濠ごしに現れる。
ここからは喧噪としたビル群がなくなり、周辺の雰囲気ががらりと変わる。左手には迎賓館(赤坂御所)の森が現れ、右手に外堀の土塁と上智大学敷地内の聖イグナチオ教会の十字架を見て四谷見附交差点となり、まもなく終点四谷駅の停留所に到着する。

平成12年12月、大江戸線の開通により、反96系統と統合され、短縮された。

反90乙 五反田駅⇔三田駅[都バスで東京発見]

高輪の台地の路地裏的な所を走り抜けて五反田と田町を結ぶ路線

反90乙 五反田駅⇔三田駅(経由)高輪一丁目・田町駅 目黒営業所

路線keyword:高輪台,三田,高松宮邸,狭路


かつては反96系統、五反田駅循環路線として走っていたが、現在は三田で折り返す便に短縮された路線である。本数が少なくて捕まえにくい路線であり、地元の乗客もメモをして時刻を把握し乗車している姿を目にする。バスは高輪台の路地裏的な二車線道路を走っていき、生活の匂いの感じられる高輪の住宅地を垣間見ることができる。
五反田駅を出発すると、桜田通り(国道1号)の上り坂を都心へ向けて走っていく。島津山、??山と呼ばれる高級住宅街である。
坂を上りきった都営地下鉄浅草線高輪台駅前にてバスは右折し、狭い二車線道路へと入っていく。そしてすぐ正面に衆議院高輪議員会館を見て左折し、高輪三丁目となる。バスは高輪の住宅街の中をクネクネと走っていく。商店街が両手に現れ、高級な住宅街の中にも生活の匂いが感じられる下町的な風景が続くようになる。
左手に高松宮邸の森が現れて高輪一丁目となる。伊皿子交差点から三田となり、坂を下りながら三田四丁目・三丁目を走って、慶応大学の学生の多い街となると、突き当たりを左折しJR線田町駅前となる。ほとんどの乗客はここで下車する。
第一京浜を直進し、東京港口停留所を過ぎて左折し、さらに次の交差点で左折して、ループ状に運行ルートをとる。そして、ビルの真ん中に風を通すための穴が開けられている日本電気(NEC)本社ビルが右手に現れると、バスは終点都営地下鉄三田線三田駅前に到着する。

渋88甲 渋谷駅-東京駅南口[都バスで東京発見]

渋谷から青山アンティーク通り・六本木を経て新橋駅(東京駅=廃止)までを結ぶ路線

渋88 渋谷駅⇔新橋駅北口(経由)麻布台 渋谷営業所

路線keyword:渋谷・青山・六本木・麻布,東京タワー,ロシア大使館


渋谷駅・東京駅間は本数が非常に少なく、平日の日中は1時間に1本、休日でも4~50分に1本の割合で、乗りにくい路線である。渋谷・東京タワー間を結ぶ渋88乙系統は頻発している。
東京中央郵便局の重厚な建物の前を発車し、はとバスのりばを通過して、東京国際フォーラム前を左折する。鍛冶橋で今度は右に曲がり、銀座新橋を目指す。
プランタン銀座、西銀座宝くじチャンスセンター、ソニービルを見て、数寄屋橋交差点を通過する。そして、新橋となる。新橋駅北口バス停前に「新橋モダン食堂」という昭和初期を彷彿させるような看板のお店がある。外堀通りを走り、虎ノ門で左折する。
虎ノ門にはオフィス街が建ち並ぶ。日本ガス協会ビルディングの入口にはガス燈が2つ建っており、風情を醸し出している。
馬の鞍のような形をした飯倉交差点で左を眺めると、東京タワーの超アップが現れてバスは右折する。東京タワーからやってくる渋88乙系統は、ここで合流し渋谷まで同じルートを走っていく。ロシア大使館が左手に現れて、麻布台となる。
ここからは乗客、街を歩く人々ともに外国人が多くなる。そして六本木。街がにぎやかである。六本木通りに左折して渋谷に向かうが、西麻布をでると高樹町交差点でアンティーク通りに右折して青山通り(国道246号)に向かう。骨董品通りであるが、青山の骨董品と聞くと非常に高級な感じがする。
8車線の広々とした青山通りを走って、終点渋谷駅となる。

平成12年12月、新橋-東京駅間が廃止され、乙系統であった麻布台-東京タワー間も廃止された。

田87 渋谷駅⇔田町駅[都バスで東京発見]

三田・白金・恵比寿・東を走って田町と渋谷を結ぶ本数の多い路線

田87 渋谷駅⇔田町駅(経由)恵比寿駅・魚らん坂下 渋谷営業所

路線keyword:白金,恵比寿ガーデンプレイス,北里研究所,慶應義塾大学


地下鉄の過疎地域を走ることから、乗客数・本数ともに多い路線である。田町駅のバス乗り場は、第一京浜に面した西口側と港区スポーツセンターのある東口側の2ヶ所存在するが、本系統は第一京浜側の東口にバス停がある。
田町駅を出発するとバスはすぐに左折し、第一京浜から細い道路へと入っていく。慶応大学の学生が闊歩する町中を走り、国道1号の大きな通りに出ると、右手に慶應義塾大学が現れる。
三田界隈を走り、魚らん坂下となって桜田通りと交差し、2車線道路へ直進する。右手に北里大学研究所が現れ、バスは白金界隈をくねくねと走っていく。
外苑西通りを横切り、恵比寿界隈に入る。左手にサッポロビール恵比寿工場跡地を再開発した恵比寿ガーデンプレイスの建物群が見えて、最寄り停留所である恵比寿四丁目となる。商店・飲食店街が続き、しばらく走ると恵比寿駅となる。
明治通りに左折して、終点渋谷駅前まで都06系統と同じルートを走っていく。

橋86 目黒駅⇔新橋[都バスで東京発見]

目黒から麻布の超高級住宅街を縫って新橋(銀座・日本橋=廃止)までを結ぶ路線

橋86 目黒駅⇔新橋駅(経由)愛育病院 目黒営業所

路線keyword:麻布界隈,各国大使館,超高級住宅地,有栖川公園,銀座目抜き通り(中央通り)


各国大使館の密集する高級感溢れる麻布の路地裏的な所を通り、新橋から中央通りで銀座の目抜き通りを走り抜け、日本橋の三越デパートまでを結ぶ、観光路線としても乗車価値の高い路線である。ブランド品を身につけて大きな買い物袋を手に持った気品の高い乗客を多く目にする。
目黒駅前のロータリーを出発すると、目黒通りを都心へ向けて走り、白金台にて外苑西通りに左折する。洒落たブティックやオープンカフェが建ち並び、夜になるとショーウインドウがライトアップされ、ムード溢れる景観が続いていく。
坂を下って白金六丁目となる。坂の上では「白金台」であったが、坂を下ると「台」が取れて「白金」となる。バスは右折し、天現寺橋にて明治通りと交差すると、左手に壁のように立ちはだかる都営広尾五丁目アパートを見て、地下鉄日比谷線広尾駅前(広尾橋)となる。
交差点角にある神戸屋キッチンを眺めながらバスは2車線の狭路に右折し、麻布へと突入する。「麻布」と言ってもその範囲は結構広く、本路線が走り抜ける麻布は、南麻布・元麻布界隈である。この辺りから外国人の姿を多く見つけることができ、日本に居ながらちょっとした異文化を味わえる地域である。
道なりに左折すると、右手には大使館関係の在日外国人の為のスーパー「National(ナショナル)」が現れる。店内には世界各国の食料品・嗜好品が陳列されており、見て回るだけでも楽しい。日本人でも自由に買い物をすることができる。ナショナルスーパーの奥がドイツ大使館である。
続いて、左に教会、右に都立中央図書館が存在する有栖川宮記念公園が現れ、坂を上ると右折して愛育病院前となる。右手に麻布運動場が現れて、高級マンションの連なる仙台坂を下ると二の橋となり、バスは左折する。
一の橋・麻布十番にて右折すると、左手に東京タワーを眺めながら中の橋を通り、赤羽橋にて左折、右手には東京タワーが目前に迫っている。
神谷町にて右折、第一京浜にて左折し、オフィス街となって新橋駅となる。平日の9時~18時台までは半数が新橋止まりの運行であるが、ここから先が麻布に続いて本路線の見せ場の一つであり、銀座の目抜き通りである中央通りを八丁目から一丁目まで突き抜けていく。しかも、休日などはプロムナード(歩行者天国)となってバスは迂回ルートを走ってしまうので、最も良い条件で乗車できる時間帯は限られてしまう。
首都高速をくぐると、銀座八丁目となる。両側にはビルが建ち並び、著名な店舗が続々と連なり、電柱は地中化され、街路灯が直線的に整然と先まで続く。さらに、夜になると看板とビルと街灯の明かりで眩しくなり、日本でも屈指の美しい都市景観が見れる。銀座の中心である銀座四丁目交差点で晴海通りと横切るが、ここは、地価日本一としてニュースによく登場する場所でもある。道路には人がうごめき合っており、日本一の「銀座」の繁華な雰囲気を感じることができる。そして、銀座一丁目となって、銀座は終了する。
首都高速をくぐると、京橋となる。オフィスビル街となってしばらく走ると、再び首都高速の高架橋が現れるが、バスはその手前にて左に曲がってしまう。その高速の下が道路元標のある日本橋である。日本橋三越から目黒駅行のバスに乗れば、日本橋を渡ることができる。
バスは日本橋川を渡って、日本橋に入り、三越新館の裏手にて終点となる。

平成12年12月、大江戸線の開通によって新橋-日本橋三越間が廃止されてしまった。唯一、銀座の目抜き通り(中央通り)を走るバスであったのに残念である。

茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)[都バスで東京発見]

青山を突き抜けて番町を走る路線

茶81 渋谷駅⇔御茶ノ水駅(順天堂病院)(経由)青山一丁目駅・神保町 渋谷営業所

路線keyword:青山界隈,青山通り,番町,順天堂病院,靖国神社,本屋街・学生街


御茶ノ水駅行のバスは、渋谷駅東口の都営バスターミナルの最前端部分から発車する。宮益坂を登りながら渋谷の繁華街を走り、国道246号線・青山通りと合流する。あとは三宅坂の手前の最高裁判所まで、都心部では珍しく8車線もある広々とした青山通りを東に進んでいく。
右手に青山学院大学が現れて表参道となり、お洒落な店の多く集まる青山界隈となる。表参道交差点で左を眺めると、クリスマスの電飾ツリーで有名なケヤキ並木と道路左右に建つ石灯籠が目に入る。青山三丁目交差点左前方には、ファッションショッピングビルの草分け的存在である青山ベルコモンズが通り過ぎ、神宮外苑にほど近くなって外苑前となる。青山二丁目交差点で左を見ると、神宮外苑絵画館前に延びる立派なイチョウ並木が続いており、軸線を持つ美しいビスタ景観を見ることができる。
青山一丁目を過ぎると、左手に森が出現する。東宮御所、三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸、迎賓館の存在する赤坂御用地である。そのうちの三笠宮邸、寛仁親王邸、秩父宮邸は青山通りのすぐ近くに建っており、入口の門前では警視庁の警備員の姿を見つけることができる。
赤坂見附交差点を陸橋にて通り過ぎ、陸橋の上からは右手に東急ホテル、左手にホテルニューオータニ・赤坂プリンスホテルのビル群を眺めることができる。地下鉄永田町駅を通り、最高裁判所手前でバスは左に大きく曲がる。直進すれば皇居に突き当たって三宅坂となる。
右手に石造りの堅牢な建物である最高裁判所(1972(昭和47)年完成)の裏を眺め、ほんの一瞬であるが国立劇場(1966(昭和41)年完成)の裏手の昇り旗を見ることができる。バスは路上駐車の多い2車線の道を北に進む。そして坂も多くなり、坂を下って一番町、坂を上って三番町の停留所となり、左手には大妻女子大学が現れる。
番町は、江戸期において旗本の多く居住武家地であったところであり、戦前までは華族をはじめ高級官僚等の邸宅の多いお屋敷町であった。現在でも都心有数の超高級住宅街として、独特の落ちつきのある界隈である。バスは再び下って、再び上って靖国神社交差点を右折、靖国通りへ入る。
左手は、終戦の1945(昭和20)年までに戦争などの国事で倒れた約250万人の霊をまつる靖国神社である。坂を下ると、右手には日本武道館への入口でもある北の丸公園の入口・田安門が現れ、千鳥ヶ渕のお濠が見える。
営団地下鉄東西線九段下駅を通り、古本屋や本屋の連なる神田・神保町の本屋街を通り抜けて駿河台下を左折し、明治大学を左に眺めて学生街を走るとお茶の水橋の橋上に停留所のあるJR御茶ノ水駅前となる。眼下にJR中央・総武線と神田川を眺めることができる。バスはここで終点とならず、そのまま直進して東京医科歯科大学を右手に見ながら、左手に順天堂病院が現れると終点となる。

平成12年12月、唯一青山通りを走る路線であったが、廃止された。

四80 四谷駅⇔赤坂アークヒルズ[都バスで東京発見]

四谷駅から外濠(弁慶堀)沿いを走って赤坂アークヒルズまでを結ぶ路線

四80 四谷駅⇔赤坂アークヒルズ(経由)赤坂見附 新宿営業所

路線keyword:赤坂アークヒルズ,迎賓館(赤坂御所),高級感,弁慶堀(外濠),一流ホテル


アーク森ビルやサントリーホール、全日空ホテル、テレビ朝日放送センター等が存在するインテリジェントシティー・赤坂アークヒルズと四谷駅とを結ぶ路線であり、赤坂アークヒルズが地下鉄の駅から離れていることもあって、平日にはビジネスマンや訪問客によって混雑する路線である。現在、付近の六本木二丁目交差点にて営団地下鉄南北線・東六本木駅の開設工事が行われており、完成すると四谷-溜池-東六本木-麻布-目黒と結ぶことから、その後の本系統の存在が気になる路線でもある。
バスは四谷駅の裏手から発車し、外堀通りに入って四谷見附交差点を直進する。右手には国賓を迎えるための場所であるベルサイユ宮殿のような赤坂迎賓館(赤坂御所の一部)を見ることができる。緑の多く茂る落ち着いた空間をバスは走っていき、左手にはホテルニューオータニの建物群が現れる。カーブと下り坂が続き、左手には外濠・弁慶堀と首都高速が平行に走っていく。
金属的な外観を持つ赤坂プリンスホテルが左手に現れると赤坂見附交差点となり、バスは右折して新橋方面へ走る。赤坂東急プラザ(東急ホテル)前を通り、溜池にて六本木通りに右折して六本木方面へと向かう。すると間もなく六本木の手前にて全日空ホテル(赤坂アークヒルズ)1階のバス・タクシープールへと左折し、終点赤坂アークヒルズとなる。
赤坂アークヒルズ内にあるサントリーホールは、クラシック音楽専門のホールであり、世界でも最大級のパイプオルガンが置かれている。毎晩(平日)流れている「ニュースステーション」もここから放送されている。

平成12年12月、大江戸線・南北線の開通により廃止された。

田70 田町駅東口(港区スポーツセンター)⇔新宿駅西口[都バスで東京発見]

新宿・青山・六本木・麻布十番・田町と結ぶ路線

田70 田町駅東口(港区スポーツセンター)⇔新宿駅西口(経由)六本木 新宿営業所

路線keyword:新宿(新宿通り),青山,六本木,麻布十番,鳥居坂の急坂狭路,神宮外苑・赤坂御所


 本路線は、三田付近にて三ノ橋経由と赤羽橋経由の2つのルートを持っており、それぞれ交互に半数ずつ走るダイヤとなっている。系統そのものは目立たない地味な印象を受けるが、改めてルートを見てみると新宿・青山・六本木・麻布(十番)と都内有数の繁華スポットを走っている路線である。
新宿駅西口のバスターミナルを後にすると、裾の広がった安田火災海上ビルの高層ビルを左に眺めて右折し、東へ向けて走る。JR線の大ガードをくぐり抜けると右折して新宿通りとなり、右手に幾つも立ち並ぶ大きな映画の宣伝看板を眺めて新宿駅東口前となる。左はスタジオアルタ前となり、待ち合わせをする人々でごった返している。
新宿駅より都心(東)方向へのバスは、歌舞伎町に接する靖国通りを走る路線がほとんどであるが、この田70系統と早77系統の早稲田行のみ、靖国通りより1本南側に位置する新宿通りを走っている。人々で賑わう新宿通りを丸井・紀ノ国屋本店・三越・伊勢丹等を眺めながら四谷に向けて走っていく。
新宿二丁目から四谷三丁目までは都03系統と同じルートを走る。四谷三丁目にてバスは右折し、外苑東通りへ入って南に進路を変える。右手に信濃町煉瓦館の煉瓦の建物が見えて信濃町駅前となる。
信濃町駅を出ると、右手には神宮外苑の森、左手に明治記念館が現れる。続いて右手には都営北青山一丁目住宅、左手に赤坂御用地の森となり、緑の多い区間を走る。カーブが続いて青山通りと交差して、青山一丁目駅となる。
南青山一丁目、赤坂八丁目の落ち着いた街並みを走り、営団地下鉄千代田線乃木坂駅を過ぎると、左手に防衛庁が現れる。そして、六本木となる。
六本木交差点にてバスは往路復路が分かれ、右前方の喫茶店「アマンド」の横にある一方通行路へ入って急な下り坂を走る。午後8時以降はこの鳥居坂交通規制のため、港区スポーツセンター行も新宿駅西口行と同様の六本木五丁目を経由するルートになる。坂を降りて鳥居坂下となり、高速道路の高架橋が見えて一ノ橋・麻布十番となる。麻布十番商店街は右手に1本入った道沿いに存在する。
一ノ橋交差点で往路復路が一緒になる。かつての新宿駅西口行は城南中学校より分かれて、麻布トンネルを抜けてUターンし、六本木通りに出て六本木交差点を左折するルートであったが、現在は一ノ橋より飯倉片町・六本木五丁目を通って六本木交差点を直進するルートになっている。
一ノ橋から芝五丁目までは、三ノ橋回りと赤羽橋回りの2つのルートが存在する。
赤羽橋回りの場合、一ノ橋交差点を直進し、左手に東京タワーを眺めながら、首都高速の高架橋に沿って中ノ橋を走り、赤羽橋にて国道1号線に右折する。この区間は道路拡張工事を行っており、用地買収の済んだ空き地と商売等を続けている一軒家がポツポツと並んでいる。後ろを振り返ると、東京タワーが道路の軸線上にドカンと立っている。そして、芝五丁目となる。
三ノ橋回りの場合、……未乗。
札の辻にて第一京浜を横切り、JR東海道線・新幹線等の線路を越えて芝浦地区へと入り、藻塩橋にて左折して田町駅東口となる。バスは一つ先の港区スポーツセンターにて終点となる。

 平成12年12月、都営地下鉄大江戸線の開通により廃止された。

橋63 大久保駅⇔新橋駅[都バスで東京発見]

官僚の街を垣間見て国会議事堂を正面から眺められる唯一の路線

橋63 大久保駅⇔新橋駅(経由)市ヶ谷駅・国会議事堂 小滝橋営業所

路線keyword:国会議事堂,永田町,霞ヶ関,日テレ,番町,外国(韓国)人街


新橋を出発すると虎ノ門方面に向けて正面に霞ヶ関ビルを望みながらバスは走る。日本石油の眩しいほど輝く黄金の「希望の像」を右手に見ると、バスは右折し日比谷通りに入る。左手に日比谷シティーが現れる。内幸町にて今度は左折し、右手には市政会館(日比谷公会堂)、都立日比谷図書館、その背後に日比谷公園が存在する。
ここから先は、日本の中枢を担っている中央官庁街・霞ヶ関となる。まず手始めに、通商産業省が左手に現れ、家庭裁判所、合同庁舎5号館(厚生省・労働省・環境庁・国土庁・社会保険庁)、農林水産省(食糧庁・林野庁・水産庁)が右手に現れる。続いて次の街区に移ると、左手には大蔵省と合同庁舎4号館(総務庁・経済企画庁・北海道開発庁・国税庁)、右手には外務省・科学技術庁・公正取引委員会の建物が現れる。春になると街路樹の桜並木が美しく咲き誇る。正面に目を移すと、国会議事堂の姿がいつの間にか現れていた。現在の国会議事堂は、昭和11年に内幸町より移転してきたものである。
バスは、高さ65mの中央塔を左手に眺めながら国会議事堂横を南から北まで走る。北端になるとバスは左折し、今度は国会議事堂の横顔を眺めながら、日本で出版された全ての本の納品を義務づけている国会図書館前を通り過ぎる。そして、自由民主党の本部が見えると永田町となる。第2次世界大戦前までは、陸軍参謀本部として知られていた場所である。
この先の交差点は、国の中枢機関への警備のために事ある毎に検問所が設けられる場所である。不審者(外宣車やデモ隊など)が国会や霞ヶ関方面に進入しようとするときは、アコーデオン式の門を素早く道路に引いて、不審者を入れさせないようにする。
バスは青山通りに入るが、すぐに右折する。この右折の仕方が、ひとつの見物である。ここには信号機が取り付けられておらず、運転手が手を上げながら交通量の多い片側3(4かも)車線の自動車を強引に停止させて右折する。大型バスでなければ出来ない芸当である。ここからは2車線(両側)の狭い道になって平河町となる。
麹町となって晴海通りを鍵型に走ってバスは直進し、坂を下って上って江戸時代にはお屋敷が建ち並んでいた番長界隈となる。4チャンネルの日テレ前を通り過ぎ(ズームイン朝で後ろにグリーンの都バスが通り過ぎるときがあるが、あれはこの路線です)、坂を再び下ると市ヶ谷駅前となる。路上駐車が多く道も狭いので、非常に運転しづらいところであろう。
お堀を渡って右左折を繰り返すと、再び2車線の道路となり、牛込界隈となる。この辺りの地図を眺めると、町名の整理が行われておらず、旧町名が数多く残っている地域であることが伺える。山手台地の下町らしい街並みが続いていく。
牛込北町で左折し大久保通りとなる。国際医療センター、総務庁統計局前、戸山町を通り過ぎ、明治通りと交差する。大久保2丁目を過ぎると韓国のハングル文字が多くなり、新大久保駅となる。この界隈は韓国人などの外国人街が形成されており、地元商店街でもどのようにコミュニケーションを図っていくかがテーマとなっている。
左手には新宿副都心の超高層ビルがちょっと見えて、中央線の赤と総武線の黄色の電車が見えると、終点大久保駅となる。ここまで約1時間の旅路である。

昼の六本木【東京考察#32】

Roppongi at daytime


六本木駅前

 


 やはり六本木は夜の街である。もう正午近いというのに、街の雰囲気はまだ「明け方」と言った感じである。六本木には外国人が多く出没するが、大使館関係の人などのお金持ちの外国人が多いように思う。また、テレビ局の多く存在する赤坂等の都心と芸能人の多く住む目黒・世田谷区の中間地点に位置する六本木は、必然的に芸能人も多く出没するスポットである。



六本木アマンド前


首都高速3号線と六本木交差点


路地裏の飲屋街

 

麻布十番商店街【東京考察#31】

Azabu-Juban shopping center

 

 「麻布十番」と聞くと六本木から鳥居坂を下ったところにあるため、芸能人御用達の飲み屋が並んでいて、敷居の高い街に思えるが、江戸時代から続く、下町情緒の残る商店街である。

麻布十番という名の由来にはいくつかの説がある。

1.延宝3(1675)年に江戸幕府が近くを流れる古川の改修工事を行った時、この地点を河口から10番目の工区とし表示の杭が後年まで残り地名になった
2.元禄11(1698)年に将軍綱吉の別荘を建設した時、舟運のため川さらいを行い、その人足の第10組をここから出したため。

地元では「十番」という呼び名が俗名として使われていたが、地番としては残っていなかった。昭和37年に「麻布十番○丁目」などという町名が復活したのである。
かつては地下鉄が通っておらず、唯一の交通機関は都営バスのみという交通不便な地域であったが、平成12年9月に営団南北線が12月に都営大江戸線がそれぞれ開通し、一気に便利になった。



営団麻布十番駅前


駅前のウエンディーズは若者のたむろの場


パチンコ屋もある


麻布十番温泉まである 大人1260円
泉質:重曹泉 効能:冷え性、ヒステリー、火傷、神経痛など


なんと、たい焼き屋まで・・・。


麻布十番の面白いところは、一本路地裏にいったところに、ちょっとした小さなお店(飲食店)が存在していることである。マンションの階段を上っていって4階のドアをあけると、個人で経営している多国籍料理店になっていたり、と歩いて見つけるのもまた楽しい。

黒10 目黒駅⇔東京駅南口[都バスで東京発見]

東京駅・芝・麻布十番・白金台を結ぶ路線

黒10 目黒駅⇔東京駅南口(経由)一ノ橋・御成門 目黒営業所

路線keyword:増上寺の三解脱門,赤煉瓦駅舎,麻布十番,芝


威風堂々とした街並みの広がる東京駅南口の東京中央郵便局の隣から、バスは出発する。左手に赤煉瓦駅舎を見ながら右折し、続いてはとバスのりばが現れる。正面突き当たりは新宿副都心に移転した都庁の跡地であり、現在は国際的な総合文化情報施設である「東京国際フォーラム(国際会議場)」の建物がほぼ完成し、開業に向けて準備が進められている。
左手に東京国際フォーラムを眺めて、馬場先門交差点にて日比谷通りに左折する。直進すれば二重橋となる。右手には馬場先濠と皇居外苑の緑が眺められ、重厚な明治生命館等のビルディングが現れる。首都東京を思わせる威厳ある景観が続く。日比谷交差点を過ぎると、左手に帝国ホテル、右手に日比谷公園が現れる。
日比谷通りを南へ走り、御成門を過ぎると左手が港区役所となって、右手に芝公園の緑が現れる。そして右手には、徳川家康が徳川家の菩提寺とした増上寺の真っ赤な三解脱門が突然現れる。古川を芝園橋で渡ってバスは右折する。右手には東京タワーが望める。芝園橋から古川橋までは都06系統と同じルートを走る。
古川橋を出るとバスは直進せず、「く」の字型に経路をとって魚藍坂下の停留所に止まる。桜田通りに入って、終点まで東98系統と同じルートを走る。清正公前で目黒通りに右折し、白金台の界隈を走って、駅ビル「サンメグロ」が現れると、終点目黒駅に到着する。

平成12年12月、都営大江戸線・営団南北線の開通により廃止された。

都06 渋谷駅⇔新橋駅[都バスで東京発見]

古川に沿って港区の交通不便な地域を走る都市新バス路線

都06 渋谷駅⇔新橋駅 (経由)天現寺橋・赤羽橋 目黒営業所

路線keyword:古川,麻布十番・広尾界隈,「○○橋」停留所のオンパレード,明治通り,グリーンエコー


渋谷-新橋間には、六本木・溜池経由の都01系統(グリーンシャトル)と天現寺橋・赤羽橋を経由する本系統の2路線が存在する。本路線はかつての橋85系統であり、交通不便な一の橋(麻布十番)などの地域を走ることから、乗客数の多い路線である。
新橋駅を発車すると、ゆりかもめ・東京臨海新交通の高架橋下から第一京浜(国道15号)を南に走っていく。都営地下鉄浅草線大門駅を通り、首都高速が上に覆い被さり、左手川面に屋形船の浮かぶ古川を金杉橋で渡って右折する。
バスはここから終点渋谷駅まで、古川(渋谷川)沿いをずっと走っていく。本路線の停留所の名前は古川に架かる橋名を付けたものが多く、半数近くが「○○橋」という停留所名になっている。古川は、新宿御苑の池を水源とする渋谷川、明治神宮内苑の南池を水源とする南の池川、代々木公園西側の宇田川がそれぞれ渋谷駅付近にて合流して渋谷川となり(渋谷駅から上流は全て暗渠となっている)、天現寺を通って青山墓地付近を水源とする川を合わせて古川となる。南麻布・麻布十番・三田・浜崎橋ジャンクション下を通って東京湾へ注いでいる。
左手に済生会中央病院が現れて赤羽橋、東京専売病院が現れて中の橋、古川を一之橋で渡って一の橋・麻布十番となりバスは左折する。古川も直角に川筋を変えて流れている。一の橋では営団地下鉄南北線の駅工事を行っており、将来は「麻布十番駅」として地下鉄が開業する予定である。(H12,9開業)
この辺りは地下鉄のアクセスの良くない地域であり、それ故に四方八方から多くのバス便が設定されている。一の橋を通るバスは6系統存在し、その行き先を全て挙げてみると、東京駅、新橋駅、田町駅、品川駅(品川車庫)、五反田駅、目黒駅、渋谷駅、新宿駅、四谷駅となり、多くのJR線の駅に向かうことができる。
麻布十番とは、延宝3(1675)年の幕府が古川の改修工事をしたときの十番目の工区であり、さらに後の将軍の南麻布の別荘建設に伴う工事で、この地域から十番組の人手を出したことから、十番と呼ばれるようになった。現在も麻布十番商店街は山の手の高級地にある下町的な商店街として麻布十番温泉と共に賑わっている。
二の橋・三の橋と過ぎて、古川橋にて明治通りに右折する。ここが明治通りの起点である。バスは古川と首都高速に沿って、四の橋、光林寺と走り、天現寺橋となる。道路拡張工事の進む広尾五丁目、広尾一丁目を過ぎて渋谷橋となる。東となって、沿道に飲食店等の商業施設が多くなると、明治通りの上下線が分かれて、その中央部分に都バスのターミナルが現れて、終点渋谷駅前に到着する。

虹01 浜松町駅⇔ 国際展示場駅(東京ビッグサイト)[都バスで東京発見]

浜松町駅から臨海副都心・お台場までレインボーブリッジを渡って結ぶ路線

虹01 浜松町駅⇔国際展示場駅(東京ビッグサイト)(経由)お台場海浜公園駅・船の科学館駅 目黒・深川営業所

路線keyword:レインボーブリッジ,お台場,臨海副都心,東京ビッグサイト,世界貿易センタービル


今や一大観光スポットとなってしまったお台場までを結ぶ路線である。お台場までのアクセスとしては新交通システムのゆりかもめが思い浮かぶが、この浜松町駅からのバスの他に、品川駅東口(レインボーブリッジ経由)、東京駅南口(銀座4丁目経由の快速バス)からそれぞれ運行されている。バスの方がすいていて座れるので、ゆっくり景色を見ることができるに違いない。
発車は世界貿易センタービル1階の高速バスターミナルから発車する。夜の発車を待つ高速バスがずらりと止まっている。
JR線のガードをくぐり、車を積んで寝台に乗れる列車の駅であるカートレイン浜松町駅を右手に見る。三宅島や八丈島・小笠原諸島への乗船口である竹芝桟橋で右に曲がる。新しくリニューアルされ、真新しい再開発ビルが建ち並ぶ。
運河を渡り、左手にレインボーブリッジが現れると、隅田川やお台場への水上バスのりばのある日の出桟橋となる。はとバスなどの大型観光バスが数多く停車している。
バスはお台場・船の科学館駅まで、ゆりかもめの高架にそって走っていく。大倉庫群の建つ芝浦埠頭を走り、レインボーブリッジにさしかかる。レインボーブリッジは2層構造となっており、上が首都高速道路、下が一般道路とゆりかもめとなっている。このバスは下の一般道路を走っていくのであるが、これらは橋への勾配やカーブのアプローチがとれないため、ぐるりとループ状に1周走って坂を上り橋にのっかるルートをとっている。左手にフジテレビ本社、天王洲アイルのビル群をみて、ぐるりと右回りに1周し、レインボーブリッジに入る。
非常に眺めはよい。といってもフェンスや橋の構造物で視界が遮られることもあるが、晴海埠頭や東京港が一望できる。江戸時代の砲台が配備されていたお台場が右手に見て、橋を降りるとお台場海浜公園駅となる。臨海副都心お台場の説明は別ページに譲る。
臨海副都心の近未来的な風景のお台場をぐるりと走り、逆三角形型の建物が右手に見えると東京国際展示場・ビッグサイトとなる。ここ止まりのバスが多い。そして、国際展示場駅となる。レインボーブリッジを渡るから「虹01」と名づけた系統番号は、なかなか洒落ている。

都01 渋谷駅⇔新橋駅[都バスで東京発見]

都市新バスの老舗、渋谷・六本木・溜池・新橋と結ぶ成績優秀模範路線

都01 渋谷駅⇔新橋駅(経由)六本木・溜池 渋谷営業所

路線keyword:渋谷,赤坂アークヒルズ,六本木・西麻布,霞が関ビル,新橋,車内混雑,
グリーンシャトル


現在では、日本各地で見られるようになり珍しい存在ではなくなったバスロケーションシステムであるが、バスの運行を適切に行うためにコンピュータによる運行管理を導入し、停留所にバスの接近表示や所要時間等を表示するバスロケーションシステムを、都バスで最初に導入(昭和59(1984)年設置)したのが本路線である。運行本数、乗客数ともに優秀であり、理想的なバス運行を行っている。沿線に西麻布・六本木などの繁華街、赤坂アークヒルズ・溜池・虎ノ門などの業務オフィス地域を抱え、渋谷・新橋からその地域までの地下鉄によるアクセスが不便であることなどから、本系統を利用する乗客が多い。渋谷から六本木へ行くには、このバスに乗るのが一番便利な行き方である。
渋谷駅バスのりばの足元には、整列乗車のために白のラインが描かれており、乗客の列の誘導を行っている。先発のバスの後ろには既に次発のバスが待機しており、バスが発車するとすぐに次のバスがやってくる。乗客も途切れることがなく、ポツリポツリとやってきて、座りたい人は列の最後尾に並び、急いでいる人は先発のバスに乗り込んでいく。バス停に貼り付けてある時刻表には、驚くほど数字がびっしりと並んでいる。
若者の街・最先端の流行を生み出す渋谷を出発し、青山通り(国道246号)を少し走って、そのまま六本木通りを首都高速3号線とともに直進する。お洒落な店が時々現れて、後ろへ過ぎ去っていく。南青山をバスは快走する。
西麻布にて外苑西通りと横切り、しばらく走ると六本木の中心・六本木交差点を通過する。夜ともなると人垣が途絶えることがなくなり、渋谷などと同様に24時間眠ることのない賑やかな繁華街である。各国大使館などの人々が居住する地域と近いこともあって、外国人の姿も多く目にする。
赤坂になると、右手に森ビル・サントリーホールなどがある赤坂アークヒルズのインテリジェント・シティーが現れる。そして、溜池交差点にて外堀通りに右折する。
左手が霞が関、右手が虎ノ門である。左手には特許庁が現れ、続いて日本初の超高層ビル・霞が関ビル(1967(昭和42)年オープン)が少し奥に現れる。国立教育会館・虎ノ門ホールと文部省が左手に見えて虎ノ門交差点となり、桜田通り(国道1号)と交差する。
虎ノ門を過ぎると看板を付けたビルディングが多くなり、後ろを振り向けば道路の軸線上に霞が関ビルが存在している。霞が関ビルがオープンした頃は周りには高いビルがあまりなく、目立った存在だっただろう。そして、JR線のガード下を通って右に曲がると、終点新橋駅の銀座口・汐留口側に到着する。

お台場(レインボータウン)【東京考察#1】

Odaiba (Rainbow Town)

写真
大観覧車と菜の花畑
Map

 


 今や「お台場」は東京の観光名所のひとつとなっており、国内はもとより海外からの観光客も足を運ぶところである。昨年には世界最大級の観覧車が完成し、ますますレジャーランド化しているお台場である。しかし、東京都が開発したこの臨海副都心、もともとは業務地区と居住地区と商業地区がバランス良く配置された都市を描いて計画されたものであるが、近年の不況により企業の進出が少なく、かつての「太陽に吠えろ」が放送されていた当時の新宿副都心(超高層ビルの立ち並ぶ地域、もとは淀橋浄水場であった)のように、だだっぴろい空き地がただただ広がる光景が見られ、出鼻をくじかれた感のする開発である。



フジテレビと空き地


ゆりかもめと空き地


 東京都の借金は臨海副都心開発によるものが大きなウエイトを占めている。なにしろ、インフラストラクチャーに非常にお金がかかっているのである。島内(お台場は建設残土等によって埋め立てられてできた島である)の道路下には地下鉄の規模とおなじような共同溝が網の目のように張り巡らされ、その中には電気・ガス・上水道・下水道はもちろん、ゴミ収集管なども埋設されており、ゴミは大きな掃除機のようなバキュームでゴミ収集場までパイプで吸い上げる方式がとられている。電柱はもちろん立っておらず、きれいな街並みが形成されているが、ヒューマンスケールで建物が配置されておらず、歩いて各施設をまわろうとすると、ちょっと歩き疲れる距離である。(つまり、机上で線を引いて計画された街なので、人間の生活する尺度・スケールで建物や道路(街路)の配置がされていないのである。この問題はお台場に限ったことではなく、世界の計画されて作られた都市(キャンベラやブラジリア、筑波学園都市など)でも同じことが人工都市の問題として議論されている)



空き地を利用して開催される有明フリーマーケット


ぞくぞくオープンする遊興施設(アクアシティお台場)


 業務・オフィスの進出が少ない代わりに、レジャー産業である室内テーマパークや13スクリーンの映画館、車のショールームなどが進出しているため、お台場がレジャーランドの様相を呈しているのである。そんな中で文化が育ち、土日には空き地を利用したフリーマーケット等が開催されている。入場料300円を取られるが、中に入ると、自動車の横で古着やおもちゃなどを地面に並べてセールしており、こんな汚いクツを誰が買うのかと思ってしまうものもあるが、貴重なブランドの品物なのだろうか、たぶん購入していく人がいるのであろう。古CDやプラモデル、茶碗などの食器類、いろいろなものが売られている。
このような都市景観を体験できることは、世界的にみても非常に希である。大きな建物と大きな空き地、ゆりかもめの新交通システムに乗って少し高い位置からこの両極端な街を眺めていると、つくづく異空間にいるような非現実的な感覚を体験することができる。あと20年も経つと、ニューヨークのマンハッタンのような地区に変貌しているのであろうか、今の新宿副都心が成熟したオフィス街になってきているように……。


夜の観覧車